生徒と親の学校参加をひろげる首都圏集会
主催:「生徒と親の学校参加をひろげる首都圏集会」実行委員会
1999年2月21日(日)
集会アピール
きょう私たちは、「生徒と親の学校参加をひろげる首都圏集会」に集い、生徒・
親・教職員が共同して民主的学校作りに取り組んでいる実践を報告しあい、多くの
ことを学ぴ共有することができました。
所沢高校では、自主自立の校風のもと、生徒総会や職員会議の民主的・手続きを
経て生徒主催の卒業・入学行事を成功させましたが、校長は十分な話し合いもなく
独断で「卒業式」「入学式」を強行しました。しかし生徒・親・教職員はこれに屈
することなく、所沢高校の民主的学校運営の伝統を守り育てています。
小金高校では生徒・親・教職員によって三者会議が開かれています。生徒、教職
員とともに親も積極的に学校運営に関わり、現在ではカリキュラムや授業内容につ
いても話し合いをすすめています。
福岡高校では、教職員が日頃の民主的討議を通して互いの教育実践を高めている
学校ですが、ここに校長が卒業式・入学式での「日の丸・君が代」実施を強行しま
した。しかしこれへの反対の取り組みを通して、生徒・親との結ぴつきを深めてい
ます。
さらに、平和教育への取り組みをすすめている学校、行政主導の一方的な学校改
編に対して、親が積極的に発言している学校等々、多数の豊かな実践が報告されま
した。
生徒・子どもたちを取り巻く状況は困難の度を深めており、いじめ、学級崩壊、
不登校、新しい「荒れ」、突然の「キレ」等の現象が、多くの親・教職員の心を痛
めています。ところが、子どもの「意欲・関心・態度」までも評価の対象とされ、
「わからないのも個性」とされるような教育政策が進められ、世界的にも例を見な
いほどの「40人学級」はいまだに改善されていません。子ども・親・教職員の切
実な「声」が教育行政に反映されているとはとても言えない状況です。
そして今、さらなる「教育改革」なるものが強引に押し進められようとしていま
す。職員会議を校長の補助機関とし、ますます校長権限を強める動きがある一方、
学習指導要領を改定し(「総合的学習の時間」「中高一貫教育」等)、「学校開放」
の名の下に学校評議員制度を提唱するなど、目新しさをねらった施策も登場してい
ます。しかしこれらの施策が真に「改革」の名に値するものかどうか、きちんと見
定めていく必要があります。
いま、子どもの人権が世界的に注目されています。日本国憲法や教育基本法、子
どもの権利条約等をふまえ、子どもの人権の具体的ありようを問い直す必要に迫ら
れています。大事なことは、学校の主人公である生徒や子どもの「声」に耳を傾け、
彼らが生き生きと学び、安心してすごせるような「楽しい学校」を作ることではな
いでしょうか。そのためには何よりも、生徒・子どもや親の「学校参加」を実現し
ていくことが求められています。学校参加にはさまざま形がありえますが、それぞ
れの地域で創造的な取り組みが始められています。困難にもめげず、生き生きと活
動し、堂々と発言する生徒や子どもたちの姿の中に、学校を着実に変えていく真の
力と希望を見ることができます。
日本のすべての生徒、親、教職員の皆さん! 生徒・子どもたちが21世紀の日
本の主権者として生き生きと育つことのできる学校を、共に作っていきましょう。
1999年2月21日
「生徒と親の学校参加をひろげる首都圏集会」参加者一同
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