所沢高校 Non-Official 資料19990308f

所沢高校新聞
第224号
埼玉県立所沢高等学校　新聞委員会
1999年3月8日(月)
1999年3月8日発行　　　　　所沢高校新聞　　　　　　　　　第２２４号
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　編集・発行
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　埼玉県立所沢高等学校
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　新聞委員会
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　〒359－1131　所沢市久米1234
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　TEL（042）922－2185

（１）面
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　～つぶやき～
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　風がやわらかくなり、春はもうすぐ側まで着ている。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　そんな時に、別れを惜しむように、雪が降ることがある。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　太平洋側の雪は、そのほとんどが春先の低気圧のもたら
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　すものだ。慣れぬ雪にとまどう事もしばしばあるが、春
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ばかり望んでいないで、冬の厳しさを知ってから、春を
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　想え、という教訓なのかもしれぬ。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　と、すれば、なかなか粋なはからいだ。

未来のステージへむかって

　　　～それぞれの想いを胸に～

┌────────────────────┐　　　┌──────────┐
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│　　　│　　　　　　　　　　│
│　　　　　　　写　　　　真　　　　　　　│　　　│　　　写　　真　　　│
│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│　　　│　　　　　　　　　　│
└────────────────────┘　　　└──────────┘
　　　　　　　［なつかしの３年前］　　　　　　　　［第１回卒業記念祭より］

卒業される三年生から、在校生へ。
三年生へは担任の先生と在校生へ。
最後だから伝えたい事、ずっと忘れないでいてほしい事、大切な事…。
たくさんの“想い”がこもったメッセージが届きました。
同じ時を過ごした仲間として、心の中で受け取ってください。

３年担任より
一組担任　　小泉　光男
　三年生の皆さん、卒業おめでとう。たぶん、多くの人にとって「あっという間」の
三年間だったことでしょう。この自由な空間の中で、思う存分やりたいことができた
ことは、いつか高校時代を振り返った時に、限りなくいとおしくかけがえのない宝物
になっているはずです。
　これからはそれぞれの道で宝物をたくさん見つけ、すてきな大人になって下さい。

二組担任　　青木　　哲
　クラスの生徒の皆さん卒業おめでとう。この学年との付き合いは二年生の時の授業
からだったですね。最初はどんな生徒達なのか分からず不安もありましたが、すぐに
慣れ安心しました。三年では担任でしたが、体育祭や所高祭では自分達でよくやって
くれて、本当に感激しました。これから卒業してしまうのは、寂しいですが、これか
らも自分の意志でいろいろなことに頑張って下さい。

三組担任　　林　　　哲
　大学の自然科学の分野で学ぶ概念の一つにエントロピー（乱雑さ）がある。すべて
の自然界の変化は、エントロピーが増加する方向に進む。たとえばタバコの煙が拡散
していくように、整然と配列した分子が雑然と乱れた方向に反応は進むが、逆の現象
は起こらない。みんなの乱雑さが３年間で増大したとしても、この摂理に従えば正し
い。そしてそのことによって、「自分らしさ」を手に入れることができたのだ。所高
で芽生えた自分らしさを、いつまでも大切に育ててもらいたい。卒業、おめでとう。

四組担任　　奥田　利雄
　卒業おめでとうございます。心からお祝いを申し上げます。成長していく姿を嬉し
く感じています。３年間の活動の一つ一つが昨日の様に思われます。明日から新しい
生活となるでしょうが是非自分の越えるべき壁は自分で責任をもって越えて下さい。
私にはサッカーがありました。サッカーが私を育ててくれ、同様に皆さんも私を育て
てくれました。心より感謝します。

五組担任　　畠山　　久
　政治家が数合わせに躍起になる中で有効な経済対策を打ち出せないまま戦後最悪の
不況に喘ぐ日本。そんな大人の論理とは別に三年間で自主、自立の精神を学校行事の
中で遺憾無く発揮した諸君は将来、社会の成員、責任ある大人として地球環境・社会
保障の問題の解決に活躍の場を広げていって欲しいものです。
　是非とも、この学舎で教鞭をとっていただきたい。

六組担任　　松下　信明
　個性が強い集団であるので客観的に考えるとわがままなクラスでした。気が向いた
時の実行力は、六月の体育祭の応援合戦や、秋の文化祭のカレー屋さんで実証済みで
す。学校が大好きで、掃除は苦手です。何故か毎月席替えをして、楽しいクラスでし
た。卒業しても何かと所校（ママ）に顔を出すのが得意なクラスです。自分で選んで
努力して実現した進路先で、活躍して下さい。

