人事委員会

平成10年(不)第3号懲戒戒告処分事案

第16回口頭審理調書

2000年11月14日(火)


(Web管理者記)

┌────────────────────────────────────┐ │         第 16 回 口 頭 審 理 調 書         │ ├───────────┬────────────────────────┤ │ 事 案 の 表 示 │   平成10年(不)第3号事案        │ ├───────────┼────────────────────────┤ │ 請   求   人 │   竹永 公一                │ ├───────────┼────────────────────────┤ │ 処   分   者 │   埼玉県教育委員会             │ ├───────────┼────────────────────────┤ │ 期       日 │   平成12年11月14日          │ ├───────────┼────────────────────────┤ │ 場所及び公開の有無 │ 埼玉県庁  第三庁舎  講堂   公 開   │ ├───────────┼────────────────────────┤ │ 開会及び閉会時刻  │ 午後2時31分開会   午後3時59分閉会  │ ├───────────┼────────────────────────┤ │           │ 委 員 長   坂 巻  幸 次       │ │ 審 理 委 員   │ 委   員   久保木  宏太郎       │ │           │ 委   員   渡 邉  圭 一       │ ├───────────┼────────────────────────┤ │           │  事務局長   加村 トク江         │ │           │  次  長   渡辺  三男         │ │ 審理事務補助職員  │  主  幹   吉野   昇         │ │           │  主  査   小山   堅         │ │           │  主  任   高田  裕之         │ │           │  主  事   海野  直子         │ ├───────────┼────────────────────────┤ │           │ 請求人側                   │ │           │  請求人 竹永公一              │ │           │  代理人 桜井和人  中山福二  堀 哲郎  │ │           │      佐々木新一 鍛治伸明  池永知樹  │ │           │      岩下豊彦  谷村勝彦  和田 茂  │ │ 当事者の出席状況  │      竹下里志  林  哲  宮良敦子  │ │           │                        │ │           │ 処分者側                   │ │           │  代理人 鍛治 勉  飯塚 肇  白鳥敏男  │ │           │      清水 憲  根岸 玲  赤松峰親  │ │           │      桝澤 智  桐生貞雄  和田幸男  │ │           │      伊東良男  芹川真澄  國分昌彦  │ │           │      松田敏男  古川治夫        │ │           │                        │ │           │ 証 人  遠藤孝一              │ │           │                        │ ├───────────┼────────────────────────┤ │ 審理の記録     │       別 の と お り        │ ├───────────┼────────────────────────┤ │ 付属書類      │         な   し          │ └───────────┴────────────────────────┘ ------------------------------------(01)------------------------------------        平成10年(不)第3号事案 第16回公開口頭審理 平成12年11月14日(火曜日) 午後2時31分開会 ○委員長(坂巻) ただ今から、平成10年(不)第3号懲戒戒告処分事案第16回    口頭審理を行います。     人事委員会としては、不服申立て制度の趣旨のもとにこの審理を進めてまい    りますので、当事者及び代理人におかれましては、秩序ある審理が行われます    よう御協力願います。     また、傍聴人の方も、不服申立て制度の趣旨の理解の上で、静粛にお願いい    たします。     なお、審理に際しまして、3点ほど注意事項を申し上げます。     両当事者の発言は、速記者が記録を取っておりますので、その都度、名前を    言って発言をしてください。     録音機の使用や写真撮影を行うことは禁止いたします。     傍聴人は、傍聴券の裏に記載されてある傍聴規則を守ってください。特に、    審理関係者の発言に対して批評や野次を加えたり、拍手をしたりすることは慎    んでください。     また、審理進行の妨げになるので、場内では携帯電話やポケットベルのスイ    ッチは切ってください。     これらを守らない傍聴人には退場していただくこともありますので、御注意    ください。     それでは、前回口頭審理以降提出された書証の確認をいたします。処分者側    の方から本日付けで、書証認否書が出ております。写しは、請求人例の方に渡    っていると思いますが、よろしいですか。 ○請求人代理人(中山) はい。 ○委員長(坂巻) それでは、証人尋問ですが、前回に引き続きまして、処分者側か    らの申請に係る、遠藤孝一証人の証人尋問を行います。     処分者側、尋問時間は、どのぐらいですか。 ○処分者代理人(飯塚) 30分前後を予定しています。 ○委員長(坂巻) 30分前後ね。     その後、請求人側からは、……。 ○請求人代理人(中山) 多少は。 ○委員長(坂巻) それでは、証人の宣誓につきましては、前回の審理で行いました    宣誓の効力がいじされておりますので行いませんが、良心に従い真実を述べて    いただくことになっておりますので、御注意申し上げます。     それでは、証人席に座ってください。       〔遠藤証人 証人席に着く〕 ○委員長(坂巻) 処分者側代理人からどうぞ。 ○処分者代理人(飯塚) 処分者代理人の飯塚からお尋ねします。     まず、録音テープの件についてお伺いします。     証人は前回、入学許可候補者説明会の録音テープを聞いたかどうか、記憶が    ないと述べていますけれども、その記憶の点については今はどうですか。 ○証人(遠藤) 今も、聞いた記憶はありません。                  ―1― ------------------------------------(02)------------------------------------       〔乙第30号証を示す〕 ○処分者代理人(飯塚) 5ページの第5項を御覧ください。     第5項の2行目に、「テープの内容から事故であると校長同様、私も確信を    持っていました。」という記載がありますよね。 ○証人(遠藤) はい。 ○処分者代理人(飯塚) これはですね、証人も録音テープを聞いたという意味では    ないんですか。 ○証人(遠藤) 違います。 ○処分者代理人(飯塚) それではどういう意味ですか。 ○証人(遠藤) 説明会の当日、私ももちろん体育館にいたわけです。校長、それか    ら室長、管理職3人いました。で、私は、請求人の発言を聞いて、困ったなと    思ったと同時に、これは事故かなというふうに思ったわけです。     その後、次の日だったと思うんです。校長がテープを聞いたということで、    内容について説明がありました。それで私も、テープから、校長同様、事故で    あると確信したというようなことで書いたわけです。 ○処分者代理人(飯塚) 校長からは、テープの内容についてどのような説明を受け    ましたか。 ○証人(遠藤) 特に、請求人の発言内容の、いわゆる入学を祝う会のみを行いたい    という前後ですね、そこの説明を受けました。 ○処分者代理人(飯塚) 発言内容について説明を受けたということですか。 ○証人(遠藤) そうです。       〔乙第1号証 職員事故報告書を示す〕 ○処分者代理人(飯塚) 証人は、この事故報告書を作成する際に、校長から相談を    されたり、意見を聞かれたことがありますか。 ○証人(遠藤) あります。 ○処分者代理人(飯塚) どういう事柄について、相談を受けたり、あるいは意見を    聞かれたんでしょうか。 ○証人(遠藤) やはり、請求人の発言が事故かどうかというようなことですね。そ    れと、1学年団として、当日プリントを配っています。それを校長がやめるよ    うにということを請求人に言ったわけですね。まあ拒否されて、それは結果的    には配られてしまったというようなこと、その2点、相談だとか意見を聞かれ    ました。 ○処分者代理人(飯塚) それに対して、証人はどのように回答したんですか。 ○証人(遠藤) やはり、証言の、その説明会による、請求人の発言ですね、事故じ    ゃないでしょうかということです。