人事委員会
平成10年(不)第3号懲戒戒告処分事案
第11回口頭審理調書
2000年1月27日(木)
(Web管理者記)
「証 人 舩津和信」との記載がありますが、この第11回口頭審理での証人は
請求人の竹永公一教諭本人ですので、記載ミスかと思います。
尚、この調書の5ページ最後から6ページにかけて、竹永証人が
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○請求人(竹永) 1993年から4年にかけてだと思うんですが、所沢高校を全日
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制の単位制高校に変えようという、そういう県教委の打診がありました。それ
は93年の秋だったと思うんですが、単位制高校というのは、私たちもその当
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と証言されていますが、記憶違いかと思います。
私のWebsiteにも記載がありますが、「所沢高校に全日制の単位制を導入する」
という県教委からの打診は、1994年秋から1995年にかけて持ち上がりまし
た。「単位制導入白紙撤回への道」をご覧下さい。
さて、本論です。この証言の16ページ中ほどから17ページ始めの個所にご注目
下さい。この個所は、内田達雄元所沢高校校長の証言とか、第16回の口頭審理に
おける遠藤孝一元所沢高校教頭の証言と対比していただきたい個所です。
引用すると長くなりますので、このページの最後に再度記載いたします。
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│ 第 11 回 口 頭 審 理 調 書 │
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│ 事 案 の 表 示 │ 平成10年(不)第3号事案 │
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│ 請 求 人 │ 竹永 公一 │
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│ 処 分 者 │ 埼玉県教育委員会 │
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│ 期 日 │ 平成12年1月27日 │
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│ 場所及び公開の有無 │ さいたま共済会館 602会議室 公開 │
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│ 開会及び閉会時刻 │ 午後2時31分開会 午後4時45分閉会 │
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│ │ 委 員 長 坂 巻 幸 次 │
│ 審 理 委 員 │ 委 員 久保木 宏太郎 │
│ │ 委 員 渡 邉 圭 一 │
├───────────┼────────────────────────┤
│ │ 事務局長 加村 トク江 │
│ │ 次 長 上野 義光 │
│ 審理事務補助職員 │ 主 幹 若山 保 │
│ │ 主 査 川崎 啓 │
│ │ 主 事 湯本 佳代子 │
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│ │ 請求人側 │
│ │ 請求人 竹永公一 │
│ │ 代理人 桜井和人 中山福二 堀 哲郎 │
│ │ 野本夏生 佐々木新一 鍛治伸明 │
│ │ 池永知樹 岩下豊彦 谷村勝彦 │
│ 当事者の出席状況 │ 和田 茂 米浦 正 竹下里志 │
│ │ 林 哲 │
│ │ 処分者側 │
│ │ 代理人 鍛治 勉 飯塚 肇 白鳥敏男 │
│ │ 根岸 玲 赤松峰親 桝澤 智 │
│ │ 中川 晃 神尾哲夫 遠山幸雄 │
│ │ 伊東良男 柴崎昌子 中村悦子 │
│ │ │
│ │ 証 人 舩津和信 │
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│ 審理の記録 │ 別 の と お り │
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│ 付属書類 │ な し │
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平成10年(不)第3号事案 第11回公開口頭審理
平成12年1月27日(木曜日)
午後2時31分開会
○委員長(坂巻) ただ今から、平成10年(不)第3号懲戒戒告処分事案の第11
回口頭審理を行います。
人事委員会としては、不服申立て制度の趣旨のもとに審理を進めてまいりま
すので、当事者及び代理人におかれましては、秩序ある審理が行われますよう、
御協力を願います。
また、傍聴人の皆さんにも、不服申立て制度の趣旨を御理解のうえ、静粛に
お願いいたします。
なお、審理に際して、3点ほど御注意を申し上げます。
まず、両当事者の発言は速記者が記録を取りますので、その都度、お名前を
おっしゃって発言してください。
次に、録音機の使用や写真撮影を行うことは禁止いたします。
傍聴人は、傍聴券の裏に記載してあります傍聴規則を守ってください。特に、
審理関係者の発言に対して批判や野次を加えたり、拍手をしたりすることは厳
に慎んでください。
また、審理進行の妨げになるので、場内では携帯電話やポケットベルのスイ
ッチは切っておいてください。
これらを守らない傍聴人には、退場していただくこともありますので、御注
意申し上げます。
それでは、前回、口頭審理以降提出された書面の確認をを行います。
まず、2000年1月13日付け尋問事項書、証人採用の必要性に関する意
見書及び当事者尋問申出書が請求人主任代理人から提出されております。
両書面については、本委員会で処分者主任代理人に1月13日付けで意見を
求めたところ、1月24日付けで意見書及び同月18日付け書証認否書が提出
され、それぞれ当事者に渡されていると思いますが、よろしいですか。
○請求人代理人(桜井) はい。
○処分者代理人(鍛治) はい。
○委員長(坂巻) はい。
また、1月26日付けで証拠申出書及び乙第5号証ないし第11号証が処分
者代理人から提出され、また、これも請求人代理人のところに直送してあると
いうことでよろしいですか。
○請求人代理人(中山) ちょっと待ってください、乙号証?
○委員長(坂巻) 乙号証。
よろしいですか。
○請求人代理人(中山) ちょっと待ってください、すみません。乙第5号証……
○委員長(坂巻) 乙第5号証ないし第11号証。
○請求人代理人(中山) 11号証ですか……
○委員長(坂巻) これ、直送されいませんか。
○処分者代理人(鍛治) ええ。事務局の方から桜井先生の方に持参してもらったん
ですけど。
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○請求人代理人(中山) いつごろですか。昨日送られたんですか。
○処分者代理人(鍛冶) はい。送られたというより、持参したんですよ。事務局の
方で。
○請求人代理人(中山) 桜井先生の方に。
○処分者代理人(鍛冶) ええ。担当の事務員の方に渡した……。
○委員長(坂巻) ということで、後ほど確認してください。こういう書面です。
それから、本日付けで請求人主任代理人から意見書、それから証拠申出書
(9)及び甲第68号証ないし第77号証ですか、これはいずれも本日提出さ
れました。
これは、処分者側の方には渡っておりますか。
○処分者代理人(鍛治) 渡っております。さっきいただきました。
○委員長(坂巻) いずれにしろ、それは、あとで証拠説明書は出ますね。作成者と
か、どういう立証趣旨か。立証趣旨はここに書いてあるのか。
○請求人代理人(中山) 出てます。それは。
○委員長(坂巻) それから説明書ね。
ちょっと、書証関係がいろいろ出たから、後ほど整理して、説明書を出して
いただくのと、それに対する認否も書面でそれぞれ出していただく、というこ
とに、よろしいですね、それで。
それでは、本日予定の本人尋問に入りたいと思います。
○処分者代理人(鍛治) 反対尋問はですね、次回にしていただきたいんですが。
そういう予定でお願いします。
○委員長(坂巻) はい。
それでは、竹永公一さん、証人席へお座りください。
〔証人、証人席に着く〕
○委員長(坂巻) お名前と住所と職業、年齢をおっしゃってください。
○請求人(竹永) はい。
竹永公一、東京都練馬区■■■■■■■■■、職業・教師、年齢■■歳。
○委員長(坂巻) 証言に先立ち、宣誓していただきますので、御起立のうえ、お手
元の宣誓書を朗読してください。
それでは、皆さん、御起立願います。
〔総員起立〕
○請求人(竹永) 「良心にしたがって真実を述べ、何ごともかくさず、何ごともつ
け加えないことを誓います。」
○委員長(坂巻) はい、お座りください。
そこに、お名前と……印がなければ、拇印で結構です。
〔総員着席、証人は署名捺印する〕
○委員長(坂巻) 請求人代理人にお尋ねしますが、尋問時間はどのぐらいですか。
○請求人代理人(中山) 主尋問で180分ぐらい。
○委員長(坂巻) 180分、主尋問で。
○請求人代理人(中山) はい。
○委員長(坂巻) というと……
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○処分者代理人(鍛冶) 3時間ですか。
○請求人代理人(中山) だから、今日だって2時間やりますでしょう。実質ね。
あとで、だからプラスアルファー。
○委員長(坂巻) 尋問される代理人もそれぞれ優秀な先生方ですから、要領よく、
ひとつ簡潔にお願いいたします。これはやむを得ないですけれども、必要なこ
とを、なるべく重複を避けて、時間を倹約してお願いしたいと思います。
それでは、請求人代理人から聞かれますから、聞かれたことだけをはっきり
答えてください。
○請求人代理人(野本) それでは、請求人代理人の野本からお伺いします。
まず、竹永さんの経歴についてお伺いしていきますが、埼玉県の高校教諭と
なられたのはいつになりますでしょうか。
○請求人(竹永) 1975年です。
○請求人代理人(野本) 所沢高校の方に赴任をされたのはいつですか。
○請求人(竹永) 1992年です。
○請求人代理人(野本) 75年に教諭となられてから所高に赴任するまでは、どち
らで教鞭をとられていたんでしょうか。
○請求人(竹永) 75年から7年間、埼玉県立小鹿野高等学校、82年から10年
間、埼玉県立狭山高等学校、92年からは所沢高校です。
○請求人代理人(野本) 所沢高校でも、それ以前の高校でも、担当されていた教科
は数学でよろしいですね。
○請求人(竹永) はい。
○請求人代理人(野本) 所沢高校に赴任した時のことですが、最初にですね、竹永
さんが抱いた学校、あるいは生徒の印象というのはどういったものだったでし
ょうか。
○請求人(竹永) 事務連絡で3月に一番最初に所沢高校へ行ったんですけれども、
生徒たちは制服がありませんので、自由な服装をしていました。私の出身校も
同じような雰囲気だったので、生徒たちが伸び伸びやってるなというようなこ
とを感じました。
また、狭山高校での同僚が何人か転勤していましたので、心強く思ったこと
も覚えています。
最初の年なんですが、一番びっくりしたり感動したりしたことは、6月の体
育祭でした。5月下旬に中間テストが終わるんですが、中間テストが終わった
後、生徒たちはまるで今までとは違うように生き生きと体育祭の準備を始める
んですね。3年生、2年生、1年生という各クラス縦割の10のブロックに分
かれてやるんですが、それぞれ練習期間中ですね、3年生の指導のもと、本当
に楽しそうに一生懸命準備をしていました。当日も、競技の部門と応援の部門
と分かれているんですが、本当に全校生が生き生き楽しそうにやっているんで
すね。なかなか現在、学校現場で多くの生徒がそんなに生き生き高校生活を送
っているというのは、やはりなかなか珍しいなと思って、びっくりもしました。
その中で、改めてびっくり、また驚いたことは、その体育祭自体が生徒の手
によって運営をされていると。実行委員会を中心に、いろいろ原案を作ったり、
実際の計画を練ったり、又は応援や競技の優勝を目指してですね、3年生たち
が1、2年生を引っ張っていくと、そういう実態を見て、ああ、これは何かと
ても生徒たちが本当に生き生きするんだなということを感じました。
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○請求人代理人(野本) 所沢高校に赴任してから、校務分掌、あるいは部活の顧問
