TKOPEACENEWS
 1面 NO.107 2011.11.30

沖縄防衛局長の差別・暴言を糾弾し、新基地建設アセス提出を許さない。
さようなら原発1000万人署名を成功させ、脱原発社会をめざそう。

 11月29日付琉球新報朝刊は、前夜の非公式会合における沖縄防衛局長の発言を「「犯す前に言うか」と一面トップの大見出しで報道した。さらに、その発言に関連付けて95年9月の少女乱暴事件後の米太平洋軍司令官の「全くばかげている。私が何度も行っているように、彼らは車を借りる金で女が買えた」発言を引用し、県民・女性をさげすむ問題発言と報じた。この報道を端緒にマスコミは一斉に追随、局長は更迭に追い込まれた。 
 この報道をめぐってはそのあり方に、さまざまな議論がなされているが、今何より大事なことは、防衛省の沖縄担当責任者の発言に表された、政府・防衛省の沖縄に対する姿勢が顕著にかつ本質的な体質が示されたということである。局長更迭後、政府は謝罪しつつもアセスメントの評価書年内提出に変わりないとしている。県知事・県議会・名護市長・市議会が反対する中、差別的・権力的「国策」強要を断じて許すことはできない。平和フォーラムの呼びかけにこたえ、抗議打電行動や「12.15辺野古アセス反対・沖縄の民意を踏みにじるな集会」(18:30自治労会館)をともに取り組もう。

 さようなら原発1000万アクションの取り組みは、地域・職場で広がりを見せている。また、各地の自治体でも原発に頼らないエネルギー政策、まちづくり政策への転換が宣言され、その輪が広がっている。しかし一方で、これまでにしっかりとした基盤を築いてきた、「原子力ムラ」がそう簡単に崩壊するものではない。その反攻勢は徐々に、したたかに進んでいる。その攻勢を許すか許さないかが、わたしたちの運動にかかっている。再稼動の機を狙う動向にしっかりとした対峙が求められている。また、原発に依存する、依存せざるをえない自治体のまちづくりに対し、そこからの脱却と、自立への道筋をしっかりと示していく、政策提言も重要な課題である。11月4・5日に開催された「憲法理念の実現をめざす大会(第48回護憲大会)」(山形市)でも、初日のシンポジウムを踏まえ、分科会の中で国に依拠せざるを得ない自治体の財政構造とこれからの脱却、自立した街づくりの課題が議論された。アメとムチで国策を強要する中央政府に対し、市民の声に依拠して自治体政府が自立できる構造づくりが急務である。
 1000万署名の集約まで残すところ、3ヶ月となった。全国の状況は未集約であるが、まだまだ1000万人には厳しい道のりとなっている。まずは、再度それぞれの組織の再徹底と集約を進め、さらに地域・田団体等への拡がりをめざして行こうではありませんか。さようなら原発の諸行動は、3.11一周年にむけて、目白押しの状況である。東京の行動の山場は、2月11日代々木公園B地区での「大集会」において進めていく。各団体・個人のみなさんの積極的取り組みの強化を要請します。



平和で持続可能な社会を求めて
脱原発実現への9・19以降のとりくみ

 フォーラム平和・人権・環境(平和フォーラム)は、1124日に第4回運営委員会を開催し、平和で持続可能な社会を求めて「脱原発実現への9・19以降のとりくみ」を確認しました。以下その内容を転載します。


 2011/11/24
平和フォーラム第4回運営委員会

 9月19日の明治公園での「さようなら原発全国集会」は、予想を遙かに超える6万人の市民で、明治公園はもちろんのこと千駄ヶ谷の駅周辺まで埋め尽くされました。全国から多くの皆様に結集いただきましたことに、感謝を申し上げます。とともに、この問題に対する市民の関心の大きさのあらわれと考えます。
 「民主主義が動き出した」との朝日新聞の評もありますが、しかし、政治の現実は、私たちにとって極めて困難なものです。1954年に原子力の商業利用の予算措置がされ、原子力員会が動き出して以来、政財官と研究組織までを巻き込んだ政治の闇をつくり出し、原子力マネーに群がる「癒着」の構造をつくり出してきました。まだ、その核心に光が当てられたとは言えない状況です。脱原発の運動を、これまでの高揚感を持続させて、政府を「脱原発の宣言」まで、追い込まなくてはなりません。

