人事委員会

平成10年(不)第3号懲戒戒告処分事案

第6回口頭審理調書

1999年5月28日(金)


(Web管理者記)

┌────────────────────────────────────┐ │         第 6 回 口 頭 審 理 調 書          │ ├───────────┬────────────────────────┤ │ 事 案 の 表 示 │   平成10年(不)第3号事案        │ ├───────────┼────────────────────────┤ │ 請   求   人 │   竹永 公一                │ ├───────────┼────────────────────────┤ │ 処   分   者 │   埼玉県教育委員会             │ ├───────────┼────────────────────────┤ │ 期       日 │   平成11年5月28日           │ ├───────────┼────────────────────────┤ │ 場所及び公開の有無 │   埼玉県庁第3庁舎講堂  公 開      │ ├───────────┼────────────────────────┤ │ 開会及び閉会時刻  │   午後2時32分開会  午後5時6分閉会  │ ├───────────┼────────────────────────┤ │           │ 委 員 長   坂 巻  幸 次       │ │ 審 理 委 員   │ 委   員   久保木  宏太郎       │ │           │ 委   員   渡 邉  圭 一       │ ├───────────┼────────────────────────┤ │           │  事務局長   加村 トク江         │ │           │  次  長   上野  義光         │ │ 審理事務補助職員  │  主  幹   若山   保         │ │           │  主  査   川崎   啓         │ │           │  主  事   湯本 佳代子         │ ├───────────┼────────────────────────┤ │           │ 請求人側                   │ │           │  請求人 竹永公一              │ │           │  代理人 桜井和人  中山福二  堀 哲郎  │ │           │      野本夏生  佐々木新一 設楽あづさ │ │           │      鍛治伸明  池永知樹  岩下豊彦  │ │ 当事者の出席状況  │      谷村勝彦  和田 茂  米浦 正  │ │           │      竹下里志  林  哲        │ │           │ 処分者側                   │ │           │  代理人 鍛治 勉  飯塚 肇  白鳥敏男  │ │           │      吉田秀文  根岸 玲  赤松峰親  │ │           │      桝澤 智  中川 晃  水野 潔  │ │           │      神尾哲夫  遠山幸雄  芹川真澄  │ │           │      中村悦子              │ ├───────────┼────────────────────────┤ │ 審理の記録     │       別 の と お り        │ ├───────────┼────────────────────────┤ │ 付属書類      │         な   し          │ └───────────┴────────────────────────┘ ----------------------------------------------------------------------------           平成10年(不)第3号事案 第6回公開口頭審理 平成11年5月28日(金曜日) 午後2時32分開会 ○委員長(坂巻) それでは、ただ今から、平成10年(不)第3号事案の第6回口    頭審理を行います。     人事委員会としましては、不服申立制度の趣旨のもとに審理を進めておりま    すので、当事者及び代理人におかれましては、秩序ある審理が行われるよう御    協力願います。     また、傍聴人の方も、不服申立制度の趣旨を御理解のうえ、静粛にお願いい    たします。     なお、審理に先立ちまして3点ほど注意をいたします。     当事者の発言は、速記者が速記を取りますので、その都度、お名前をおっし    やって発言をしてください。     録音機の使用や写真撮影を行うことは禁止いたします。     次に、傍聴人の皆さんに申し上げますが、傍聴券の裏に記載されている傍聴    規則を守ってください。特に、審理関係者の発言に対して、批判や野次を加え    たり拍手したりすることは厳に慎んでください。     また、場内では、審理進行の妨げになるような携帯電話やポケットペルのス    イッチは切っておくようお願いいたします。     これらを守らない傍聴人には退席していただくこともありますことを、御注    意申し上げます。     前回の審理以降提出されました書類を確認いたします。     請求人側からは、甲第26号証ないし31号証に係る1999年4月9日付    け証拠申出書及ぴ、内田証人に対する尋問事項書が提出されております。     よろしいですね。 ○請求人代理人(中山) はい。 ○委員長(坂巻) また、処分者側からは、平成11年5月28日付けで甲第26号    証から31号証についての書証認否書が書面で提出されております。     これもよろしいですね。既に請求人側にはお渡ししてあると思います。     それから、本日提出のあった書面について申し上げますと、甲第32号証、    33号証の1、2及ぴ34号証が提出されております。     これについては、処分者側では、認否は、次回にしますか。 ○処分者代理人(鍛治) 次回にさせてください。 ○委員長(坂巻) 次回までに、書面でお願いいたします。     それでは、証人尋問ですが、前回に引き続きまして、両当事者申請にかかる    内田証人への証人尋問を行います。     証人、前の証人席にお着きください。              〔証人、証人席に着く] ○委員長(坂巻) 宣誓につきましては、前回宣誓していただきましたので、その効    力は維持されておりますので、行いません。     一言御注意申し上げますが、証人は、証言に際しまして、正当な理由なく証 ------------------------------------(01)------------------------------------    言を拒み、もしくは虚偽の陳述をしたりしますと、地方公務員法第61条の規    定によりまして、3年以下の懲役又は10万円以下の罰金に処せられるという    制裁があります。     良心に従いまして、真実を述べていただくことになっておりますので、改め    て御注意申し上げます。     それでは、請求人側代理人から質問していただきます。 ○請求人代理人(岩下) それでは、請求人側代理人の岩下から、まず最初にお尋ね    をいたします。     97年4月9日の入学式後の職員会議について伺います。     そのとき、職員側から、管理職3人だけで行ったことにより引き起こされた    入学式の混乱について、新入生と保護者に謝罪すべきだ、そういう要求があり    ましたが、記憶していますでしょうか。 ○証人(内田) はい。 ○請求人代理人(岩下) 今度はその翌日、4月10日に開かれた職員会議で、校長    さんあなたは、4月11日の職員会議に、新入生保護者向けの文書を提案し、    ホームルームで配布できるよう校長として最大限努力する、そういう趣旨の発    言をされましたけれども、記憶ありますでしょうか。 ○証人(内田) 最大限努力するというようなことは言った覚えがありますけれども、    日にちはちょっと覚えておりません。            〔甲第34号証を示す〕 ○請求人代理人(岩下) 今、証人には、甲第34号証の、ぺージ数ですと5という    ところを示しております。     その部分の加筆、それはいつ行われましたか。97年4月10日の会議録の    加筆はいつなんですか。 ○証人(内田) 平成10年の夏ごろだと思いますが。 ○請求人代理人(岩下) 1年と4か月ほど経過して加筆したということですね。 ○証人(内田) ここの部分が今申し上げた時期だという確信はないんですけれども、    その時期に加筆しておりますので、先ほどのように申し上げたわけです。 ○請求人代理人(岩下) その加筆部分の上段のところに、職員会議の書記が書いた    部分がございます。そこを含めて4月10日の職員会議録ということで、間違    いはないでしょうか。     念のために申し添えますが、情報公開で取ったものですので。 ○証人(内田) 多分そうだと思いますけれども。 ○請求人代理人(岩下) するとですね、大変おかしいことが起こってくるんですけ    れども、その今、校長さんが4月10日の会議録というふうにおっしやいまし    たが、そこに記載されている、4月14日の職員会議に提案できるよう校長と    して努力したいというのは、4月11日の職員会議での校長発言なんです。     ほかでもない私が4月11日の書記でしたから、そして、私が記載をして教    頭に提出したものです。今、校長さんが4月10日と言ったものは、4月11    日の職員会議録です。     念のために、ここに4月11日の、97年4月11日の職員会議録の下書き    があります。     つまり、あなたは、4月11日にも職員会議が行われましたが、4月11日 ------------------------------------(02)------------------------------------    の議事内容を4月10日のものと思い込んで加筆してしまったと、そういうこ    とですね。 ○証人(内田) わからないです。 ○請求人代理人(岩下) 97年4月10日の職員会議録を、1年4か月以上たって    加筆して、しかも、その会議録の整理をですね、職員会議当時在籍していなかっ    た「マル管」6人にやらせた。だからこういう間違いが起こったんじゃないで    すか。 ○証人(内田) なんか意味がよくわかりません。 ○請求人代理人(岩下) 4月11日の職員会議録、そこにございます。そのまま続    いています。4月10日の会議録、4月11日の会議録。     校長が4月10日に加筆した部分は、その加筆したその用紙はですね、4月    11日の会議録なんですよ。4月11日の会議録を4月10日に移してしまっ    て、そこに4月10日の分を校長が加筆したと、そういうことなんです。     まだお気づきになりませんか……。     更に質問を続けます。     今のような誤りは、記録者にことわれば、ここをこういうふうに訂正したい    んだが、というふうにことわれぱですね、このミスは防げたわけなんですけれ    ども、なぜ記録者に何のことわりもなしに加筆をしているんですか。 ○証人(内田) 加筆の件については、前にここでお話がありましたけれども、1学    期の間は、会議や職員、生徒、PTA関係の会議等で非常に時間がなくて、職    員会議録をですね、できあがったらすぐ見るということができなかったわけで    す。     それで、2学期になったころだと思いますが、もう少し、私自身余裕ができ    て、職員会議録を見ましたら、私の言ったことを中心にしてですね、会議録が、    私に言わせれば整理されてないというふうに判断しまして、2学期になって、    会議録の訂正やら、あるいは、私の言ったことが書いてないから書いてくださ    いとか、そういうようなことを職員会議等でお願いしたわけです。     それで、最初、10月ごろ言ったと思うんですけれども、それについては職    員会議録には特に記載はないですけれども、そのあとも何回も言ってますが、    その中の何回は職員会議録に記載がありますので、御覧いただければわかると    思うんですけれども、そういうような状況であったということです。 ○請求人代理人(岩下) 私が質問しているのはですね、なぜ記録者にことわらなかっ    たんですかというふうに聞いてるんです。なぜ加筆したんですかという質問で    はありません。 ○証人(内田) だから、ことわるだけの時間的な余裕がなかったということでござ    います。 ○請求人代理人(岩下) 結局、そういうことで、結果的にあなたは間違った加筆を    行ったということですね。 ○証人(内田) あとでよく調べてみますけれども、今、間違ったということを言わ    れていますけれども、確かめてみたいと思います。 ○請求人代理人(岩下) 簡単にわかるんですけれども、その4月10日の記録者の    文宇と4月11日の記録者の文字を合わせてみてください。     そうすると、校長が加筆した部分というのは、4月11日の表紙の記録者、    私です、文字と同一ですね……。 ------------------------------------(03)------------------------------------    では、その点については、後ほどよく確かめておいてください。     さて、その4月11日の職員会議の休憩中に、校長さんあなたは、県教委に    電話をして、新入生への謝罪文を書くことについてお伺いを立てていたようで    すが、その時どういう指示が出されていたのですか。 ○証人(内田) 覚えがありまぜん。 ○請求人代理人(岩下) 校長として非を認めるような文書を出してはいけない、そ    ういうふうに県教委から指示されたんではありませんか。 ○証人(内田) 私が電話をしたかどうか覚えてないのに、あなたが、電話をしたと    いうふうに、なんでわかるかということですが。 ○請求人代理人(岩下) 先ほど申しましたように、その日の職員会議録の下書き、    これはその日に取っていたものですけれども、この中にはそのことが書いてあ    ります。     では、先に進めます。              〔甲第27号証27ぺージを示す〕 ○請求人代理人(岩下) これは、97年7月18日の職員会議録です。この日、職    員会議に、校長に対して公開質問状が出されましたけれども、記憶しておりま    すでしょうか。 ○証人(内田) あったと思います。 ○請求人代理人(岩下) その議論の中で、PTAが臨時総会で内田校長の配置転換    を含む決議文が採択されましたが、そのことに対して、PTAの活動として逸    脱している、そういうふうに発言しましたね。 ○証人(内田) 覚えておりません。 ○請求人代理人(岩下) この問題については、また後にしましよう。     そのときに職員から、「管理職と教職員の信頼関係をつくっていくことは、    学校運営上大事だ、校長はどうやってつくっていこうと考えているのか」、そ    ういう質問に対して、あなたは、「教職員との信頼関係をどうやってつくって    いくかは難しい」、そういうふうに発言しましたね。 ○証人(内田) 覚えておりません。 ○請求人代理人(岩下) つまり、あなたは職員会議録にいろいろ加筆していますけ    れども、自分で発言したことであってもですね、都合の悪いことについては加    筆しないと、そういうことだったんですね。 ○証人(内田) そういうつもりで加筆はしませんでした。 ○請求人代理人(岩下) 更に、今度は10月23日の職員会議録について質問いた    します。     あなたは陳述書の中で、この日の職員会議について、このように記載してい    らっしやいます。     多少補足しますけれども、「10月23日の職員会議で、入学式を行うこと    を決めており、この職員会議で私は、「入学式は行うので入学式をやってくだ    さい。入学式をやらないことは認めません。入学式を入学を祝う会に代えるこ    とはできません」と、私の決定したことを伝えました。」と陳述書で述べてい    ますが、間違いありませんか。 ○証人(内田) はい。 ○請求人代理人(岩下) これも非常におかしなことなんですが、あの日の職員会議 ------------------------------------(04)------------------------------------    であなたがそのような発言をした、そういうことは元々の議事録には一言も記    載されていませんし、そのときに、その場に居合わせた教職員、誰一人そうい    う記憶を持っていません。     あの日、あなたは態度を保留したのではありませんか。 ○証人(内田) 態度は保留しません。              〔甲第26号証43ページを示す〕 ○請求人代理入(岩下) この26号証43ページ、これは11月20日の職員会議    ですけれども、この11月20日の職員会議で、生徒総会議案の承認、それを    審議したとき、あなたは「用意不十分なので保留したい」と発言しましたね。 ○証人(内田) 11月20日でございますか。 ○請求人代理人(岩下) はい。 ○証人(内田) 覚えはないんですけど。 ○請求人代理人(岩下) そこに記載してありますね。 ○証人(内田) 消えていて見えません。 ○請求人代理人(岩下) 消えてないところです。     43ページの1行自に、「用意不十分なので保留したい」と書いてあります    ね。 ○証人(内田) あります。 ○請求人代理人(岩下) これはあなたの発言ですね。 ○証人(内田) と思いますけれども。 ○請求人代理人(岩下) その日の、生徒総会の議案書の承認、その議案書には、従    来の入学式に代わり生徒主催で入学を祝う会を行うという議案が含まれていま    したね。 ○証人(内田) 含まれていたと思いますけどね。 ○請求人代理人(岩下) すると非常に矛盾してきますね。10月の23日にもし態    度を明らかにしているならば、1か月後の11月20日に保留するはずないじゃ    ないですか。 ○証人(内田) いや、これは保留したって、何を保留したかということではないで    すか。生徒総会は11月11日に行われたわけですよね。その前にあれはかかっ    ているんじゃないですか、総会の議案書は。そうですよね。 ○請求人代理人(岩下) 今これは11月20日の職員会議のことを言っています。 ○証人(内田) ですから、用意不十分なので保留したいというのは、どこを保留し    たいというふうに、これを私が言ったとしてですね、どこを保留したというよ    うなことは、ちょっとわかりませんけれども。 ○請求人代理人(岩下) 当然、校長としての態度を保留したに決まっているじゃな    いですか。     では、更に質問を続けます。     あなたがこの部分を加筆したのはいつですか。 ○証人(内田) 平成10年の夏休み前後だと思いますけれども。 ○請求人代理人(岩下) ここのところ、97年の職員会議録の加筆はその時期に一    斉にやられたということですね。 ○証人(内田) 大部分ですね。              〔甲第26号証58ぺージを示す〕 ○請求人代理人(岩下)更に、98年の1月16日の職員会議についてお尋ねします。 ------------------------------------(05)------------------------------------     この日の職員会議問題について、やはり陳述書の中でこのように述べていま    すね。「入学を祝う会は入学式が終わってから行うということにし、平成10    年1月16日の職員会議で提示しました。」。     そういうふうに陳述書中に書いてありますが、「提示しました」というのは、    具体的には何をしたんですか。 ○証人(内田) すみません、もう1回最初からお願いします。 ○請求人代理人(岩下) 1月16日の職員会議で、入学式を祝う会は入学式が終わっ    てからということ、そのことを提示したと述べていますが、提示とは具体的に    何をしたんですか。 ○証人(内田) やりたいというふうに言ったということだと思うんですが。 ○請求人代理人(岩下) 口頭で発言したわけですか, ○証人(内田) そうだと思いますが、ちょっとはっきり覚えていませんが。 ○請求人代理人(岩下) はっきり覚えてないことが陳述書に書かれているわけです    か。 ○証人(内田) いや、何も持ってないわけですから、すぐ思い出せといっても思い    出せないということですよ。 ○請求人代理人(岩下) これも大変おかしいことなんですけれども、私たち教職員    は、その1月16日、誰もそのような発言を聞いていません。もちろん議事録    にも記載されていません。その日、1月16日は、祝う会総務から祝う会のた    たき台を提示して、意見を寄せてほしいと連絡しただけです。     それに対して、あなたは、1月の21日、その日になって初めて、教頭を通    じて文書を私によこしたんです。思い出しましたでしょうか。 ○証人(内田) いや、思い出しません。 ○請求人代理人(岩下) 1月16日の職員会議では何ら態度表明をしていないんで    す。何ら態度表明していないのに、提示しましたというふうに陳述書の中であ    なたは書いているんです。しかも、今の時点で記憶がはっきりしないと言って    います。 ○証人(内田) だから、提示したというのは述べたということだと思いますよ。そ    ういうつもりで書いていますから。 ○請求人代理人(岩下) 誰も聞いていないんです。     では、更に質問を続けます。     いろいろな箇所で加筆をしていますが、一体、何を根拠に加筆をしているん    ですか。それをお示しください。 ○証人(内田) 覚えていることや、メモ等です。 ○請求人代理人(岩下) 記憶、記憶というのは誰の記憶ですか。 ○証人(内田) 私です。 ○請求人代理人(岩下) 1年数か月前のことを記憶で記入したわけですね。 ○証人(内田) 記憶やメモ等です。 ○請求人代理人(岩下) 1年数か月たってですね、自分の都合のいいところだけを、    まさに恣意的に加筆して、で、前回も出ましたけれども、都合の悪いところは    削除している、それで今回の陳述書を書いたと、そういうことなんですね。 ○証入(内田) 私の発言が最初からほとんど書いてないというようなことがありま ------------------------------------(06)------------------------------------    したので、それを中心にして入れさせていただいて、引用したということでご    ざいます。 ○請求人代理人(岩下) 結局それは、今回の竹永処分を正当化するために、結局、    加筆、削除を行ったと、そういうふうに受け止められますが、いかがですか。 ○証人(内田) そういうことではありません。先ほど、聞きもしないことを私が答    えたというふうに言われましたけれども、その続きになりますが、しぱらく、    不足している部分等があるということで、付け加えたり訂正してくださること    を待ってましたけれども、一向にそういうような気配がないということであり    ました。     それが、平成10年の6月ごろまではそれで行ったわけですけれども、そう    しましたら公開請求が出まして、私の判子が押してないということであります    ので、これでは公文書でないということで、判を押せない、公文書でないとい    うことであれぱ、先生方にずっとお願いしていることをやってもらう以外なかっ    たわけですけれども、そういうふうにやっていただけないということで、公開    も迫っているということで、私のほうでやむを得ず加筆をして訂正した部分も    あるかもしれませんが、公開に堪えられるような、検印をした、押印した職員    会議録にして、職員会議録として整えたということでございます。 ○請求人代理人(岩下) 先ほどの質問に重なりますが、今の点で言えばですね、職    員は、一体、校長がどこの部分を加筆したのか、それがわかるように我々に示    してほしいというふうに要求しました。更に、その当日の書記に、このような    かたちで加筆するけれどもそれで構わないかと、そのような確認をしてほしい    というふうに要求しました。しかし、その両方とも、校長さん、あなたは断り    ましたね。 ○証人(内田) ちょっと覚えてないですけれども、それはいつごろだったですかね。     なんせ、職員会議録というのはちゃんと書いてあると思いましたら、大量に    書いてないということで、私は本当にびっくりしたわけであります。しかも、    お一人でなくてですね、幾人もの先生が職員会議録を、何時間もやったのに1    ぺージも書いてないというようなことで、職員会議録を書く規定があるわけで    すけれども、約束があるわけですけれども、それに全然則ってないということ    がありまして、先生方もいろいろ考えてそうしたんでしょうけれども、やはり    会議録は会議録らしく、しかも、管理職の言ったことは管理職が言ったという    ことで書くことになっているわけですので、それを待っていたということでご    ざいます。非常に時間と労カを要したということでございます。 ○請求人代理人(岩下) 時間と労力を要すれば、どのように書き換えても構わない    と、そういうことを言っているわけですね。     では、先に……。 ○証人(内田) いえ、違います。なっているのに、非常に時間と労力を、精神的に    もですね、弱ったなと思いながら、ということでございます。              〔甲第26号証最終ページを示す〕 ○請求人代理人(岩下) 先に進めます。     98年3月26日の職員会議録、これは一番最後のぺージになりますでしょ    うか、26号証の一番最終ぺージです。     前回の尋問で、平成10年3月26日、この日の職員会議録の一部をあなた    は抜き取りませんでしたかという質問に対し、議題になじまないので、抜いた    というか、職員会議録の中には入れなかった、そういうふうに答えましたが、    間違いありませんか。 ------------------------------------(07)------------------------------------ ○証人(内田) はい。 ○請求人代理人(岩下) 該当箇所は、内田校長の罷免要求書の審議部分で、議題に    なじまないとして校長が退席した後も審議が続行され、職員会議で承認された    ものですが、さて、その抜き取った会議録は、現在、どこに保管されています    か。 ○証人(内田) それはわかりません。     職員会議録、職員会議ではないということと判断しましたから、そこから外    したわけです。それで、どこにあるかというふうに言われましても、ちょっと、    私のほうはわかりません。 ○請求人代理人(岩下) 抜き取ったのはあなたですよね。 ○証人(内田) そうです。 ○請求人代理人(岩下) それで、どこに置いたんですか……。     今、所沢高校のどこにこの文書は存在しているんですか。 ○証人(内田) それはわからないです。 ○請求人代理人(岩下) わからないって、あなたが最終的にそれを持っていたわけ    ですよね。わからないわけないじゃないですか。 ○証人(内田) 職員会議録でないということで、私のほうで別に綴じたというのは    覚えてますけれども、そのあとどうしたかということは、ちょっとわかりませ    ん。