は何をなさっていたでしょうか。
○請求人(竹永) 保健部、それから事業係、教育課程の係、それから生徒会の係、
準備委員というのも2年間やっていました。
部活のほうは、当初、バスケットボール部を以前の学校では持っていたんで
すが、なかなか土曜の午後であるとか、休日であるとか、練習につぶれること
が多かったので、運動部はどうもと思いまして、転勤したてのころはギター部
を持たせてもらったんですが、バスケットの顧問をなさっていた先生が、私が
以前からバスケットをやっていたのを知っていまして、よかったら是非やって
ほしいというようなことを何度も何度も頼まれました。で、生徒たちの様子も、
本当に一生懸命練習をやっているんですね。で、途中からバスケットボール部
の練習を見るようになりまして、現在に至っています。
○請求人代理人(野本) 部活の顧問をなさってですね、感じる、生徒たちの部活の
ね、ときの様子というのはどうでしょう。
○請求人(竹永) 単に担当顧問から言われたことだけをやっているというような感
じではなくて、本当に自分たちで工夫をして、意欲を持ってやっている、そう
いう様子でした。
○請求人代理人(野本) 竹永さんは所沢高校での勤務、8年間になるわけですが、
この8年の勤務の中で、所沢高校独自の校風とか、あるいは学校運営のあり方
というようなものを感じたことというのはどういうところでしょう。
○請求人(竹永) 一つはですね、やはり生徒たちが自分たちの手で学校生活を作ろ
うという、そういう校風、気風が、やはり受け継がれているということだと思
います。
教職員集団も、そのことをできるだけサポートできるように、いろいろな制
度やいろいろなシステムをつくっています。
○請求人代理人(野本) その今言ったシステムですね、具体的な制度というもので、
特色のある制度としてどういったものが所高にはあるんでしょうか。
○請求人(竹永) 最初のうちはあまり気が付かなかったんですが、制度としての協
議会制度というものがあります。これはですね、生徒たちの意思決定、例えば、
生徒総会で決定したこと、当然、職員会議にかかるわけなんですが、職員会議
でそれを否決してしまったような場合ですね、双方を10名ずつ、生徒10名、
教職員10名で協議会を作って、そこで新たに話合いをしていくという制度で、
多くの学校では、多分、生徒がどのような決定をしても、職員会議でそれを否
決してしまえば、職員会議の決定が優先されるのが常なのではないかというふ
うに思っているんですが、そうした場合でも、生徒たちと教職員が話合いをも
って新しい解決策を一緒に検討していく、そういうことがきちんと制度として
明文化されている、これはやはり非常にびっくりもしましたし、本当に生徒の
いろいろな自由な活動を教職員も支えているんだなという感想を持ちました。
○請求人代理人(野本) その協議会制度ですが、竹永さんが所高に赴任した92年
以降ですね、実際にその生徒総会の決定と職員会議の決定が一致しなくて、そ
の協議会にその議論が持ち込まれたと。で、協議会が機能したということは何
度かあったんでしょうか。
○請求人(竹永) 何度かありました。
例えば、文化祭に当たる、所高祭と呼んでいますが、所高祭で、所沢駅の周
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辺を学校の宣伝をするパレードと呼んでいましたが、かなり多くの生徒がそれ
に参加していたんですが、警察の方からも交通事情等でクレームがついたり、
したがって、職員会議ではパレードはもうよしましょうということになったん
ですが、生徒たちはどうしてもやりたいということで協議会になりました。
それから、同じ所高祭の中で、生徒たちは「ミス所高、ミスター所高」とい
う、まあ、生徒の中の人気投票のようなものなんですが、そういうことを企画、
イベントの一つとしてやりたいということがあがったときがあったんですが、
これは、やはり人権問題にもかかわる部分もありますので、職員会議ではやは
りよしたほうがいいだろうと。これも、生徒たちとの話合いで解決の方向に進
みました。
また、大きな制度に変わっていったものとしては、生徒心得の問題がありま
す。
○請求人代理人(野本) その生徒心得の関係の問題というのはどういったことだっ
たんでしょう。どういった経緯をたどったんでしょうか。
○請求人(竹永) 先ほども述べましたとおり、所沢高校は制服が決まっていません
ので、個々の生徒が自由に私服を着ているわけですね。その中で、生徒心得の
中には、胸に校章を付けるというような規定があったわけです。当然、現実と
合わない規定なわけですから、職員会議の方で、この規定は削除をしようとい
うことを決めました。
それに対して、生徒の側はですね、もちろん校章をなくすことには異存はな
いんですが、自分たちの学校生活にかかわる部分を職員会議だけで、教職員だ
けで決めてもらってはやはりまずいだろうというクレームがつきまして、その
ことを発端に協議会がもたれました。
協議会で話し合う中で、生徒心得全体をもう少し、じゃ、相互で相談をしな
がら見直したらどうだろうか、そういう進展になりまして、生徒規則等検討委
員会という委員会が発足して、これは2年、3年かかりましたが、その当時の
生徒規則を実質的には3分の1ぐらいに、本当に必要なものだけを残そうとい
う観点で、相互に相談をして決めていったという経緯があります。
○請求人代理人(野本) 何年がかりでその改定をやり遂げたということですね。
ところでね、職員会議の運営という面から見て、所沢高校にはほかの学校に
ない独自な部分というのはありましたでしょうか。
○請求人(竹永) 私の経験した前2校でも、職員会議を学校の中で一番大切にしよ
うという学校運営は、多くの教職員は持っていましたが、所沢高校ではそのこ
とを内規の中に明記をしてありました。職員会議が決議機関であるという文面
が入っていまして、うん、これは、今までそういう経験がありませんでしたの
で、ああ、すごいことだなというふうに思いました。
○請求人代理人(野本) ところで、そういった生徒の学校運営への参加やですね、
職員会議の決定が尊重されるという学校運営をね、内田校長以前の所沢高校の
歴代の校長というのは支えてきたんでしょうか。
○請求人(竹永) 内田校長以前の校長も、いろいろ校長としての立場や意見はあっ
たと思うんですが、生徒たちのそういう活動や、例えば、教職員の民主的な学
校運営を支えている今のような規則は認めていました。
○請求人代理人(野本) 具体的にですね、それにまつわるエピソードは何かありま
すか。
○請求人(竹永) 1993年から4年にかけてだと思うんですが、所沢高校を全日
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制の単位制高校に変えようという、そういう県教委の打診がありました。それ
は93年の秋だったと思うんですが、単位制高校というのは、私たちもその当
時は、一体どういうことなのかというのが全く分かりませんで、まず、じゃ、
単位制高校というのはどういうことなんだろうということを調べることから始
めたんですが、5、6人の中心のスタッフでいろいろ手分けをして、私もその
中にたまたま入っていましたが、2学期間、既に開校している全日制の単位制
高校へ見学や訪問に行ったり、県教委の方から説明に2回ほど来てもらったり、
そういう議論をしながら、1月の職員会議で最終決定をしたんですね。
1月の上旬あたりに最終決定をすれば、受ける場合でも受けない場合でも間
に合うという県の方からの話がありましたので、私たちもそのことに従って1
月上旬に職員会議でいろいろ諮りました。
その中で、私は今でも覚えていることが一つあるんですが、ある教員がです
ね、自分が担任を持ったときの話をしてくれまして、1年生を担任して、1年
生の終わり、3月に、学校生活はどうだったんだっていうアンケートをとった
そうなんです。そのときに、クラスのほとんどの生徒が学校生活は楽しいと。
そういう学校を、たとえどんなに良くても、今、変える必要があるんだろうか
というような、そういう発言もあったのをすごく印象に残っているんですが、
もちろん、そのことだけではなくて、施設の問題であるとか、単位制に変わっ
たときのメリットやデメリット、いろいろな観点で議論をしたんですが、結局、
このままでいこうということで、県教委の方へは、所沢高校では単位制に変え
るということはしないという返事を校長にしてもらうことで決着がついたんで
すね。
ところが、校長は、後に分かったことなんですが、県教委に呼ばれて、校長
の責任で単位制高校にするようにしなさいと言われて、それを承諾してしまっ
たわけです。1月の下旬だったと思うんですが、新聞でそのことが発表されま
して、当初、我々はその新聞記事が誤報だろうというふうに思っていたんです
が、校長の方が、いや、そうではないんだと。実は、県教委に呼ばれて受けて
しまったんだということが明らかになりました。で、職員会議を持ったんです
が、やはり今までの積み重ねがありましたし、校長も、やはり職員会議の決定
を無視をして受けてしまったことは、やはりまずかったと、職員会議にも謝罪
をいたしましたし、県教委へは、やはり全日制・単位制高校にするのはやめて
ほしいということをすぐ、翌日だったと思いますが、申入れに行きました。
ところが、県の方では、もう既に予算措置等が済んでいて、もう変更するこ
とはできないのだというようなことを言われたというのがはっきりしましたの
で、私たちもPTAに呼びかけたり協力をしていただいたりしながら、できる
だけ白紙に戻せるように県教委等に働きかけをしました。
保護者の方が、そのときにいろいろ学校のために、つまり子供たちが、本当
に自分の子供が学校生活を楽しんでいる様子を保護者の方はよく御存じですか
ら、今のままでいいだろうということで、非常に協力的にいろいろなことをし
ていただいたんですね。
その結果、その年、つまり年度は変わりましたけれども、9月に県教委の方
も、やはりそういう判断はまずかったということを認めまして、白紙撤回にな
ったということがありました。
○請求人代理人(野本) 今ですね、いろいろと所高の学校運営、生徒の参加が保障
された。あるいは職員会議の結論が尊重された学校運営の実態を話していただ
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きましたが、そういった所高の制度が、どのような教育的な意義を持っている
かということについて、竹永さん、どうお感じですか。
○請求人(竹永) 私自身は、学校教育というものは、やはり民主的な主権者を育て
る大事な要素だと思っているんですね。で、次世代を担う若者たちが民主主義
の中できちんと表現をしていける、活動をしていけるということが非常に大切
なのではないかというふうに考えているんです。
そういうことの大前提としては、いろいろなことを自分で考えて、いろいろ
自分と違う意見と、話合いをしながら自分の行動を決めていく、そういう教育
環境というのは非常に大事だというふうに考えているんですね。自分で考え、
自分で行動できるということを学校現場で保障するためには、やはり一方的に
教職員の方が生徒の考えや行動を押さえつける、押しつけるということは、あ
まりそぐわないのではないか。
そういう意味では、所沢高校の校風というのは、大きな意味で、その次世代
を担う若者を本当に育てている、そういう感触を自分では持っています。
○請求人代理人(野本) 所沢高校でですね、そういった校風がね、育ってきた土壌、
背景としては、どんなことがあったというふうに感じましたか。
○請求人(竹永) 一つはですね、私は所沢高校で8年目ですが、やはり歴代の教職
員が生徒の今述べたようなことを非常に大切にしてきたということがあるので
はないかと思うんですね。また、そういう背景の中で、生徒たちも自分たちの
ことを考え、また、もっと何年も後に入ってくる後輩のことも考え、一つひと
つ制度をつくっていった。そういう積み重ねがあるのではないかというふうに
思います。
○請求人代理人(野本) それでは、97年度のことをお伺いしていきますが、竹永
さんは97年度、校務分掌は生徒会顧問だったということでよろしいですね。
○請求人(竹永) はい。
○請求人代理人(野本) 97年度は担任は持ってはいらっしゃらなかったというこ
とでしょうか。
○請求人(竹永) はい。前年度、3年生を卒業させていますので、慣例で学年担や
担任や副担任はしておりませんでした。
○請求人代理人(野本) 校務分掌の方なんですが、所沢高校では、これはどのよう
なかたちで決められるんですか。
○請求人(竹永) 職員会議の中で選挙で管理職を除く4名の教員が選ばれて、前年
度の準備委員長が慣例として残りまして、5名で準備委員会というのを作りま
す。準備委員会で校務分掌の分担であるとか、来年の担任はどうするのである