 �明確な原発事故原因の追及
 政府の事故調査委員会が立ち上がっています。事故原因が津波による全電源喪失のみに起因するのか、それとも地震の揺れによって細管の破断などが起こっていたのかどうかは重要なポイントです。もし、津波以前に深刻な事態に陥っていたとすれば、地震動の大きさから言って原発の再稼働に及ぼす影響は甚大です。現在、原子力資料情報室においても専門家を集めた調査が進められています。結果を踏まえてのとりくみが求められます。

 �新規原発の阻止      
 特に工事の進行が進んでいる島根3号機(9割以上)、大間(3割以上)が当面の課題となります。上関原発も中国電力は計画断念を決定したわけではなく、今後の推移如何では工事の再開もあり得る情勢です。各関係市町村も計画の凍結を宣言したに過ぎません。新規原発計画阻止へのとりくみの強化が求められます。

 �再稼働の阻止
 定期検査中の原発は、ストレステストの実施が前提となります。原発の経年劣化などを考慮しないストレステストが有効とは考えられません。また、活断層などの新規知見や地震や津波の規模の想定など、検討すべき課題は多く、経済効率を優先しての再稼働に走ることは許されません。今冬、来夏においてもすべての電力会社管内で電力不足を起こさないですみます。

 �原子力政策大綱・原発コスト・電気料金・関連法人等の議論
 現在、政府内において「原子力政策大綱」の改定の議論が行われています。国家戦略室「エネルギー・環境会議」の中間的整理を基本に進められると思われますが、脱原発方針にはなっていないため今後の議論の推移を注視する必要があります。エネルギー・環境会議内の「コスト等検証委員会」の議論においても多くの費用が盛り込まれなかったりと、原発容認の意図が見えています。「電気料金制度・運用見直し有識者会議」の議論においても、総原価における意味のない宣伝費、政治献金、寄付金、また電気料金に上乗せされている電源三法交付金の使途、特に経産省・文科省の官僚の天下り先法人への支払いなど、厳しく見直されなくてはなりません。

�核燃サイクル計画の断念
 「もんじゅ」については、存廃についての議論が起きています。現在凍結をされている「もんじゅ」開発予算については仕分け作業にかかる予定です。ただし、地元関連企業や原子力研究開発機構職員の雇用問題、原子力研究の火を絶やすな等の主張も根強いものがあります。機構等の研究組織は福島原発廃炉や高レベル廃棄物の処理などの研究開発事業に移行すべきではないかと考えます。
 六ヶ所再処理工場については、もんじゅ以降の問題となります。新規原発の阻止のとりくみの中で、高速増殖炉、再処理問題と使用済み核燃料などバックエンド問題をきちんと議論すべきであると考えます。
 
 �プルトニウム利用と核拡散
 NPT条約加盟国の非核保有国の中で、日本は唯一再処理を行い「プルトニウム利用政策」を継続しています。石破茂自民党政調会長は、「核燃料サイクル計画は、各抑止力である」との見解を示しています。脱原発の方向を示した後、日本の保有する40トンを超えるプルトニウムは、きびしい管理が必要となります。広島・長崎の悲劇を経験した日本の核廃絶の主張が説得力を持つような政策の変更が求められます。
 
 �原発輸出政策
 国内での新規原発立地が見込めない代償措置として、原発輸出が官民一体となってもくろまれています。しかし、そのことによる利益は薄く、逆に投資リスクは非常に高いものとなっています。原発輸出は、発電所の建設、発電所の運転、技術者の要請など必要とする全てをパッケージとし、事故対策までも含むものとなります。政策変更や政権交代などによるリスク、技術的リスク、テロの標的などのリスク、その他多くのリスクが想定され、現在の施策で行けば官民ともに責任を負うこととなり、原発災害の補償に対しては日本政府の財政出動が必要とされます。企業進出に関連しての税金の支出を伴うことが予想されます。米国での新規計画断念やフィンランドのオルキルオト原発の建設費用の増大などは、そのリスクの典型であり、ドイツシーメンス社はそのことで原発事業から撤退しています。

 �原子力協定交渉      
 原発輸出方針の中で、ヨルダンとの原子力協定交渉は、立地予定地が砂漠の中にありその危険性から交渉断念の方向となっています。しかし一方で日本政府は、日印原子力協定交渉が再開しようとしています。インドは、核兵器保有国であり、NPT条約の未締結国です。日印原子力協定交渉は、核兵器廃絶を訴えてきた日本社会のあり方が問われることとなります。

