楽しい学校

第1号

発行者:楽しい学校を支える会

発行日:1999年8月24日(火)

楽しい学校  第1号
                            1999年8月24日
                            楽しい学校を支える会
                    事務局 所沢市山口963−5 新藤方
                          TEL&FAX:042-xxx-xxxx

 所沢高校PTA元会長山下英三郎さん、馬揚敏美さん、多田俊幸さん、沼尾孝平さ んの呼びかけにより、『楽しい学校を支える会』発足のための準備会が開かれたのが 昨年8月30日。「所沢高校への理解を地域に広めたい」「教育について語り合い学 び合えるような場にしたい」……。それぞれが会に対するいろんな思いを抱きつつ、 どういう会にしたらいいか話し合いながらやってきて、もう1年になろうとしていま す。これからも、月1回(第3日曜日18:O0〜所尺市中央公民館)の例会で一歩 一歩着実に歩んでいきたいと思います。事務局体制も整い、そしていよいよ通信の第 1号を発行することになりました。  支える会へのお誘いパンフレットもできましたので一緒にお届けします。パンフレ ットの表紙は所沢高校1年生の○○○○君が作ってくれました。写真は、○○君が通 った小学校だそうです。  現在、次のメンバーを中心に会を企画、運営しています。事務局として参加して下 さる方募集中です。      ┌──────────────────────────┐      │        楽しい学校を支える会        │      │                          │      │ 呼びかけ人                    │      │    山下英三郎 馬揚敏美 多田俊幸 沼尾孝平  │      │ 事務局                      │      │    森フミ子 三井久子 新藤節子        │      │    田渕 拓 沼尾 悠 松田さち子 斉藤 圭  │      └──────────────────────────┘   ┌───────────────────────────────┐   │  次回例会 9月19日(日)18:00〜中央公民館     │   │                               │   │  この間、教育に関連してさまざまなことが問題になっています。│   │  それらについて話し合った上で、これからの活動を考えます。 │   │                               │   └───────────────────────────────┘ 〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓         これまでの歩み 1998. 8.30(日) 所沢市中央公民館   所沢高校卒業生、所沢高校PTA常任理事会、所高生の自由と教  育を考える委員会OB会等に呼びかけ、『支える会』発足のための  意見交換会を行う。 9.15(日) 所沢文化会館  引き続き会のあり方についての話し合い 10.18(日) 中央公民館   具体的な活動について話し合う 11. 8(日) 中央公民館   12月13日(日)開催の集会の準備 12.13(日) 小手指公民館  トーク・フォーラム「高校ってどんなトコ?」   自由の森学園、錦城高校、基督教独立学園、所沢西高校、所沢高  校の卒業生がそれぞれの高校生活について語り、会場の参加者と共  に、「高校とは?」「学校とは?」と考える場になりました。 1999. 1.17(日) 中央公民館   例会 2.21(日) 中央公民館   例会 3.21(日) 中央公民館   例会  会則の検討 4.18(日) 中央公民館   例会 5.16(日) 中央公民館   例会  所沢高校在校生、卒業生の話を聞く。 6.20(日) 中央公民館   例会  「子どもたちの心を見つめ続けて」 山下英三郎さん 7.18(日) 中央公民館   例会  「地域づくり〜地域での子どもの育ちを考える〜」 太田政男さん         1998.9.15読売新聞(埼玉版)         PTA会長ら「支える会」開催              [省略] 〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓 例会だより ■山下英三郎さん「手どもたちの心を見つめ続けて」を聞いて                        1999.6.20.中央公民館  アメリカにはいろんな種類の学校があって、進路の選択がすごく幅広い、という話 に驚いた。でも、人間いろいろいるんだから、それぞれにあうようないろいろな形の 学校があってもあたりまえのこと、だと思った。私も今まで、学校に来ないのはよく ないことだ、と思っていた。中学の時、登校拒否のクラスの子の家まで行って、学校 に来よう、って誘って来させたことがあった。その時は、自分はすごくいいことをし ていると思ってたけど、その子にとってはすごくつらかったのかもしれない。