とか、それから部活の顧問はどこを持つのであるとか、そういうことを、希望
を尊重しながら調整をしていきます。
○請求人代理人(野本) そうすると、希望が重複した場合には、準備委員会が間に
入って調整を図るということですね。
97年度は、竹永さんは生徒会顧問を希望されたんですか。
○請求人(竹永) いえ、その年は希望していませんでした。
○請求人代理人(野本) そうすると、生徒会顧問になったのは、どういった経緯で
なられたんですか。
○請求人(竹永) その年の校務分掌の希望の中で、生徒会顧問の希望者の数が定員
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より少なかったんですね。で、いろいろ、その準備委員会の中で相談をされた
ようなんですけれども、学年に所属してない教職員を慣例的に学年外の教員と
いうふうに呼んでいるんですが、約15名ほどいます。学年外の教員の中から
も1人選出をしようということになりまして、既に、どうしても動かせない、
希望変更できないようなポジションにいる方もいましたが、5、6名いました
でしょうか、その可能性のある教員が。で、私もその中の1人で、皆で相談を
して、その結果、私がなることになりました。
○請求人代理人(野本) それ以前は、生徒会顧問の経験はあったんでしょうか。
○請求人(竹永) ありません。
○請求人代理人(野本) じゃ、所沢高校で初めて。
○請求人(竹永) はい。
○請求人代理人(野本) 生徒会顧問になる前にですね、その顧問がどんなことをや
っているのか、印象としてはどういうふうにお持ちになっていました。
○請求人(竹永) 先ほどの体育祭の例でもお話したように、生徒会顧問は、いろい
ろ担当があるようだということは分かっていたんですが、自分の担当のところ
では、委員会なり何なりの指導をするわけですけれども、ほとんど、生徒と一
緒に、生徒の会議に同席をしているというような状況で、また、子供たちが自
分で考えるということを非常に大切にしていますので、顧問の方から、一方的
にこうしなさい、ああしなさいという指導はもちろんないんだろうと思います
が、そういう状況というのは、時間や手間暇が非常にかかる指導なんですね。
私も、例えば所高祭の担当をしていた、今年もそうなんですけれども、して
いた時期は、生徒たちの、中心になっている総務会に付き合っていますと、7
時、8時というようになるようなことももちろんありますし、そういう状況で、
非常に大変だし、子供の側にいつも立って職員会議なんかで発言もしていまし
たし、それなりに、やりがいはもちろんありますけれども、時間的にも精神的
にもかなり大変な仕事なんだなということは感じていました。
○請求人代理人(野本) 生徒会顧問は、何名なんでしょう。
○請求人(竹永) 今年度は9名です。
○請求人代理人(野本) 97年度も同じ数だったんですか。
○請求人(竹永) ええと、8名だったと思います。
○請求人代理人(野本) その8名ないしは9名の生徒会顧問というのは、それぞれ
担当を持つわけですか。
○請求人(竹永) はい。9名おりまして、実際に委員会の指導、例えば、体育祭実
行委員会の指導とか、所高祭実行委員会の指導とか、そういうふうに幾つかの
仕事が分かれているわけなんですが、一つの仕事に3名から4名分担をして、
ですから今年の場合で言いますと、私は二つの委員会の指導を担当ということ
になっています。
○請求人代理人(野本) 97年度の場合は、竹永さんは何と何の担当をなさいまし
たか。
○請求人(竹永) 所高祭の担当と、門出式実行委員会の担当でした。
○請求人代理人(野本) 所高祭の担当としては、生徒たちとは、この97年度の場
合はどのようなかかわり方をなさいました。
○請求人(竹永) 生徒の方は、4月、1学期が始まってすぐに、各クラスで委員の
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選出があります。その中で、例えば、所高察実行委員も決まってくるわけです
ね。そこから、すぐ第1回の委員会の全体会を開いて、委員長や副委員長等々
を決めていくわけです。そういうような全体会の所実、所実というふうに通例
呼んでいますので、そう言わせていただきますが、所実の全体会には必ず出て
いますし、委員長等の中心になっている、総務会というふうに呼んでますが、
総務会にもできる限り同席をしています。
その中で、これも先ほども述べましたが、生徒たちが何かこう行き詰まった
り疑問に思うことがあったり、そういうときに、できるだけアドバイスをして
あげると。あまり教職員の方で先走って、ああしなさいこうしなさいというの
は、生徒会の顧問だけではありませんが、できるだけそういう指導をしないよ
うにというふうに、今までも伝統的にそういうかたちでやっております。
○請求人代理人(野本) まず生徒たちが自分で考える、それをサポートするのが顧
問の役割というかたちだったんですね。
○請求人(竹永) はい。
○請求人代理人(野本) ところで、生徒会顧問に就任した直後、97年度ですが、
生徒たちが一番関心を持っていたことというのは何だったんでしょうか。
○請求人(竹永) はい。入学式が非常に混乱したんですが、そのことについて、校
長から、しっかりした納得のいく説明をしてほしいというのが、生徒たちが関
心を寄せていたことだと思います。
○請求人代理人(野本) 入学式の混乱というのは、この口頭審理でもMK先生が証
言をされましたが、内田校長が、通例は、前年度決まっていた入学式の次第を
無視して、職員会議の反対を押し切って、管理職だけで入学式をしたと、こう
いうことですね。
○請求人(竹永) はい。
○請求人代理人(野本) 内田校長は、入学式の行動について、会場にいた保護者や
新入生がどのような反応であったかというのを聞いてらっしゃいますか。
○請求人(竹永) はい。管理職3人で始めてしまってから、時間にすればどのくら
いだかは、はっきり記憶はしてないんですが、しばらくしてから、私たちも会
場に、心配でしたので向かいました。
その中ではですね、教頭が400名全員の呼名を、まさに棒読みでしている
わけですね。生徒の側からも保獲者の側からも、記憶に残っているのは、ある
女の子なんですが、立って泣きながら、私はこんなの嫌だと言っているわけで
すね。保護者の方も、もちろんその、明るく迎え入れられるはずの入学式が、
何か分からないけれども、こんなかたちで行われるのは何なんだ、それは怒り
は当然だったと思うんですけれども、そういう泣き叫ぶ中、呼名が終わり次第、
内田校長は式辞に入って、5分ほどの式辞を終わって、これで入学式は終了し
たと言って体育館を出ていってしまったんですね。私たちも止めましたが、非
常に悲惨な入学式だったというふうに思います。
○請求人代理人(野本) 入学式には出ていなかった在校生たちは、その入学式の混
乱というのはどういふうに受け止めたんでしょうか。
○請求人(竹永) 所沢高校では、入学式は4月の始業式の翌日の午後に行っていま
す。ですから、在校生は、もちろん用のない生徒は帰ってしまうわけですけれ
ども、部活の生徒だとか、入学式があるということで、多くの生徒が残ってい
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るわけですね。何かこう、異常な事態だというのは外にいてもわかりますし、
そういうことから、自分たちの後輩が、何だかその時点では分からないけれど
も、決して温かい迎えられ方をしていないんだということは、それは多くの生
徒は感じたというふうに思います。
○請求人代理人(野本) 生徒たちは、この問題について、4月以降ですね、まず、
どのような行動をとっていきましたでしょうか。
○請求人(竹永) 一つは、先ほども述べましたように、どうしてそういうふうにな
ってしまったのか、しっかりした説明を聞きたい。それは生徒としても当然だ
ったと思うんですね。
生徒会本部の、本部役員の生徒も、4月1日の目に校長が新しく代わりまし
たので、内田校長に替わりましたので、生徒会本部としても、既に3月の時点
で決定している入学式の内容と異なることがあるのならば、早めに連絡をして
ほしいという申入れをして、その時、内田校長は、そうであればするというよ
うな返事をしたように思うんですが、後に、そんなことは言っていないという
ふうに校長は言いましたが、その席でもですね、校長と生徒、教員と生徒は立
場が違うのだと、それはまあ当然、当たり前のことなんですが、例えば生徒に
向かってですね、君たちは教員免許を持っているのかと、そういうことを平気
で生徒に突きつける、そういう人格は、ちょっと私たちも信じられなかったん
ですが、そういうことに代表されるように、生徒たちを信じるというのかな、
そういう教育的な配慮が非営に欠けていたように思います。
生徒たちは、そういうことを敏感に感じとっていましたので、それでも、生
徒は立派だなというふうに思うのは、できるだけ話合いで解決をしていくとい
う所沢高校の伝統をきちんと身につけて守っていましたので、校長に何度も説
明を求めたりしていました。
○請求人代理人(野本) 実際、生徒たちと、それから内田校長との話合いというの
は持たれたんでしょうか。
○請求人(竹永) 生徒たちが校長室に、説明会を開きたいのでというお願いをしに
行ったときに、その時、私も、そのうちの1回は同席をしていたんですが、や
むなく、しょうがないだろうというような対応だったんですが、第1回目の説
明会がたしか4月の下旬に1回目がもたれたと思います。
校長が出てきて、多くの生徒が、会議室で行ったんですが、会議室に詰めか
けた中で、これは説明会ではないんだと、私の考えは、生徒総会が終わった後
に述べるので、質問には答えないと。
もちろん、生徒の中では、いろいろな疑問点や、どうしてそうなってしまっ
たのかというような質問が多く出たんですけれども、校長は、一切質問には答
えないと。
2回目は、5月の上旬だったと思うんですが、2回目などは、態度は全く同
じだったんですが、生徒たちの意見や質問が出ている中、途中退席をしてしま
うという、生徒の側は、本当にその、話し合いを大事にして、自分たちの意見
も、校長に対して、でもきちんと敬語を使いながら、親切に丁寧に対応してい
る中、校長の方は一方的にですね、そんなことには答えられない、これで退出
するというような、本当に、私たち教職員が考えても、それはひどいのではな
いかというような対応でした。
○請求人代理人(野本) 内田校長と対話を試みようという生徒たちのその取組とい
うのは、生徒会役員を中心とした一部の生徒たちだけのそういう動きだったん
でしょうか。
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○請求人(竹永) 所沢高校には、例えば生徒会本部が考えていること、いろいろな
ことを全校に知らせるために、「FREE」というわら半紙1枚の、半裁のと
きもありますが、そういうニュースを持っています。また、各クラス2名から
なっているホームルーム委員会、これは生徒総会に次ぐ議決機関として位置付
けられているんですが、ホームルーム委員会でも、ホームルーム委員会のニュ
ース、これは年度によって名称が変わりますが、この年は、「家室(ほうむる
うむ)的新聞」という、生徒はかなり柔らかな感性で新聞の題を考えますので、
そういう名前の新聞を発行しています。
その両方でですね、校長先生との話合いの様子であるとか、事前の校長先生
との話し合った内容であるとかを全校生徒に配布してありましたので、また、
入学式が混乱したということについて、2年生や3年生、そしてもちろん当事
者である1年生たちも強い関心を持っていましたので、説明会などにも、関係
のその役員の生徒だけではなくて、本当に多くの生徒たちが集まってきました。
○請求人代理人(野本) 内田校長のですね、君たち、あなた方とは立場が違う、話
をすることはできないと、こういう姿勢からね、生徒たちの方はどんなことを
考えたんでしょう。
○請求人(竹永) 今までは、どんなに意見が違っても、きちんと話合いをしていく
ということが守られていましたので、非常に校長に対する不信感というのを持
ったと思います。
○請求人代理人(野本) ほかには、自分たちのですね、まあ入学行事の混乱という
のも内田校長の姿勢で起きたわけですが、その後のね、自主的な活動に何か支
障が起きるのではないかとか、そんなことは生徒たちは考えなかったんでしょ
うか。
○請求人(竹永) 事の発端はもちろん入学行事ですが、そのこと自体の本質は、決
められたことが校長の一存で変えられてしまったということだと思うんですね。
それは、とりもなおさず、生徒にとってみれば、今までの自主・自立の校風そ
のものが、やはり徐々に変質されてしまうのではないかと、そういうことをや
はり危惧したように思います。