七組担任　　中島　裕之
　高いつもりで低いのが、教養。低いつもりで高いのが、気位。
　深いつもりで浅いのが、知識。浅いつもりで深いのが、欲の皮。
　厚いつもりで薄いのが、人情。薄いつもりで厚いのが、面の皮。
　強いつもりで弱いのが、根性。弱いつもりで弱い（ママ）のが、我。
　多いつもりで少ないのが、分別。少ないつもりで多いのが、無駄。
　そして、なによりも健康が第一。

八組担任　　高橋　和世
　みんなが高校を卒業する今年、バスケットボールの神様と呼ばれたＭ・ジョーダン
が引退しました。彼のことを誰もが生まれつきの天才だと思っていますがそれは違い
ます。高校時代にはレギュラーにもなれない挫折を味わっています。その屈辱を糧に、
夢を捨てず努力を重ね、世界Ｎｏ１のプレーヤーになったのです。
　「卒業おめでとう。そして夢を持ち続けて下さい。」

九組担任　　北村　和志
　卒業おめでとうございます。議員や行政職員の発言や来校が繰り返される中で所高
は自治の伝統を守り皆さんを送り出そうとしています。この三年間様々な出会いがあっ
たと思います。雑多性と対話を保証することが学舎の基本であり、それが学びの楽し
さと厳しさ、粘り強さの源となっています。
　皆さんの直観が壁にあたって考察を重ねて行く様にその神髄を見ました。「権利の
章典」銘記さるべきです。お元気で。

十組担任　　小川　峰男
　卒業おめでとう。いまの君たちの前にはさまざまな矛盾があります。一ばん大きな
ものは「人類は生き続けたいと願っているのに、その生存がおびやかされている。」
ということです。この矛盾の解決はむずかしいけれど、決してできないことではない
と私は思います。このような矛盾がどうしてできるのか考えたら、その解決のために
力を貸してください。返せるあてはないけれど。人類の未来のために。


卒業生より
三年六組　　川野　まな
　私は、所高というある意味特殊で守られた社会の中で生活してきた。何をやるにも、
仲間（生徒、教師、保護者を問わず）とそれぞれの考えをぶつけ合う場があったのだ。
時には、それがとても面倒に思えることもあったが、何よりも大切なことを学んだの
だと思う。それは、話し合いが相手を尊重すると同時に、自分自身を大切にすること
に繋がると思うからだ。
　私は、所高を卒業すると同時に所高という社会を卒業する。しかし、私は自分自身
を大切にすることだけは一生忘れないようにしたい。地位や社会的立場ではない自分
自身を。そして、所高で出会った個性あふれる仲間を大切にしたい。いつまでも、学
べる所高であって欲しい。

三年三組　　森　　智史
　僕は一年生の頃、イベントごとに司会とコント、体育祭では総団長もやっていた所
高のリーダー的存在の三年生がいた。僕達後輩にも、とても優しく、いつか僕もこの
人みたいになりたいと思っていた。そして今、卒業をむかえ、振り返ると、やれる事
は全てやったが、所高のリーダー的存在になれたとは思えないし、きっと彼を越える
事はできなかっただろう。しかし、いろんな経験をした事によって、たくさんの友達
ができた。一緒に笑い、つらい時には助けてくれる奴らばっかりだ。
　一、二年生のみなさんへ、今いる友達とたくさん語り合い、協力して楽しい高校生
活を送って下さい。そして、いつまでもその友達を大切に。僕もそうするつもりです。


在校生より
一－十　　○○　○○
　所高で過ごした、長いようで短かった三年間。先輩方の心の中には、どんな思い出
が残っていますか。
　私達はこれまで、行事や部活動、委員会など様々な場面で先輩方に多くの事を学ん
できました。特に、体育祭などの行事で、みんな上手くまとめ盛り上げていく先輩方
の姿には本当に感動しました。
　これから先輩方は所高を卒業し、それぞれの道を歩んでいく事になります。けど、
進む道が違っても、所高でのみんなとの思い出を大切に持ち続けていて下さい。今ま
で本当にありがとうございました。

二－五　　○○　○○
　昨年度の第一回卒業記念祭の成功は、本年度の第二回卒業記念祭が越えるべき、高
いハードルとなりました。二年目となると初年度の後に現れたリスクの部分を知って
いるため、穏便に事を進めたいという意見も当然出てきますがこの意見は決して妥協
を望むものではないのです。昨年先輩方と培った気持ちは、新たに卒業記念祭をリー
ドしていく私達の中にもしっかりと生き続けています。そして先輩方がそうであった
ように、自分の中に力強い信念を持てたことを、誇りに思います。
　ご卒業おめでとうございます。


