東京平和運動センター106-2

TKOPEACENEWS

　2面　NO.106　2011.10.25

諸行動の取り組み報告

　■辺野古新基地建設に向けた環境影響評価実施への抗議声明　　
　
　（２０１１．１０．１９　フォーラム平和・人権・環境事務局長　藤本泰成）
　
　日本政府は、沖縄県に対し、日米合意に基づく米軍普天間基地の移設先とされる名護市辺野古での「環境影響調査(環境アセスメント)」の評価書を、本年中に提出することを伝達しました。背景には、海兵隊グアム移転予算の承認のためという米国側の強い要請があるものと思われます。
　2009年9月の鳩山政権の誕生以来、普天間問題はその移転をめぐって大きく揺れることとなりました。その間、2010年1月には地元の名護市において移設反対の稲嶺市長が誕生しました。同年4月には10万人もの県民を集めて「米軍普天間飛行場の早期閉鎖・返還と、県内移設に反対し国外・県外移設を求める県民大会」が開催され、仲井真知事をはじめ高嶺県議会議長など超党派の結集が実現しました。しかし、鳩山政権は日米交渉の経過を全く明らかにすることなく、沖縄県民の期待を裏切り同年5月28日辺野古移設の日米合意を閣議決定しました。
　今年10月17日に沖縄を訪れた一川防衛大臣に対して、稲嶺名護市長は「辺野古移設を白紙に戻すために、日米合意の見直しの交渉を開始して欲しい」旨の要請を行っています。仲井真知事も県外移設を主張して再選を果たしたこともあり、沖縄県は辺野古移設を容認する方向にありません。辺野古移設の実現性がない中で関係閣僚が相次いで沖縄入りしていますが、問題の解決にはつながっていません。
　沖縄県民が強く反対し全く実現性のない中で、米国側の要求に基づいてアセスメントを進めることは、全く方向を誤った暴挙としか言いようがないものです。沖縄県民との真摯な議論もなく一方的に行われる環境影響調査の実施について、平和フォーラムは強く抗議するものです。
　民主党が、政権交代で主張した「率直に対話を行い、対等な(米国との)パートナーシップを築いていく」「日米地位協定の改訂を提起し、米軍再編や在日米軍基地のあり方等についても引き続き見直しを求める」と「中国、韓国をはじめ、アジア諸国との信頼関係の構築に全力を挙げる」などの「民主党INDEX2009」の外交・防衛政策に基づいて、沖縄県民の民意を誠実に米国に伝え、新たな時代の新たな安全保障への議論を始めることを、平和フォーラムは最も大切だと考えます。日本が、米国と中国の間に立ちながら、相互に信頼されうる外交・防衛のスタンスを決めることが、普天間問題解決の出発点であると考えます。
　日本政府が、米国の事情と圧力に臆することなく、信頼される誠実なスタンスをもって、沖縄県民・日本国民にはっきりと理解できる新たな交渉に踏み出すことを、平和フォーラムは強く求めるものです。

■三多摩平和運動センターの闘い

１０．１８横田基地の整理・縮小・撤去を求める三多摩集会に400名～１２．８不戦を誓う三多摩集会に結集を

　三多摩平和運動センターは、10月18日18時30分より、横田基地に隣接する福生公園で、400名が参加して「米軍再編・米軍と自衛隊の一体化に反対し、横田基地の整理・縮小・撤去を求める三多摩集会」を開催しました。

集会では、畑・三多摩平和運動センター議長の主催者挨拶、東京平和運動センターから長谷川議長が連帯挨拶を行いました。
　｢横田・基地被害をなくす会｣から青山副代表、厚木・横須賀などの基地反対の取り組みを進める、神奈川平和運動センターの小原事務局長が、それぞれの闘いの報告と連帯を訴えました。
集会後は、横田基地ｹﾞｰﾄに向かって力強くデモ行進を行いました。
　本集会の取り組みに続き、12月８日には、1941年の真珠湾攻撃の日に合わせて、「第31回不戦を誓う三多摩集会」を開催します。