○請求人代理人(野本) そういった内田校長に対する不信感であるとか、所高の自
主・自立の校風が奪われてしまうのではないかという危機感ですね。そういっ
たものはですね、生徒たちの、それも一部ではなく大多数のものだったと言え
るでしょうか。
○請求人(竹永) これもやはり、その校長の対応とかは、先ほど言いましたような
ニュースで全校に知らされていますので、どの生徒もというわけにはいかない
かもしれませんが、多くの生徒はやはり危機感を持っていたように思います。
○請求人代理人(野本) 甲第72号証を示します。
〔甲第72号証を示す〕
○請求人代理人(野本) これは、先ほど証言された、ホームルーム委員会の方が発
行している「家室(ほうむるうむ)的新聞」というものですね。
○請求人(竹永) はい。
○請求人代理人(野本) 6月の24日に配られたもの、発行されたものでしょうか。
○請求人(竹永) はい。
○請求人代理人(野本) この真の方に、アンケートのことが書かれているんですが、
このアンケートはどういうものだったかというのは、お分かりですか。
○請求人(竹永) 下の部分に、例えば質問として、「入学式をあのようなかたちで
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行われてしまい、そのことについて不快な思いをしましたか」というような質
問がありまして、集計が載っていますが、「イエス」と答えているのが220
人、これは1年生のみの回答ですから、こういうアンケートや、意見調整をし
て、やはり入学式の問題については、きちっと説明を受けて、自分たちも納得
をしたいという、そういう気持ちの表れだと思います。
○請求人代理人(野本) 最終的にはですね、所沢高校では、それまでの行事とは違
う、新しい形態の卒業行事、あるいは入学行事というのは生み出されていった
わけですけれども、その発端ですね、新しい形態の行事をという発想が生まれ
た経過というのは、どういうところだったんでしょう。
○請求人(竹永) はい。1学期の前半は、今述べましたように、入学式の混乱につ
いて校長から説明を受けたいということで、いろいろ時間もかかりましたが、
そういうことに費やされていました。
校長の生徒への説明は、先ほども述べましたように、生徒総会の後で話すと
いうことだったんですが、生徒総会が終わった後、校長が全校生徒に向かって
入学式のことについて説明をしたんですね。
その後、今の校長先生の説明で納得できる人は何人か挙手をしてくださいと
いう中で、全校生徒の中で6名が手が挙がりました。つまり、校長の説明は、
生徒たちにとって、何ら自分の中に入ってくるものではなくて、ただ校長の言
っていることを、例えば、学習指導要領に載っているからやったんだというよ
うなこと一点張りだったり、何も生徒の中に飛び込んでいくものがなかったん
ですね。
そういうことがありまして、やはり一番心配を始めたのが、3年生の、これ
も各クラスから選ばれているんですが、卒業準備委員という生徒たち、委員会
なんです。もし、このままでいくと、自分たちの卒業式も、またあの入学式の
ような大混乱になってしまうのではないか、そういう危惧がありまして、3年
生は、その卒業準備委員は、まず、3年生に対してどんな卒業式をやりたいの
かというようなアンケートをとりました。
もちろん、3年生もそうですし、多分2年生もそうだったと思うんですが、
一番望んでいたのは、それ以前の、つまり今までの卒業式と、それから卒業式
の後に門出式というのがあるんですが、その二つのことだったと思うんですね。
その二つのことだったと思うんですが、それがどうも、校長先生と話をして
みても、そうはできそうもないということが分かってきて、じゃ、どうしよう
かと、どんなことが考えられるか、また、そのアンケートをとったり、そうい
う、委員会だけが独走していたのではなくて、常に同じ学年や全校生徒の意見
を集めて、じゃ、この混乱を解決するためには、自分たちでは一体何ができて、
どういうことをしたらいいんだろうか、そういうことを、1学期の後半、いろ
いろな委員会、具体的には卒業準備委員会と、ホームルーム委員会と、生徒会
本部と、それから、例年の卒業式の後にやっている門出式を運営していた門出
式実行委員会、その三つの委員会と生徒会本部なんですが、後にこれを四者会
議というふうに校内では呼ぶようになりましたが、その三つの委員会と本部で、
どうしようかというようなことを、1学期の後半、考え始めたということにな
ります。
○請求人代理人(野本) 竹永さんは、その四者会議は、門出式実行委員会のもとも
と担当だったというわけですね。
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○請求人(竹永) はい、そうです。
○請求人代理人(野本) その立場から、その四者会議の担当にも入っていったとい
うことなんでしょうか。
○請求人(竹永) 四者会議の担当というのが、特別決まっていたわけでも、もちろ
んないんです。それぞれの、例えば門出式実行委員会の担当も、ホームルーム
委員会の担当も、本部担当も、それから卒業準備委員会の3年生の顧問の先生
も、当然、教職員の方も、一緒に相談をしながら進めていったということです。
○請求人代理人(野本) その四者会議を中心とした新しいかたちの卒業行事をとい
うこと、動きですね、これが具体化してですね、案としてまとまった、その過
程はどういうふうになりました。
○請求人(竹永) 生徒の側はですね、四者会議で相談をして、実際には2学期に入
ってからだと思うんですが、やはりこれも全校にアンケートを取ったりしなが
ら、一つ一つ、新しいかたちの卒業行事を作っていこうという動きになってい
きました。
それを受けて、私たち生徒会顧問の中でもいろいろ相談をしたんですが、一
つはっきりしたことは、卒業式や入学式というものは、名称は出てくる部分も
あるんですが、学校として必ず実施しなければならないというものではないと
いうことが分かったんですね。これは、内田校長も何度も何度も、校長自身も
言っていましたが、であるならば、そのほかの体育祭、文化祭、日常の生徒の
自主活動というものが非常に活発な学校なんですが、高校生活3年間を考えて
みると、やはりその入り口である入学式、出口である卒業式というのも、生徒
が参画して、もしくは生徒が主催をする行事にしても、ほかのことも非常に一
生懸命やっている生徒たちですので、それはそれでできるだろうと、というよ
うなことに、だんだん、その生徒会顧問の中でも意見が決まってきまして、で、
9月の11日だったと思いますが、生徒会顧問の方から職員会議に提案をいた
しました。
○請求人代理人(野本) そうすると、職員会議の方へは、その生徒たちがどういう
ことをしているのかというのが、生徒会顧問の方から常に報告が入っていたと
いうことでしょうか。
○請求人(竹永) 卒業準備委員会という組織は、3年生の学年の中の組織なので、
学年の教員が2名から3名担当しているんですが、そのほかは、委員会と、そ
れから生徒会本部ですので、生徒会顧問の中で担当が決まっています。で、各
担当の方で、生徒の動きをできるだけ職員会議の方には報告をしていくという
かたちをとっていました。
○請求人代理人(野本) そこで、さっき、9月11日の職員会議ということでした
が、それまでの卒業式とは違う、生徒主催の新しいかたちの卒業式を行うと、
こういう提案ですね、具体的な意見が最初に諮られたのは、この日ということ
でよろしいですか。
○請求人(竹永) はい。
○請求人代理人(野本) この職員会議で、その卒業準備委員会の方で原案をつくっ
たということだったでしょうか。
○請求人(竹永) 提案自体は、生徒会の顧問の方で提案をまとめています。
○請求人代理人(野本) どういった提案だったか記憶されてますか。
○請求人(竹永) はい。その日は、二つの事項を提案しました。一つは、卒業式は
行わないという提案です。もう一つは、生徒主催の、教職員が参画した、つま
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り計画の段階でも教員の指導が入る、一緒に作り上げていくというような意味
合いですが、そうした卒業を祝う会、仮称ですが、それを実施するという二つ
の提案でした。
○請求人代理人(野本) この9月11日の職員会議での議論なんですけれども、ど
んな角度からの意見が出たでしょうか。
○請求人(竹永) 当然考えられるのは、所沢高校では、教職経験の長い教員が多い
ですから、それぞれに、卒業式には卒業式のイメージというものを持っていま
す。それは、例えば、どなたでもそうなんだろうと思いますが、それをやめて
しまうということは、どうなんだろうということは、当然だれも考えるわけで
すね。
しかし、もう既に9月ですから、4月から半年弱ぐらいたっていまして、内
田校長のその教育に対する態度というものを、非常に不信を教職員も持ってい
ました。再度、入学式の混乱のようなことが卒業式であるのならば、それは、
その代わりのものを提案できるのであれば、やめてもいいだろうと。
したがって、1番目の、卒業式を行わないという提案は、その日の議論の中
で採決され、賛成多数で承認されています。
2番目の生徒主催の卒業行事の方なんですが、これは、そうは言ってもどん
なものになるか全く見当もつきませんし、不安要素も多々ありましたので、そ
ういうことを含めて継続審議になりました。
○請求人代理人(野本) この日の職員会議について、内田校長はね、この口頭審理
の場で、「お1人だけ質問をして、意見を述べたか何かあったと思うんですが、
それだけで議論はなくて、すぐに採決となった」と、こういう趣旨の発言をさ
れているんですが、実際そういう職員会議だったんでしょうか。
○請求人(竹永) いや、全くそうではなかったと思います。
当然ですね、卒業式を行わないという決定は、やはり教員それぞれの考えは
あっても、それは非常に大きな決定なわけですね。そういう職員会議の決定を
するのに,何にも議論がなくて、賛成多数で決まるというようなことは、どう
考えても、常識的に考えてもあり得ないと思いますし、もちろん、具体的な意
見は覚えていませんが、意見は多く出たと思います。
○請求人代理人(野本) 内田校長自身は、この9月11日の職員会議では、生徒会
係からの提案について何か発言をしていましたか。
○請求人(竹永) 内容については、全く、議論の途中、発言をしていませんし、採
決がなった後も、特に、そういうことはならんとか、反対であるとかいうよう
なことは言っていません。
最終的に、態度は保留するというようなことを言ったように覚えています。
○請求人代理人(野本) ところで、その9月11日に継続審議となった二つ目の提
案、生徒主催の教職員が参画した「卒業を祝う会(仮称)」ですか、これを行
うという提案については、その後どのような扱いになりましたか。
○請求人(竹永) 継続審議でしたので、10月に入っての職員会議で提案をされま
した。併せて、その職員会議では、生徒の組織、四者会議と職員会議の連絡調
整のため、それから全体の責任というのかな、全体像をしっかり把握するため
に、教職員の卒業行事に対する総務の構成員の提案がされました。
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継続審議の方はですね、その総務というような組織をつくって、教職員の考
え方も生徒たちに伝え、生徒たちの考え方も、教職員会議を通じて、きちっと
連絡調整をとると。ですから、生徒だけが勝手にやるということではないとい
う安心感と、教員がきちんとある程度の、こんなことはやっぱりやってほしく
ないというようなことは生徒たちにも伝えると。そういう連絡調整組織がきち
んと確立したこともあって、2番目の継続審議であったものは承認をされ、併
せて、その総務の構成も承認されました。
○請求人代理人(野本) その職員会議の日付は10月の頭とおっしやいましたが、
10月9日でよろしいですかね。
○請求人(竹永) はい。
○請求人代理人(野本) この10月9日の職員会議の決定なんですが、今、二つの
決定があったと。総務会の構成の承認と、それから卒業を祝う会を行うという
ことの承認ということですが、この決定について、内田校長は職員会議で何か
発言をしていますか。
○請求人(竹永) いや、特に発言をしていないと思います。態度は保留。
ただ、卒業式をやらないのはどんなものだろうかねというような感想は述べ
ていたように思いますが、校長として、職員会議上の正式な発言としては、態
度保留ということしか述べていないと思います。
○請求人代理人(野本) 今のですね、卒業行事に関する提案なんですが、入学行事
に関して、生徒たちのですね、入学式は行わずに入学を祝う会を行うという提
案が職員会議で最初に諮られたのはいつだったと記憶されてます。