～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～

　　┌──────────────────┐
　　│委員会説　　　　　　　　　　　　　　│
　　│　　「知る」ことは自分を守ること　　│
　　│　　　　―ダイオキシン問題にみる―　│
　　└──────────────────┘

　先月のニュース番組で、所沢地区のダイオキシン問題が取り上げられた。そして、
あっという間に、その番組自体がニュースになってしまった。報道が及ぼした影響、
不適切な表現、行き過ぎ報道、情報の真偽……。いつの間にか本題から遠ざかって、
マスコミ論の問題にスリ変わっている。確かに、番組の取り上げ方に問題はあったか
もしれない。農作物の価格の下落など、多大なる迷惑をこおむった人々がいるのも否
めない事実だ。
　しかし、忘れている事がないだろうか。この番組が及ぼしたモノはそれだけだろう
か。影響の第一波は、所沢農作物が売れなくなる、などの一般世論からの反応だった。
けれど、それを受けてでてきた第２波は、また別のモノだった。行政の対応だ。報道
内容に混乱する世論を見ての大慌ての対応（とは言っても遅かったか）だった。公開
されていなかった情報は、ようやく公開され、本格的な調査も開始された。誤解も一
部解かれた。
　このような前向きの結果も出ている。この口火をきったのも、例の番組による報道
だろう。報道に対する見解は様々であろう。導き出される結果は常にひとつ、という
わけではない。だからこそ、報道する側は常に気を配らなければならない。今や情報
を流してしまえば、その広まるスピードはあっという間なのだから。
　ダイオキシン問題は、今、最も身近な問題とされている。様々な問題が次々と生ま
れてきている。その問題内容は本当に様々だが、基礎的な知識が欠けているように思
われる。基準となるべき値が、あやふやで、どれが本当に安全かわからない。ダイオ
キシンという名ばかりが広まってしまっていて、土台がしっかりされていない。危機
感が希薄なのかもしれない。今日も毒々しい白煙が化学工場から出ていた。周辺には
民家がある。受け身の情報に混乱し、右往左往しているだけではダメだ。わからない、
知らないままにしておいて、危機が去るわけではない。自ら知っていかなければ、危
機をかわせないだろう知識は自分達を守る為にある。　　　　　　　　　（二の九）

～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～

　　　　　春ごよみ

　　　　　　　　　　　雪割草の試練

　二月の始め頃、駅前の花屋で雪割草を買った。その儚げな名とは違い、頑丈そうな
焦げ茶色の蕾が三つついていた。その姿はコートのなかにうずくまる人にも似ていた。
　雪割草は何故、早春を選んだのだろうか。もっと暖かくなってから咲いたっていい
だろうに。そんなことを考えているうちに、ふと思った。雪割草は己を試している、
と。どんなに背丈を伸ばしても、雪の重みに耐えられなかったらそこで終わりだ。寒
さに勝てなかったら腐っていくしかない。それでも、種として生き残っていく為にあ
えてこの厳しい季節を乗り越えてみようとした。いつまでも生易しい環境に甘えてい
ては成長は出来ない。なんて強い植物だろう。
　「植物の方が人間より遥かに強い」とよく言われるが、人間だってそんなに弱くは
ないはずだ。人間社会も厳しいのは変わりないから、その中を生きる私達も雪割草の
ようなものではないだろうか。
　雪割草の花は三月に咲くという。この記事が載る頃にはもう咲いているかもしれな
い。長い冬を通り過ぎて、春がやって来る。その時、日射しはどんな風に感じられる
だろう。雪の冷たさを知っているから一層暖かく思えるに違いない。そして、辺りに
は試練を乗り越えた仲間達が、同じように目を細めているのだろう。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（一の五　新聞委員）
　　　　　　　【写真】春を待つ雪割草の蕾