■ＴＰＰ交渉参加を許さない取り組み

　環太平洋連携協定（ＴＰＰ）交渉参加をめぐり、11月12日～13日にハワイで開催されるアジア太平洋経済協力会議（ＡＰＥＣ）に向け、政府・民主党内で検討が進められ、11月上旬を目途にとりまとめがおこなわれようとしています。しかし、この間、ＴＰＰ交渉の内容についてはほとんど明らかにされず、国民的論議も全く行われてきませんでした。17日に政府が示したＴＰＰの影響が懸念される分野として、医療や食の安全、金融、公共事業の入札条件などがあげられていますが、その詳細は不明です。
　平和フォーラムはかねてからＴＰＰ参加については、国内農業への打撃だけでなく、食料自給率の大幅低下、環境や地域経済への影響、農業以外の様々な分野への影響、中国など東アジア諸国との関係への影響、世界のブロック経済化への懸念などの観点から、慎重な対応を求めてきました。
　こうしたことから、平和フォーラムは関係団体とも連携し、行動を進めます。

（１）ＴＰＰ交渉参加に反対する国会議員要請活動
　　　　　（全農林労組）
（２）全国農民組織連絡会議主催の中央行動
　11月１日（火）10：30～15：30
　　午前中─衆議院第２議員会館前で座り込み行動（10：30～12：00）
　　午後─参議院議員会館１階101会議室で院内集会（12：30～14：00）
　　日本経団連に対する要請行動（14：30～15：30）

■ＪＣＯ臨界事故12周年集会

　１９９９年９月３０日に起きた東海村の核燃料加工会社「ジェー・シー・オー（ＪＣＯ）」の臨界事故から１２年。社員２人が死亡し、住民ら６６６人が被曝し、３０万人が屋内退避した事故でした。事故の記憶の風化に抗して「ＪＣＯ臨界事故集会」を毎年原水禁や原子力資料情報室などの４団体で開催してきました。今年は１０月２日、水戸市内の「自由広場」で行い、５００人が参加しました。集会には福島からも駆けつけ、関東各地からも多くの参加者が集まりました。　集会では、地元あいさつの中で茨城平和擁護県民会議の川口玉留会長が、「ＪＣＯ臨界事故の教訓が福島でいかされなかった」、「東海第２原発の運転再開を認めるわけにはいかない」と訴えました。

　福島の双葉地方原発反対同盟代表の石丸小四郎さん　宮城からは、女川原発も一歩間違えれば福島と同じような状況を招いていたことが報告されました。さらに地元の相沢一正・東海村村議からは、「東海第二原発廃炉」の意見書を可決した取手市の流れを県下の自治体に拡げて行くことなどが訴えられました。　

　最後に集会アピールを採択して、ＪＲ水戸駅前まで、「臨界事故を忘れない」「原発はいらない、子どもたちを守れ」とシュプレヒコールを上げながら、デモ行進しました。　なお、この集会に対して東海村の村上達也村長からのメッセージが寄せられました。その中で村上村長は、原子力の繁栄は「一炊の夢」として、「人の命を超える国策などあってはならない」と痛烈に現在の原子力政策を批判し、「脱原発」の姿勢を鮮明にしました。（原水禁国民会議報告から）