○請求人(竹永) 10月の下旬、23日だったかな、そのくらいではなかったかと
思いますが。
○請求人代理人(野本) 10月23日に職員会議開かれていますが、その日でよろ
しいですかね。
○請求人(竹永) はい。
○請求人代理人(野本) 10月23日の職員会議には、これは生徒会係の方から今
の提案があったということでよろしいですか。
○請求人(竹永) はい。
○請求人代理人(野本) 内田校長はですね、請求人の竹永先生は、説明の中で、先
生方も十分議論をしたというような話をされたと記憶しているが、しかし、実
態はそういうことではない、実質的な議論はされていないんだと、こういう趣
旨のね、証言をこの日の職員会議についてもされているんですが、実際はどう
だったでしょうか。
○請求人(竹永) もちろん、実際そんなことはありませんし、先ほども述べたよう
に、入学式をやらないというようなことが何も意見が出ずに決まるようなこと
は、やっぱり常識的には考えられないと思うんですね。
ただ、卒業式をやらないというところで、かなり多くの議論をしていました
ので、卒業式をやらずに卒業を祝う会をやるんだという決定が既になされてい
ますので、入学式の方はゼロからスタートして議論をしたというわけではない
部分はもちろんあります。ですが、一定程度の議論はして、入学式も生徒主催
のものに変えていこうと、そういうことになりました。
○請求人代理人(野本) 内田校長は、この10月23日の職員会議の決定について
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は、その日に何か意見は言っていますか。
○請求人(竹永) 先ほどと同じようなことを言っていますが、入学式をやらなけれ
ばならないとか、そのような発言は一切していません。
そのことはですね、生徒の側の決定は、各クラスに生徒総会の議案書を下ろ
して、最終的には11月11日の生徒総会で、ほかの議案ももちろんありまし
たけれども、入学を祝う会、卒業を祝う会の実施の提案が生徒総会でなされて、
これも生徒総会で可決されているんですね。所沢高校では、生徒総会で可決さ
れたものは、その後のできるだけ早い段階の職員会議にかかることになってい
ます。その職員会議では、私たちは審議をしてそれを承認したんですが、内田
校長は、その時点でも承認することはどうか態度を保留したいというような発
言をしていますし、それは、もう職員会議の議事録を見ても明確なんですが、
その時点でさえ保留をしているわけですから、それ以前に入学式はやらなけれ
ばいけないとか、卒業式はやらなければいけないというような発言は一切して
いません。
○請求人代理人(野本) 内田校長は、陳述書、乙第3号証ですが、陳述書の中でね、
「入学式をやらないことは認めませんと、自分が決定したことを伝えた」と、
こういうふうに書いてあります。
それから、この口頭審理でも、「入学式をやってください、入学式をやらな
いことは認めません。入学式は入学を祝う会に代えることはできませんと、こ
ういう言い方で伝えた」と、こういう証言をされているんですが、そうすると
10月23日の職員会議でね、そういう発言をしたという内田校長の陳述書だ
とか証言というのは、これは誤りだと、こういうことになりますか。
○請求人(竹永) もちろん、誤りというか、虚偽の証言だというふうに思います。
○請求人代理人(野本) 甲第77号証を示します。
〔甲第77号証を示す〕
○請求人代理人(野本) これは要望書と題する書面で、作成は生徒会顧問となって
いますね。12月4日付けで作成されたものということでよろしいでしょうか。
○請求人(竹永) はい、そうです。
○請求人代理人(野本) この文書と、先ほど竹永さんが証言された内容と関係があ
りますか。
○請求人(竹永) はい。ここで要望をしていることは2点なんですが、11月20
日の職員会議で総会議案を承認したわけなんですけれども、その時に内田校長
は、一つには、生徒総会の議案を職員会議で承認するのはいかがなものかとい
うような発言をしました。
そのことについて要望を出しています。
それから、もう1点は、校長として保留をしたいという部分、それは、やは
り現場の教育者であるならば、保留という態度ではなくて、明確な意思表示を
してほしいという、そういう要望を出しています。
これは12月4日なんですが、この会議では、校長がこの文書に対して、職
員会議の場で検討しています。1番目は、職員会議で審議するのはいかがなも
のかというようなことは言ってはいないと。審議して承認するのは構わない、
当たり前のことなんだということが1点。これは議事録にも記載があります。
それから、保留をした件は、校長としての責任があるので保留をしたのだと。
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これも12月4日の職員会議の議事録に、記録者から明確に記録が残っており
ます。
ですから、先ほどのように、入学式をやってくださいということでもしあれ
ば、当然、この生徒総会の議案書の職員会議の場でも、それは認められないと、
校長としての責任ある態度で言ったはずですし、12月4日、この時点におい
ても、保留したのは責任があるからだと、まだ述べているわけですから、まさ
にこの間に校長が入学式をやってくださいというようなことを職員会議に述べ
たことは一切ありません。
○請求人代理人(野本) 今日ですね、乙号証として、当時の職員会議の議事録が提
出されています。
その中には、以前、こちら、請求人側から出している書証の中では、これは
あえて塗りつぶしていたわけですが、内田校長が加筆した部分がね、書かれて
いるんです。
そこで、やはり、10月23日の職員会議のところの部分では、内田校長が
ですね、「入学式をやってください、入学式をやらないことは認めない」と、
こういう発言をしたんだという加筆がね、内田校長自身によってなされている
んですが、そうすると、この加筆は、その当時の職員会議の実際の発言とは違
うと、そういう発言はなかったと。
○請求人(竹永) もちろん、違います。
○請求人代理人(野本) それから、甲第20号証を示します。
〔甲第20号証を示す〕
○請求人代理人(野本) これは、年が変わって平成10年の1月22日の職員会議
の資料として内田校長が出したもののようなんですが、これは、その職員会議
で配られたもので間違いないですかね。
○請求人(竹永) はい、間違いありません。
○請求人代理人(野本) この第1項にですね、平成9年10月29日、これは内田
校長が誤記だと認めていますが、23日のことだと思いますが、「23日の職
員会議で話したとおり、入学式を行わないという職員会議の決定は校長として
認めることはできない」と、こういう記載がありますね。そうすると、この記
載はどうでしょうか。
○請求人(竹永) 今述べたとおり、10月の時点での職員会議では一切そういうこ
とを校長は言っていません。ですから……しかも、その職員会議では、校長は
態度を保留しているわけですから、文面は通っていますが、事実とは違います。
○請求人代理人(野本) ところで、ちょっと話が変わりますけれども、2学期の終
わりから3学期へかけてとですね、「入学を祝う会」の準備というのはどのよ
うなかたちで進められてきましたでしょうか。
○請求人(竹永) 生徒の側は、例えば卒業行事は、一つは先ほども述べましたよう
に、門出式というのをそれまで運営をしていましたから、ある程度の蓄積はあ
るんですね。卒業記念祭と門出式とは全く同じものではありませんが、そうい
うものが母体になっている部分もあるわけです。
ところが、入学行事は生徒たちにとっても初めての経験ですから、どういう
ことを、やはり新入生を歓迎するために、しかも喜んで新入生も保護者にも温
かい感じで喜んでもらえる祝う会を行おうかと。これも四者会議が中心になり
ながら全校生徒に意見を求めたりしながら、プログラムや、その一つひとつの
内容ですね、そういうものを少しずつ決定をしていったというふうになってい
ます。
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○請求人代理人(野本) 最終的には、所沢高校でね、この年度、入学式を行うこと
になったわけなんですけどね、その入学式を行うことになったというのは、こ
れはいつ決まったことだったでしょう。
○請求人(竹永) 職員会議では、先ほども述べましたように、入学式は行わないと
いう決定をしていますので、その決定でずっと来ているわけなんですが、3月
18日の説明会で、例えば、校長は入学式をやるというようなプリントを配っ
ていますし、また、1月だったか2月だったかにも、職員会議の議題にはなり
ませんでしたが、そのようなものも配布されたように思うんですが、最終的に
決定をされたのは3月23日だったかな、職員会議で校長からの入学式につい
ての職務命令が出たときで、その以前は、全体の合意でも、職員会議決定でも、
入学式をやるということは一切出ていません。
○請求人代理人(野本) 入学説明会の前に開かれた最後の職員会議というのは3月
5日の職員会議になるわけですが、そうすると、3月5日の職員会議の時点で
は、内田校長の方の入学式を祝う会とは別にやってほしいという意見と、それ
から、職員会議、あるいは生徒の入学を祝う会だけでね、やっていきたいとい
う意見とが平行線の状態で続いていたということでよろしいでしょうか。
○請求人(竹永) そうですね。
○請求人代理人(野本) ところで3月5日の職員会議から18日の入学説明会まで
2週間、日があるわけですが、この間は、内田校長と教員、あるいは生徒たち
との間で入学行事に関する調整は何か進めたんでしょうか。
○請求人(竹永) 生徒たちも、もちろん我々、新1学年としても不安がありました
ので、校長との話合いをしたいという気持ちがありました。しかし、3月9日
が卒業行事、卒業記念祭、校長の卒業式というような、そういう日程になって
いましたので、まずは生徒たちも、私たちも、卒業記念祭もきちっと成功させ
たい、そういう思いがありました。
また、所沢高校では、その翌日から学年末の試験に入ってしまいますね。で
すから、実質的にはその間でもというふうには考えてはいたんですが、そうい
う日程のために、校長との話合いは持つことができませんでした。
○請求人代理人(野本) それでは、入学説明会のことについてお伺いしますが、そ
もそも入学説明会というのは、これはどの学校でも行われる、新しく入ってく
る新入生とその保護者に対するガイダンスを目的とした行事ですね。
○請求人(竹永) はい、そうです。
○請求人代理人(野本) 例年その準備を所沢高校で担当するのはだれでしたか。
○請求人(竹永) 新1学年で担当することになっていました。
○請求人代理人(野本) 98年度の場合は、その新1学年の学年会と言うんですか、
学年団と言うんですか、これはいつ組織されましたか。
○請求人(竹永) 2月の下旬だったと思いますが、準備委員会の方から、来年度の
担任構成が発表になりまして、そこで組織されました。
○請求人代理人(野本) 竹永さんは、その新1学年の学年会に所属することになっ
たわけですね。更に、その1学年の代表にもなったわけですが、その代表とな
った経緯はどういったものだったんでしょうか。
○請求人(竹永) 2月の下旬に発表されて、第1回目の新1学年のメンバーで会合
------------------------------------(19)------------------------------------
をもったわけなんですが、その時に、当然その代表を決定するわけです。私以
外のある先生が代表をやっていただくことになったんですが、3月3日でした
か2日でしたか、人事異動の一斉提示がありまして、その先生が異動されるこ
とになりました。で、学年会で改めて代表を決めなければいけないということ
になりましたので、いろいろ議論をした結果、私が代表を務めるということに
なりました。
○請求人代理人(野本) そうすると、まあ、急きょ決まったということなんですね。
○請求人(竹永) はい。
○請求人代理人(野本) 学年代表というのは、ほかの学校でいうと学年主任という
のがありますが、それと同じようなのと聞いていいんでしょうか。
○請求人(竹永) 学年主任の位置付けも学校によってまちまちかとは思うんですが、
所沢高校の中では、まず、学年内の取りまとめを行うということと、それから、
学校の外も含めてですが、それの窓口的な役割で、権限は一切持っていません。
○請求人代理人(野本) そうすると、例えば授業の編成作業などを行う権限が特に
学年代表に与えられているということはないわけですね。
○請求人(竹永) ありません。
○請求人代理人(野本) 98年度の場合、入学説明会の準備作業なんですが、これ