～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～

　留学体験　　in　オーストラリア

　　　　　　　　「やりたいことをやろう」

　あなたは海外に興味があるだろうか。一度は行ってみたいと思ったことがあるので
は？
　現二年四組の伊藤超（イトウ・トオル）君は留学という形で、十ヶ月の間オースト
ラリアへ渡っていた。「日本は冬なのに向こうは夏で三十度以上。まずは暑さに驚い
た。」
　昨年十二月に帰国したばかりの彼に色々と話を聞いてみた。「ホームスティ先はお
じいさんとおばあさん二人きり。でも香港からの留学生も一緒。おじいさんは写真家
で、ブルーマウンテンというところに連れて行ってもらったり、いろいろなことを教
えてもらった。おばあさんは司書をしていて英語のことを教わった。おかげで英語力
が身についたと思う。」
　留学してすぐは向こうの英語学校に通ってそれから一般の学校にうつる。「いろい
ろな国の友達ができた。ベトナム、インド、フィリピン、韓国・・・」聞くと、オー
ストラリアには欧米人はあまりいないのだとか。原住民のアボリジニも彼の行った学
校には一人だけ。「オーストラリアは移民の多い国だから。」伊藤君は高校一年生に
あたる学年で勉強した。しかし内容自体は日本の中学校レベルだそう。「でも、友達
と交流を深めるのに一生懸命だったから・・・」授業をきちんと聞いていないと、テ
ストの問題と答えは分かるのに、答えるのに必要な単語が分からない。なんてことが
ある。「答えは分かるから、日本語で回答してみたけどやっぱりだめだったな。」な
んてことも。
　最後に、向こうで学んだことはと聞くと、彼はこう答えた。「やりたいことをやろ
うという考え方。やりたいことはやる。やりたくないことはやらない。自分の意志が
はっきりしている。全てそういう考え方で成り立っているから学校にも宿題はない。
自分の意志ははっきりしないと相手も自分も気持ち悪いから。」
　・・・これまで留学など考えてもみなかったという人もこの機会にインフォメーシ
ョンボードを覗いてみれば？新しい、大きな視野をもつことができるかも知れない。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（二の一　新聞委員）
　【写真】　オーストラリアの「道路利用者のハンドブック」
　　　　　　英語の他にも数ヶ国語のものがある。

～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～

　　　　　　　最新　同好会紹介

　　　　エスペラント語　同好会

　エスペラント同好会は現在十人のメンバーを控え、日曜日の昼休みと火曜日の放課
後に主に二－九で活動しています…。
　エスペラントとはザメンホフというポーランドの目医者が十九世紀の終わり頃発表
してた国際共通語です。エスペラントの基礎となる考えは世界平和です。世界地中の
人々は皆自分の言葉を大切にする権利があります。違う民族どうしが公平に話し合う
為の「橋渡しの言葉」がエスペラント語です。
　今では世界中で百万の人達が国際文通や海外旅行、電子メールなどにエスペラント
を使っています。

　　　legomo      　レゴーモ　　　　　　やさい
　　　  ~~        　　￣￣　　　　　　　
　　　leono       　レオーノ　　　　　　ライオン
　　　  ~         　　￣￣　　　　　　　
　　　pomo        　ポーモ　　　　　　　りんご
　　　~~          　　　　　　　　　　　
　　　estas       　エスタス　　　　　　（…は）～です。
　　　~~          　￣￣　　　　　　　　
　　　Saluton     　サルトーン　　　　　やあ。
　　　  ~~        　　￣￣　　　　　　　
　　　Bonan tagon 　ボーナン・ターゴン　こんにちは。
　　　  ~~        　￣￣　　　￣￣　　　
　　　Gisrevido.  　ヂス・レヴィード　　またね。
　　　            　　　　￣￣￣￣　　　

　みんな初心者なので仲良く楽しく学んでいます。新入りも大歓迎です。

　【写真】　世界へむけて新しいページを開いてやる気いっぱいの会員たち

～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～

　　　　　［野老（ところ）］

▼平気で約束を破る人はそう少なくはない。友達との待ち合わせも公共の場での規則
　も約束は約束なのに。しかし、友との約束は守っても学校での約束を守っていない
　人が所高には多い。以前遅刻回数の多い生徒が一学年で三割ほど、と言われて少な
　いという声があがった。学校との待ち合わせを度々破る人数が十人に三人もいるの
　に「少ない」と思えるのは絶対におかしい。友達同士で待ち合わせて、そんなに多
　くの人が遅刻したらその日一日の計画は総崩れしてしまう。時間にルーズな所高生、
　という伝統は早くなくすべきだ。

▼高校に入学してからあっという間に十二か月が過ぎてしまった。一日一日はとても
　長く感じるのに月や年の単位になると本当に早い。これは年を重ねる度に早くなっ
　ていくように感じる。昨年より今年。今年より来年。たぶんこれから先はずっとそ
　うなのだろう。だからこそ、一分一秒を大事にしていかなければいけない。しかし、
　時は無情にも過ぎ去っていく。そんな時の中で、私達は何かを吸収し成長していく。
　時には希望を持ち、時には不安になる。これからの人生の中にどんなものが潜んで
　いるか分からないが、どんな時でもがんばっていきたい。

〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓

（２）面

想いを伝えあえる行事に

　――――――――――――――――――――――――――――――――
考えは人それぞれ・・・
気になる「関心なし」６％


　　校長先生とおりあいがつかず、今年も
　「卒業記念祭」一本にはならなかったが、
　所高生はそれぞれどう考えているのだろうか？
　　一・二年生にアンケートをとってみた。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　回答率１９％
　　　　　　　　　　　　１．今回の卒業式の開催についてどう思いますか？
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　よいと思う：１４％
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　まあ、良いのでは？：２７％
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　どちらともいえない：３１％
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　悪いと思う：１７％
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　関心なし：　６％
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　その他：　５％