 このような情勢を踏まえ、平和フォーラム・原水禁は、環境エネルギー政策研究所や原子力資料情報室と連携し、政府に対しての脱原発の方向へ政策転換をめざすようとりくみを進めていきます。
 一方で、高揚してきた脱原発の運動を(原水禁は「さようなら原発1000万人アクション」)国民的運動に持ち上げて行かなくてはなりません。そのことで、日本政府を動かしていくことが重要です。平和フォーラム・原水禁の運動の全力を挙げて、1000万人署名の成功を勝ち取って行かなくてはなりません。

 以上の情勢を基本に、平和フォーラム・原水禁は以下のとりくみを提起していきます。

(以下概要)

(1)1000万人署名の拡大のとりくみ
�各県での実行委員会の結成 ※署名の広がりを求めて
�署名の要請のとりくみ ※地域社会の企業、教育機関、商店、法人組織その他への勧誘とりくみ
�署名要請の駅頭行動の強化
�署名要請用紙、署名用紙、返信用封筒(原水禁あて)をセットで各集会で配布する。
�12月20日の第二次集約へ向けて徹底した署名のとりくみを提起

(2)1000万人アクションのとりくみ
�12月10日(SAT)
「がんばろう!さようなら原発1000万人
 署名」    日比谷野外音楽堂 
イベント 13:00~(パンタ:元頭脳警察)
集  会 13:30~
パレード 14:10~(~新橋東電前~常盤橋方面)
参加呼びかけ人  内橋克人 鎌田慧 その他
�2月11日(SAT)を中心とする日程
 「全国一斉さようなら原発1000万人署名アクション」(仮称)
現在予定されるとりくみ(立地県・各ブロックなど全国での開催を追求する)
   ・東京(2/11)代々木公園B地区
   ・北海道(2/18)札幌市内
   ・東海(2/11or3/1)静岡市
   ・北信越(2/11)柏崎市
   ・中国(2/11)島根県
   ・四国(2/18)松山市
   ・九州(2/11)佐賀県

�さようなら原発1000人アクション月間
 3月いっぱいを「さようなら原発1000万人アクション」のとりくみ月間として、結集する多くの団体の協力で、全国的にとりくみを行う。

�3月11日(SUN)
「さようなら原発福島県民集会」(仮称) 
会場 郡山開成山球場(予定)
・全国からは「福島応援参加」として、結集をはかる
※平和フォーラム・原水禁の全国活動者会議を、今年は3月11日にあわせて福島県内で行う。
・大江健三郎さんが参加する予定

�3月24日(SAT)
「さようなら原発1000万人署名集約集会」
・日比谷野外音楽堂 午後13時30分から
・署名集約集会とし1000万署名を達成する。
・呼びかけ人により署名の政府・議会提出を行う。

(3)「フクシマプロジェクト」のとりくみ

○「福島県平和フォーラム放射線測定室」の開設 
・場所:福島教育会館1F  
・所員:福島県教組などフォーラム関係のOB
 ・機材:ベクレルカウンター2台、発注済み(2月末納入予定)  
・研修:納入会社により機材運用の研修予定
・運営:福島県平和フォーラムに委託

○阿武隈川、新田川、真野川等の汚泥及び魚類の放射線測定調査(以後継続実施)
○福島県内の課題に関する政府要請(次回要請書の作成)
・住民の放射能被爆、・瓦礫や除染後の汚染土の処理、   
・子どもたちの教育、
・雇用、・食品の放射能汚染、・補償、・事故処理、・その他
○3.11福島原発事故以降の市民意識調査の実施
○福島事故処理に携わる労働者被曝問題への対応(全国安全センターとの連携)
○その他、福島原発事故における補償問題

(4)線量計カンパおよび岩波ブックレット購入・販売について

○「福島県平和フォーラム放射線測定室」の開設にために、ベクレルカウンター2台を発注。各県組織におけるカンパのとりくみの強化を要請する。
○岩波ブックレット�824「さようなら原発」(鎌田慧編)の購入販売の要請。
・これまでの「さようなら原発1000万人アクション」のとりくみと、賛同人のメッセージによって構成されている。

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