だから、別に綴じたというのは、穴が開いてますから、ひもを通したと思    いますけれども、別にしたということですね、別に綴じたというか別にしたと    いうのは覚えていますが。要するに、職員会議録でないからということで、と    いうふうに判断したということでございます。 ○請求人代理人(岩下) それは、今、学校の中にありますか。所沢高校の中にあり    ますか。それとも校長の自宅にあるんですか。それとも焼却したんですか。 ○証人(内田) 焼却はしてないです。 ○請求人代理人(岩下) その罷免要求書にはこういう文言があります。「内田校長    は、長年培ってきた本校の民主的伝統を踏みにじり、学校を混乱させ、教育活    動に著しい支障を生じさせた」として、具体的問題点も列挙してあるわけです    が、自分の意に沿わないからといって、実際に議論されたものを議事録から削    除し、隠匿したり破棄したり、そういうような行為が許されると思いますか。 ○証人(内田) 審議って言いましたか、先生。審議……。 ○請求人代理人(岩下) 実際に議論された。 ○証人(内田) 議論ですか。職員会議で議論しているわけじゃないですよね、先生    方が集まって議論されているわけですから。ですから、今の質問には特にお答    えしなくてもいいんじゃないかと思います。     私が退席してから議論されたわけでしょ。職員会議じゃないですよ。 ○請求人代理人(岩下) 事実上、職員会議は続行されていたわけです。たまたまそ    こで校長は退席しましたが、そこでは議論は続けられていたわけです。百歩譲っ    て、校長の言うようであれば、せめてその議事録は記録者に返却すべきものじゃ    ないですか。もし、そうであれば……。     先に行きます。     前回の尋問で、所高に転勤予定だった「マル管」6人が、着任前の98年3 ------------------------------------(08)------------------------------------    月20日、3月25日に県教委に呼ばれたこと、そのことに対する質問をしま    した、前回。で、校長さんに「同席していましたか」という質問に対して「記    憶がない」とあなたは答えたわけですが、重要な問題なので、もう一度お答え    ください。 ○証人(内田) 同じ、記憶がございません。 ○請求人代理人(岩下) 本当でしようか。差し障りがあるので個人名を特定できま    せんが、実は、その場に一緒にいた方から次のようなことを聞いています。     「そこで校長に会いました。所高の教職員数名の名前を挙げて、彼らには注    意するようにという話がありました」。     これでも、まだ否定しますか。 ○証人(内田) 覚えありません。 ○請求人代理人(岩下) 私のほうからは以上で終わります。 ○請求人代埋人(佐々木) 代理人の佐々木です。     もう一度、時期的に戻りまして97年の入学式からお伺いをしていきます。     前回の続きですが、まず、あなたが入学式を行おうとする前に、待機をして    いた新入生あるいは保護者の方に、開会が遅れた理由を説明されていませんね。 ○証人(内田) 理由は説明しておりません。 ○請求人代理人(佐々木) 同じく冒頭、他の教職員があなたの指示で待機をさせら    れていて入学式に出席できないという点についても、説明していませんね。 ○証人(内田) しておりません。 ○請求人代理人(佐々木) 同じく、生徒会と教職員が納得していない形式の入学式    を行うことについても説明をしておりませんね。 ○証人(内田) しておりません。 ○請求人代理人(佐々木) 新入生、保護者の方々にとっては大変失礼で、傲慢な態    度だと思いますが、なぜ説明をしなかったんですか。 ○証人(内田) 説明はしませんでしたけれども……。 ○請求人代理人(佐々木) なぜしなかったのかを聞いているんですから、まず、そ    の理由を答えてください。 ○証人(内田) 理由は特にありません。 ○請求人代理人(佐々木) 入学式の結果報告は県教委にされていますか。 ○証人(内田) 平成9年度の入学式でございますね。 ○請求人代理人(佐々木) はい。 ○証人(内田) 改めて報告ですというような報告はしておりませんが。 ○請求人代理人(佐々木) 前回確認をした「入学式、卒業式における国旗掲揚、国    歌斉唱について」という報告もしていないんですか。 ○証人(内田) そうですね、入学式がああいうような状況でしたから……ちょっと    覚えてないですね。 ○請求人代理人(佐々木) 事故報告書は出しましたか。 ○証人(内田) 事故報告書ですか……事故報告書は出してないと思いますけれども。 ○請求人代理人(佐々木) 事故ありとは考えていなかったということですな。 ○証人(内田) そうですね。 ------------------------------------(09)------------------------------------ ○請求人代理人(佐々木) この入学式について、生徒の人たちは、押しつけられた    ものだと感じているようですが、いかがですか。 ○証人(内田) なんとも判断できません。 ○請求人代理人(佐々木) 生徒会の「フリー」という文書の中に、「自分たちが納    得できないことを大人に押しつけられるから納得してしまうということになら    ないようにしよう、納得できないことは納得できないと言えるようにしよう、    納得できるまで話し合おう、私たちは権利があるんだから、権利についてこれ    から考えていこう、みんなで」という文書が出ていますが、読まれましたか。 ○証人(内田) 覚えておりません。 ○請求人代理人(佐々木) 生徒会からあなたに、生徒会のホームルーム委員会から    あなたに、この入学式について9項目の質問書が出ましたね。 ○証人(内田) 9項目ですか?。 ○請求人代理人(佐々木) はい。 ○証人(内田) 多分あのことだと思いますが……。 ○請求人代理人(佐々木) え? ○証人(内田) 多分あのことだと思いますが、続けていただかないとわかりません。 ○請求人代理人(佐々木) 質問書が出たのは覚えていますか、何項目かわからなく    ても。 ○証人(内田) 5月に入って生徒に説明会開きましたので、そのときのことかなと    思いますけれども。 ○請求人代理人(佐々木) 説明会は4月なんですが、4月30日の、ホームルーム    委員会主催の校長先生と対話をする会、これにあなたは出席しましたね。 ○証人(内田) 思い出しました。生徒総会の前の集まりですね。 ○請求人代理人(佐々木) そうです。 ○証人(内田) はい。 ○請求人代理人(佐々木) 出席されましたね。 ○証人(内田) 出ました。 ○請求人代理人(佐々木) 生徒は90名以上出席していて、生徒の関心は非常に高    いという状況でしたが、その席で証人は、入学式のことは生徒総会が終わった    あとで話をするということで、事前に提出をされていた質問には全く答えなかっ    たそうですが、そのとおりですか。 ○証人(内田) 90人なんて参加しておりません。     それから、そういう約束をしてませんから、答えるつもりは、答えなかった    です。 ○請求人代理人〈佐々木) 5月2日に生徒総会がありましたね。 ○証人(内田) 多分そのころです。 ○請求人代理人(佐々木) この日の、ホームルーム委員会主催の、第2回校長先生    からの説明会というのにも出席をしていますね。 ○証人(内田) すみません、もうl回……。 ○請求人代理人(佐々木) 5月2日の第2回の説明会にも出席していますね。 ○証人〈内田) これは体育館でやったのでしたら、日にちがちょっとわからないん    ですが、体育館でやったのなら出ております。 ------------------------------------(10)------------------------------------ ○請求人代理人(佐々木) この説明会という名称ですが、最初、生徒は、校長先生    と話し合いたいと、そう言ってきたんではないですか。 ○証人(内田) そのときもこういうふうに答えました……。 ○請求人代理人(佐々木) いや、言ってきたかどうかをまず答えてください。 ○証人(内田) 話合いというのはどういう意味ですか。 ○請求人代理人(佐々木) 話し合いたいと言ってきたんではないですか。 ○証人(内田) 話し合いたいと言ってきました。 ○請求人代理人(佐々木) それが説明会となったのは、何ででしようか。 ○証人(内田) そのときもお話したんですけれども、生徒諸君と校長と話をして、    話し合って、何かを決めると、こういうようなことであれば私は話合いに応じ    ませんと。ただ話合いをしましよう、しませんということではなくて、話合い    をするということは、ただ言いっ放しじゃなくてですね、何か決めるんだろう    ということで、私は説明しました。ですから、そういう話合いには応じないと。     それから、もう一つ、教員と生徒が対等になって物事を決めるということは    私は考えられないということで、説明会ということで、私が話をしますから、    質問をどんどん出して、それについてお答えをします、事前に質問があれば紙    に書いてでも出してもらえれば考えておきますと、そういうような返事をした    と思います。 ○請求人代理人(佐々木) ニュアンスは同じですが、生徒と教員は立場が違う、対    等に話はできない、話合いなら私は参加しないと、こういう趣旨を言われたん    ではないですか。 ○証人(内田) 違います。今、言ったように、話合いというのはどういうことかと。    話し合って何かを決めるということでありましたから、私はそういうような話    合いはできないと、こういうふうに生徒に、そういうふうに話したわけです。 ○請求人代理人(佐々木) 証人の独特の見解である話合いというのに証人は応じな    いというふうに言われたから、生徒が配慮して、説明会ということになったん    ですね。 ○証人(内田) そうですね。 ○請求人代理人(佐々木) 4月30日のホームルーム委員会での説明を断り、次い    で、5月2日の話合いを拒否したというのは、今、証人が言われたように、生    徒と校長というのは話し合うこともできないんですか。 ○証人(内田) それに答えますけど、質問の内容が違ってますから。4月30日は    そういうことでやったんじゃないんです。それで4月30日と5月2日と二日    続けてですね、校長は話合いに応じないと言われてどうなんですかと言われて    も、私としては非常に困ります。 ○請求人代理人(佐々木) 5月2日の説明会で、あなたは、学習指導要領に書いて    あるから、日の丸、君が代を行う。だから、あらかじめ生徒に伝えることでは    ない、そういう発言をされていますね。 ○証人(内田) 疲れてきたんで、もう1回言ってもらえますか。申し訳ありません。 ○請求人代理人(佐々木) 5月2日の説明会で、証人は生徒たちに対し、学習指導    要領に書いてあるから、日の丸、君が代を行う。だから、あらかじめ生徒に伝    えることではない、そう発言しましたね。 ○証人(内田) 私は「日の丸、君が代」とはあまり言いません。「国旗、国歌」と ------------------------------------(11)------------------------------------    いうふうに言っております。それが一つです。     それから、学習指導要領に「指導するものとする」というふうになっている    のでそれに従ってやるんだということは、しばしば生徒に話をしてきました。 ○請求人代理人(佐々木) だから、あらかじめ生徒に伝えることではないとも言わ    れたんでしょ。 ○証人(内田) 実施するということをあらかじめ生徒に伝えるということではない    というふうに思うと、こういうことは言ったと思います。 ○請求人代埋人(佐々木) 同じ日、「校長の職と所沢高校の自主・自立、どちらを    とるのか」という生徒の質問に対し、「校長の職、両立は無理」という発言を    されていますね。 ○証人(内田) あちこちにそういうことは書いてあるんですけれども、そういうよ    うな趣旨のことは言ったという覚えはあります。 ○請求人代理人(佐々木) あなたの説明で、生徒が納得をしましたか。 ○証人(内田) 納得をしないので、なかなか私が考えているような入学式や卒業式    ができなかったんだろうというふうに思います。 ○請求人代理人(佐々木) 生徒総会では、994名中、あなたの説明で納得したと    いう人が6名でしたね。 ○証人(内田) なんか、そのようなことだと思います。 ○請求人代理人(佐々木) 5月6日、ホームルーム委員会主催の第3回校長先生か    らの説明会というのがありましたね。 ○証人(内田) ちょっとわからないんですけど。日にちがいつだったか。 ○請求人代理人(佐々木) 日にちは、わからなければ、まあ、それは無理もないん    ですけれども、第3回目の説明会というのもありましたね。 ○証人(内田) あまり覚えてないんですけれども。 ○請求人代理人(佐々木) あなたが、生徒の納得が得られずにね、途中退席をした    というのは、この説明会ではないんですか。 ○証人(内田) もう少し状況がわからないと思い出せないんですけど。 ○請求人代理人(佐々木) 6月27日の第4回校長先生からの説明会というのがあ    りましたが、覚えていますか。 ○証人(内田) 体育館でやったんですか。 ○請求人代理人(佐々木) 私は場所はわからないけれど、4回目の説明会というの    があるようですが。 ○証人(内田) しょっちゅうやってましたから、覚えてないんですけれども、具体    的にその状況を思い出せないわけなんですけれども。 ○請求人代理人(佐々木) 入学式の混乱は誰のせいかという質問を受けた記憶があ    りませんか。 ○証人(内田) 入学式の責任は誰の……。 ○請求人代理人(佐々木) 混乱は誰のせいかと。 ○証人(内田) 生徒にですか。 ○請求人代理人(佐々木) ええ。生徒からそういう質問を受けた記憶はないですか。 ○証人(内田) 流れからするとそういうことがあったかもしれませんが、私自身は ------------------------------------(12)------------------------------------    覚えておりません。 ○請求人代理人(佐々木) 私が悪かったとは思っていないという発言をされていま    せんか……。     じゃあ、7月16日に、生徒と卒業準備委員会、生徒会のね、卒業準備委員    会との話合いというのがあったようですが、覚えていますか。 ○証人(内田) ちょっと、メモを見ないとわかりません。 ○請求人代理人(佐々木) 卒業準備委員会と話合いをした記憶はありますか。 ○証人(内田) 結構いろんな生徒たちと話をしてますから、多分やっていると思い    ます。 ○請求人代理人(佐々木) その席で証人は、日の丸、君が代のない今までどおりの    卒業式はできない、この点は生徒の踏み込む領域ではない、やると決まってい    ることだと、こういう発言をされていませんか。 ○証人(内田) 指導するものとするというふうに、私は、できるだけというか、気    をつけてそこのところは言ってきたつもりですけれども、学習指導要領に則っ    た教育課程、学校活動というものから考えると、実施するものだというふうな    ことは言ったと思いますけど。     そういう、先生が言われる強い口調で言ったかどうかということですが、生    徒にわかってもらわなきゃ困るわけですから、こっちのことを一方的に言って    ですね、というふうなことはしないようなつもりではおりましたけれど。 ○請求人代理人(佐々木) それでも、生徒会の記録などを見るとね、この領域はこっ    ちで決めるんだから、あなたたちが口出す世界ではないよというニュアンスは    しぱしぱ言っておられますでしょう。 ○証人(内田) そうですね。 ○請求人代理人(佐々木) 学習指導要領で決まっているんだから従いなさいとか、    生徒と教員は対等ではないんだとか、この問題は生徒が口を出す問題ではない    という対応は、長い間教育者としてやってこられたあなたに大変失礼なんだけ    れども、教育者としては最も拙劣な対応だと思いますが、どうでした。 ○証人(内田) 生徒と話をしてきてますですよ、いろいろな機会に。で、生徒の言っ    たことに歩み寄らないから校長は云々というようなことでもないと思うんです    よね。私は校長として、今先生が言われたようなことはそうあるべきだという    ふうに思ってますし、そういう話を生徒にわかるようにしてきたつもりでおり    ます。     ただ、生徒のほうがそういうふうに受け取って、新聞にそういうふうな記事、    ニュアンスで書かれますと、やはり新聞ですから、強く、やはり立場が違う、    言ってることはこうなんだということを強めるためにそういうふうな記事にな    るということはしぱしぱありますのでね、私としては別に、話合いもしないと    かですね、話合いというのは、さっき申し上げたような何かを決めるというこ    とではなくてですね、いろんな機会に生徒と話をする機会を持ってきたつもり    でおりますけれども。 ○請求人代理人(佐々木) でも、これはもうやると決まってるんだから口出す世界    ではないですよという前提だったら、話合いにも何もならないんじゃないです    か。 ○証人(内田) だけど、別に初めからそれは駄目だというふうに言っているわけじゃ    ないですよ。 ------------------------------------(13)------------------------------------ ○請求人代理人(佐々木) 初めから駄目だと言ってるわけでしょ、あなたは。 ○証人(内田) いや、生徒の話を聞きながらそういうような話にすぐなっていくわ    けですよ。 ○請求人代理人(佐々木) すぐなっていくわけでしよ。だから、初めから駄目だと    言っているのと同じじゃないですか。 ○証人(内田) いや、そんなことはないと思いますよ。 ○請求人代理人(佐々木) これも失礼なんだけれども、子どもの権利条約第12条    に、「締結国は、自己の見解をまとめる能力のある子どもに対して、子どもに    影響を与えるすべての事柄について自由に自己の見解を表明する権利を保障す    る。子どもの見解は、その年齢及び成熟度に従い正当に重視される。こういう    条文があるのは、もちろん御存じですよね。     学校行事や学校運営の在り方について生徒及び生徒会が意見を表明するとい    うのは、当然許されている、いわぱ権利行使ですよね。 ○証人(内田) 生徒の考えを述べるという機会は、それはあるべきだというふうに    思います。 ○請求人代理人(佐々木) 私は別に、生徒の意見を常に全面的に受け入れるべきだ    という前提で質問しているわけではないですけれども、生徒の自主性や自発性、    自立性というのをね、尊重していけば、ある部分について、時に教職員や学校    の意向とぷつかる事態というのは生まれてきますよね。 ○証人(内田) はい。 ○請求人代理人(佐々木) その場合に、所沢高校のシステムというのは、どうしよ    うというふうになっているんですか。 ○証人(内田) 先生方が生徒に話をしてやってですね、生徒に理解を求めようと、    そういうシステムだというふうに私は思っております。 ○請求人代理人(佐々木) それで、生徒会の意向と教職員の意向が、あるいは学校    の意向がぷつかったときに、所沢高校の中では、どういうふうにそれをね、レー    ルに乗せて調整していくというふうになっているんですか。 ○証人(内田) 協議会をつくったり、連絡会その他、いろんな、もともと生徒会が    あるわけですから、生徒会の本部を通じて先生方と話をする機会というのは、    顧問の先生もいらっしやるんですからね、そいうところでやっていけばいいわ    けですけれども、所沢高校の場合には、協議会とか連絡会議とか、そういうも    のがあるということでございます。 ○請求人代理人(佐々木) 所沢高校の協議会というのは、生徒会の意向を職員会議    が否決をした、その場合には協議会を開いて再度話合いをしていくと、こうい    うシステムになっているわけですよね。 ○証人(内田) はい。 ○請求人代理人(佐々木) それから、その協議会以外にも、定例の連絡会議という    のが生徒会と教職員の間でつくられていると。 ○証人(内田) つくられたんですね、つい最近。 ○請求人代理人(佐々木) だから、そういうシステムの中で、いわば意見調整をし    ていくと、こうなっているわけですね。 ------------------------------------(14)------------------------------------ ○証人(内田) 意見調整とは私は思っておりません。そこはあくまで学校の教育活    動の中でですね、先生方が生徒を指導する場なんですから、そういうような中    で協議会があるし、連絡会議があると、私は思っております。 ○請求人代理人(佐々木) だとしても、例えば、生徒会の意見を教職員が否決をし    て、再度審議をさせて、それでもなお生徒会が自分たちの要求はこうだと言っ    てきた場合には、所高のシステムでは、どうしようというんですか。 ○証人(内田) 1回職員会議でそれを認めないといった場合には、協議会を開いて、    そのあとは、はっきりしてないと思いましたけれどもね。 ○請求人代理人(佐々木) 校長先生がはっきりしないというのは困るんですけどね。 ○証人(内田) はっきりしてないというのは、協議会にはっきり、きちっと書いて    ないと思いますよ。 ○請求人代理人(佐々木) 協議会を行った後に、生徒会側が職員会議の決定に納得    しない場合は、職員会議で再度審議をしようと、こうなっているんじゃないん    ですか。 ○証人(内田) だから、そこまでなんです。 ○請求人代理人(佐々木) だから、そのルートの中で、教職員の教育的指導性とい    うのは守られている、あるいは貫かれている、そういうことなんでしょう。 ○証人(内田) そういうことですね。職員が指導する場があるということですね。 ○請求人代理人(佐々木) だから、生徒が、自らの意思決定を一方的に否定される    というんではなくて、他方で、教職員の教育的責任が放棄されるというのでは    ないシステムとしてね、所沢高校では、過去、ずっとこの協議会で円満に進ん    できたと思うんですが、証人の評価はいかがですか。 ○証人(内田) 評価といわれても、評価できません。評価できないというのは、こ    うだということは言えませんということです。 ○請求人代理人(佐々木) うまくいかなかったんですか。 ○証人(内田) うまくいってないとは言っていません。 ○請求人代理人(佐々木) うまくいっているんですか, ○証人(内田) だから、評価を幾つというふうにつけるようなことはできませんと    いうことを申し上げているんです。 ○請求人代理人(佐々木) 問題点があるんですか。 ○証人(内田) 長い歴史の学校運営の中でですね、それを問題点がどこだ、ここだ、    というようなことをですね、今この場で申し上げるというようなことは難しい    ですよね。 ○請求人代理人(佐々木) 難しいけれども、所沢高校のそういう慣習がね、あなた    として、概ね評価のできるものなのか、教育的に大変問題なのか、そこは言え    るでしてょう。 ○証人(内田) なんとも、一言じや言えないんですけどね。 ○請求人代理人(佐々木) 学習指導要領が、仮にあなたの見解のとおりの大綱的な    基準で一定の法拘束性があるといっても、それを生徒や保護者にまで拘束する    基準というふうに言えるんでしょうか。 ○証人(内田) 学習指導要領というのは、生徒を指導する教員に対して言っている    ことです。 ○請求人代理人(佐々木) そうですよね。だから、生徒、保護者を拘束する基準と ------------------------------------(15)------------------------------------    いうふうには言えないですよね。 ○証人(内田) 生徒を拘束するというのはどういう意味かわかりませんが、生徒を    教育するのが先生方ですからね、先生方に対して学習指導要領という基準があ    るわけだから、生徒のほうに多少、多少というか、ある影響が及ぷということ    は、これは当然考えられますね。 ○請求人代理人(佐々木) 反射的な効果というのはあるけれども、学習指導要領は    教職員に対する法的基準だというのが、文部省の見解ですよね。 ○証人(内田) そうですね。 ○請求人代理人(佐々木) 学習指導要領に決まっているんだから生徒が口出す問題    ではないというような態度、それは、今の見解からしてもですね、それから子    どもの権利条約の立場から言っても、それから、所沢高校の長い間の生徒参加    の習慣からいっても、それから教育者としての対応からいっても、極めて拙劣    で硬直した態度だと思いますが、現在、証人はどういうふうに考えていますか。 ○証人(内田) ちょっと疲れてきたんで、話がまとまらなくなりそうなんで、休憩    していただけませんでしょうか。 ○処分者代理人(鍛治) もう1時間以上たっていますから。 ○委員長(坂巻) それでは、10分ほど休憩いたします。 午後3時41分休憩 午後3時51分再開 ○委員長(坂巻) それでは、再開いたします。      証人、証人席にお願いいたします。              〔証人、着席する〕 ○委員長(坂巻) 請求人側代理人どうぞ。              〔甲第28号証、甲第29号証を示す〕 ○請求人代理人(佐々木) 机の上に置いてあるものですが、97年の7月19日の    「ガッツで卒業」という、卒業準備委員会の、これ御覧になっていますよね。 ○証人(内田) はい、だいたい覚えてます。 ○請求人代理人(佐々木) 生徒のほうはね、結局、校長先生との対話をずっと続け    てきたけれども、私たちに残された道は三つしかないと判断したと。7月19    日にそうなったようですね。     一つは、すべて校長先生に従い、厳粛である式を行う。二つ目は、今までと    おりの式にするという意思を最後まで貫くと。この二つ目は、校長先生の対応    を見れぱ非常に困難で、私たちは卒業できても後輩たちに大きな問題を残して    しまうことになり、先生たちにも迷惑をかけて、混乱は避けられない。だから、    第3、新しい形態の式を考え進めていくということで、そのアンケートを取り    ますと、こういうニュースになっているんですね。     それで、第29号証を見てもらえますか、アンケート結果から、卒業式とい    うかたちでは行わない、門出式と合わせた生徒主催の新しいものをつくってい ------------------------------------(16)------------------------------------    こうと、こういう認識になっていくわけですよね。     経過はそうですよね。     この生徒の意思決定過程を見ていきますと、結局、証人の、つまりあなたの    生徒たちに対する事実上の対話拒否がね、結果として、卒業式を行わない、生    徒主催の新しい形式の卒業を祝う会、入学を祝う会、記念祭ですか、そういう    創造へと向かっていくという流れなんですが、事実上、あなたが導いていった    結果のようにも思うんですけれどもね、どうでしょうかね。     あなたの対応が生徒のこの判断を導いていったということに、結果的になっ    ていませんか……。     お答えがないですか。     