　　　　　　　　　　　　２．今回の卒業記念祭の開催についてどう思いますか？
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　よいと思う：６２％
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　まあ、良いのでは？：１９％
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　どちらともいえない：１１％
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　悪いと思う：　２％
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　関心なし：　６％

今回の卒業記念祭について、卒業記念祭実行委員に伺ってみた。
　　　　　　　　　　　　　　●
　僕たちは今まで、三月八日の卒業記念祭にむけて、四月から精一杯企画をたて、心
から三年生の卒業を祝う場をつくれるようにがんばってきました。
　今年の記念祭の見どころは、全部と言いたいところですが、あえて挙げるとしたら、
やっぱり〝三年生を見るのはこれが最後〟だっていうことです。信じられないかもし
れないけど、本当のことです。遠くの大学に行ってしまったり、寮に入ってしまった
りで、もう二度と会うことができない先輩も少なくないと思います。一年生は一年間、
二年生は二年間、三年生の先パイ達にお世話になったと思います。それは、部活でだっ
たり、体育祭でだったり、所高祭でだったり。それぞれ場所は違うかもしれないけど、
たぶん全員が。
　だから僕たちは、みんながお世話になった三年生に、少しでも感謝の気持ちを送れ
るように、プログラムをつくってきました。でも、これからは記念祭をつくっていく
のはみんなです。それは有志という形でも、当日に何かアドリブを入れるという形で
も、大歓迎です。
　みんなで卒業生を心から送ってあげましょう。


何のための「卒業」か？

　アンケートの数値に関しては、回答率が２０％を下回ると低かったため、厳密な事
は言えない。しかし、その中でも、記念祭肯定派が多数を占めている。又、卒業式を
良いと思うという人もいる。そして、気になるのが『関心なし』という人が少なから
ずいるという事だ。これをどう受けとめるかは、今後につながってくると思われる。
次に、アンケートに記述してもらった理由や意見。これは個人の考えだが参考になる
事も多いと思う。

▲卒業式開催について
　（良いと思う）混乱させたくないので。
　　　　　　　　マスコミにある事ない事書かれるから。
　（悪いと思う）生徒と職員が会議で決めた事を校長一人の意見でひっくり返すのは
　　　　　　　　おかしい。
　（どちらともいえない）開催する事が普通悪いわけがない。只、もっと生徒の支持
　　　　　　　　が得られなければいけないと思う。強行はダメだと思う。

▲卒業記念祭開催について
　（良いと思う）あたたかく送り出すという目的にそっていると思う。
　　　　　　　　一・二・三年生みんなが一緒になって卒業を祝ってあげられる行事
　　　　　　　　があるのは、すごくいいと思う。
　（どちらともいえない）内容はすごく良いものになりそうだが、周りがうるさそう。

▲卒業行事の目的・意義とは
＊三年間所高で過ごした日々を振り返り新しい道へ進んで行く為のもの。
＊卒業生が最後の思い出として楽しめるもの、母校を誇りに思えるものでであるべき。
　在校生の〝おめでとう！〟という気持ちを表せるものが良い。
＊卒業の証明、在校生との最後の行事。

▲その他
＊卒業に関しては個人個人考え方・感じ方が違うから、どう卒業したいか、三年生の
　希望にしてあげたい。
＊卒業式と記念祭、どちらにも出た方が良いと思う。マスコミのいいネタにされたく
　ない。
＊卒業の主人公は三年生です！
＊卒業式はお祭りではないという意見も一理ある。
＊かたよった考え方はイカン。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　【写真】第１回卒業記念祭より
～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～

理想は『卒業してからも尊敬され続ける教員』…

　　　　　　　　　　　　　　　　≡校長先生Ｑ＆Ａ≡

　今回、校長先生の教育観・学校観を少しでも知りたいという事で、いくつか質問を
してみました。どのような考えのもと、「校長先生」があるのか、疑問を解く鍵にな
るでしょうか？
　　　　　　　　　　　　　　●
Ｑ　なぜ教師という職業を選んだのですか？
Ａ　父親が教員をしていたせいか、生来、子供が好きで、最初は小学校の教員になろ
　うと思っていた。しかし、高校の教員の方が早く来たので、高校に勤める事になっ
　た。