■原子力空母配備撤回を求める神奈川集会

　米原子力空母ジョージ・ワシントン(ＧＷ)が米海軍横須賀基地に配備されて丸３年となった９月25日、母港化撤回を求めて横須賀市のヴェルニー公園で「空母母港化38周年・原子力空母ジョージ・ワシントン横須賀母港化３周年抗議、原子力空母配備撤回を求める神奈川集会」を、神奈川平和運動センターと三浦半島地区労の主催、平和フォーラム・全国基地ネット・平和センター関東ブロックの共催で開催。集会には沖縄をはじめ全国から1900人（東京からも200）が参加しました。
　主催者を代表して神奈川平和運動センターの宇野峰雪代表のあいさつ、つづいて平和フォーラムの藤岡一昭副事務局長が中央団体あいさつ、全国基地問題ネットワーク事務局長の山城博治沖縄平和運動センター事務局長の連帯あいさつが行われました。また、集会には、福島みずほ社会民主党党首もかけつけ連帯のあいさつ。そして、横須賀現地の母港問題市民の会共同代表の呉東正彦弁護士と厚木基地現地の藤田栄治厚木爆同委員長・第四次厚木爆音訴訟団長の現地報告などを受けた後、集会アピールを採択しました。集会後には、参加者が同公園から米海軍横須賀基地前などをデモ行進しました。

今後の取り組み

■狭山事件の再審を求める闘いが大きな山場　12.1狭山市民集会(日比谷野音)

　９月28日東京高裁で狭山事件の第８回三者協議（裁判長・検察・弁護団）が開かれました。
弁護団は今年２月、３月、５月と証拠開示勧告申立書を提出し、捜査書類の開示を求めてきましたが、第７回三者協議(７月13日)で検察は証拠開示に応じませんでした。弁護団は09年12月の東京高裁の証拠開示勧告以降の協議の積み重ねを反故にするものと、検察を強く批判、裁判長もこれまでの流れを踏まえて再検討を促しました。
　検察は９月26日付意見書でスコップの指紋報告書など弁護団が開示を求めた証拠を｢不見当｣(見当たらない)と回答。弁護団は三者協議で「不見当｣だけでは納得できないとして、合理的説明を求めるとともに、関連証拠の開示を求めました。裁判長も検察に検討を促しました。
　次回三者協議は12月に予定されます。検察の不当な証拠隠しを糾弾し、徹底した証拠開示と事実調べを求め、再審実現と無罪確定にむけて、取り組みの山場を迎えています。

　　　　　　集会名称　狭山事件の再審を求める市民集会　(日比谷野外音楽堂)
　　　　　　日時　12月1日(木)　１３：００から１４：３０(集会後デモ)

■狭山東京実行委員会第17回総会
　　　　　　12月19日(月)　１５：００から

■ 第31回不戦を誓う三多摩集会
　12月８日(木)　　１８：３０から
　　　　　立川市民会館小ホール
　　講演　「原爆と原発―広島、長崎、ビキニ、フクシマから学ぶ」
　　　　　　豊崎　　博光　氏　（フォトジャーナリスト）

今　後　の　日　程

11月1日　　　　全国農民組織連絡会議主催の中央行動（ＴＰＰ）
11月４～５日　　山形護憲大会
11月19日　　　「食の安全・市民ホットライン」シンポ（13:00～総評会館）
11月21日　　　　日朝国交正常化連絡会全国総会（16：00～総評会館）
11月27・28日　　関東ブロック総会(立川)
12月１日　　　　狭山市民集会（13:00～日比谷野外音楽堂）
12月１日　　　　ＴＰＰ問題と安全保障学習会（14:00～総評会館）
12月３日　　　　もんじゅを廃炉へ！全国集会(福井・敦賀市)
12月３日　　　　朝鮮高校無償化を求める集会（18:30～大田区民ホール）
12月７日　　　　取り調べの可視化を求める集会(東京・弁護士会館クレオ)
12月９日　　　　1000万人署名行動(18：00錦糸町駅頭)
12月12日　　　　国境問題と安全保障学習会（14:00～総評会館）
12月16日～17日第43回食とみどり、水を守る全国集会(名古屋市)
12月19日　　　　狭山東京実行委員会総会　(15：00　田町交通会館)

　編集後記

　朝夕は、一段冷え込みが増してきました。
　冬の季節を感じながら、山積する課題に一つ一つ取り組むための、一歩を進める努力が求められています。
　1000万人署名も、もうひと踏ん張りが大事となっています。原発・基地・ＴＰＰなどなど、政権が国民の方を向くのか、経済界やアメリカのほうを向くのか、わたしたちの力を見せつけたいものです。

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