は学年会の方でどういうふうなかたちで進められました。
○請求人(竹永) 第2回の学年会を3月5日に持っているんですが、毎年やってい
る説明会ですので、私の方で前年度の、つまり現1年生ですね、一つ上の学
年の資料を借りてきまして、大体同じような型で今年度もやれるように学年会
で検討して、その日の職員会議に新1学年団として提案をしています。
○請求人代理人(野本) そうすると、実際に3月18日に開かれた入学説明会の時
にね、学年代表として竹永さんが話す、その説明の中身ですね、この議論とい
うのはいつ話し合われたんでしょうか。
○請求人(竹永) 学年会の方もですね、先ほど述べたような、つまり卒業行事や試
験ということがあって、できるだけ早急に持ちたかったんですが、3月16日
の日に第3回の学年会を持ちました。
この中では、卒業行事が既に終わっていますので、まず、その新1学年団と
しての姿勢について確認をしました。もう一つは、新入生に対して、卒業行事
でのいろいろな報道がありましたし、例えば「分裂開催」とかいうような表現
も新聞なんかには見受けられましたし、当然、新入生や保護者は不安を持って
いるだろうという部分もありましたので、それをなくしていこうと、そういう
ようなことも話し合いましたし、また、入学を祝う会の当日ですね、新入生が
混乱しないようにと、そういうことを学年としてどういうふうなことができる
だろうかというようなことを、いろいろな意見を交えて検討しました。
それに伴って、では、18日にどういう内容を新入生、保護者に対して、1
学年として伝えようかということも議論をしました。
○請求人代理人(野本) 今、混乱した卒業行事というような報道があったという話
がありましたが、実際のその卒業式、卒業記念祭の様子というのは、そういっ
た報道をされているような実態のものだったんでしょうか。それとも違う部分
があるんでしょうか。
○請求人(竹永) これも先ほど述べたことと多少重なる部分もあるんですが、四者
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会議を中心に新しい卒業行事を決めていこうと。生徒たちは、全クラスに意見
を下ろして、また、それを吸い上げて検討してという、そういうステップを一
つひとつ積み重ねてここまで来たわけですね。それに引きかえ、校長の方は、
その時程もすべて決まっているような中で、卒業式の時間帯、こういう時間帯
は卒業式をやるのだと。生徒たちは非常に困ったんです。しかし、生徒たちは
自分たちがきちっと積み上げてきて、生徒総会でも承認をされている、そして、
職員会議でも承認をされている、そういうことについて、自分たちなりには自
信を持っていましたので、報道のような混乱ということではなくて、生徒一人
ひとりは、それぞれの判断に基づいて冷静に当日は行勤をしていたと、そうい
う見方を私はしています。
○請求人代理人(野本) ところで、そういった卒業行事が行われた直後のですね、
3月16日の学年会の議論なんですが、もう一度確認したいんですが、この日
の学年会で議論され、確認されたことというのはどういった内容だったでしょ
うか。
○請求人(竹永) 一つは、私たち所沢高校の教職員は、先ほども述べましたように、
職員会議の決定を大事にしていますので、職員会議で決めてきたことは、つま
り入学行事に関しても、できれば「入学を祝う会」一本で行うという、そうい
う、まず確認ですね。
しかし、もう一つは、卒業行事が終わったばかりですので、新入生に対して
無用な混乱は与えたくないと、そのためには、では、説明会でどのような話を
したらよいかということなんですが、まずは卒業記念祭の取組を正直に、生徒
たちの活動、そして教職員の決定してきた事柄、それを正直に伝えようと。併
せて、もちろん現時点でも、生徒や教職員の考え方もそうですし、校長の考え
方も伝えようと。
そして、もう一つ大事なことは、やはりそうは言っても不安を持っているこ
とは当然予想されるわけで、どうしたらそういう不安をなくせるか、そういう
不安をなくす方向での話をできるだけしていこうと。
したがって、校長の方は入学式をやるという意向をまだ持っていましたので、
「入学を祝う会」の時程については、18日の時点では配布をしないと。登校
時間のみ伝えるということで、時程は当日に配布をするしか仕方がないかなと
いう、そういう判断をしていました。
○請求人代理人(野本) 今の判断というのが、その入学説明会のときに竹永さんが
学年代表として話をする、その中身とも一致するわけですね。
○請求人(竹永) はい、そうです。
○請求人代理人(野本) 甲第25考証を示します。
〔甲第25号証を示す〕
○請求人代理人(野本) これは、その学年会の議事録の最後の結論部分なんですが、
ここに書かれていること、これがその3回目の学年会で確認されたことで間違
いないでしょうか。
○請求人(竹永) はい。この日の学年会は午前中から行って、非常に長くかかった
学年会なんです。最終的な結論を記録の方が書いたものです。
○請求人代理人(野本) ところで、3月5日の職員会議では、「入学を祝う会」の
具体的な時程を説明会の時に配布すること、この点まで了承されていたんでは
なかったでしょうか。
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○請求人(竹永) はい。18日に学年として配布する、4月9日の細かい時程の入
ったプリント、それは3月5日の職員会議で配布をすることが承認をされてい
ます。
○請求人代理人(野本) それを配布しない、知らせないという判断を学年会の方で
とったわけですよね。それはどういった配慮が働いたからなんでしょうか。
○請求人(竹永) やはり、この時点で校長は入学式をやりたいという意向を持って
いるというのは私たちも分かっていました。ですから、例えば、全く校長がや
りたいという入学式の時間帯に入学を祝う会の時間帯が重なっていたりすれば、
当然その無用の混乱を呼ぶことになると思うんですね。1学年の一番やっぱり
大事にしたかったのは、新入生を混乱させないということでしたから、本来な
らば、こちら側が差し控える必要は全くないものなんだろうとは思いますけれ
ども、しかし新入生や保護者の立場を考えると、18日の時点では配布しない
方がよいだろうと。これから後、校長とできるだけ話を詰めて、混乱のないよ
うにしていきたいという考えを持っていました。
○請求人代理人(野本) ところで、今、お手元にある甲第25号証の末尾の部分な
んですが、「次回3月17日」と書かれていますね。これを見ると、学年会が
第4回目のものが翌3月17日に開かれる予定だったかのように見えるんです
が、これは実際に開かれたんでしょうか。
○請求人(竹永) いや、3月17日は時間がなくて開けませんでした。
○請求人代理人(野本) 3月17日には、どんな活動、取組があったんでしょうか。
○請求人(竹永) 学校全体としては、球技大会があったり成績関係の処理があった
り、つまり、教職員が結構ばらばらに仕事をしている時間帯なんですね。一つ
の学年会、新1学年会は転入者1人が入っていましたので、14名からの構成
になっていまして、入学説明会の内容を補足して議論するには、やはり人数が
集まらないということは決定的なので、しかも、ほとんどの内容は3月16日
の学年会で話がついていましたので、この日はもてなかったということもあり
ますし、もてなくても大丈夫だったということもあります。
○請求人代理人(中山) 委員長、尋問者が変わりますので、若干、10分程度でも
短い休みをいただければ……
○委員長(坂巻) 何時まで、30分頃までですか。
○請求人代理人(中山) 4時45分ぐらいまではいいのかなと、こちらは理解した
んですけど。
○委員長(坂巻) できたら4時30分でお願い……
○請求人代理人(中山) 4時30分ですか。それじゃ、続行しちゃいましょうか。
○委員長(坂巻) してください。
○請求人代理人(堀) それでは、請求人代理人の堀から、今度は98年3月18日
の入学候補者説明会、当日の状況について伺います。
この説明会には内田校長も出席されたんですが、校長がこういった説明会に
出席するというのは通例のことなんでしょうか。
○請求人(竹永) 所沢高校での私の8年間の経験では初めてです。
○請求人代理人(堀) そうすると、例年はどういうふうになっていたんでしょうか。
○請求人(竹永) 例年は、一番最初のあいさつを教頭が行って、ほとんど例年、式
次第というか、やることは変わらないんですが、そういうかたちで進んでいま
す。
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○請求人代理人(堀) 校長が出席することについては、事前に何か話はありました
か。
○請求人(竹永) 私の方で、例えば、冒頭のあいさつは誰々というような資料を作
成していたんですが、事前に教頭にあいさつはだれがしてくださるのかという
質問をしたときに、教頭の方が、私か校長かどちらかですということでとまっ
ていましたので、全くわかりませんでした。
○請求人代理人(堀) 乙第1号証の別添2、これは入学説明会の式次第なんですが、
最初に、あいさつとなっていますね。それは、要するに教頭先生のあいさつを
予定されていたということなんですか。
○請求人(竹永) いえ、管理職のあいさつですね。例年は教頭でしたが、今も述べ
たように、教頭か校長どちらかというような返事をもらっていましたので、ど
ちらかであろうという程度にしか、私たちは考えていませんでした。
○請求人代理人(堀) 校長が出席するということは、予想はされてなかったんです
か。
○請求人(竹永) どちらかと言うから、出てくるのかもしれないという位のことで
すね。
○請求人代理人(堀) ところで、この日の受付の状況なんですが、どういったかた
ちで行われてたんでしょうか。
○請求人(竹永) 所沢高校では、入学説明会の受付を在校生が担当することになっ
ていまして、1年生の各クラスから2名ずつ出てきて受付をして、その指導を、
学年の中で割り振られた教員が行っていくというスタイルでやっていましたし、
この年もそういうかたちでやりました。
○請求人代理人(堀) この受付ではですね、どのような資料が配布されたんですか。
○請求人(竹永) 受付では、説明会の次第、それから生徒会からの、今までの生徒
たちの活動の経過、それからPTA関係の、やはり同種の資料があったと思い
ます。
○請求人代理人(掘) 受付で配布というのは、それは手渡しでということなんです
か。
○請求人(竹永) はい。
○請求人代理人(堀) そのほかには。
○請求人(竹永) そのほかには、例えば、教科の課題であるとか、いろいろなもの
を配布するんですが、受付のうしろに大きな長机を置きまして、一つ一つの資
料を積んでありまして、受付を終了した新入生がそれを一部ずつ取って着席を
するというかたちをとっていました。
○請求人代理人(堀) 机の上に置かれた資料の中に、学年からのあいさつ状という
のがありましたね。
○請求人(竹永) はい、ありました。
○請求人代理人(堀) 先ほどの乙第1号証の別添3を示します。
〔乙第1号証別添3を示す〕
○請求人代理人(堀) それが、今言われた学年からのあいさつ状ですね。
○請求人(竹永) はい、そうです。
○請求人代理人(堀) それで、受付開始後にね、内田校長から校長室に呼ばれたこ
とがありますか。
○請求人(竹永) はい、呼ばれました。
○請求人代理人(堀) どんな話だったんでしょう。
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○請求人(竹永) このあいさつ状を配布しないようにということでした。
○請求人代理人(堀) 受付開始後に呼ばれたわけですね。
○請求人(竹永) はい。
○請求人代理人(堀) そうすると、これはもうその時点では、既に幾つかは配られ
ていたわけですか。
○請求人(竹永) はい、そうです。
○請求人代理人(堀) 先ほど、この説明会でいろいろ説明することについてね、学
年団で話し合って決めたとおっしゃいましたね。
○請求人(竹永) はい。
○請求人代理人(堀) その学年からのあいさつ状の文面については、どうですか。
○請求人(竹永) はい。そもそもですね、先ほども述べましたが、当初は、3月5
日の職員会議にかかっている4月9日の時程を載せた文面ですね、そういうプ
リントを配布する予定だったわけです。それを、先ほど述べましたような理由
で、新1学年としては控えました。
そうすると、学年からの文書というか、あいさつ状というのが何もなくなっ
てしまうわけですね。それはやはりまずいだろうということで、どういうもの
を作成しようかという話の中で、やはり所沢高校の学校の教育スタイルという
んでしょうかね、自主・自立の校風がわかるような、そういうものを作ってい