それから、配布された文書、これは、ある    意味では内部的なことかなと私は判断しまして、やめるようにということで言    ったわけですけれども、それを拒否して、校長の指導にもかかわらず配られた    ということなんですけれども、それについては校長の判断に任せるということ    だったと思います。 ○処分者代理人(飯塚) 事故報告書については、証人の内容を確認した上で作成さ    れたんでしょうか。 ○証人(遠藤) はい。確認してます。                  ―2― ------------------------------------(03)------------------------------------ ○処分者代理人(飯塚) それでは次、職員会議録についてお伺いします。     ちょっと数が多いんですが、10通示します。     まず、乙第16号証、乙第5号証、。乙第21号証、乙第6号証、乙第7号    証、以下、番号だけ言います、8考証、9考証、15号証、28号証、29号    証。     以上10通です。ちょっと御覧ください。     〔乙第5号証ないし乙第9号証、乙第15号証、乙第16考証、      乙第21号証、乙第28号証及び乙第29号証を示す〕 ○処分者代理人(飯塚) これらは、いずれも所沢高等学校の平成9年度の職員会議    録ですね。 ○証人(遠藤) 間違いありません。 ○処分者代理人(飯塚) これら10通の職員会議録には、所沢高校の平成10年度    の入学式、又は入学を祝う会に関する、関連する事項が記載されたり、あるい    は資料が添付されています。     証人は、これらの会議録は承知していますか。 ○証人(遠藤) 承知しています。 ○処分者代理人(飯塚) これらの会議録の中に、追加箇所を表示して、内田という    印と、遠藤という印が押印された、校長発言内容の追加記載文がありますけれ    ども、これらの追加記載文は、内田校長と証人が記載したものに間違いありま    せんか。 ○証人(遠藤) 間違いありません。 ○処分者代理人(飯塚) それから、これらの職員会議録に添付されている資料があ    りますが、ちょっと見てください。       〔職員会議録添付資料を示す〕 ○処分者代理人(飯塚) それらの資料は、職員会議に実際に提出された資料に間違    いありませんか。 ○証人(遠藤) 間違いありません。 ○処分者代理人(飯塚) 続いて、所沢高校の平成10年度入学式に関することにつ    いてお伺いします。     前回、証人は、校長は平成9年10月23日に、平成10年度の入学式を行    うという意思表示をし、決定したというふうに思っている、という趣旨の陳述    をしていますけれども。 ○請求人代理人(中山) ちょっと異議あり。今の正確ですか。 ○処分者代理人(飯塚) 趣旨です、趣旨。調書の9ページを引用して言っておりま    す。 ○請求人代理人(中山) 引用して言ってもらった方がいいですね。趣旨、まとめら    れると不正確です。 ○処分者代理人(飯塚) そうですか、じゃ、そのとおり読みましょう。      〔前回口頭審理調書9ページを示す〕 ○処分者代理人(飯塚) 丸印のついている、上から7番目の陳述部分です。そこの    最後の2行に、証人は、「本当は10月の23日に、入学式を行うという意思    表示をしている、決定したんだというふうに思っております。」というふうな    記載がありますね。 ○証人(遠藤) はい。 ○処分者代理人(飯塚) 証人がここで述べたように思っていることは、間違いない                  ―3― ------------------------------------(04)------------------------------------    んですか。 ○証人(遠藤) 間違いありません。 ○請求人代理人(中山) ちょっと待ってください。異議あります。     このあたりはですね、前回の証言は、こちら側から見ると2転3転してまし    て、前後をもうちょっと読んでいただきたいんですよ。その前は、1月16日    と言って、また10月23日、また1月16日になるんですね。だから、その    部分だけ示して尋問すると、また不正確なことになっちゃうんじゃないでしょ    うか。 ○処分者代理人(飯塚) その点がはっきりしていないので、今尋問しているわけで    す。続けさせてください。     その点はよろしいですか。証人の最終的な認識としては、今示した部分のよ    うに思っているということは間違いないんですか。 ○証人(遠藤) 間違いありません。       〔乙第5号証を示す〕 ○処分者代理人(飯塚) 2枚目の本文の4行目、御覧ください。     そこに、追加記載文として、「・入学式をやってください。」と記載されて    いますね。 ○証人(遠藤) はい。 ○処分者代理人(飯塚) そこでは、入学式を行う旨を決定したというふうな記載に    はなっていませんが、今、証人が認識していることと、この記載との関係は、    どういうことになるんですか。 ○証人(遠藤) 決定したとか決定するとかという、言葉であるとか、文言がそこに    あるとか、そういうことではないということを、この前、反対尋問でも申し上    げたと思うんです。入学式をやってください、入学式をやらないことは認めな    いということは、校長が決定したことです。これは意思の提示ということです    か、先生方の方へ示していることです。 ○処分者代理人(飯塚) そうしますとね、内由校長が入学式を行うことを決定した    という、そういうことはどこに示されていますか。あるいは、ここに示されて    なくて、それ以外に言葉で言ったことですか、どちらでしょう。 ○証人(遠藤) 「・入学式をやってください。入学式をやらないことは認めない。」    という、この一連の文章で、入学式をやるという、校長が決定しているという    ことは、十分かなと、私は思っているわけですけど。 ○処分者代理人(飯塚) 証人は、前回の請求人代理人の反対尋問において、当日の    職員会議で、校長は入学式を行うと決めたとか、決定したという言葉を口に出    していないという趣旨の答えをしていますけれども、そのこととの関係、その    ことと今あなたがおっしゃったこととの関係はどうなりますか。 ○証人(遠藤) どこの学校の校長でも同じだと思いますけれども、決定したとか決    めるという表現は、教育現場では、私はないんじゃないかと思っています。そ    ういうことで、ここに書いてあるような表現になるということです。     反対尋問では、そういうことを決定したとか決定するとか、書いてあるのか    っていうんで、書いてないということを申し上げたと思います。 ○処分者代理人(飯塚) 内田校長のですね、入学式を行うかどうかについての態度    としまして、この10月23日は、内用校長は態度を保留したという人もいる                  ―4― ------------------------------------(05)------------------------------------    んですけれども、そのことに関して、証人は何か思うことはありますか。 ○証人(遠藤) 入学式については、保留したことはありません。     卒業式については、保留したことがあります。これは平成9年の9月11日    でしょうか、突然です、これは。生徒会係が、1案2案という大きな案を二つ    出したきたんですけれども、1案が、卒業式は行わないと。2案として、これ    はあれですね、門出式の形式を変更して卒業を祝う会を行うというような部分    ですね。これが出たときに校長は保留しています。      〔乙第13号証を示す〕 ○処分者代理人(飯塚) 今、証人が言ったことは、この職員会議録には記載されて    いますか。 ○証人(遠藤) 2ページの2の2項目と3項目のあいだでしょうか、マル長として    載っている部分の一番最後ですけれども。 ○処分者代理人(飯塚) 2項というと、議題のナンバーの2という意味ですね。 ○証人(遠藤) そうですね、はい。 ○処分者代理人(飯塚) それの最後の、2項の最後の行でしょうか。 ○証人(遠藤) 行です。 ○処分者代理人(飯塚) それに対して校長は、後で何か態度を決定したんでしょう    か。 ○証人(遠藤) すぐ次の職員会議から、かどうかは分からないんですけれども、    10月の9日ですね、「卒業式という形式をとっていただきたい」というよう    なことです。そういう発言があったと思います。       〔乙第15号証を示す〕 ○処分者代理人(飯塚) 今証人が述べたことは、この会議録に記載されていますか。 ○証人(遠藤) やはり2ページの……。 ○処分者代理人(飯塚) 2枚目。 ○証人(遠藤) 2枚目ですね。2枚目のちょうど真ん中よりちょっと上のへんです    ね。『卒業式』という形をとるべきである。」ということを、はっきり、これ    は述べています。 ○処分者代理人(飯塚) それが校長の態度決定だということですか。 ○証人(遠藤) そうですね。卒業式に対してはそうだと思います。 ○処分者代理人(飯塚) 結論として、内田校長はですね、平成10年度の入学式を    行うかどうかについて態度を保留したことはあるんでしょうか、それともない    んでしょうか。 ○証人(遠藤) 入学式については、1回も保留したことはありません。      〔乙第6号証を示す〕 ○処分者代理人(飯塚) 証人は前回の請求人代理人の反対尋問で、平成10年1月    16日の職員会議でも、校長は入学式を行うと決定したとか決めたという言葉    を口に出していないという趣旨の答えをしていますけれども、事実はそのとお    りですか。 ○証人(遠藤) 決定したとか決定するとか、そういう文言はありません。 ○処分者代理人(飯塚) 内田校長は、その入学式に関しては何も述べてないんでし    ょうか。 ○証人(遠藤) これは何ページでしょうか……。                  ―5― ------------------------------------(06)------------------------------------ ○処分者代理人(飯塚) 一番上から数えてください。 ○証人(遠藤) 4ページになると思います。その一番、マル長の下から2行目でし    ょうか、「・入学を祝う会の前に入学式を行う。時間調整をしてもらいたい。」    ということで、はっきりここに明記してあります。 ○処分者代理人(飯塚) こういう発言をしたことは間違いなんですか。 ○証人(遠藤) 間違いありません。 ○処分者代理人(飯塚) これはどのような意味の言葉ですか。 ○証人(遠藤) 既に、入学式を行うということを校長は決めていたわけですね。こ    の日に、時程の入った入学を祝う会の案が出されました。その案のとおりだと    入学式ができなくなってしまうんですね。そういうことで、入学を祝う会の前    に入学式を入れてください、それから時間調整もお願いします、という内容だ    ったと思います。 ○処分者代理人(飯塚) ここに書いてある、「・入学を祝う会の前に入学式を行    う。」というふうに内田校長が述べたのは、このときが初めてですか。 ○証人(遠藤) そうです。 ○処分者代理人(飯塚) 内田校長は、なぜ、そのときにそのように述べたんですか。 ○証人(遠藤) 入学を祝う会を校長が反対したことはありません。ただ、入学式を    入学を祝う会に代えることはできないということで言ってきたわけです、述べ    てきたわけです、一貫して。それで、新入生に、入学式と入学を祝う会、両方    で歓迎してやりたいという趣旨だと思います。 ○処分者代理人(飯塚) そうしますと、これは両方行うことを決めたということで    すか。 ○証人(遠藤) そうなると思います。       〔乙第7号証を示す〕 ○処分者代理人(飯塚) その中の5枚目、「平成10年度入学式について」という    文書についてお尋ねします。     証人は前回、この文書に、入学式を行うことを決めているか決定していると    いう言葉がありますかという請求人代理人の質問に対して、ここのところの文    面では、ないようですね、と答えていますが、記憶がありますか。 ○証人(遠藤) あります。 ○処分者代理人(飯塚) 校長は、実際はそのときどのような発言をしたんでしょう。 ○証人(遠藤) 今の5枚目でしょうか、「平成10年度入学式について」という文    書を出しています。その2項目、「平成10年度入学式は、学校行事として体    育館で行う。」という、入学式を決定しているということが入っています。     それから3項目、そこに、入学式を行うための時程が入っています。     この二つから、校長は、入学式を行うという決定を、決定したものを記載し    たものだというふうに思っています。 ○処分者代理人(飯塚) そうすると、この点に関する前回の証言と、今おっしゃっ    たことは、どういうことですか。 ○証人(遠藤) あくまでもあれですね、先ほど申し上げたんですけれども、決定す    るとか決定したとかという文言はないんですけれども、ここではっきり、入学    式は行うんだということを、再度ですけれども、何回目かもう、その都度言っ                  ―6― ------------------------------------(07)------------------------------------    てますけれども、明言したものであるというふうに思います。 ○処分者代理人(飯塚) そうすると、決めたとか決定したという言葉自体はないけ    れども、そういう意思決定をしているんだという趣旨ですか、これは。 ○証人(遠藤) はい。そのとおり思っています。       〔乙第8号証を示す〕 ○処分者代理人(飯塚) 4番目、御覧ください。     4番目の下のほうに、マル長とありまして、「・平成10年度入学式資料の    通りお願いしたい。」。それからその下に、その2行下ですね、「・入学式を    やりたい、お願いする。」。それから、そこから4行下に、「後日、またいろ    いろ御意見を伺いたい。」というふうな記載がありますが、これらはどういう    ことですか。 ○証人(遠藤) これについては、入学式を行うことは校長として決定しているわけ    ですけれども、そろそろ、もうこの時期、入学式を具体的なものにしていかな    いと、具体的なものにしていかなければいけないということで、役割分担等を    出しています。資料も後ろに載っていると思いますが。そういうことで、役割    分担のとおりよろしくお願いしますとか、あるいは時程ですね、時程を、入学    式のできるように入学を祝う会を考えてほしいという、大きな2点からこうい    うふうにお願いのようなかたちが出ていると思います。 ○処分者代理人(飯塚) 言葉だけからしますと、職員会議で入学式をやるというこ    とを認めてくれないので、なんかお願いしているような言葉なんですけれども、    言葉からするとね。そういう意味ではないんですか。 ○証人(遠藤) そういうことでは、これは、ありません。 ○処分者代理人(飯塚) それは、今証人がおっしゃったことは、どういったことか    らそういう趣旨だったと分かりますか。 ○証人(遠藤) 5ページでしょうか、今渡された、2月12日の職員会議録、資料    がそこにありますけれども、「平成10年度入学式について」ということで役    割分担が入っています。特に、入学式を、管理職3人いるわけですけれども、    3人ではなかなかできないんですね。そういうことで、この役割分担に沿って    お願いしたいと。それこそお願いしたいということで、校長は述べたと思いま    す。 ○処分者代理人(飯塚) そうすると、校長の発言はね、この「平成10年度入学式    について」という添付資料に関する発言だということですか。 ○証人(遠藤) そうですね。間違いありません。      〔乙第9号証を示す〕 ○処分者代理人(飯塚) 4枚目を御覧ください。本文で、四角の中の本文の、下か    ら7行目から8行目にかけて、校長の発言として、「是非、入学式をやって祝    う会をする。ということで再考して頂きたい。」という記載がありますが、校    長は実際、当日の職員会議においてこのような発言をしたんでしょうか。 ○証人(遠藤) ちょっと資料を今、見落として……何枚目でしょうか、もう1回お    願いしたいと思います。 ○処分者代理人(飯塚) もう1回言います。4枚目です。ちょっと開けてください、    4枚目。下から、本文の四角の中ね、本文の下から7行目から8行目にかけて    です、ここからですね。                  ―7― ------------------------------------(08)------------------------------------     もう1回言いますね、そこに、「是非、入学式をやって祝う会をする。とい    うことで再考して頂きたい。」という記載がありますね。 ○証人(遠藤) はい。 ○処分者代理人(飯塚) 校長は実際、当日の職員会議でそのような発言をしたんで    しょうか。 ○証人(遠藤) 入学式をやるということは決定していたわけですけれども、入学を    祝う会のみを行うということでいろいろな準備がどんどん進んでいたわけです    ね。10月23日に、その入学を祝う会のみを行いたい、入学式は行わないと    いうことで職員会議としては議決してしまったと。校長は、入学式をやってく    ださい、入学式をやらないことは認めないということで、平行した状況だった    んですね。     その中で、入学式、特に、先ほど申し上げたんですけれども、3人じゃでき    ないということで、再考してほしいというような内容だったと思います。 ○処分者代理人(飯塚) 言葉としてね、「再考していただきたい」という言葉を述    べたんですか、実際。 ○証人(遠藤) これは私の記憶にありません。述べたかどうか分かりませんという    ことです。 ○処分者代理人(飯塚) 分からない。 ○証人(遠藤) はい。 ○処分者代理人(飯塚) このとき内田校長はどういった発言をしたんですか。 ○証人(遠藤) マル長としてそこに書いてあります。「『入学式』ができない『入    学を祝う会』は認めません。」と。私が今冒頭で申し上げた、入学を祝う会の    みを行うということで準備をどんどん進めていってしまうというようなことで、    校長が、入学式を行ってください、入学式を行わないことは認めませんという    ことが、なかなか、先生方、これは、分かっているはずですが、そのとおり行    動ができないというようなことだったと思います。 ○処分者代理人(飯塚) 入学式を行うこと自体を職員会議が認めてくれないので、    考え直してくれという趣旨じゃないんですか。 ○証人(遠藤) それももちろんあったと思います。 ○処分者代理人(飯塚) 職員会議で決定してもらわないと入学式はできないという    ふうに考えて、再考してほしいという意味ですか。 ○証人(遠藤) そうではないと思います、これは。決定したものを、いわゆる実施    することとしてとらえてはしいということだと思います。 ○処分者代理人(飯塚) そうすると、その再考する中身ですよね、それは何を指し    ているんですか。 ○証人(遠藤) やはりあれでしょうね、10月23日に戻ってしまうんですけれど    も、入学式をやるという方向で職員が考え直してほしいということだと思いま    す。 ○処分者代理人(飯塚) 職員が考え直さなければ入学式はできない、あるいは、し    ないということですか、それは。 ○証人(遠藤) これは、そうではなくて、校長はもう入学式を行うということに決    まっていますが、やはり、校長の方の思うような入学式はなかなかできないの    かなというようなことだったと思います。                  ―8― ------------------------------------(09)------------------------------------ ○処分者代理人(飯塚) そうすると、入学式を行うかどうか自体を再考するという    意味ではないということですか。 ○証人(遠藤) これは違います。 ○処分者代理人(飯塚) 結論として、内田校長は、入学式を行うという決定を、あ    なたはね、決定をしたと理解しているわけですけれども、その決定を取り消し    たり、あるいは撤回したことはあるんでしょうか。 ○証人(遠藤) 入学式については、一切ありません。       〔乙第30号証を示す〕 ○処分者代理人(飯塚) それでは、続いて、入学許可候補者説明会のことについて    お伺いします。     3ページの最後の行から次の行を御覧ください。     ここに、請求人は「入学式を行わず入学式を祝う会のみを行いたい。」と発    言した旨が記載されていますけれども、請求人は、実際、「入学式を行わず」    というふうに発言しているんですか。 ○証人(遠藤) 言葉では発言がなかったと思います。 ○処分者代理人(飯塚) あなたの陳述書の記載から見ますと、請求人が「入学式を    行わず」というふうに発言したかのように受け取れるんですが、そうではない    ということですか。 ○証人(遠藤) もう1回ちょっと、よろしいでしょうか。 ○処分者代理人(飯塚) この記載から見ますと、請求人が実際に「入学式を行わず」    というふうに発言したかのように受け取れますが、実際はそうではないという    ことですか。 ○証人(遠藤) そうです。 ○処分者代理人(飯塚) それでは陳述書になぜこのように書かれているんですか。 ○証人(遠藤) 校長は入学式を行うと。で、請求人は、請求人を含めた職員は、入    学式を行わず入学を祝う会のみをやりたいということで、ずっと対立があった    わけです。そういう状況下で、説明会で校長が、入学式と入学を祝う会を行う    という説明があったわけですけれども、その後請求人から、入学を祝う会のみ    を行いたいという発言ということで、意味としては、入学式を行わず入学を祝    う会のみを行いたいという、同じ意味ではないかと私は考えたわけです。 ○処分者代理人(飯塚) そうすると、この部分は、請求人の発言自体ではなくて、    あなたが理解した結果、受けとめた結果ですか。 ○証人(遠藤) そうなると思います。 ○処分者代理人(飯塚) 繰り返しになるかもしれませんが、なぜあなたはそういう    ふうに理解できたんですか。 ○証人(遠藤) 今もちょっと申し上げたように、職員会議等の流れから考えて、請    求人の発言は、入学式を行わず入学を祝う会のみを行うというようなことであ    ったと私は考えます。校長の発言と対比させてもそうなるんじゃないかなとい    うふうに思いますけれども。 ○処分者代理人(飯塚) それは、あなただけの理解ですか。 ○証人(遠藤) それは違うと思います。会場にいた教員、それから請求人本人、そ    れから保護者、入学許可候補者ですね、それから我々、会場にいた全部そうい                  ―9― ------------------------------------(10)------------------------------------    うふうな理解をしたんではないでしょうか。       〔乙第28号証を示す〕 ○処分者代理人(飯塚) 請求人が当日の説明会で述べた、これから4月9日に向け    て学校長に生徒の取組や教職員の考え方を理解してもらうため最大限努力して    いくつもりである、というふうな趣旨の発言に関連して、お尋ねします。     2枚目を御覧ください。そこの真ん中の部分に教頭及び校長の発言の記載が    ありますが、このような発言があったことは間違いないんですか。 ○証人(遠藤) 間違いありません。 ○処分者代理人(飯塚) この発言に対して、職員会議ではどのような対応がとられ    たでしょうか。 ○証人(遠藤) 入学式については、10月23日の職員会議で決まっているんで、    ここへ入学式を入れられない、というような係からの話があったと思います。 ○処分者代理人(飯塚) ちょっと待ってください。入れられない、係から……。 ○証人(遠藤) そうですね。係としては入れられないということですよね。 ○処分者代理人(飯塚) はい、そういうことですね。     そこに、教頭でかぎ括弧とありますでしょう……ありますね。分かりますか。 ○証人(遠藤) はい。 ○処分者代理人(飯塚) 誰が発言したかちょっと不明確な部分があるんですが、    「教頭、『1学期①、②』」とありますね。これは誰が発言したものですか。 ○証人(遠藤) これは教頭です。 ○処分者代理人(飯塚) その下に、「①、係としては職会で決まったとおり入れた    (祝う会)だけ。」とありますが、これは誰の発言ですか。 ○証人(遠藤) この発言は教頭ではないと思います。 ○処分者代理人(飯塚) 教頭ではないと。 ○証人(遠藤) はい。 ○処分者代理人(飯塚) どちら側の人でしょうか。 ○証人(遠藤) 請求人側だと思いますが。請求人サイドですね。 ○処分者代理人(飯塚) その下に、「校長」とありまして、「9日入学式AMと入    れてください」とありますね。これは校長の発言ですよね。 ○証人(遠藤) そうです、間違いありません。 ○処分者代理人(飯塚) その下に、「職員会議で決まった通りやらないとバラバラ    になる」とありますが、これは誰の発言ですか。 ○証人(遠藤) これは職員サイドだと思います。 ○処分者代理人(飯塚) 請求人がこういった発言をされたかどうかは記憶にありま    すか。 ○証人(遠藤) 特に記憶にないですね。請求人かどうか分かりません。 ○処分者代理人(飯塚) 説明会当日の請求人の発言によりますと、学校長にですね、    生徒の取組とか教職員の考え方を理解してもらうために最大限努力したいとい    うことがあったんですが、そういった話合いとか、取組というのはあったんで    しょうか。 ○証人(遠藤) 4月9日の入学式に向けて、できれば話合いをしたいということで、    校長の方からいろいろなアプローチがあって、私が中へ入ったわけですけれど                  ―10― ------------------------------------(11)------------------------------------    も、4者会議にしろ学年にしろ、なかなかそれには応じてもらえなかったとい    うような状況だったと思います。       〔第15回口頭審理調書20ページを示す〕 ○処分者代理人(飯塚) ちょっと行数が多いんで数えにくいと思いますが、真ん中    の、行数で言いますと19行目から21行目なんですが、そこに請求人代理人    の質問があります。     「何時に着いたらよいのかという、難しい質問が、答えにくい質問がという    ふうに言いましたけど、」とありますね。     これは、証人の発言を受けて、証人の陳述を受けてのことだと思うんですが、    分かりますか、意味は。 ○証人(遠藤) 分かります。 ○処分者代理人(飯塚) これを読みますと、証人が、説明会の出席者から出された    質問は難しい質問であると言ったような前提での質問なんですが……そういう    ふうに理解できますよね。 ○証人(遠藤) そうですね。 ○処分者代理人(飯塚) 証人は前回そのように陳述しましたか。 ○証人(遠藤) いや、これは言っていません。 ○処分者代理人(飯塚) 証人はね、出席者から出された質問は難しい質問であると    言っていますか。 ○証人(遠藤) それこそ、単純な質問だと思っています。 ○処分者代理人(飯塚) 何時に着いたらいいのかという質問は難しい質問ですか。 ○証人(遠藤) いや、簡単でしょう、これは。 ○処分者代理人(飯塚) 同じページ、調書の20ページの上から6、7行目、御覧    ください。     証人の陳述で、「判断に迷うようなことですよね。それが混乱というふうに    思っておりますけれども。」とありますね。 ○証人(遠藤) はい。 ○処分者代理人(飯塚) この部分は、どういった意味なんですか。 ○証人(遠藤) これは、特に保護者がですよね、質問をしたのは保護者だったんで、    保護者が判断に迷うようなことになったわけです、請求人のその発言によって。    そういうことを言っているわけです。それが混乱につながったということで発    言したと思います。ちょっと言葉足らずだったと思います。 ○処分者代理人(飯塚) それで、判断に迷うようになった原因というのはどこにあ    るんですか。 ○証人(遠藤) 請求人の発言だと思います。 ○処分者代理人(飯塚) 具体的には、どういった発言によって保護者が判断に迷う    ようなことになったと考えられますか。 ○証人(遠藤) 校長は、プリントの中に時程を示しましてね、入学式と入学を祝う    会を行うということを述べているわけですよ。