Ｑ　担任を持っていた時の思い出・エピソードなど。
Ａ　担任した生徒から、卒業して２０年後のクラス会に招かれた時〝私が言った一言
　をよく覚えていて、今でもその言葉を思い出しながら生きている〟という話を聞い
　た。正に〝教師冥利に尽きる〟ということです。

Ｑ　教師として理想の姿、又は尊敬する師はいますか？
Ａ　一言で言うのは難しいですね。在学中はもとより卒業しても尊敬され続ける教員
　でしょうか。尊敬する先生は〝中学生の時教わった英語の先生〟です。

Ｑ　少年犯罪についてどうお考えになりますか？
Ａ　悲しい深刻な問題です。

Ｑ　それは学校教育に問題があると、それとも家庭内の問題だと思われますか？
Ａ　社会全体の問題だと思います。学校、家庭だけに限らず、皆で考えて行かなけれ
　ばならないことです。


Ｑ　現在の教育体制に問題はあると思われますか？又、改善点等気付かれた事は？
Ａ　特にありませんが、今後は多様な要望に答えて行く事になると思います。

Ｑ　海外の教育制度等で興味深く思われる事などありますか？
Ａ　私事ですが、現在娘夫婦がアメリカ合衆国の大学院に留学している関係で、昨夏
　アメリカの大学を見る機会がありました。そこでは世界各国から多くの留学生を受
　け入れていました。国際社会に生きる日本としても、大いに外国人留学生枠の拡大
　を図っていく必要があると考えます。

Ｑ　直接生徒を教えるという担任の立場、校長としての立場で御自身の中で
　　考え方の変化等ありましたか？
Ａ　特にありません。いつも〝生徒のため〟を思って仕事をしています。
　　　　　　　　　　　　　　●
――校長先生の仕事の都合により、以上の質問・回答は文書によるものです。

　　　　　　　　　　【写真】内田達雄校長

～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～

『未来に生かしてこそ過去』

　　　―所高の今年を振り返って―

　所高にとって今年度はどんな一年間だったのだろうか？一言で振り返るのは難しい
が色々あったなぁという年だった。そんな気がする。
　四月、新年度がスタートすると同時にすでに問題は待ちかまえていた。前々から続
いていた混乱が、解決をみないまま引きずられて来て困惑を生んだ。幾度となく話し
合いが開かれ、様々な対応がなされた。そういう点から見ると、起・承・転・結でい
う「承」にあたるのかもしれない。ただ、気になるのはこの「承」が惰性で続いてし
まわないか、という事だ。生徒の中には、問題に対する関心が低くなってきている人
もいるだろう。主人公であるべき生徒が離れてしまってはお話にならない。
　行事では、体育祭、所高祭共に盛り上がった。マンネリ化にならないように、と新
しい企画も出た。又、去年の反省を生かし、準備や、会計の事、時間、マナーなどの
面も向上する事ができていたように思う。そして、内容も熱があり、質の高いものを
つくる事ができたのだろう。
　「今年度」ももうすぐ終わる。やり残している事は無いだろうか？　次の場面へ切
り変わる為には、悔いが残っていてはいけない。過去は参考にするものだ。変えられ
ないのだから、とらわれてはならない。悔いが残ってしまっていては、過去にからめ
とられてしまう。反省は次の場面に生かしてこそ、価値があるのだ。今年度をじっく
りと振り返り、自分を見つめ直す事は未来を考える事にもつながるだろう。
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（二―九　新聞委員）
～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～

１９９９年度入学行事


　　　　　安心して入学させてあげたい


入学を祝う会へのいきごみ

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　【写真】第１回入学を祝う会より
　卒業記念祭実行委員に、来年度の入学を祝う会について伺ってみた。
　　　　　　　　　　　　　　●
　僕たち卒業記念祭実行委員は、今まで、卒業記念祭と入学を祝う会をすばらしいも
のにするように、めちゃ感動してもらえるように、約一年間活動してきました。そし
て本番に近づくにつれ、今まで以上にあわただしい状況となっています。
　卒業記念祭と入学を祝う会との一番大きな違いというのは、〝卒業生〟と〝新入生〟
の違いです。卒業生は、この所高に３年間通っていたわけで、所高の中の様子をよく
知っていて、それについて考えを持っているけど、新入生は友達もろくにいなくてた
だでさえ不安な気持ちなのに、その上に不安を与えてしまうかもしれない、というこ
とです。でも僕たちは、その不安をできるだけなくせるように、そして高校生って、
所高生ってこんなことができるんだ。って思ってもらえるように死ぬ気で今まで企画
をたててきました。
　しかし、今までとても少ない人数で活動してきたため、かなり手いっぱいな状態で
す。だから、少しでもやろうかなーと思っている人や、ひまだから何かおもしろいこ
とないかなーと思っている人たちにお願いです。友だちをたくさん呼んで、手伝って
ほしいです。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　回答率１９％
１．今年の入学行事について（１年生のみ）
（１）出席の仕方に迷いましたか？
　　　　　　　Ｙｅｓ：６５％
　　　　　　　　Ｎｏ：３５％
（２）突然決断をせまられて困りましたか？
　　　　　　　Ｙｅｓ：６４％
　　　　　　　　Ｎｏ：３６％
２．去年の入学行事について（１年生のみ）
（１）当日、とまどいはありましたか？
　　　　　　　Ｙｅｓ：５４％
　　　　　　　　Ｎｏ：４６％
（２）事後説明は十分でしたか？
　　　　　　　Ｙｅｓ：６８％
　　　　　　　　Ｎｏ：３２％