こうということで、学年会でこれを配ろうというふうに決定をしました。
○請求人代理人(堀) この学年からのあいさつ状には、入学式に代えて入学を祝う
会を行うというようなことはどこにも書かれてませんね。
○請求人(竹永) もちろん、5日のプリントを配るのをやめて、これに代えたわけ
ですから、そのような表現があるはずもありませんし、そういう内容のもので
はありません。
○請求人代理人(堀) もちろん、時程も記載されてませんね。
○請求人(竹永) はい。
○請求人代理人(堀) これを、内田校長に配るなというふうに言われたわけですか。
○請求人(竹永) はい。
○請求人代理人(堀) それに対して、請求人 竹永先生は、どのようにお答えにな
ったのでしょうか。
○請求人(竹永) 私は、学年代表ですけれども、先ほど学年の代表についても述べ
たとおり、特別な権限を持っているわけでもありませんから、学年代表の権限
として、配布をするなというようなことはできないということを一つ、それか
ら、だれか個人が勝手に配布をしたものではありませんので、学年会で議論を
して、先ほどのような経過の末、では、学年からのあいさつ状はこれを配布し
ようというふうに決めたことですので、もちろんそういう背景もあって、それ
は受けられませんというふうに答えました。
○請求人代理人(堀) それに対して、校長はどうされたわけですか。
○請求人(竹永) 特別何も言った記憶はないんですが、私の方で「配布を差し止め
ろというのは職務命令なのですか」と聞きましたら、校長は、「いや、職務命
令ではありません。お願いです」というふうに、それははっきり覚えておりま
す。
○請求人代理人(堀) ところで、この配布をね、差し止めるというか、そういった
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ことは、しようと思えばできたんですか。
○請求人(竹永) 受付は確かに開始されていましたが、開始された本当に直後だっ
たと思いますので、まだ集まってきている新入生や保護者も、それほど多いわ
けではありませんでした。ですから、例えば、校長が、受付の係を担当してい
る教員に、これを下げろとか、もしくは、既に配布されている分を、だれか教
員にですね、回収しなさいとかいうようなことは、もちろん可能であったと思
いますし、それは教頭が回収することも可能だったと思います。
○請求人代理人(堀) この会場には、受付開始前から教頭先生がいたんではないん
ですか。
○請求人(竹永) 私も会場にずっといたわけでもありませんので、確認はできてい
ませんが、同じ学年団の教員から聞いたところによると、受付開始前にどうい
うプリントが配布されるのか、すべてのプリントを1セットずつ持って校長室
へ持っていったというふうには聞いています。
○請求人代理人(堀) そうすると、受付開始前に、つまりこの学年からのあいさつ
状が配布される前に、問題にしようと思えばできたわけですね。
○請求人(竹永) 時間的には十分できたと思います。
○請求人代理人(堀) 次に、乙第1号証別添1を見てください。
〔乙第1号証別添1を示す〕
○請求人代理人(堀) この入学式及び入学を祝う会の案内状は、どのような状況で
配布されたんですか。
○請求人(竹永) 入学説明会が開始された直後、まず、その会場には、例年と違っ
て、校長と教頭2人同席していたんですが、教頭がこのプリントを直接、生徒
の座っている列ですね、縦にプリントを送るようにという意味だったんだろう
と思いますが、一定の枚数ずつ先頭の生徒に配っていました。
○請求人代理人(堀) 事前に受付の方でね、配布するようにというような指示はな
かったんですか。
○請求人(竹永) 全くありませんでしたし、こういう資料が配布されるというのも、
私どもも、配布されている事実を見て、あっ、こういうプリントを配るのかと
いうふうに思ったくらいですので、全くありません。
○請求人代理人(堀) それで、説明会が始まって、最初に内田校長のあいさつがあ
ったわけですね。
○請求人(竹永) はい。
○請求人代理人(堀) 校長のあいさつを聞いて、どう思われましたか。
○請求人(竹永) まず、校長のあいさつの内容なんですが、新入生や保護者に対し
てですね、歓迎する言葉が全くなくて、しかも、その直前に、様々な報道があ
った卒業行事、卒業式や卒業記念祭についての話も全くなくて、入学式の中で
入学を許可しますということを強調する、時間も4、5分だったのではないで
しょうか。
私どもは、一つの学校の校長がですね、冒頭に立って、新入生や保護者にあ
いさつをするわけですから、どんなに合格をしてうれしい気持ちを、そして所
沢高校に入学して、すばらしい学校生活を君たちは送ってほしいのだ、そうい
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うことをやはり、当然、その冒頭のあいさつで述べてほしいわけですね。学校
の責任者として、まさにその事務的な、歓迎する言葉もないようなあいさつと
いうのは、非常に、同じ職場に働いている教職員としても恥ずかしい気持ちと
いうか、そういう気持ちを、そのときに自分の中に思ったのを覚えております。
○請求人代理人(堀) ほかに、卒業式の混乱についての説明がなかったということ
ですけど、その点についてはどうですか。
○請求人(竹永) ええ、その点も全くありませんでした。
○請求人代理人(堀) なかったことについて、どう感じましたか。
○請求人(竹永) 当然、学年会でも議論したとおり、新聞やテレビで様々な角度で
報道されていますし、もちろんその報道の中には誤った取扱いをしているもの
もあるわけですから、正確にやはり、学校の生徒たちの取組やこちらの考えを
きちんと述べるべきだというふうに私たちは考えていたんですね。そめ点につ
いても非常に不満が残りました。
○請求人代理人(堀) もう1点、入学許可の問題についてはどうですか。
○請求人(竹永) 入学許可の問題を、あえてそういう場面で発言するということは、
通常では考えられないんですね。当然、生徒たちは、生徒たちなりに、半年、
1年頑張って勉強してきて、試験に合格をして、晴れて、さあ入学だという気
持ちを持っているのが当然なわけで、それなのに、その入学式の中で入学を許
可する。 私どもは、2月の時点なんですが、埼玉県の高校は大体どこでもそ
うだと思うんですが、3年生は1月いっぱいぐらいまでで授業を行って、最後
に試験を行って、2月からは家庭研修という名前で、自宅で勉強する期間に当
たっているわけですね。家庭研修に入ってから、3年生の成績会議、最終の卒
業の認定の会議を行うんですが、その年の2月の3年の成績認定会議では、校
長のほうは、その会議の中で卒業認定をしないというふうに言い出したんです
ね。通常は、やはり考えられないことで、生徒が3年間学校生活をしてきて、
卒業に必要な単位ももちろんきちんととっているにもかかわらず、例年はその
会議の中できちんと卒業認定をしているにもかかわらず、卒業認定をしないと。
これはもう、生徒に対する人権問題なんだろうとさえ私どもは考えたんですが、
そのことが、やはり頭の中に浮かんできましたので、非常に何か、教育的な配
慮を本当にしない人だなというふうに感じました。
○請求人代理人(堀) ちょっと、反訳書を示します。
〔反訳書を示す〕
○請求人代理人(堀) これは内田校長にも確認してもらっていますが、2ページの
終わりから6行目から3ページの終わりまで、この部分が内田校長の冒頭のあ
いさつということでよろしいですね。
○請求人(竹永) はい、そうです。
○請求人代理人(堀) それで、この校長先生のあいさつを聞いた会場の反応という
のはどんな様子でしたか。
○請求人(竹永) 別段、際立った反応はなかったように思います。
○請求人代理人(堀) 後で詳しく聞きますけどね、質疑応答の際の質問というのは、
どういった質問だったんですか。
○請求人(竹永) 質疑応答の中では、校長があいさつの中で述べた、入学式の中で
入学を許可するというのは、どういうことなんですかというような種類の質問
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が何人かから、保護者の中の何人かから出てきました。
○請求人代理人(堀) それから、反訳書の23ページの23行目以降。
○請求人(竹永) 下から何行目ぐらいですか。
○請求人代理人(堀) ええ、上から23行目ですから、ちょっと待ってください……
23ページの、段落が、下の方の部分ですね。下から9行目ぐらいですか。
○請求人(竹永) はい。
○請求人代理人(堀) それ以降が質疑応答ということでよろしいですか。
○請求人(竹永) はい、大丈夫です。
○請求人代理人(堀) それで、これらの質問について、先ほど、会場の様子は、拍
手があったということでしたかね。
○請求人(竹永) 質疑に入ってからは、質問された方の質問が終わるときに、会場
から拍手がわいていました。
○請求人代理人(堀) この拍手があったというのは、後ほど録音テープを聞いて確
認されましたよね。
○請求人(竹永) はい。
○請求人代理人(堀) で、これらの質問に対して、校長の答えはどうだったですか。
○請求人(竹永) 校長は、明確に何も答えずに、冒頭のあいさつで述べたとおりと
いうような趣旨のことを繰り返すだけでした。
○請求人代理人(堀) まともに答えてましたか。
○請求人(竹永) いや、質問者は、質問の答えとしては不十分であるというような
雰囲気でしたね。
○請求人代理人(堀) 反訳書の25ページの終わりから3行目を示します。
「いつまでやるの」というような不規則発言がありますね。
○請求人(竹永) はい。
○請求人代理人(堀) それから、反訳書26ページ5行目を示します。
○請求人(竹永) はい。
○請求人代理人(堀) 「これからどんどんやっていくんですか。うんぬん」とあっ
て、「PTAの総会、あるいは生徒総会をやっているわけじゃない」というよ
うな発言がありますね。
○請求人(竹永) はい。
○請求人代理人(堀) これらは、だれの発言ですか。
○請求人(竹永) これは校長の発言です。
ただ、反訳書で、段が落ちているところですね。
○請求人代理人(堀) はい。
○請求人(竹永) 例えば、今、示されたように、「あれがそうなの。」とか、「い
つまでやるの。」とか、「やる気ないじゃない」という発言は、反訳書が出て
きて分かったことですから、私は会場にいましたけれど、もちろんいましたけ
れども、その時点で分かったことではありません。
テープを聞いて、ああ、これは校長の声なんだ、で、校長自身もそういう証
言をしていましたので。
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○請求人代理人(堀) 後でテープを聞いて確認したことですね。
○請求人(竹永) はい、そうです。
○請求人代理人(堀) その際ですね、先ほどの、「これからどんどんやっていくん
ですか。」という発言ですけど、どんな調子で言っていましたか。
○請求人(竹永) かなりぞんざいに言っていたように記憶しています。
まず、その質疑の件なんですけれども、これは当然、卒業行事が、何度も触
れましたとおり、いろいろなかたちで報道されていますので、いろいろな思い
は、やはり保護者の方が考えていらっしゃるのは当然だと思うんですね。その
ことで入学行事についての質問が出て、しかも校長の方は、本質的なことは何
も言わずに、あいまいな答えだけしかしていないと。当然その質問が続くのは
当たり前のことなんだろうと思うんですね。
しかも校長は、何人か質問が続くと、いつまでやるんだと、ここにある発言
のように、いつまでやってもかまわないんだけどみたいな、開き直った言い方
をしているわけですね。
保護者の気持ちを考えれば、非常に失礼な対応なんだろうというふうに私ど
もは考えています。
○請求人代理人(堀) その時ね、会場の方はどうでしたか。その校長が、「これか
らどんどんやっていくんですか。」というような、ぞんざいな口調でというこ
とでしたけど。会場の反応はどうですか。
○請求人(竹永) もうまさに、あきれたようなどよめきが起きています。何なんだ、
この人はというようなことを思っているなというような顔をなさっている保護
者の方が本当に多かったと思います。
○請求人代理人(堀) それから、反訳書の27ページ、終わりから3行目から28
ページ2行目までを示します。
時間の関係で引用は省きますが、これはだれの発音ですか。
○請求人(竹永) これは、当時のPTA会長の発言です。
「入学式に出なくても……」という部分ですよね。
○請求人代理人(堀) そうですね。
○請求人(竹永) はい。
○請求人代理人(堀) この部分、録音テープを聞いていて、何か気がついたことが
ありますか。
○請求人(竹永) 校長が強調しているのは、とにかく入学式の中で入学を許可する