その後請求人が、入学を祝う会    のみを行いたいという発言があったわけですね。これは、保護者が聞いたら、                  ―11― ------------------------------------(12)------------------------------------    どちらへ出席したらいいのかというようなことになって、非常に判断に迷うこ    とではなかったのかなと。何時、時間も関係してきますよね。入学式だけ参加    する、入学式と入学を祝う会に参加する者、それから入学を祝う会のみに参加    する者ということで、何時に学校へ行ったらいいんだろうかという、これは当    然、そういう迷いが出てくると思います。 ○処分者代理人(飯塚) 今の証人の話ですと、校長が行う入学式と、それから請求    人が発言した入学を祝う会というのが両方あって、どちらに出たらいいのかと    いうような、選択に困るような話のように聞こえるんですが、入学式が行われ    るかどうか自体については、出席者はね、判断に迷うことはなかったと思いま    すか。 ○証人(遠藤) 非常に難しいと思いますね。学年に関して、学年代表の発言ですか    らね、保護者あるいは生徒にしてみれば、校長も大事、学年代表も大事、今か    ら入っていく、入学するわけですからね、これは大変迷ったんじゃないでしょ    うか。私はそう思います。 ○処分者代理人(飯塚) そうすると、保護者は、入学式がないかもしれないという    ふうに受け取られたであろうというふうに考えるんですか。 ○証人(遠藤) いや、それは、校長がやる、学校として校長がやると言っているわ    けですから、入学式がないという判断はしなかったと思います、私は。 ○処分者代理人(飯塚) そうすると、入学式は行われるんだけれども、入学式と祝    う会のどちらに行ったらいいかという点で判断に迷ったということですか。 ○証人(遠藤) そうですね。もう1点、結局、入学式に出なくても……質問もう一    つあったわけですよね。入学を祝う会のみに参加しただけで入学を許可される    のかというような質問があったわけです。だから、結局そんなことも、これは    混乱かなという感じなんですよね。判断に迷います、これは。入学許可につい    てもね。     そう私は思います。 ○処分者代理人(飯塚) 私からは、以上で終わります。 ○処分者代理人(鍛冶) 処分者代理人の鍛冶でございます。     乙第10号証を示します。       〔乙第10号証を示す〕 ○処分者代理人(鍛冶) ナンバー2のところをちょっと見てください。     校長先生が加除訂正した部分、細かい字で書いてある部分がありますよね、    左上のはうに。 ○証人(遠藤) はい。 ○処分者代理人(鍛冶) この事実は、このときに発言したことは間違いないですか。 ○証人(遠藤) 間違いありません。 ○処分者代理人(鍛冶) ないですね。 ○証人(遠藤) はい。 ○処分者代理人(鍛治) それで、あとで証人と校長が押印していますよね、下の方    にね。 ○証人(遠藤) はい。 ○処分者代理人(鍛冶) それから、ナンバー3のところを見てください。     この下の方の欄、ここに、内田校長が加除訂正した部分がありますよね。 ○証人(遠藤) はい。 ○処分者代理人(鍛冶) それで、証人と内田校長が押印しているというところがあ                  ―12― ------------------------------------(13)------------------------------------    りますよね。 ○証人(遠藤) はい。 ○処分者代理人(鍛冶) これの事実も間違いないですね。 ○証人(遠藤) 間違いありません。 ○処分者代理人(鍛治) はい、分かりました。 ○処分者代理人(飯塚) 終わりました。 ○委員長(坂巻) はい。      どうぞ。 ○請求人代理人(佐々木) 請求人代理人の佐々木からお伺いします。     入学許可候補者説明会での竹永説明は、所沢高校の職員会議の決定に反して    いないということはお認めになりますよね。 ○証人(遠藤) 10月23日でしょうか。 ○請求人代理人(佐々木) はい。 ○証人(遠藤) 職員会議の決定……そうですね。これはそう思います。      〔第15回口頭審理調書15ページを示す〕 ○請求人代理人(佐々木) あなたは前回、校長の決定が職員会議に優先すると述べ    られていますよね。     飯塚代理人の、「そうしますと、校長の決定が、逆に言えば、職員会議に優    先するんだということですか。」、あなたの証言として、「そのとおりです。」    となっていますよね。 ○証人(遠藤) その「逆に言えば」というのは、ちょっと私も意味が分からないで    すけど……。 ○請求人代理人(佐々木) 質問の流れで、逆に言えばということですが、そういう    趣旨の証言をされていますよね。 ○証人(遠藤) はい。      〔第15回口頭審理調書30ページを示す〕 ○請求人代理人(佐々木) ちょっと、まず意味が分からないんでお伺いしますが、    中山代理人の質問で、このマーカーをしてあるところですね、「陳述書であな    たが書いた、ここで使っている指示という言葉は、校長の職務命令がその時点    であったという意味ですか。」という質問に対して、あなたの証言で、「非常    に難しい質問だと思います。校長の発言が全部職務命令だと、最終決定権者が    校長であるということでお答えしておきたいと思いますけれども。」という証    言をされていますよね。 ○証人(遠藤) はい。 ○請求人代理人(佐々木) それだと、意味が理解できないんですが、どういう意味    でしょうね。校長の発言はすべて職務命令だ、あるいは校長の指示はすべて職    務命令だと、こういう意味ですか。あるいは、すべて職務命令というわけでは    なくて、最終決定権者が校長という意味だったんだと、こういう趣旨ですか。    どっちでしょう。 ○証人(遠藤) 私としては、ちょっと戻りますけれども、10月23日の校長の決    定は職務命令であるというふうに思っています。 ○請求人代理人(佐々木) いやいや、これは10月23日の問題を聞いているわけ    ではなくて、あなたが使われた、陳述書で使われた意味を確かめているところ                  ―13― ------------------------------------(14)------------------------------------    ですから、この証言部分に沿って答えてください。     「校長の発言が全部職務命令だと」で切れているでしょう。これだと、この    ままだと、校長の発言は全部職務命令だというふうにも理解できる。その後の    行とつながらない。 ○証人(遠藤) いや、全部職務命令だということはないと思います。ただね、入学    式について論じているわけですから……。 ○請求人代理人(佐々木) いやいや、私の質問に答えてください。これは入学式の    問題を言っているわけではなくて、校長の発言が全部職務命令なんですかとい    う質問、いや、そういう意味ではないのか、全部職務命令だとあなたが言われ    たのか、そこだけでいいんです、まず。 ○証人(遠藤) 校長の発言が全部職務命令ではないと思います。 ○請求人代理人(佐々木) あなたは前回、校長の発言とか指示とか決定とか命令と    か、こういうふうに言葉を使い分けられていますよね。あるいは意思表示とい    う表現もされている。それから、今日は指導という言葉を使われているけど、    同時に、それぞれの区別が難しいという証言もされていますよね。 ○証人(遠藤) かなり難しいんじゃないかなと思います、これを使い分けるのは。 ○請求人代理人(佐々木) で、それのですね、いわゆるメルクマールを聞きたいん    ですが、どういうものをあなたは指示といい、どういうものを決定といい、ど    ういうものを命令というか。あなたの基準をまず御証言ください……言ってい    る意味分かりませんか。 ○証人(遠藤) それをここで答えるわけですか。 ○請求人代理人(佐々木) ええ……じゃ、ちょっと質問を変えますね。     職員会議の決定に優先する校長の決定、こういう段階を……どういう段階が    ね、職員会議の決定に優先する校長の決定と言われるのか。あるいはどういう    形式の決定をね、職員会議に優先する決定と言われるのか。基準を言ってくだ    さい。これは校長の決定です、これは校長の決定ではありませんと。あなたが、    全くね、神の声みたいに決められると、わけが分からない。何が決定で何が発    言で何が命令なのか、あなたが判断する基準を言ってください。 ○証人(遠藤) 本当に私、入学式のことで考えているわけですから、一般に協議議    題で出た入学式以外の問題で校長が決定するなんていうことは、原案が問題な    ければスムーズに通っていくわけですから、だから、ここでそれを持ち出され    てもちょっとね、私としては現実味がないんで、お答えできないんですけれど    も。 ○請求人代理人(佐々木) あなたは、基準を持たないで今証言されているんですか。    そういうふうに述べられているように聞こえますよ……。     じゃ、こういうふうに聞きましょうかね。     例えば、修学旅行の候補地、いろいろ職員会議で議論しますでしょう。で、    校長さんが、「私は京都がいいと思う」というふうな発言をしたとして、これ    は決定ですか。 ○証人(遠藤) それは、参考意見ぐらいじゃないですか。 ○請求人代理人(佐々木) そうですよね。 ○処分者代理人(鍛治) 佐々木先生、それはケース・パイ・ケースですから……。 ○請求人代理人(佐々木) 異議なら異議と言ってください。     「京都にしてくれませんか、これはお願いです」と言ったら、これは決定で    すか。                  ―14― ------------------------------------(15)------------------------------------ ○処分者代理人(鍛冶) ケース・パイ・ケースですよ。 ○請求人代理人(中山) 先生に証言してもらっているんじゃないんだから。 ○処分者代理人(鍛冶) そういうくだらん質問をしないでくださいよ。 ○請求人代理人(佐々木) 何が基準なのかというのを明らかにしないと、校長さん    の心の中まで分からないでしょう。 ○請求人代理人(飯塚) 委員長、異議あります。 ○委員長(坂巻) はい。 ○請求人代理人(飯塚) 立証の必要性、関連性が疑問です。 ○請求人代理人(佐々木) 大いに立証の対象ですよ、先生。     先生がずっと今尋問をしてこられたのは、これは決定です、これは決定です    と言われたでしょう。だからその基準は何かと聞いているんで、僕は先生の尋    問に沿って質問しているんです。 ○請求人代理人(中山) 前回の話と違っているんですから、はっきり……。 ○処分者代理人(飯塚) 本件との立証の関連性がないと思います。 ○請求人代理人(佐々木) 本件の立証そのものじゃないですか。何言ってるんです    か。 ○処分者代理人(飯塚) 一般的な問題は本件と……。 ○委員長(坂巻) 私から聞きますが、そういう基準というのは、はっきり意識して    言っているんですか。端的に聞きますけど。 ○証人(遠藤) もちろん意識して言っていることです。 ○委員長(坂巻) どういう場合に決定とか、いろんなその基準を……。 ○証人(遠藤) やっぱり、協議題によるんじゃないでしょうかね。今ここで、どう    いう基準があってかなんていうことは、なかなかね……。 ○委員長(坂巻) どういう意味ですか。具体的に質問されないと答えちれませんか。 ○処分者代理人(飯塚) 委員長、非常にこれは証人が困惑する質問なんですね。具    体的に個別の問題について尋問してください。 ○請求人代理人(佐々木) 具体的個別の問題を今例示したんですよ。一般的基準を    示されないから。こういう段階での校長のこの発言は、これは決定なんですか    というふうに、具体的に聞いているんですよ。 ○処分者代理人(白鳥) 質問が幾つかかぶさっているんですけれども、一つはその、    決定か、つまり命令、指導という言葉が出た質問が一つありまして、それから    職員会議に優先する意思表示かどうかという、それは別のレベルの問題であり    ます。それから、こちらが聞いていた趣旨は、決定という趣旨はその、覆らな    い、その後覆る可能性があるかどうか、つまり保留するか決定するかというレ    ベルで……。 ○請求人代理人(佐々木) 白鳥先生、今そう言われるとですね、証人に特別な示唆    を与える……。 ○処分者代理人(白鳥) ですから、決定とか指導とかいうレベル、質問をその……。 ○請求人代理人(佐々木) そういうふうに聞かれたんならいいですよ。全然違うじ    ゃないですか。 ○処分者代理人(白鳥) いろいろな質問をかぶせてやると、答えに困るのはそのと    おりですから、質問を絞ってください。                  ―15― ------------------------------------(16)------------------------------------ ○請求人代理人(佐々木) まず私が聞いたのは、一般的基準をあなたは持っておら    れますかと。証人は答えられなかったから、今後は、職員会議の決定に優先す    る校長の決定は何かという、質問を変えたんです。かぶせたんじゃないんです。     更に答えられないから、具体的場面ではどうですかと聞いているんですよ。    これは証人の水準がそうだから、証人に合わせて聞いているんです。 ○処分者代理人(鍛治) だからさ、その辺から最初に入ってくれればいいんですよ。    一般論から入ってくるから全然分からなくなっちゃう。 ○委員長(坂巻) 今まで証言した内容について、具体的に聞いてください。 ○請求人代理人(佐々木) 今までずっと見てこられた乙号証の校長さんのいろんな    発言がね、例えば「お願い」という表現が使われていますよね。お願いという    表現自体が、明瞭ではないでしょう。これは分かりますよね。 ○証人(遠藤) 先ほど申し上げたんですけど、お願いというのは、いわゆる入学式    をやるということが決まっていて、それに対する役割分担に対するお願い、そ    れは、何ていうものか、ちょっと忘れたんですけどね……。 ○請求人代理人(佐々木) いやいや、質問をずらさないでください。お願いという    表現は、それ自体は明瞭ではないでしょう、まず、日本語の普通の意味でいっ    て。違いますよね、明らかに。     校長さんが……あなたも校長さんだけれど、内田さんは、お願いと職務命令    を区別されて使っておられるでしょう。 ○証人(遠藤) それはあると思います。     〔乙第10号証4枚目を示す〕 ○請求人代理人(佐々木) 職務命令が出たときですね。平成10年3月5日の職員    会議において校長からお願いした、「卒業式に当る日課及び諸係り分担に従い、    式当日及び前後における職務を遺漏のないよう遂行すること。以上のとおり命    じます。」となってますね。     だから、お願いと命令を区別して使っていますよね。これは分かりますね。    答えてください。 ○証人(遠藤) はい。 ○請求人代理人(佐々木) このときに併せて、校長さんの資料だと、入学式に関し    てのお願いをしていますよね。それは分かりますよね。で、入学式については    職務命令を出していませんよね。     だから、お願いと命令というのは、はっきり区別していますよね。 ○証人(遠藤) そこはなかなか、校長がどういうふうにやったか、難しいことです    ね。 ○請求人代理人(佐々木) いや、区別しているかどうかですよ。普通の日本語の意    味として理解できるでしょう。 ○証人(遠藤) ちょっと、今の職務命令の文章を読んだときに、なかなか、区別が    できているかどうかというのは難しいなという感じですね、今は。       〔乙第10号証の添付資料を示す〕 ○請求人代理人(佐々木) これは校長さんが書かれた内容ですよね。 ○証人(遠藤) 間違いありません。                  ―16― ------------------------------------(17)------------------------------------ ○請求人代理人(佐々木) ここでは、卒業式と入学を祝う会について、それぞれお    願いしているでしょう。これは2月19日の職員会議の発言ですよということ    で、3月の5日の職員会議に校長さんが出されたもの。 ○証人(遠藤) はい。 ○請求人代理人(佐々木) そうですよね。     それで、入学を祝う会については職務命令出されずに、卒業式に関しては職    務命令出しているわけでしょう。お願いと命令ははっきり区別しているという    ことは争いのない事実じゃないですか……。     分かりませんか。このレベルの質問に沈黙されると困るんですけどね。教育    委員会の今の見解に従ってもね、校長の決定が職員会議に優先するというのは、    命令となったときじゃないんでしょうかね。 ○処分者代理人(鍛冶) 先生のそういう……御意見だったらそういう……。 ○請求人代理人(佐々木) 先生、異議なら異議と言ってくださいよ。そんな不規則    発言を乱用すべきじゃないですよ。     違いますか……これも回答なしですが、そう理解をしないとですね、校長先    生の発言が、職員会議の決定に優先する発言になるのか、希望や意見表明にな    るのか、教職員の側で区別つかないんじゃないですか。 ○証人(遠藤) 学校教育法の28条にも校長のその権限が載ってますけれども、そ    れに従って見ても、校長の権限というのは一般の先生と違う、教諭とは違うん    だということを明記しているわけで……。 ○請求人代理人(佐々木) 違うということは私どもも分かっているんですよ、法律    にそう書いてあるということはね。だけど、あなたも言われたように、職員会    議の中で校長先生が自分の肴望を述べられることだってあるわけでしょう。そ    れは特に優先するわけではないでしょう。職員を拘束するわけでもないでしょ    う。 ○証人(遠藤) それはそう思います。 ○請求人代理人(佐々木) だから、それを、職員を拘束するものかどうかという基    準を、何かというのを、さっきからいろいろ角度を変えてお聞きしているわけ。     命令が基準なんじゃないですかと聞いているんですが。 ○証人(遠藤) やはり学校の教育目標と言うんですか、方針と言うんですか……。 ○請求人代理人(佐々木) 違うのかどうか、そうなのか、それだけでいいですよ。 ○証人(遠藤) 学校の経営上どうしてもこれは必要があるということは、職務命令    を出していると思いますよ。 ○請求人代理人(佐々木) だから、職務命令が出たときには職員を拘束しますよと、    いうのが今の合憲的解釈じゃないんですか。 ○処分者代理人(鍛冶) ちょっと違うんじゃないですかね。校長が……。 ○請求人代理人(佐々木) 先生は証人じゃないんですから黙っててくださいよ。 ○証人(遠藤) ちょっといいですか。管理規則にもちゃんとあるんですね。