アンケートにみる入学への思い
　アンケート結果を数値化し、グラフに表したが、回答率が低かった為、これをその
まま全校にあてはめる事は難しい。一方、それぞれによせられた理由や意見などは参
考になると思う。全部は書き出せないが、自分と異なる意見にふれる機会になれば、
と思う。

▲（一年生のみ）去年の入学行事について出席の仕方に迷いましたか？
　Ｙｅｓ・校長が入学を認める、認めないとか言っていたから
　　　　・好きな方を選べと言われたが自分に選ぶ権利があるとは思わなかったから
　　　　・入学してからひいきがありそうだったから
　　　　・入学を許可されなかったら、と思うと……
　　　　・意味がわからなかった。何が起こっているのかわからないほどめちゃくちゃ
　　　　　だったから
　　　　・あたりまえ。生徒会が、いかにも式に出るな、みたいな事を言ったから
　　　　・先輩たちが泣いていたから。
　　Ｎｏ・先輩の説明で、どっちに出るべきかはっきりしたから
　　　　・式に出たくなかったから
　　　　・迷う程の事でもない。

▲入学行事の目的・意義とは
　・新入生をあたたかく迎えること。この学校に入って良かったと思ってくれたら
　　うれしい。
　・新しい学校生活を始めるにあたって最初のイベント。だから、その学校独自の
　　やり方というのは大切。
　・学校での新しい期待を持たせること。
　・高校について知ってもらう。
　・新しい環境の歓迎と心がまえ。
　・けじめ。
　・節目。
　・祝福すること。

▲他、入学に関すること。
　・去年の脅迫まがいの通知とかを新入生にしないでほしい。とりあえず、一年生が
　　安心して入ってこられるようにしたい。
　・新入生に決断させるのは酷。
　・新入生の意見も聞いてあげた方がいいと思う。
　・ぜひ去年のような混乱のない式にしてほしい。
　・両方が妥協しないとまた同じことになってしまう。
　・入学も楽しく迎えるべき。
　・去年の様に多くの報道陣が来て、校外大混乱になってほしくない。
　・式と祝う会、どっちに出ても良いという事にすれば一人一人の意見が尊重できる
　　のでは？

～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～

　　　　　　ＭＯＶＩＥ

　　　　「ユー・ガット・メール」


　今回の映画はちょっと古いが「ユー・ガット・メール」。２月上旬より丸の内ルー
ブルほか全国松竹・東急洋画系にてロードショーされているこの作品はインターネッ
トで知り合った、恋の物語である。主な主演は、あの「プライベート・ライアン」な
どの数々のすばらしい映画に出ているトム・ハンクス・メグ・ライアンなどである。
エルンストメルビッチ監督、ジェームス・スチュアート、マーガレット・サラヴァン
主演の３９年作品「桃色の店」（リバイバル時のタイトルは、「街角」）をベースに、
「めぐり逢えたら」（９３）のソーラ・エフロンが設定を現代に移した脚本を書き、
監督、制作を担当している。
　さて、この監督の「ノーラ・エフロン」についてふれてみましょう。彼は、エッセ
イスト、小説家を経て脚本家となり、「シルクウッド」（８３）「恋人たちの予感」
（８９）でアカデミー脚本賞にノミネートされた大物。９２年には、「ディス・イズ
マイ・ライブ」で監督デヴューを果たし、監督・脚本第２作「めぐり逢えたら」（９
２）で大ヒットを記録した。洒落た会話、ロマンティックなエピソードをちりばめた
ラブストーリーを得意とする彼女、今回は最初からトム・ハンクスとメグ・ライアン
を念頭に置き脚本を書いたとか。
　で、内容の方はというと、ニューヨークで小さな絵本の店を経営するキャサリンと、
その向いに店を出す予定の御曹子ジョー。インターネットで偶然知り合い、語ってい
くうちに次第に魅かれ合っていく、見てない人はひまがあったら、足をはこんでみて
ください。