ということのみでしたので、それは、入学行事や卒業行事の問題とは別にです
ね、例えば、風邪引いちゃったら、本当に入学許可されないのかというような
思いにもつながる部分があるわけです。それをPTA会長のほうで、例えを挙
げて補足してくれたんだろうというふうに思っています。
○請求人代理人(堀) それに対して、会場はどうだったですか。
○請求人(竹永) たしか、拍手が起きたような気がします。
○請求人代理人(堀) 次に、請求人のね、発言部分を一応確認しておきますから。
まず、反訳書の15ページの初めから18ページの9行目まで。
○請求人(竹永) 反訳書ではそうですが、あの……。
○請求人代理人(堀) ちょっと、いろいろあとで聞きますからね、確認だけ、反訳
------------------------------------(28)------------------------------------
書の部分で確認しておきますからね。
それが、まず一つですね。
それから、25ページの15行目から18行目まで。
これも請求人の発言ですね。
○請求人(竹永) そうです。
○請求人代理人(堀) 反訳書で言えば、この2か所が請求人の発言ということでよ
ろしいですか。
○請求人(竹永) はい。
○請求人代理人(堀) 先ほど言いかけたこと、何か、言いたければ、ちょっとおっ
しゃっていただけますか、それ。
○請求人(竹永) 反訳書では、私の学年からの説明が始まっている部分があるんで
すけれども、その冒頭、若干、1分程度だったと思うんですが、あいさつをし
ていますが、それが反訳書からは、テープからは、テープには録音されていな
かったということです。はい。
○請求人代理人(堀) そうすると、反訳書の15ページの最初の部分と、それから
14ページの終わりの部分を比較してみると、要するに中断しているというこ
とですか。
○請求人(竹永) そうですね、そういうことです。
○委員長(坂巻) 時間がまいりましたから、きりのいいところで……。
○請求人代理人(堀) はい。それじゃね、今、2か所、請求人の発言部分、確認し
てもらいましたよね。
○請求人(竹永) はい。
○請求人代理人(堀) 特に間違っているとか、そういうことはありますか。
○請求人(竹永) はい。一応、事前にも目を通しましたし、間違っているところは
ありません。
○請求人代理人(堀) 何度も確認してますけど、請求人は全部、テープは聞いてい
るわけですね。
○請求人(竹永) 1度だけですけれども聞いています。
○請求人代理人(堀) 1度だけというか、2回に分けて聞いたんですけれども。
○請求人(竹永) 1度というのは、2回に分けて聞いてますが、通して1回だけと
いう意味です。
○請求人代理人(堀) はい、分かりました。
じゃ、この辺で。
○委員長(坂巻) 通しで2時間やりましたので、疲れたと思いますけど、うしろに
下がって結構です。
それでは、まず、今日提出されたので、請求人側の方にちょっと確認してい
ただきたいんですけれど、今日提出された書証ですけれども、甲第68号証か
ら第77号証、その中で甲第76号証と、既に提出されております9号証、こ
れは同一のように見えるんですけれども。ちょっと確認してみてください。
○請求人代理人(中山) 9ですか。
○委員長(坂巻) 甲第9号証。
------------------------------------(29)------------------------------------
○請求人代理人(中山) 9と70……
○委員長(坂巻) 76。
○請求人代理人(中山) 9号証は、卒業記念祭についてのうしろだて……
○委員長(坂巻) 私の書証違いますか?。
○請求人代理人(中山) 9ではなくて、すみません。7ですね。
○委員長(坂巻) 7と言いますけれど……7の脇に8と書いてあって、その次が9
と書いてありますね。ただ。
どうも、見ると9のように見えるんですけど。
○請求人代理人(中山) この番号は違うんですよ、これは全然別の番号です。すみ
ません。
○委員長(坂巻) 違うんですか、この書類は。
○請求人代理人(中山) 原本についている番号で。
○委員長(坂巻) 書面自体、違いますか。全く同じように見えるんだけど。
○請求人代理人(中山) 書類は同じなんですけれども、9というのは……。
○委員長(坂巻) 同じもので、何か意味があるんですか。同じものを2枚出してあ
るんですけど。
○請求人代理人(中山) 意味はありません。チェックしたはずだったんですけれど、
ちょっと……。
○委員長(坂巻) それでは、この76は、撤回して……
○請求人代理人(中山) できますかね。
○委員長(坂巻) 77を、混乱するからね、同じものだと。
○処分者代理人(鍛冶) もっとありますよ、同じのが。もう一度確認してもらわな
いと。
○委員長(坂巻) ただ問題は、証人に提示して……。
○請求人代理人(中山) そうしたら、整理して、そこは、こちらのほうでもう1回、
証拠の申出書を出し直しますから。
○委員長(坂巻) これ、全く同じものですね。
○請求人代理人(中山) はい。
ほかにも何か、重複しているのがあるとすれば、もう1回再検討して、証拠
申出書……。
○委員長(坂巻) 整理しますか。
○請求人代理人(中山) ええ。
○委員長(坂巻) では、この次までに整理して、改めてこれ、一応、訂正箇所があ
るようでしたら出していただきたいのと、それから今日、処分者側から提出さ
れた、1月27日付けの意見書、これは……。
○処分者代理人(鍛治) 1月の幾日ですか。
○委員長(坂巻) 24日付け。
○処分者代理人(鍛治) 24日、はい。
○委員長(坂巻) 証人の採用の必要性に関する請求人側の意見に対する……。
○処分者代理人(鍛冶) ちょっと補充したいんですけどね、いいですか、補充して。
○委員長(坂巻) はい。
○処分者代理人(鍛治) まず、この藤井さんの訊問事項書を見ていただきたいんで
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すけれども、この訊問事項書に記載された訊問事項の大部分はですね、行政委
員会の代表者の教育委員長ないしは構成している委員がですね、証言する事項
ではないと思いますね、それぞれ各事務を担当している方の述べる事項で、そ
ういうことからも必要ないという…‥
○委員長(坂巻) そうしたら、それも付言してください。
○処分者代理人(鍛治) ええ、そうですね。
それから、この尋問事項の6というやつはですね、これは判断の問題なんで、
証人に何を求めるかということではありませんので、その点は確認したいと。
○委員長(坂巻) では、追加で……
○処分者代理人(鍛治) はい、補充的な……
○委員長(坂巻) ええ、補充してください。
それから、それぞれ書証を出されましたので、それについての認否書で出し
ていただきたいということと、書証の中で作成者あるいは、立証主旨を、詳し
く、証拠説明をまとめて出していただけたらということで、日程の調整をいた
します。
〔日程の調整〕
○委員長(坂巻) いろいろ調整していますが、17日でひとつ調整してください。
それでは、4月17日。やりくりしてるんですけど、なかなか思うようにいか
ないのです。
○請求人代理人(中山) もう一つ、予定だけでも入れていただけないですか。
○委員長(坂巻) 4月17日午前10時から11時50分まで。
○処分者代理人(鍛治) これ、反対尋問までできますかね。
○委員長(坂巻) いや、また。
○処分者代理人(鍛治) いいんですか。
○委員長(坂巻) ええ。11時50分までということです。
○請求人代理人(中山) 場所はここでよろしいんですか。
○委員長(坂巻) 追って御連絡いたします。
○請求人代理人(中山) 続けて、連休前にもちょっと入れていただいて。早く終わ
らせてくださいって言ってるじゃないですか、先生。だから協力してる……
○処分者代理人(鍛冶) 証拠調べをやめて、早く結審してくださいと言ってるんです。○請求人代理人(中山) いやいや、それはわからないじゃないですか。
○委員長(坂巻) 会場との関係でね……5月の連休明けですね。
今、約束しても、会場の関係が、やはりある程度打診したうえで、……。
○請求人代理人(中山) では、委員長ね、期日外に……
○処分者代理人(鍛冶) 期日外に打診してもらえばいいじゃない。
○請求人代理人(中山) 一応、ちょっと、人事委員会の事務局の方と連絡を取り合
って、そういう調整……
○委員長(坂巻) はい、そういうことにしましょう。
○請求人代理人(堀) でないと、もう4月……
○委員長(坂巻) はい。これだけ大勢の人をお待たせして、時間ばかりたって申し
訳ないから。
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○請求人代理人(中山) では、そういうことで……
○委員長(坂巻) では、そういうことで、この次もう一度、もう一度になるか、も
う二度になるかわかりませんけど、ひとつ……
では、これで終わりにいたします。お疲れさまでした。
午後4時45分閉会
調書作成事務職員 湯本 佳代子
委員長 坂巻 幸次
委 員 久保木宏太郎
委 員 渡邊 圭一
------------------------------------(end)-----------------------------------
(Web管理者記)
冒頭で記載致しました注目個所は、下記の部分です。
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○請求人代理人(野本) これは要望書と題する書面で、作成は生徒会顧問となって
いますね。12月4日付けで作成されたものということでよろしいでしょうか。
○請求人(竹永) はい、そうです。
○請求人代理人(野本) この文書と、先ほど竹永さんが証言された内容と関係があ
りますか。
○請求人(竹永) はい。ここで要望をしていることは2点なんですが、11月20
日の職員会議で総会議案を承認したわけなんですけれども、その時に内田校長
は、一つには、生徒総会の議案を職員会議で承認するのはいかがなものかとい
うような発言をしました。
そのことについて要望を出しています。
それから、もう1点は、校長として保留をしたいという部分、それは、やは
り現場の教育者であるならば、保留という態度ではなくて、明確な意思表示を
してほしいという、そういう要望を出しています。
これは12月4日なんですが、この会議では、校長がこの文書に対して、職
員会議の場で検討しています。1番目は、職員会議で審議するのはいかがなも
のかというようなことは言ってはいないと。審議して承認するのは構わない、
当たり前のことなんだということが1点。これは議事録にも記載があります。
それから、保留をした件は、校長としての責任があるので保留をしたのだと。
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これも12月4日の職員会議の議事録に、記録者から明確に記録が残っており
ます。
ですから、先ほどのように、入学式をやってくださいということでもしあれ
ば、当然、この生徒総会の議案書の職員会議の場でも、それは認められないと、
校長としての責任ある態度で言ったはずですし、12月4日、この時点におい
ても、保留したのは責任があるからだと、まだ述べているわけですから、まさ
にこの間に校長が入学式をやってくださいというようなことを職員会議に述べ
たことは一切ありません。
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上記をまとめますと、下記のようになるかと思います。
(1)「11月20日の職員会議で総会議案を承認したわけなんですけれども、そ
の時に内田校長は、一つには、生徒総会の議案を職員会議で承認するのはい
かがなものかというような発言をしました。」という件について。
この件に関しては、12月4日付職員会議議事録に「職員会議で審議するの
はいかがなものかというようなことは言ってはいないと。」という記載あり。
(2)「校長として保留をしたいという部分、それは、やはり現場の教育者である
ならば、保留という態度ではなくて、明確な意思表示をしてほしいという、
そういう要望を出しています。」という件について。
この件に関しては、12月4日付職員会議議事録に「この時点(12月4日)
においても、保留したのは責任があるからだと、」という記載あり。
ここで重視すべきは、要望書及職員会議議事録という文書で残っているということ
かと思います。10月23日の職員会議における内田達雄前校長の発言が問題にな
ってきますが、12月4日時点でも「職務命令」はでていない、ということです。
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