職員会    議の性格的なものが、性格付けがあるわけですけれども、諮問機関であるとい    うことで、これはちゃんとあるわけです。だから……。 ○請求人代理人(佐々木) 職務命令だって、職員は明らかに違法なものは受けては                  ―17― ------------------------------------(18)------------------------------------    いけないでしょう。だから、その都度判断をするわけでしょう。だから、基準    が明確でないと職員混乱するでしょう。だから基準が、命令なんじゃないです    かと、それを基準とするんじゃないですかという質問なんですよ。     違うんですか。 ○証人(遠藤) 私は職務命令が基準だとは思っていません。 ○請求人代理人(佐々木) これはね、コンメンタール、条文の解釈を書いてある本    から見てきたんですがね、あなたが言われた学校教育法の第28条の3項にな    るのかな、「校長は校務をつかさどり、所属職員を監督する。」。この解釈で    ね、これ日本評論社のコンメンタールだけど、行政解釈は、つまり教育委員会    の解釈ですよ、校務……「校務は教育をつかさどる教諭を含む『学校の仕事全    体』・『学校教育の事業を遂行するため必要とするすべての仕事』を意味する    と解したうえで、校長は職務上の上司として、校務の掌理権、分掌決定権を有    し、教諭の教育活動に対する指揮命令を通して『所属職員を監督』できる、と    していると。」。指揮命令と書いているのね。もちろん異説がありますがね。     教育委員会の解釈としても、命令を通してその意思を貫徹するということに    なっているんじゃないんですか。 ○委員長(坂巻) 議論の場所ではないので、質問を変えて先に進んでください。 ○請求人代理人(佐々木) でも、人事委員長、これは、自ら管理職としてどういう    判断で法律を理解しているというところですから、ちょっと聞かせてください。     地公法の32条、なんと書いてありますか。 ○処分者代理人(鍛治) そういう御意見をさ、佐々木先生、御意見を出してくださ    いよ、答えるから。書面で答えるから。 ○請求人代理人(佐々木) 職員の義務って何ですか、地公法32条。 ○処分者代理人(鍛冶) ちょっと人事委員長……。 ○請求人代理人(佐々木) 法令などに従う義務と命令に従う義務と、二つって書い    てあるでしょう。それは知ってますよね。決定に従うようにと書いてあります    か。 ○証人(遠藤) ……。 ○委員長(坂巻) 答えがないので次に進んでください。議論してもきりがないから。 ○請求人代理人(中山) 答えられない。 ○請求人代理人(佐々木) じゃあ、入学式の、入学式に関する職務命令というのは、    いつ出たんですか。 ○証人(遠藤) そこもあれでしょう、命令、決定とかそういう、意識の違いがある    んでちょっと私も答えられないですね。 ○請求人代理人(佐々木) 命令というのは非常に明確になっているわけですよ。 ○証人(遠藤) 基準が違っているわけですから。 ○請求人代理人(佐々木) 命令というのは非常に明確になっているんですよ。それ    は、内田さん自身が自覚して使っておられるんですよ。 ○証人(遠藤) じゃ、申し上げます。10月23日だと思います。個人的にはそう、    私はそのとき、教頭としてはそう思っています。           〔乙第29号証を示す〕 ○請求人代理人(佐々木) 3枚目。入学式について校長より職務命令が出ると書い                  ―18― ------------------------------------(19)------------------------------------    てある。何度も見てこられた職員会議録でしょう。     これ以前に、職員会議録や校長の文書に、職務命令という文書が、文言があ    りますか。 ○証人(遠藤) お答えします。この職務命令、3月23日の職務命令は、仕事、仕    事分担に対する職務命令なんですね。それをちょっとはっきりさせたいと思い    ます。 ○請求人代理人(佐々木) この前に職務命令、入学式に関する職務命令の記録があ    りますか。 ○証人(遠藤) そういう記載はありません。 ○請求人代理人(佐々木) ないでしょう。     なぜ、この段階で職務命令を出したんですか。 ○証人(遠藤) それは先ほどから言ってます、管理職3人で入学式がなかなかでき    ないと、我々レベルでできないということで、先生方に協力をお願いしたとい    うことになると思います。 ○請求人代理人(佐々木) この当時、所沢高校では、職員会議の位置づけについて    規定がありましたね。何ですか……。     あなたは所沢高校の教頭先生だったでしょう。職員会議規程、すぐ出てこな    いの?     職員会議規程がありましたね。 ○証人(遠藤) 職員会議規程は、管理規則を受けての職員会議規程だと私は思って    います。 ○請求人代理人(佐々木) あったのかなかったのか、答えてください。 ○証人(遠藤) ありました。       〔甲第123号証を示す〕 ○請求人代理人(佐々木) これは、この当時の所沢高校の職員会議規程ですね。そ    うですね。 ○証人(遠藤) そうですね。 ○請求人代理人(佐々木) この職員会議規程はいつから適用されていましたか。 ○証人(遠藤) 所沢高校の職員会議規程は、県の方の管理規則で指導されていたと    思います。 ○請求人代理人(佐々木) いつから適用されてたんですか。書いてあるじゃないで    すか     ここに。1989年2月17日より施行すると書いてあるでしょう。違うん    ですか……。 ○証人(遠藤) ……。 ○委員長(坂巻) 分かる範囲で質問に答えてください。どんどん時間が経ってしま    うの。 ○処分者代理人(鍛冶) 分からなければ分からないで……。 ○請求人代理人(佐々木) 書いてあるんですよ。 ○証人(遠藤) いつからかというのは、ちょっと記憶にありません。 ○請求人代理人(佐々木) じゃ、読んでください、ここに書いてありますから。私    の今質問したとおりでしょう。 ○証人(遠藤) 1989年の2月17日より施行と。 ○請求人代理人(佐々木) 本件の入学式、卒業式でいろいろ職員会議が続けられて    いたときに、この規程は適用されていたんですよね。                  ―19― ------------------------------------(20)------------------------------------ ○証人(遠藤) 先ほど申し上げたように、非常に難しいと思います、これは。その    当時、これは指導されて、変更するようにと、見直すようにということは指導    があったというふうに聞いています。 ○請求人代理人(佐々木) 見直されるまでは適用されていたわけですね。 ○証人(遠藤) そう思います。 ○請求人代理人(佐々木) この規程はどうなりましたか。 ○証人(遠藤) 次年度の10月の15日でしょうか、見直しています。 ○請求人代理人(佐々木) この見直しに、あなたも関与されていますよね。 ○証人(遠藤) もちろん、かかわってます。 ○請求人代理人(佐々木) 98年の10月16日となってますね、文書では。 ○証人(遠藤) はい。実際に施行と言いますか、実行されるのは16日だと思いま    す。 ○請求人代理人(佐々木) どこがどういうふうに改正されたんですか。 ○証人(遠藤) 県の指導を受けて、第1条の文言、これが、職員会議は校長の諮問    機関であるというところが、一番の改正点かと思います。 ○請求人代理人(佐々木) その甲第123号証の職員会議の目的、審議決定機関か    ら諮問機関にと、あるいは連絡調整機関にと、この部分が変わったんですよね。 ○証人(遠藤) はい。そう思います。 ○請求人代理人(佐々木) 改正ですから、変わるまでは前の規程は有効でしょう。 ○証人(遠藤) 非常に難しいと思います、これは。県から指導を受けていますので、    管理職として、それは生きてますなんて、これはちょっと……言えないんじゃ    ないですか。難しいと思います。 ○請求人代理人(佐々木) あなたが関与した内容は、一部改正、施行するとなって    ますよ。前の規程は無効で、新たに設定したんだと、こういうふうになってな    いじゃないですか。前のが有効でそれを改正したと。あなた自身がそういうふ    うにしたんじゃないですか。そうでしょう。 ○証人(遠藤) ここのところはそうです。 ○請求人代理人(佐々木) あなたはその前に、あなたや内田さんは、この職員会議    の規程、このというのは旧ですね、甲第123号証の職員会議の規程は無効だ    という主張をしたことがありますか。 ○証人(遠藤) 改正するまでに、やっぱり管理指導を受けてますので、そのときに、    見直さなければいけないということで、ここで校長が改めて出したということ    です。 ○請求人代理人(佐々木) 私の質問に答えてください。無効だという主張をしたこ    とがあるんですか。 ○証人(遠藤) あります。 ○請求人代理人(佐々木) それは職員会議録のどこに出ているんですか。 ○証人(遠藤) この前も申し上げたように、なかなか、不都合な点については記載    がないというようなことで、記載がない可能性があります、これは。 ○請求人代理人(佐々木) しかし、あなたが追加、加筆したというところにも出て    こないじゃないですか。無効だったらそもそも改正しないでしょうに……。     質問を変えます。                  ―20― ------------------------------------(21)------------------------------------     入学許可は入学式で行われるという校長見解は、法律上、どこかで決まって    いるんですか。 ○証人(遠藤) もう1回お願いします。 ○請求人代理人(佐々木) 入学許可は入学式で行うという校長見解は、法律上、ど    こかに決まっているんですか。 ○証人〈遠藤) これは、特に法的には決まってないと思います。 ○請求人代理人(佐々木) 法律は、入学許可は学校長がこれを行うという定めが限    度ですよね。そうですよね。 ○証人(遠藤) はい。 ○請求人代理人(佐々木) 入学式に出席しなかった者について不利益に取り扱わな    いことという教職員からの要望を受けていませんか。 ○証人(遠藤) それはあったと思いますね。 ○請求人代理人(佐々木) 最後に、4月7日に1学年団からね、1学年団の教員か    ら、新入生が式に出る出ないにかかわらず入学を許可するようにという要望が    ありましたよね。 ○証人(遠藤) はい。 ○請求人代理人(佐々木) 校長先生はどういう対応をとられましたか。 ○証人(遠藤) 入学式、入学を祝う会も、両方で歓迎したいというふうなことで、    そうですね、発言内容、正確には答えられないんですけれども、入学式には出    てくださいと、そこで入学許可をしますというような発言したと思いますね。 ○請求人代理人(佐々木) 要望には全くこたえていないわけですよね、不利益に取    り扱わないでくださいという要望には。 ○証人(遠藤) 最終的には校長はそう思っていたと思います。 ○請求人代理人(佐々木) 不利益に取り扱わないでくださいという学年団の要望に    ね、態度を明確にされなかったでしょう。 ○証人(遠藤) 先ほど言ったように、両方受けて……。 ○請求人代理人(佐々木) 態度を明確にしたのかどうかを聞いているんですよ。言    い訳はいいです。 ○証人(遠藤) よく覚えてないですね。 ○請求人代理人(佐々木) 明確にしたんですか。 ○処分者代理人(飯塚) 委員長。ちょっと、尋問の仕方なんですけれども、証拠書    類が行っているんだから、代理人席へ戻って尋問していただきたいんですね。    証人が圧迫受けてますので。 ○請求人代理人(佐々木) どこで尋問しようと自由じゃないですか。 ○委員長(坂巻) まあ、それは……。       〔甲第116号証を示す〕 ○請求人代理人(佐々木) 所沢高等学校の学則17条、「入学は選抜選考に合格し    必要な手続きを完了した者に許可をする。」と書いてありますね。そうですね。 ○証人(遠藤) はい、書いてあります。 ○請求人代理人(佐々木) 4月3日付けの校長先生が保護者に出したはがきは知っ                  ―21― ------------------------------------(22)------------------------------------    ておられますよね。 ○証人(遠藤) はい、知ってます。 ○請求人代理人(佐々木) あなた自身も発送に関与しておられますね。 ○証人(遠藤) はい。 ○請求人代理人(佐々木) そのはがきの中には、入学が認められるには入学式に出    席し校長の入学許可を受ける必要があるというふうになってましたね。 ○証人(遠藤) 間違いないと思います。 ○請求人代理人(佐々木) 併せて、甲第116号証に引用してある学校教育法施行    規則第59条をちょっと読みます。「高等学校の入学は、第54条の3の規定    により送付された調査書その他必要な種類、選抜のための学力検査の成績等を    資料として行う入学者の選抜に基づいて、校長が、これを許可する。」となっ    ていますね。     趣旨は所沢高校の学則と同趣旨ですが、この内規や施行規則にもかかわらず、    入学式出席を入学許可の条件にしたのはどういう理由ですか。 ○証人(遠藤) 校長は、入学式の中で入学を許可したいということで決めたという    ことですね。 ○請求人代理人(佐々木) だから、許可の条件にした理由は何ですか。校長先生が    そう思ったからだけですか。 ○証人(遠藤) 一番ふさわしいのは入学式の中で許可するということでなかったで    すか。 ○請求人代理人(佐々木) だから、そういうふうに校長が思ったということだけが    許可条件の根拠ですか。 ○証人(遠藤) 私はそうだと思います。 ○請求人代理人(佐々木) これは内規と違いますよと、あるいは学校教育法の施行    規則と違いますよと、校長先生それは行き過ぎじゃないんですか、あなたは注    意をされなかったんですか。 ○証人(遠藤) 内規の見直しも必要だと思ってました。 ○請求人代理人(佐々木) 内規の見直しを提案されたんですか。 ○証人(遠藤) ちょっと時間的には遅くなりましたけれども、内規の見直しを行っ    ていると思います。これも県の方からの指導が……。 ○請求人代理人(佐々木) いやいや、事前に内規の見直しを提案して、内規を変え    た上で今のはがきを出されたんですか。事実の問題だから、端的に答えてくだ    さいよ。 ○証人(遠藤) 校長は入学式を行いたいと、職員は入学を祝う会のみを行いたいと    いうようなことで、ああいうような状況下でね、「はい、内規を変えます」と    いうようなことができるのかどうか、実際に。私は……。 ○請求人代理人(佐々木) それはあなたの言い訳でしょう。事実の証言をしてくだ    さい。 ○証人(遠藤) それは、出てないと思います、内規のあれは。 ○請求人代理人(佐々木) 内規があるにもかかわらず、学校教育法の施行規則があ    るにもかかわらず、別の条件を付与して入学式への出席を慫慂(しょうよう)    したと、こういう事実ですね……。     私は終わります。 ○委員長(坂巻) よろしいですか。                  ―22― ------------------------------------(23)------------------------------------     それでは、大変、2回にわたってお疲れ様でした。以上で終わります。後ろ    に下がってください。     それでは、進行についてお諮りいたしますが、前回協議いたしました日程、    12月13日水曜日、午後2時30分からということで、最終陳述を行いたい    と思いますが、予定どおりでよろしいですか。 ○請求人代理人(中山) はい、結構です。 ○委員長(坂巻)やり方ですけれども、口頭陳述になるんですか。 ○請求人代理人(中山) 意見書は用意してあります。用意しますが、その要旨を簡    略に述べたいと思います。     1時間半程度になると思います。 ○処分者代理人(鍛治) それはちょっと……。 ○委員長(坂巻) 簡略ではなくて。 ○請求人代理人(中山) 本人を入れて5人、陳述したいと思います。 ○処分者代理人(鍛治) 1時間半やるんですか。 ○請求人代理人(中山) そうです。予定していただいて……。 ○委員長(坂巻) 処分者側は。 ○処分者代理人(鍛治) 処分者側は、分かりませんね。 ○委員長(坂巻) 分かりませんとは……。 ○処分者代理人(鍛冶) 簡単に終わらせるつもりですけど。 ○委員長(坂巻) やはり書面に基づいて……。 ○処分者代理人(鍛冶) 最終書面出します。 ○委員長(坂巻) 口頭では?。 ○処分者代理人(鍛治) 書面出します。 ○委員長(坂巻) 書面だけですか。 ○処分者代理人(鍛治) いや、だから、簡単に要約を述べますけれども。 ○委員長(坂巻) 要約を述べられるということで……そうですか。     請求人側は、できましたら、いろいろ事情あるでしょうけれども、5名です    か、5名でしたら、1時間以内ぐらいに、まとめてください。 ○請求人代理人(中山) できるだけ短時間にしますが……。 ○委員長(坂巻) 5名認めます。ですから時間の方で、要領よく……。 ○請求人代理人(中山) 極力そういうふうにしますが、最低1時間10分ぐらいは。 ○委員長(坂巻) 皆さん慣れているから大丈夫ですよ。 ○請求人代理人(中山) できるだけ要領よくやります。 ○委員長(坂巻) 一応、1時間と。     あと、処分者側は10分ぐらい。 ○処分者代理人(鍛治) そんなにかからないと思います。 ○委員長(坂巻) 12月13日、2時30分から3時50分ごろまで。 ○請求人代理人(中山) 場所は。 ○委員長(坂巻) 場所は、第三庁舎講堂、つまりこの部屋です。 ○請求人代理人(中山) 目標は1時間ということなんですが、ちょっと無理ですね。                  ―23― ------------------------------------(24)------------------------------------    だから、3時50分までに終わらせてくれというのは、ちょっと確約はできな    いんですが……。 ○委員長(坂巻) それでは、以上で平成10年(不)第3号事案の第16回口頭審    理を終了いたします。     御苦労ありがとうございました。 午後3時59分閉会                       調書作成事務職員  高田 裕之                  委員長  坂巻  幸次                  委 員  久保木宏太郎                  委 員  渡邊  圭一                  ―24― ------------------------------------(end)-----------------------------------
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