～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～

Ｐｉｃｋ　Ｕｐ　Ｂｏｏｋｓ

「妖精王の月」「理由」
　今回紹介するのは、「妖精王の月」という本です。題名にある通り、ケルトの妖精
について描いた、とてもファンタスティクな話です。別世界にあこがれる、フィンダ
ァーとグウェンという２人の女の子が、旅の途中に、だんだんと妖精たちの世界へひ
きづり込まれてしまうという、その不思議で奇妙な冒険を描いた物語です。妖精たち
にさらわれたフィンダァーを探すため、グウェンは、実在する世界としないはずの世
界とを、行ったり来たりします。見知らぬ土地での、様々な人間との出会いに助けら
れながら、妖精たちのいたずらをくぐりぬけ、長い旅を続けます。幼い頃に夢見た、
妖精たちの不思議な世界を、なつかしく思い出させてくれます。空想的な出来事を現
在的に描いた、だれでも充分に楽しめるオススメの一冊です。Ｏ、Ｒ、メリング作、
カナダの青少年がその年、一番おもしろかった本を選ぶルース・シュワッツ賞の一九
九四年度受賞作。

　二冊目は、直木賞受賞、宮部みゆき作「理由」だれでも一度は聞いたことがあるか
もしれません。現代の社会現状を表した。少し複雑なミステリー小説です。ある高級
ビルをめぐって、殺人事件が起きます。様々な人間とその家族の複雑な思いや事情の
からまりで、一つ悲しい事件が起こります。一人一人の事の理由が、とても深く描か
れ、それをインタビュー形式で少しずつ解き明かします。そして衝撃の真実へと向か
う。一人一人の理由を知れば知るほど、誰が良くて誰が悪いのか分からなくなってし
まう、複雑だけども、深く悲しい事件の話です。今の社会現状を考えれば考えるほど
身につまる一度はじっくり呼んでほしい一冊です。

～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～～

　　　　　［編集後記］
　　　　～・～・～・～・～・～・～・～・～・～・～・～・～・～
　一年間ただ暗がりの中やみくもに動いていた。沢山失敗した、沢山迷惑かけた、
もうダメかと思った。でも沢山の人に支えられて、出会って書く事ができた。みんな
ごめんね、こんな奴が委員長で。反省は山のようにあるけれど、ここまで来る事がで
きてよかった。有難う。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　○○　○○

　一年間、四役としての仕事をさせてもらいましたが、タイトルの作成や記事のレイ
アウトなど初めて考えることばかりで大変でした。
　多いとは言えない発行でしたが、読んでくださる方がいて、とても嬉しかったです。
二年間どうもありがとうございました。　　　　　　　　　　　　　　　○○　○○

　この一年間は本当に速く過ぎたように思えます。四役の仕事や、新聞作りは大変
だったけど、多くの事を学ぶことができました。それらを生かしてこれからもがん
ばっていきたいと思います。一年間ありがとうございました。とても楽しかったで
す。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　○○　○○

　新聞委員になって一年、本当に大変でした。四役（会計）だったし、初めての経験
ばっかりで少々とまどいましたが、いい勉強になったと思います。
　今回は記事が〆切りギリギリで、委員長に迷惑をかけました。ごめんなさい。でも
とても楽しかったです。ありがとうございました。　　　　　　　　　　○○　○○


(Ｗｅｂ管理者記)
　この所沢高校新聞には［野老（ところ）］というコラムがあります。どのような意
味だろうと不思議に思っておりましたところ、この所沢には野老（ところ）というイ
モ科の植物が沢山自生していて、古くは野老（ところ）沢と呼ばれていたそうです。

　このことを私に教えてくださった方は「私も人から聞いたので正確には調べた方が
いいですよ」ともおっしゃいました。
　が、まだ調べておりません。(^^;)ゞ

　手許にあります「大辞林」（三省堂）という辞書には次のような記載がありました。
----------------------------------------------------------------------------
ところ【（野老）】ヤマノイモ科のつる性多年草。原野に自生。柄のある心臓形の葉
　　　を互生。雌雄異株。夏、腋生の花穂に黄緑色の小花をつける。根茎は太くひげ
　　　根を多数出し、これを老人のひげに見たて「野老」の字をあてる。根茎は正月
　　　の飾り物とされ、また苦みを抜けば食用となり、煎（せん）じて胃病や去痰
　　　（きょたん）の薬とする。オニドコト。古名トコロズラ。　　『大辞林より』
----------------------------------------------------------------------------
　たぶん、教えて頂いた方の説で間違いないのではないかと思います。
前のページ（所高資料）に戻る
前のページ（経過）に戻る