ある新聞でね、この時期に「内田校長は真の教育者だ、生徒たちに権利は身    をもって獲得するものだというのを教えたんだから」というコラムがあったの    を、読まれましたか。 ○証人(内田) わかりません。 ○請求人代理人(佐々木) 少し時間の関係ではしょってまいります。     1997年の卒業式をめぐる問題について確認をしていきます。     これは、今までのあなたの陳述書などもあるので日程を追うだけにしますが、    9月11日の職員会議で、生徒主催の新しいかたちの卒業式を行うという卒業    準備委員会の原案を受けて、卒業式を行わないということを、教職員51人中    39名の賛成で決議をしていますよね。 ○証人(内田) はい。 ○請求人代理人(佐々木) 10月9日の職員会議で、卒業を祝う会を行うというこ    とが承認をされている、職員会議ではね。 ○証人(内田) そうですか。 ○請求人代理人(佐々木) 10月23日の職員会議で、一つ、入学を行わない、二    つ、生徒主催で教員が参画した入学を祝う会を行うと、こういう決定がされた    と。これもよろしいですか。 ○証人(内田) 幾日ですか。 ○請求人代理人(佐々木) 10月23日、あなたの陳述書に出ている日。よろしい    ですな。 ○証人(内田) はい。 ○請求人代理人(佐々木) それから、11月11日の生徒総会で次の事項が承認さ    れている。これを知っているかどうか確認するんですが、一つは……生徒総会    の確認事項ですよ。     従来の卒業式、門出式に代わり、生徒主催で卒業生を祝う行事を行う。2、    従来の入学式に代わり、生徒主催で、入学を祝う会、これは「仮」がついてい    ますが、を行う。3、運営は、教職員の協カを得て生徒会本部で行う。内容に    ついては、従来のものを基本にしつつ、新入生に所高を知ってもらえるような    企画を加える。     こういう確認が生徒総会で行われたこともついても、御存じですな。 ○証人(内田) 今、卒業式関係と入学式関係、両方おっしゃいましたですね。最初    に卒業式についてというふうにおっしゃられたんで、頭がそっちにいつており ------------------------------------(17)------------------------------------    ましたんですが、両方、生徒総会で確認されたということですね。 ○請求人代理人(佐々木) そうです。     で、11月20日の職員会議で上記事項が生徒会顧問から報告をされて、了    承をするということになりましたね……。     職員会議ではそうなったでしよう。 ○証人(内田) ちょっとわからないですね、日にちがね。 ○請求人代理人(佐々木) 校長先生はそのとき、生徒総会議決事項を職員会議とし    て承認することは適切でない、保留したいと、こういう発言をされていますよ    ね。 ○証人(内田) ちょっとわかりませんが。 ○請求人代理人(佐々木) あなたの陳述書に書いてあることだから確認しているん    ですがね。事実でもあるからね。     覚えてない……。 ○証人(内田) 今思い出していますけれども、1年半近く前のことですから……。 ○請求人代理人(佐々木) 覚えていないなら、先へ進みます。     12月4日、日にちは覚えていないのはしようがないんですが、その職員会    議で、あなたは、一部卒業式、二部卒業記念祭という提案をされましたよね。 ○証人(内田) はい。 ○請求人代理人(佐々木) それは賛成ゼロで否決されましたね。 ○証人(内田) その中身はわかりませんけれども。 ○請求人代理人(佐々木) 中身じやなくて結果。 ○証人(内田) 結果は、否決されたとは思いますけれども、票まではわかりません。 ○請求人代理人(佐々木) それでもあなたは、12月の24日の終業式で、卒業式    を一部、卒業記念祭を二部として行う、卒業式では卒業証書授与、国旗・国歌    を行いたいと、こういう発言をしておられますね。 ○証人(内田) それでもというふうに言われましたけれども、その間がありますけ    どね。 ○請求人代理人(佐々木) その間というのは、今、私が確認したように、職員会議    では生徒総会の決議事項を確認をしている、あなたの提案は否決をされている、    こういう経過を踏まえて、それでもと申し上げているんです。 ○証人(内田) その間に何人かの代表の先生と、終業式のときに一部・二部の話は    しております。 ○請求人代理人(佐々木) しているけれども、職員会議の議決事項とあなたの発言    は違いますね。 ○証人(内田) 先生方の意向とは違います。 ○請求人代理人(佐々木) 埼玉県立高等学校学校運営管理規則第16条の1、「学    校には高度の民主的かつ能率的運営を図るため、職員会議を置く。」という規    定があるのは御存じですね。 ○証人(内田) はい。 ○請求人代理人(佐々木) この規定について、制定時の教育委員会は、職員会議に    おいては、職員をして十分にその議を尽くさせ、その意見は十分尊重して学校    運営にあたらねばならないことはもちろんである、という見解を公表している    のも御存じですね。 ------------------------------------(18)------------------------------------ ○証人(内田) はい。 ○請求人代理人(佐々木) 12月の25日、終業式の後ですが、卒業記念祭は単な    る生徒会活動の一つにすぎないという趣旨が記載をされた、あなたの、厳粛で    清新な卒業式を法令などにのっとって実施したいという案内を発送されました    ね。 ○証人(内田) はい。 ○請求人代理人(佐々木) この発送のための費用や宛て名書きはどうされましたか。 ○証人(内田) はがき代ですか。 ○請求人代理人(佐々木) 費用と宛て名書きはどうしましたか。 ○証人(内田) 費用は、私が出したままになっていると思いますけれども。 ○請求人代理人(佐々木) 宛て名書きは。 ○証人(内田) 宛て名書きは、どうしたかね、私も書いたか、誰かに手伝ってもらっ    たか、そのへんよく覚えてないんですけれども。 ○請求人代理人(佐々木) 1月23日、あなたは職員室に次の文書を掲示していま    すね。     1、卒業式ができなくなるような卒業記念祭の実施は認めない。     2、3学年団の保護者あて卒業記念祭案内状の配布は認めない。     3、生徒会の、保護者あて卒業記念祭案内状の配布は認めない。顧問は、配    布しないよう生徒会長を指導する。     こういう文書を掲示しましたね。 ○証人(内田) はい。 ○請求人代理人(佐々木) 1月30日、3年生から、これから家庭研修となるため    に、卒業式を強行されることに反対し、卒業記念祭が校長先生の協カのもとで    行えるようにという、求めた決議文が提出されていますね。 ○証人(内田) されたと思いますけれども、30日はちょうど3年生からお終いの    ころですね。はい。 ○請求人代理人(佐々木) 提出されていますね。     受験を間近に控えた3年生の切実な声だと思うんですが、あなたはそういう    ふうに考えませんでしたか。 ○証人(内田) 3年生、試験も近いですからね、その前……その前のですね、でき    るだけ、そういう生徒の気持ちは考えてあげたいというふうには思っておりま    したけれども。 ○請求人代理人(佐々木) 生徒の気持ちは、卒業式は強行しないでください、卒業    記念祭に、あなたの協力のもとで卒業記念祭が成功するようにと、これが3年    生の気持ちだったんじゃないんですか。 ○証人(内田) ですからね、3年生、そういう気持ちは卒業式に対してですよね。    そうでなくて、今申し上げたのは、そういう、学校へ来るのが終わって家庭学    習に入るというような、入試も近いと、そういうような気持ちをいつも考えて    いたということです。 ○請求人代理人(佐々木) 98年の2月5日の卒業認定会議で、あなたは、きょう    の時点では卒業認定の候補者とする、卒業の認定は3月に行う、この会議は卒    業認定を決める会議ではない、こう発言しましたね。 ○証人(内田) したと思います。 ○請求人代理人(佐々木) それまでの学科成績や出欠や行動などを総合して、その ------------------------------------(19)------------------------------------    後特別な事態がないことを条件として卒業認定を行うための会議ではなかった    んですか。 ○証人(内田) 卒業はですね、3月になって行うわけですから。 ○請求人代理人(佐々木) 当たり前ですよ。 ○証人(内田) だから、そのあれは2月ですね。ですから、卒業を認めるというこ    とはあり得ないわけですよ。 ○請求人代理人(佐々木) 卒業認定会議というのを2月にやるのは、今私が申し上    げたように、その後の特別な事態がない限り、この人たちは皆卒業生、卒業候    補者ですよと、これを認定する会議でしよう。 ○証人(内田) そういうことですね。 ○請求人代理人(佐々木) その後、卒業認定会議をやったんですか。 ○証人(内田) やりましたけれども。 ○請求人代理人(佐々木) やってないでしよう。 ○証人(内田) 何をですか。 ○請求人代理人(佐々木) 卒業認定会議というのは、その後やってないでしょう。 ○証人(内田) 卒業認定会議ですか……質問の意味がよくわからないんですけれど    も。 ○請求人代理人(佐々木) 2月5日の卒業認定会議で、この会議は卒業認定を決め    る会議ではないというのは、何を想定してあなたは発言したんですか。 ○証人(内田) だから、2月5日時点で卒業を認定するという会議ではないという    ことですね。     「卒業認定する会議でない」ですか。そういう言い方をしたかどうかわかり    ませんが。 ○請求人代理人(佐々木) 今、あなたは「したと思います」と言われているから、    念を押して聞いているんですよ。 ○証人(内田) その時点で、本当は3月になってからやるわけだけども、いろいろ    な都合があるから、卒業認定会議と称してですね、どの学校でもその頃やって    いると思います。 ○請求人代理人(佐々木) やっていますよね。だから、それが卒業認定会議じやな    い、卒業認定を決める会議じゃないというのは、何を想定して言っているんで    すか。どこの学校でもやっていることですよ。 ○証人(内田) 何を想定して……。 ○請求人代理人(佐々木) じゃ、先に行きます。     2月10日付けで「第50回卒業式、卒業記念祭、御案内、御連絡」という    文書を3学年生徒及ぴ保護者宛に出していますね。 ○証人(内田) はい。 ○請求人代理人(佐々木) この内容は、先ほど確認をしてきた、職員会議の議決内    容と違いますね。 ○証人(内田) 卒業式と卒業記念祭をやるという案内だと思いますけれども。 ○請求人代理人(佐々木) だから、議決内容とは違いますね。 ○証人(内田) 職員会議、先生方の意向と違うということですね。 ○請求人代理人(佐々木) 生徒会の確認事項とも違いますね。 ○証人(内田) 生徒会総会で承認されたことと違います。 ○請求人代理人(佐々木) この案内状に、式次第、争点である日の丸、君が代の問 ------------------------------------(20)------------------------------------    題について触れていないのは、どういう意図からですか。 ○証人(内田) 手紙にですか。 ○請求人代理人(佐々木) そうです。御案内、御連絡という文書にです。 ○証人(内田) 触れなくちゃいけないんですか。 ○請求人代理人(佐々木) 12月25日のはがきには、法令等に則ってというんで、    今までの校長先生のお立場からすれぱ趣旨明確なね、内容に触れているのに、    わざわざこの2月10日付けではそれが落ちているから、特別な意図があるの    かなと思って聞いたんです。 ○証人(内田) わかりました。最初の手紙は特別な意味があったんです。それはど    ういうことかといいますとね……。 ○請求人代理人(佐々木) いや、思いがあったんだけど、じゃ、今度は2月10日    付けには特別な思いはなくなったんですか。 ○証人(内田) その特別な思いを今申し上げようと思っているんですけど。 ○請求人代理人(佐々木) いや、なぜ……私の質問に端的に回答されるならどうぞ。 ○証人(内田) 校長は、卒業式をやらないでいきたいというようなとをですね、何    か電話が来たりしたんですよね。それで、私は卒業式もちゃんとやるし、そん    な、やらないなんていうことは考えていませんよということを……皆そう言っ    てますよというような電話が幾つかあったんです。ですので、私は、そうでは    ありません、卒業式ちゃんとやりますよというようなこととですね、それから、    前に申し上げました、そのときは名前が卒業記念祭になっていたと思いますが、    その両方やるということを伝えたかったわけです。年内に。     今回、今先生がおっしゃっていることは、特にその出した手紙の中では、申    し上げるというつもりは特になかったと。もう話してありますからね。という    ことでございます。 ○請求人代理人(佐々木) この保護者への御案内には、出欠の返事を求めています    よね。 ○証人(内田) ええ。 ○請求人代理人(佐々木) あなたは、その当時既に、卒業式に出席することが卒業    認定の要件であるという認護を持っておられましたね。 ○証人(内田) いや、そうは思っていなかったと思いますけどね。 ○請求人代理人(佐々木) 保護者宛の通知で出欠の返事を求めた意図は何ですか。 ○証人(内田) 状況掌握ですよ。 ○請求人代理人(佐々木) 何のために。 ○証入(内田) いろんな準備その他があります。私のほうとしたって心構えがあり    ますし、何人出てくれるかということは、卒業式、卒業記念祭を含めてですね、    校長として当然知っておくべきだというふうに思っています。 ○請求人代理人(佐々木) しかし普段はね、別に、卒業式、入学式の出欠について    あらかじめ求めるということはないですよね。 ○証人(内田) いや、そんなことはないんじゃないんですか、学校によっていろい    ろですよ。 ○請求人代理人(佐々木) ないと思いますよ。 ○証人(内田) いや、そんなことないです。 ------------------------------------(21)------------------------------------ ○請求人代理人(佐々木) そうですか、あなたは今までずっとそうやられてきた。 ○証人(内田) いや、私じゃなくて、周りが……。 ○請求人代理人(佐々木) やってないでしよう、あなたは。 ○証人(内田) 私はやっていません。 ○請求人代理人(佐々木) この出欠の返事をあらかじめ求めるという態度はね、こ    の当時の保護者のお立場からすれぱ、欠席した場合、報復的な不利益処分を受    けるんではないか、つまり卒業不認定の処分を受けるんではないかという認識    を持つように、持つことになるんではないかと、こう思うんですが、いかがで    すか。 ○証人(内田) さっきのお話とつながると思いますけれども、卒業式に出なけれぱ    卒業させないなんていうような、そういうようなお尋ねでしたけど、私はそう    いうふうに思っておりませんし、今も申し上げましたようにですね、ほかの学    校はというふうに言われましたけれども、ほかの学校と同じ状況じゃないです    からね、校長としては、どういうふうな状況かということをやっぱり把握して    当日を迎えるということは、それは当然なことだと思いますよ。 ○請求人代理人(佐々木) はがきの返事はどうでしたか、何通返ってきましたか。 ○証人(内田) 覚えておりませんけれども……覚えておりません。全部ではありま    せん。 ○請求人代理人(佐々木) じゃ、何割ぐらいですか。 ○証人(内田) 2回やりましたから、どっちがどっちだか、ちょっとわかりません。 ○請求人代理人(佐々木) しかし、あなたは特別な思いがあって、状況を把握する    必要があって出したと言ったんだから、覚えているでしよう。 ○証人(内田) 大まか、半分前後だと思いますけれどもね。 ○請求人代理人(佐々木) 出席者は何割だったんですか、出席通告は。 ○証人(内田) 何人ぐらいだったですかね。間違えちやいけませんからね……わか    りません。 ○請求人代理人(佐々木) あまり大切な意思で出したはがきとは言えないんだね。 ○証人(内田) そんなことはありません。 ○請求人代理人(佐々木) あなたは、2月12日の職員会議の途中から欠席をされ    て、職員が、なぜ校長出てこないんだということで、教頭先生が呼びに行った    ら、たぱこを吸っているから出られない、職務怠慢と言うならそれでも構わな    い、こう発言をしていませんか。 ○証人(内田) もう1回、最初のほうお願いします。 ○請求人代理人(佐々木) 2月12日の職員会議の途中、退席をされて、教頭が呼    びに行ったら、職務怠慢と言うならそれでも構わんと、こういう発言をしてい    ないですか。 ○証人(内田) いや、わからないですね。 ○請求人代理人(佐々木) 3月9日の卒業式について聞いていきます。     あなたは事前に、今度は、卒業生、卒業予定者に個別に電話をかけて出席を    求めましたね。 ○証人(内田) 卒業生ですか。 ○請求人代理人(佐々木) 卒業、あなたの言葉でいうと予定者、候補者。 ○証人(内田) どっちだっけかな……。 ------------------------------------(22)------------------------------------ ○請求人代理人(佐々木) 電話をかけたのは事実の問題ですから、かけたかかけな    かったかだけ、まず答えてくださいよ。 ○証人(内田) 保護者か本人か今思い出しています……ともかく、どっちか宛に電    話したと思います。 ○請求人代理人(佐々木) 何名にかけたんですか。 ○証人(内田) ちょっとわかりませんが、そんなには多くないと思います。 ○請求人代理人(佐々木) どのぐらいですか。 ○証人(内田) そんなに多くないぐらいで、100人はいってないと思いましたね。 ○請求人代理人(佐々木) どういう必要があってかけたんですか。 ○証人(内田) 卒業式に出てもらいたいと思って電話したんだと思いますね。 ○請求人代理人(佐々木) かけた人とかけない人が分かれたのは、どうしてですか。 ○証人(内田) それは、全部しきれなかったんですよ。 ○請求人代理人(佐々木) ただ間に合わなかっただけですか。 ○証人(内田) そうですね。あと……。 ○請求人代理人(佐々木) 選別をしたんじゃないんですか。 ○証人(内田) いや、連絡とれるところから電話したんだと思いますけどね。 ○請求人代理人(佐々木) しかし、学校の名簿だから、全部連絡はとれるでしょう。 ○証人(内田) ええ。卒業式に出るという家に電話したのかな、よくそのへん覚え    てないんですけどね。ともかく、誰も卒業式に出てこないんじや困るというこ    とで、私自身、結構、卒業式についてですね、心配をしておりました。 ○請求人代理人(佐々木) 卒業式には、教育委員会から管理主事が9名来てますね。 ○証人(内田) そうですか。 ○請求人代理人(佐々木) 来てるでしょ。 ○証人(内田) その程度、人数来たと思いますけれども、はっきり9人だったか    ちょっと……。 ○請求人代理人(佐々木) あなたが要請したんですね。 ○証人(内田) お願いできれぱというようなことは話したことはあります。 ○請求人代理人(佐々木) 要請は、文書で行ったんですか、電話でしたんですか。 ○証人(内田) 今申し上げましたように、来ていただけれぱというようなことでお    話しをして……。 ○請求人代理人(佐々木) 「来ていただけれぱ」ですか、「来てください」ですか。 ○証人(内田) 「来てください」ですよね。 ○請求人代理人(佐々木) どういう必要があるから「来てください」と言ったんで    すか。 ○証人(内田) 学校の中の状況を話す中でそういうようなことを話し、お願いした    と思います。 ○請求人代理人(佐々木) だから、どういう必要があるから管理主事に来校を要請    したんですか。 ○証人(内田) まあ、卒業式の当日ですね、卒業式を、きちっと行いたいというふ    うに私自身思ってましたから、それに沿ってお願いしたということです。 ○請求人代理人(佐々木) だから、それは必要性を今語ってないんだけど、どうい ------------------------------------(23)------------------------------------    う具体的な危惧、懸念があるから管理主事に来校を促したのかと。 ○証人(内田) どういう状況というか、今申し上げたようなことですよ。 ○請求人代理人(佐々木) だから、わざわざ呼ぷについては、何々の心配があるか    ら来てくれ、何々をしなければいけないから来てくれ、こう言うでしょう。 ○証人(内田) そうですね。 ○請求人代理人(佐々木) だから、どういう必要が、その当時あなたはあると認識    したんですか。 ○証人(内田) そうですね……やっぱり、認識したというか、生徒も先生方もね、    卒業記念祭1本だというようなお話ですからね、これは校長として、それは心    配しますよ。ですから、卒業式がきちっとできるように考えてお願いしたとい    うことですね。 ○請求人代理人(佐々木) この日は、教職員には職務命令を出していますね、3月    9日の卒業式に向けて。 ○証人(内田) そうですね。 ○請求人代理人(佐々木) どういう職務命令を出したんですか。 ○証人(内田) 要するに、当日、役割分担に従ってきちっとやってくださいという    ことだと思いましたよ。 ○請求人代理人(佐々木) この卒業式では管理主事が君が代を歌っていますね。 ○証人(内田) いや、わかりません。 ○請求人代理人(佐々木) あなたが出てた卒業式ですよ。 ○証人(内田) ええ。 ○請求人代理人(佐々木) わからないの。 ○証人(内田) 管理主事が君が代歌ったですか。 ○請求人代理人(佐々木) 誰が君が代を歌うのか、あらかじめ決めていたんじゃな    いんですか。 ○証人(内田) 質問の意味がよくわかりません。 ○請求人代理人(佐々木) その君が代を歌った管理主事は式途中で退席をしていっ    たようですが、覚えていますね。 ○証人(内田) 退席……式途中で退席ですか……いや、そういう方がいらっしやっ    たかどうかわかりませんけれども、そういうことであれぱ、どなたか出ていっ    たと思いますよ。 ○請求人代理人(佐々木) この人たちは、卒業式に出席するために来たんではなく    て、君が代の歌い手として来たんですか。 ○証人(内田) それはわかりません。 ○請求人代理人(佐々木) あなたは、式辞の中で「卒業を認定する」という表現を    使いましたね。 ○証人(内田) そうだと思いますけど。 ○請求人代理人(佐々木) 卒業式に出席しなかった卒業生は卒業を認定しないおつ    もりだったんですか。 ○証人(内田) いや、そういうようなことまで、あまり考えてなかったと思います。    入学式のときは……きょうは入学式のことを聞かれると思ったから卒業式のこ    とばっかりでね。やはり、よく考えてから答えないと、言ったということを言 ------------------------------------(24)------------------------------------    われますから。卒業式のときには、特にそういうことは考えなかったと思いま    す。 ○請求人代理人(佐々木) しかし、あなたは、どのぐらいの人たちが卒業式に出て    こられるか心配だったと。 ○証人(内田) 心配でした。 ○請求人代理人(佐々木) だから、あらかじめ事前に出欠の返事の手紙も出し、電    話もかけ、それで出てこない人たちについてどうするつもりだったのかという    のは、当然、考えて臨むでしよう、大人なんだから。 ○証人(内田) そこまで考えが及ぱなかったんだと思います。 ○請求人代理人(佐々木) 卒業認定は、あなたの全くの自由裁量なんですか。 ○証人(内田) 自由裁量ということがよくわかりませんが、校長が卒業を認定する    ということが決められていると思います。 ○請求人代理人(佐々木) だから、この人の顔は気に入らないから卒業を認定しな    い、この卒業生の親は気に入らないから卒業を認定しない、こういうことが、    あなたの権限で許される……。 ○処分者代理人(鍛治) 委員長、ああいう質問はやめさせてください。 ○請求人代理人(佐々木) どこがいけないんですか。自由裁量の問題を聞いている    んじゃないですか。 ○委員長(坂巻) 自由裁量の問題であるとしても、常識的なことを聞いてください。 ○請求人代理人(佐々木) だから、常識的なことを聞いてるんですよ。 ○委員長(坂巻) だから、極端な非常識なことを例にとらないで、常識的な点を聞    いてください。 ○請求人代理人(佐々木) じゃあ、そのまま聞きますが、あなたの恣意的な判断で    卒業認定ができるんですか。 ○証人(内田) 法令に基づいて校長が卒業を認定するというふうに私は思っており    ます。 ○請求人代理人(佐々木) だからそれは、全くあなたの自由な裁量だということで    はないですよね。 ○証人(内田) 自由でない裁量とか自由の裁量という意味がわかりません。 ○請求人代理人(佐々木) あなたが勝手気ままにできるものですか、普通の表現で    言えぱそういう質問ですよ。 ○証人(内田) 校長として卒業を認定するというふうに思っております。 ○請求人代理人(佐々木) 私の質問に答えてくださいよ。 ○証人(内田) もう1回お願いします。 ○請求人代理人(佐々木) 全くあなたが勝手気ままに判断できる事項なんですかと    いうことです。 ○証人(内田) 意味がよくわかりません。 ○請求人代理人(佐々木) もう一度確認しておきます。卒業式に出席をしなかった    卒業生に対して、卒業を認定するおつもりで臨まれたのか、そのつもりはなかっ    たという態度で臨まれたのか、いずれですか。 ○証人(内田) さっき申し上げましたとおりです。そういうような、そのときの卒    業式に向けてですね、そういうようなことを考える余裕といいますか、そうい ------------------------------------(25)------------------------------------    うものはなかったというふうに記憶しております。 ○請求人代理人(佐々木) 卒業式には卒業生は何名出ましたか。 ○証人(内田) 20名じゃなかったかと思いますけれども。 ○請求人代理人(佐々木) 大多数の生徒は、校長先生の押しつけ卒業式は嫌だと判    断をされて、出席をしなかったということになりますな。 ○証人(内田) 出席しなかったということは認めます。 ○請求人代理人(佐々木) 卒業記念祭には出席されたんですか。 ○証人(内田) しました。 ○請求人代理人(佐々木) 所沢高校の生徒の自主活動について確認をしていきます。     所沢高校のあなたの赴任時までの生徒の自主的活動についてですね、あなた    のお立場として、何か問題がある、行き過ぎがあった、こういう御判断をお持    ちですか。 ○証人(内田) 私がてすか。 ○請求人代理人(佐々木) うん。 ○証人(内田) 行き過ぎがあったということですか。 ○請求人代理人(佐々木) かどうか。 ○証人(内田) そういうふうには思っておりませんけど。 ○請求人代理人(佐々木) その実績は、生徒、保護者からも評価をされているとい    う事実を認めることはできますか。 ○証人(内田) いや、それはわかりません。 ○請求人代理人(佐々木) 生徒の意見表明権を権利として認めるということは、学    校運営への参画を、つまり学校行事や運営の在り方について、意見表明権とい    うかたちで認めていくことですよね。 ○証人(内田) 生徒の考えは、聞く姿勢というのは必要だと思います。 ○請求人代理人(佐々木) 例えぱ、生徒が制服の押しつけ反対の決議をしたら、そ    の生徒の意見表明はどのように取り扱われるのが望ましいんでしようか. ○証人(内田) 考えていることを聞いてあげるということがまず必要だと思います    けど。 ○請求人代理人(佐々木) 体育祭や修学旅行の進め方について、生徒が自らの希望    を表明したり決議をしたら、どう取り扱うことが望ましいでしようか。 ○証人(内田) そのときの状況で、どうでしようかと言われてもちょっと困ります    けれども、生徒が何を考えているか聞いてあげるというのが、今申し上げまし    たように、大事だと思います。 ○請求人代理人(佐々木) 聞いてあげて、じゃあ、運営はどうしたらいいというこ    とになるんでしようか, ○証人(内田) いろいろな角度から、先生方とですね、いろいろ話をして決めてい    くつもりでおります、そういう状況がありましたらね。 ○請求人代理人(佐々木) 学習指導要領には、特別活動のその点についてどのよう    に記載をされていますか。 ○証人(内田) 特別活動ですか。 ○請求人代理人(佐々木) 事柄を覚えてなくてもいいですから、こういうふうに記    載があるということをまず確認をしますね。 ------------------------------------(26)------------------------------------     指導計画の作成に当たっては、学校の創意工夫を生かすとともに、学校の実    態や生徒の発達段階及ぴ特性などを考慮し、教師の適切な指導のもとに、生徒    による自主的、実践的な活動が助長されるようにすること、とありますよね。 ○証人(内田) はい。 ○請求人代理人(佐々木) だから、まず聞いてあげるというだけではなくて、生徒    の自主活動を助長していくように配慮しなさいとなっていますよね。 ○証人(内田) はい。 ○請求人代理人(佐々木) 日の丸、君が代の押しつけ反対の決議をする、生徒会が    ね。これは許されるんでしようね。 ○証人(内田) 聞いてあげるということから始まりますよね。 ○請求人代理人(佐々木) まず、決議自体は問題ないですな。 ○証人(内田) うん。 ○請求人代理人(佐々木) 学校行事の在り方について、運営を含めて、もっと生徒    が主体的に参加したり意見表明すること自体、これは許されますよね。 ○証人(内田) 意見表明ですか。 ○請求人代理人(佐々木) うん。 ○証人(内田) 主体的にということですか。 ○請求人代理人(佐々木) うん。 ○証人(内田) そうですね、意見表明ですから。 ○請求人代理人(佐々木) 主体的参加の形式として、特に、生徒主催という意識で    ね、自主的、自発的に参加をしてくる。学校側としては、生徒の主体性を尊重    して、それを側面から支える、こういう対応は許されるでしょうね。 ○証人(内田) 学習指導要領に反するようなことはうまくないんじゃないですか。 ○請求人代理人(佐々木) だから、生徒主催という意識で主体的に参加してくる、    これを学校側がね、教職員の側が援助、支援する、これはまず原則許されるわ    けでしょ。望ましいわけでしょ。 ○証人(内田) 生徒たちがですね、一生懸命話し合っていろいろなことを決めてで    すね、それを、そうではないんだよということを言うというのは、教員として    は大変つらいことだと思います。しかしですね……。 ○請求人代理人(佐々木) いや、許されるのか許されないのか、端的に言ってくだ    さいよ。 ○証人(内田) しかし、言うべきときにはやはり、それはまずいということは言わ    なきゃならないわけで、必ずしも、いつも支援するとは限らないですよ。 ○請求人代理人(佐々木) それはもちろん、当たり前のことですよ。 ○証人(内田) はい。 ○請求人代理人(佐々木) 卒業式という名称の行事、入学式という名称の行事を必    ずやらなけれぱならないということは、学習指導要領に明記されていない。こ    れは、証人の陳述書の内容ですな。 ○証人(内田) はい。 ○請求人代理人(佐々木) 入学式に出席しないと入学が許可されない、卒業式に出 ------------------------------------(27)------------------------------------    席しないと卒業認定がされないという法令上の規定はない、これも陳述書の内    容ですね。 ○証人(内田) はい。 ○請求人代埋人(佐々木) そうですな。 ○証人(内田) そういうふうに書いてあると思います。 ○請求人代理人(佐々木) だから、入学式に出ないからといって入学が許可されな    いということはない、卒業式に出ないといって卒業認定がされないことはない、    こうなるでしよ。 ○証人(内田) どうなんですかね。 ○請求人代理人(佐々木) あなたの陳述書の見解を確認したんですよ。 ○証人(内田) そういうふうに書いてあれぱそうですね。 ○請求人代理人(佐々木) 儀式的行事について確認をしていきます。     学習指導要領では、「学校生活に有意義な変化や折り目をつけ、厳粛で清新    な気分を味わい、新しい生活の展開への動機づけとなるような活動を行うこと」    こうなっていますよね。 ○証人(内田) はい。 ○請求人代理人(佐々木) なっているでしよう。 ○証人(内田) はい。 ○請求人代理人(佐々木) 厳粛な儀式、あるいは清新な儀式というのは、法令上、    あるいは学習指導要領のこの内容において確定しているものではない、そのと    おりですな。 ○証人(内田) いや、よくわかりませんけど。確定していないというのはどういう    意味だか……。 ○請求人代理人(佐々木) だから、儀式的行事については、今私が読み上げた内容    が全部で、それ以上のものは書いてないんですよ。それはいいでしょ。 ○証人(内田) 見ないとわかりませんけれども、そういうふうにおっしゃるんでし    たらそうだと思いますが。 ○請求人代理人(佐々木) 校長先生のあいさつがない、あるいは来賓の方のあいさ    つがない卒業式、入学式というのは、許されるんですか。 ○証人(内田) 許されるというような言い方をされれぱ、許されるんじゃないです    か。 ○請求人代理人(佐々木) 卒業証書、入学証書が、入学式、卒業式という儀式の中    ではなくて各教室で担任から配布される、こういう形式でも許されるんですか。 ○証人(内田) 学校行事というのは、学年単位とかですね、全校で行うのが、やは    り大事なことだというか、趣旨に合ったようなことだと思いますよ。 ○請求人代理人(佐々木) だから……。 ○証人(内田) だから、直接、教室の中で……。 ○請求人代理人(佐々木) 教室で個別に配布されることは許されるんですか、許さ    れないんですか、卒業証書、入学証書。 ○証人(内田) だから、許されるというふうなことを言われますと……。 ○請求人代理人(佐々木) 許されるんでしょ。 ○証人(内田) そういう場合もあるかもしれませんが、全体の場でやるのが望まし    いというふうに私は思います。 ------------------------------------(28)------------------------------------ ○請求人代理人(佐々木) あなたは思っても、学習指導要領にはそう書いてあるわ    けではないですよね。 ○証人(内田) いや、そういう……。 ○請求人代理人(佐々木) 書いてない。 ○証人(内田) いや、学校行事はどういうものかというようなことで、学年単位、    全校単位でというようなことは書いてあるというふうに私は記憶しております。 ○請求人代理人(佐々木) 厳粛で清新な儀式といった場合、これだけは不可欠な事    項というのは、法令上、学習指導要領上、何があるんですか。 ○証人(内田) 厳粛な清新な、やはり静かに式が進むということが、私はそういう    儀式の場合には必須だというふうに思っておりますが。 ○請求人代理人(佐々木) 私の質問は、法令上、学習指導要領上、不可欠な事項と    いうのは何ですかという質問です。 ○証人(内田) わかりません。 ○請求人代理人(佐々木) ないんですよ、これ。不可欠な事項と明記されているも    のは。     だから、厳粛で清新な犠式といっても、その意味は、習慣や、参加者の意識    や、学校の伝統などで分かれるし、画一的に判断できるものではないんだと。    これが常識なんでしょ。 ○証人(内田) いや、私はそう思いません。 ○請求人代理人(佐々木) だって、法令上、学習指導要領上の明記されたものはな    いと、今、あなた確認しているんですよ。     生徒たちが、自分たちで主体的に運営をしていく、生徒会主催であるという    意識を持ち、教職員の側は、その運営、進行について、十分に教育的配慮を加    えた入学式、卒業式に代わる卒業記念祭や入学を祝う会というものを行うとい    う教育的試みは、法令上、許されるんですか。 ○証人(内田) 法令上ですか……ちょっと文章が長かったんで、最初のほうもう1    回言ってもらえますか、申し訳ありません。 ○話求人代理人(佐々木) あなたはね、入学式、卒業式は、学習指導要領上も、必    ず行わなけれぱならない学校行事であるというふうにはなっておりませんと陳    述書で述べておられる。しかし、教師が、教職員が十分に教育的な指導を貫く    ことが必要であると、こういうふうにも言われているから、聞いているんです。     生徒が、自分たちで主体的に運営をしていく、あるいは、意識としては生徒    会主催であるという認識を持ってね、しかし同時に教職員の側は、その運営、    進行について十分教育的な配慮を加えた場合に、入学式、卒業式を行わずに卒    業記念祭や入学を祝う会を行うということが、法令上許されるんですかと聞い    ています。 ○証人(内田) 法令上と言われますとちょっとわかりませんが、卒業式と卒業記念    祭と両方やりましようと言っているわけですから、私は。 ○請求人代理人(佐々木) 私の質問に答えてください。法令上許されるのか許され    ないのか、あなたの見解を聞いているんですよ。 ○証人(内田) わかりません。 ○請求人代理人(佐々木) 学校行事として卒業式、入学式が法令上義務的なもので    はなくて、その出席が卒業認定や入学許可の不可欠の条件でないというあなた ------------------------------------(29)------------------------------------    のお立場を前提として、入学式、卒業式を行わないことが違法となることはな    いですよね。 ○証人(内田) わかりません。 ○請求人代理人(佐々木) あなたは、教育委員会で学習指導要領を今、指導し勉強    するお立場だと、こういうふうに前回の証言で述べられているから、学習指導    要領について御見解を聞いているんですよね。     この特別活動について、学習指導要領が、特に儀式……そうですね、内容の    定義だから、学校行事ですね。内容の定義については、学校や地域及び生徒の    実態に応じて、各種類ごとに行事及びその内容を精選して実施すること、と書    いてありますよね。 ○証人(内田) ええ。 ○請求人代理人(佐々木) そうですな。精選して実施しろというんだから、精選し    た上で、実施しないということもあり得るという前提の記載になっていますよ    ね。 ○証人(内田) することになっているものはするんじゃないですか。 ○請求人代理人(佐々木) することになっているものとして、学校行事がね、儀式    的行事、学芸的行事、健康安全体育的行事、旅行集団宿泊的行事、勤労生産奉    仕的行事とあって、これらについては、今述べたように精選して実施しろとなっ    ているんですからね、だから、実施しないものが出てきても、学習指導要領上、    何の問題もないわけでしょ。 ○証人(内田) 精選して実施することということであれぱですね、その言葉どおり    であれば、その文章、今持ってないからわかりませんけれども、精選するとい    うことであれぱ、やらないものも出てくると思いますよね。 ○請求人代理人(佐々木) そうですよね。だから、入学式、卒業式を行わなければ    いけないというふうには、学習指導要領上も、なっていないでしょ。 ○証人(内田) やらなきやならないというようなことは書いてないですね。 ○請求人代理人(佐々木) そうすると、結局、所沢高校における、この間、1年有    余にわたる混乱の原因は、あなたが学習指導要領上の解釈を間違って、入学式、    卒業式を必ず行わなければいけない、入学式、卒業式には必ず国旗、国歌をや    らなければいかん、これをとことん強行しようとしたことに端を発しているん    じゃないですか。 ○証人(内田) 最初の部分の……。 ○処分者代理人(鍛治) 先生、学習指導要領の解釈を間違ったということは言い過    ぎですよ。 ○請求人代理人(佐々木) 学習指導要領上、入学式、卒業式を必ず行うと、どこに    書いてあるんですか。 ○証人(内田) 入学式、卒業式はですね、代表的な、学習指導要領は例示ですけれ    どもね、最初に書いてありますから、常識的に考えれぱ大事なものだというふ    うに思ってますけれども。 ○請求人代理人(佐々木) 私の質問に答えてくださいよ。必ず行わなければいけな    い必須的行事というふうに明記されているんですか。 ○証人(内田) そういうふうには書いてないですね。 ○請求人代理人(佐々木) 書いてないでしょ。そうしたら、どこが間違っているん    ですか、私の意見が。 ○処分者代理人(鍛治) 校長の考えと学習指導要領の内容とは違うでしょ。 ------------------------------------(30)------------------------------------ ○請求人代理人(佐々木) 校長の考えと学習指導要領の考え方が違うのは当たり前    ですよ。だから学習指導要領について聞いているんですよ。 ○処分者代理人(鍛治) だから、佐々木先生のポイントが重複しちゃってるんです    よ。だから、学習指導要領の解釈と校長の権限と分けて聞いてくださいよ。 ○請求人代理人(佐々木) どう聞くのかは私の判断でしように。だから、学習指導    要領に書いてあるかって聞いているんですよ。 ○処分者代理人(鍛治) 混乱しちゃうから。 ○請求人代理人(佐々木) 書いてないでしよう。 ○処分者代理人(飯塚) ちょっと尋問について異議があります。法令の解釈を求め    る質問でありますので、これは相当でないと思います。 ○請求人代理人(佐々木) 法令の解釈を求めてるんじゃないです。学習指導要領の    どこに書いてあるかって、事実の確認の質問ですよ。 ○委員長(坂巻) だから、証人がその陳述書やなんかで言っているから、それを確    認しているんだろうと思うんですよね。そうでしょ。 ○請求人代理人(佐々木) ええ。それとまあ、学習指導要領の……。 ○委員長(坂巻) 時間の関係で、もう1時間になるから疲れるでしようから、肝心    なことですから、どこか切りのいいところで切ってください。 ○請求人代理人(佐々木) じゃあ、今の関連の質問は1点だけにして、次に移りま    す。次の質問はそんなに長くありませんから、安心してください。     要するに、入学式、卒業式を必ず行わなけれぱいけないということには、学    習指導要領上なっていない、これが、あなたの見解として確認をしてよろしい    ですね。 ○証人(内田) 学習指導要領上、やらなければならないという表現はないですね。 ○請求人代理人(佐々木) じゃ、次の質問に入ります。日の丸、君が代問題につい    てですね。     それはそんなに長くないですから、もうすぐ終わりますからね。     広島県で校長先生が自殺をされたり、大量の校長先生に対する処分が行われ    ていますよね。国会では法制化という問題も浮上してきているわけだし、この    所沢の高校の問題も、あなたがぜひとも国旗、国歌を入学式、卒業式でやると    言われたことが出発点になっているので、聞いていきます。     日の丸、君が代について、それを、法制化されていないけれども、慣習法上    の日本の国旗、国歌であるとする見解があるとしてもね、それを認め難いとい    う人の良心の自由、内心の自由を犯すことはできないとするのが政府見解であ    ることは、確認できますよね。 ○証人(内田) 内心に立ち入らないということですね。 ○請求人代理人(佐々木) それが政府見解であるということは、あなたの教職員に    対して配布された資料にも載っていますし、確認してよろしいですな。 ○証人(内田) はい。平成6年でしたですかね。 ○請求人代理人(佐々木) 入学式、卒業式では必ず日の丸を掲げ、君が代を歌えと    いう指導が、仮に、学習指導要領を根拠とした義務であるというお立場に立っ    ても、そして、それが職務命令で教職員には命じることが許されるとしても、    これは大きな異論がありますけれども、許されるというお立場での、職務命令    で生徒、保護者を強制することはできませんね。 ------------------------------------(31)------------------------------------ ○証人(内田) 生徒と保護者に対して、私はですね、職務上の上司ではありません。 ○請求人代理人(佐々木) そうですね。だから、生徒や保護者に、日の丸を揚げた    ら起立をせよ、礼をせよ、君が代を流したら声を出して歌え、これも強制する    ことはできないですな。 ○証人(内田) 斉唱するように指導するものとするです。 ○請求人代理人(佐々木) だから、強制はできないでしょう。 ○証人(内田) 強制というのはどういう意味だかわかりませんけれども、学習指導    要領上は国歌を斉唱するよう指導するものとするとなっていますから、それに    則って指導するのが我々の仕事だと思います。 ○請求人代理人(佐々木) 指導と強制が違うという、日本語の意味はわかりますよ    ね。 ○証人(内田) 同じではありませんね。 ○請求人代理人(佐々木) すると、強制は意味がわからないというのもおかしな回    答ですな。 ○証人(内田) いや、違いますからということです。 ○請求人代理人(佐々木) 違いますでしょう。だから、生徒が起立をしなかったり    斉唱しなかったりしても、そのことで生徒を処分することはできませんね。 ○証人(内田) どうなんでしょうかね。 ○請求人代理人(佐々木) できるんですか。 ○証人(内田) そういうときには、指導するということでしようけれどもね。 ○請求人代理人(佐々木) 私の質問に答えてください。 ○証人〈内田) もう1回お願いします。 ○請求人代理人(佐々木) 生徒が起立しなかったり斉唱しなかったりしても、その    ことを理由として処分をすることはできませんねという質問です。 ○証人(内田) そうですね、難しいと思いますけどね。 ○請求人代理人(佐々木) 何が難しいんですか。 ○証人(内田) よく考えてみますけれども……。 ○請求人代理人(佐々木) 校長先生のあなたのお考えを、是非この場で聞きたい。 ○証人(内田) 私、証人ですから、考えろ考えろというふうに言われますけれども、    証人がそういうふうなこともどんどん答えなくちゃいけないんですか。 ○請求人代理人(佐々木) あなたは、日の丸、君が代を、あなたの言葉でいえぱ国    旗、国歌を入学式で是非やりたいとして、この混乱をもたらした一方の当事者    ですよ。あなたが日の丸、君が代についてどう考えておられるか、それは別と    して、日の丸、君が代に敬意を表さなかった生徒が出てきたとしたらどういう    お立場で臨むことだったのか、重要なポイントだから是非答えてください。 ○処分者代理人(飯塚) 仮定の事実を前提にした質問については相当でないと思い    ます。制限してください。 ○請求人代理人(中山) 見解だから、不相当じゃないですよ。 ○処分者代理人(飯塚) 仮定の事実を前提にしたあれじゃないですか。答えを求め    ているじゃないですか。証人に対してそういう質問は相当じゃないですよ。 ------------------------------------(32)------------------------------------ ○請求人代理人(佐々木) 本件にとって最も中心的な争点の一つですよ、ここは。    是非答えてもらいたい。 ○委員長(坂巻) まあ、純粋な事実でないが、事実関係から一応の意見として、そ    れを求めているんだけど、だから、自分自身で判断して、答えられないんだっ    たら答えられないでもいいです。     意見だから、あなたの考え方だから。 ○証人(内田) ですから、難しいと思いますとさっき申し上げたんです。 ○請求人代理人(佐々木) どっちが難しいんですか、答えるのが難しいんですか、    それとも、処分はできないという意味で難しいと思いますという回答なんです    か。そこがわからないんですよ。あなたの今のお立場だと。 ○証人(内田) その件については、いろんな考え方がありますからね、ですから、    私としては、そういうことで処分するというのは難しいことだというふうに思っ    たんです。 ○請求人代理人(佐々木) 難しいというか、処分をしたいという立場でそういうふ    うに言われると不思議なんだけれども、難しいじゃなくて、処分できないはず    なんだよね。 ○証人(内田) だから、処分することは難しいというふうに……。 ○請求人代理人(佐々木) 処分できないというふうには言えないんですか。 ○処分者代理人(鍛治) 言えないと言っているんだから先生、いいじゃないですか。 ○請求入代理人(佐々木) 日の丸、君が代の押しつけ反対という立場の生徒たちと    ね、入学式、卒業式で日の丸、君が代をやりたいというあなたのお立場が、現    場でどう矛盾なく統一させることができたんですか。 ○証人(内田) 御質問の意味が、もう疲れていますので、よくわかりません。 ○請求人代理人(佐々木) 意味がわからないほど難しい質問をしているわけじゃな    いんですよ。あなたがずっと現場で本当は悩まれてきたこと、悩まれてきたは    ずのことを聞いているんです。入学式の押しつけ反対だという生徒の立場と、    あなたのお立場とは、現場ではどう統一ができたんですかと聞いているんです。 ○証人(内田) よくわからないですね、質問の意味が。質問の意味がわかりません。    現場でどう……。 ○請求人代理人(佐々木) 現場というのは所択の現場ですよ、所沢高校の。 ○証人(内田) 現場でどう統一ができたんですかというんですか……そんなこと簡    単に答えられないですね。 ○委員長(坂巻) 事実関係だから、卒業式、入学式、それがどういうふうに統一的    にできたかどうかと。 ○証人(内田) よくわかりません。 ○請求人代理人(佐々木) 入学式、卒業式では、日の丸、君が代が不可欠です、こ    れはあなたのお立場ですよね。入学式、卒業式に出席しないと、入学を許可し    ません、卒業を認めません。この立場とが統一をしたら、入学式、卒業式に出    席を強制し、日の丸、君が代に対する、良心の自由、内心の自由を侵害するこ    とにはなりませんか。 ○証人(内田) わからないです。質問が、申し訳ないんですけど、わかりません。    2時間半過ぎてますので、疲れています。 ○処分者代理人(鍛治) わからないですよ、統一してというのは。どういう意味な ------------------------------------(33)------------------------------------    のか、私もわからない。 ○請求人代理人(佐々木) 校長先生の行ってこられた態度がまさにその態度だから    聞いているんですよ。     入学式に出なければ入学を許可しませんよ、入学式では日の丸、君が代が不    可欠ですよ、これ貫かれたら強制ではないんですか。 ○証人(内田) 疲れていますので、わかりません。 ○請求人代理人〈佐々木) 私の質問は終わります。 ○委員長(坂巻) それでは、内田証人お疲れさまでした。後ろの席に戻って結構で    す。それでこの次は7月14日午前10時から。今度は場所が県民健康センター    大会議室です。     これで終わりになりますね。尋問時間はどのぐらいですか。相当、重複尋問    も多いので、要点を簡潔に聞いてください。お願いしておきます。 ○請求人代理人(佐々木) はい。努力します。     1時間半ぐらい、こちらの尋問は。 ○委員長(坂巻) 反対尋問は。 ○処分者代理人(鍛治) こちらは反対尋問を、今までのね、再主尋問、今までの事    項についてのものだけ準備して参りたいと思います、次回。1時間。 ○請求人代理人(中山) まだ、30分じや足りないということ? 今度は2時間あ    るわけですね。1時間半こっちがやって、30分残りますけど、30分じや足    りないという…。 ○処分者代理人(鍛治) 30分じゃ足りませんね。 ○委員長(坂巻) この次は、場所の関係で、11時45分までにお願いしたい。 ○処分者代理人(鍛治) ちょっと、再主尋問、無理ですね。     そうすると、請求人側の質問だけになっちやいますね。 ○委員長(坂巻) そうなると、もう一度という……。     やむを得ませんね。 ○請求人代理人(中山) 次回はですね、予想されていると思うんですけど、入学説    明会の当日の内容が問題になりますから、是非証人にですね、そこは記憶を喚    起してもらって、忘れたなんて言われるとね、やっぱり重複していろいろ聞か    ざるを得なくなってくるんですよ。別の角度からですね。だから、そのへんを    十分覚悟して、準備して……。 ○処分者代理人(鍛治) いや、それ、やりますけども、そうすると、もう少し細か    い尋問事項書出してもらわないと、わからないですよ。     そちら側の証人尋問について、こちらが打合せするということは、ほとんど    できませんから。 ○請求人代理人(中山) いやいや、だから、中身、入学説明会の中身が中心になり    ます。 ○委員長(坂巻) そうしますと、もう一度、入れておかなくちゃならないですね。     9月21日の午後2時30分ということで、これはそうすると、処分者側の    主尋問、最終尋問ですね。     それから、もう一つ、請求人側にお願いしたいのは、本日、甲第32号証か    ら34号証は提出していただきましたが、証拠説明書の提出を願います。それ    で、甲第32号証から34号証までの認否について、処分者側は、その証拠説    明書が出てから文書で提出してください。 ------------------------------------(34)------------------------------------     以上です。     それでは、そういうことで、本日の第6回口頭審理はこれで終わらせていた    だきます。長時間にわたり、大変、御協カありがとうございました。 午後5時6分閉会                    調書作成事務職員 湯本 佳代子(印)        委員長 坂巻 幸次(印)        委 員 久保木宏太郎(印)        委 員 渡邉 圭一(印) ------------------------------------(35)------------------------------------
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