学校に 来れなくても、それぞれにあった居場所があったらいいと思う。学校にあわせるんじ ゃなくて、その人にあった環境を、という考え方、大切だと思う。今までの日本の社 会にはこの考え方がちょっとなかったと思う。         (松田 さち子)  様々な人、文化が混在するアメリカにおける学校は、特別なニーズにこたえ、子ど も個々のニーズにあわせるオルタナティブスクール、チャータースクールなど広い受 け皿の中で「伝統的な学校」というのはくずれているという。そんな学校観を実際に 感じてきた山下さんの話から、様々な問題意識を感じることができた。不登校、いじ め、学級崩壊と様々な問題を抱えながらも管理する学校、従う子どもという学校観、 子ども観を変えない日本の教育、「一人一人に合う、子どもに合わせようとする学校 ではなく、日本は学校に子どもを合わせようとしている」教育行政、子どもを従うべ き存在としか見ないおとなの子ども観の中における「学校のカべ」を崩したいという 山下さん、子どもの二ーズがどこにあるのかを知り、居場所をつくること、スクール ソーシャルワーカーとしての山下さんの学校、子どもに対するスタンスからこれから の学校と地域との関わり方のヒントを得るとができたのではないか。  画一的な価値観のもと、子どもの居場所たり得ない今の学校、「不登校はそんな学 校の問題点をあげ、いろんなものを生み出してきたのではないか」、「問題とは考え ていくきっかけではないか」、「問題に直面した時に選択肢をつくっていく」学校か らはずれた子どもたちと共に人生について考え、いろんな生き方を見てきた山下さん の話から、それぞれの子どもが感じていること、子どもの声を学校とつなげていくこ とを学校の外で子どもを見守り、居場所をつくることでやっていく(そこから「子ど もに合わせる学校」への道筋をつくっていく)。そのためにも子どもの今をどんなま なざしで見ていかなくてはならないのかを、一人一人が本気で問わなければならない と感じさせられた。                       (田渕 拓)  山下英三郎さん   日本スクールソーシャルワーク協会会長。日本社会事業大学などで教える傍ら、  地域で相談活動を行っている。 〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓 ■太田政男さん「地域づくり〜地域での子どもの育ちを考える〜」を聞いて                        1999.7.18.中央公民館 子どもの「今」から、おとな自身も生きる意味を問う             〜人のつながりとしての地域〜  地域という言葉が大部分の子どもの中で失われている今。そして様々な教育の問題 が取り沙汰される中、「自己肯定感が低く、生きる感覚、人とつながっているという 感覚が実感できない今の子ども」、そんな今、おとなの子育ての共同をつくり子ども の居場所となり得る新しい地域のヒントをもらった気がする。「同じ痛みを持って人 を思いやることができる、共感する“やさしさ”ではなく、もうこれ以上傷つきたく ないと防御する他人に立ち入らない“やさしさ”に変わっている。そんな感覚の中、 人とつながっていると実感できない子ども、若者は、他者や世界を拒否する孤立した 存在だ。」太田さんの話を聞いていて「生きる価値は何ですか」「なせ人を殺しては いけないんですか」いう疑問を抱く子どもの生の感覚に、自分はそしておとなはどう 答えられるのか、答えることの難しさが子どもの生きづらさとともに感じられた、重 いメッセージとリアリティを持った話だった。  そしておとな自身も生きづらい社会において「人がいる」「居場所がある」地域の 必要性、それとともこ「地域」をつくっていく難しさもある気がする今、様々な人の 違う意見をつき合わせていくことを粘り強くやることで見えてくる「自由で様々な個 性がある地域」というメツセージはとても大切だと感じた。「あらゆる立場をこえて 人の様々な能カを編みあわせることをおもしろく楽しくやる。それをやる上で地域の 個性をよく見る。」それは同時におとな子どもの立揚で分けるのではなく、子どもの 「今」を見据え、その感覚にあった地域を考えていくということでもあると思うので す。そこから出発する新しい地域と学校、子ともの目線から、「地域」というものを より深めていく必要があると思います。いろんな人たちとそんなことを考えていけれ ばいいなーと感じました。                    (田渕 拓)  太田政男さん   大東文化大学文学部教授。社会教育、後期中等教育を専門とする。地域づくりの  実践にも取り組んでいる。教育科学研究会副委員長、『季刊 人間教育』編集長。 『所沢高校の730日』が書店にでています  第1部は淡路智典君執筆の「僕にとっての所沢高校問題」。第2部「98年度卒業 生座談会」では、生徒たちのそれぞれの心の動きが率直に語られています。所沢高校 で何が起こっていたのかしっかりと捉えることができます。ぜぴお読み下さい。                        (創出版 定価 1,500円)
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