3年学年部だより

所沢高校PTA3年学年部

1999年2月20日(土)


                             1999.2.20
3年学年部だより  vol.2
                          所沢高校PTA3年学年部

 こんにちは、学年部です。いよいよ卒業の日を目前に控えて、各々生徒はあわただ
しい中にも将来への希望にあふれた思いを新たにしていることと思います。
 今回は1月30日(土)午後に開催された〈3年生学年保護者懇談会〉の様子を報
告します。当日は約160名の保護者の方が出席し、全体会の会場の視聴覚室は満員
で窮屈に感じられるほどでした。多数の方にご参加いただき、ありがとうございまし
た。


〈全体会〉は、会長、校長先生の挨拶のあと、以下のような内容が話し合われました。

1)3年間をふり返って
  学年代表の奥田先生が当日欠席されたため、文書にしてくださったものを、北村
 先生が代読しました。
  1年時: 温かい心のこもった入学式で始まり、落ち着きと充実したスムースな
      3年間のスタートで、学年団もまとまりのある集団であった。
  2年時: 大揺れのすさまじい入学式、卒業式の体験もいちだんと子供たちを成
      長させ、きずなも強くなった。
  3年時: 進路への堅実な取り組みとともに、すべてに大人としての思考をじっ
      くりとできるまでに大きくなった。
  この学年は新しい試みもいくつか実行している(通知票・一覧表・調査表・卒業
 生台帳・飛行機による修学旅行と旅行中の行動範囲の拡大など)。学校生活全般、
 部活動その他を含め、納得のいく生活をしたものと確信している。
  卒業行事については、卒業準備委員会の生徒を中心に2学期から、3年生と校長
 との意見調整、要望など、いろいろ努力し、心を砕いて取り組んでいた。しかし彼
 らの意向は全体の中で反映されず、柔軟な姿勢は持ちながらも、受験の時期とも重
 なり、思うような活動ができず、今日に至っていると思う。
  生徒を応援し協力する気持ちは変わらず持っているが、昨年のような権力行使が
 なされれば、身動きできないのも事実で、学年としても可能な範囲で対応していき
 たい。
  補足として北村先生から、
  この3年生は、中学時代に初めて観点評価が取り入れられた世代で、最初の頃は
 何かと教師の評価を気にする傾向があったが、高校に入って内申を気にすることな
 く、伸び伸びと生活ができると喜んでいた。自分を伸ばすには、しっかりと現実を
 踏まえて取り組むということを、生徒は理解している、とのことでした。

2)最新の進路情報(進路指導部から)
 ・生徒の希望を重視した指導をしている。
 ・1学期には保護者、生徒各々に進路説明会、教育実習生を招いての懇談会、専門
  学校の説明会を実施。
 ・2学期にはセンター入試の出願、指定校・公募制推薦の募集、模擬面接など。
 ・3学期に入ってからは一般受験用調査書発行。
 ・センター入試については出願者233名中210名受験。
 ・センターリサーチによれば、どの科目も全国平均を上回るという結果になってい
  る。
 ・学校を介しての大手予備校の模試も(年間20回くらい)紹介した。
 ・推薦入試の結果
  *指定校推薦は、40大学66学部89名、13短大25学科29名決定の通知
   があり、校内選考を経て25大学51名、3短大4名合格。
  *公募制推薦は、埼玉大、筑波大、東京農工大、東北大などの国立を含め25名
   合格、また短大でも6名合格、専門学校では19名合格と昨年に比ベて飛躍的
   に増加した。
  *指定校推薦枠は余っているが、本人の強い信念や希望があり、どこでもいいと
   いう訳ではないので、無理には勧めない方針をとっている。

3)卒業行事について
   7月/校長と全校生徒との話し合い。
  10月/アンケート集約(記念祭一本が過半数)。
  11月/生徒総会で4号議案(「日の丸・君が代」に関する決議文)、6号議案
     (卒業式・入学式に代わる行事として生徒主催の卒業記念祭・入学を祝う
     会を行う。しかし話し合っていく中で柔軟な対応をし、最善の策を探って
     いく)が可決。
  12月/職員会議で4号議案否決→生徒代表10人・職員代表10人の協議会で
     協議したが、決議文に「原則として」の一文を入れるかどうかをめぐって、
     10:10で決定に至らなかった。
   1月/臨時生徒総会では、A案(原案のまま)、B案(「原則として」を付記)
     の2案を提案し、A案を賛成多数で可決。それを受けての職員会議で4号
     議案、6号議案ともに可決。
 と、生徒側のこれまでの経過について説明があり、1月の職員会議では可決したが、
 その際に校長先生は「職員会議の位置づけは決定機関ではない。私としては卒業式
 をやり、その後に記念祭でお祝いしたい」と述べ、この全体会でもそれを繰り返し
 ました。
  続いて、卒業行事に関する校長先生の考え方をただしました。
  「ぜひ卒業式という場で証書を授与し、記念祭の場で卒業生をお祝いしてあげた
 い。生徒も式の必要性がだいぶわかってきているようだ。生徒たちとは4月以来話
 し合いたいと言ってきたが、7月になってしまった。3年生全体とも1月中に話し
 合いたいと思ったが、結局実現できなかった。卒実や卒準の委員の生徒たちとは何
 回か話し合いを重ねているが、話すのは一部の生徒とになりがちである。数人の生
 徒とは意見交換が深まるのだが、全体には私の意向がなかなか伝わらない。生徒の
 考えは聞くし、私の考えも述べてきたつもりだ。生徒を大事にするからこそ、いろ
 んなことを生徒に話し、やっていく必要があるし、先生がたにもご指導いただいて
 いるが、必要があれば最終の判断は校長がする。卒業式も入学式も私のほうで判断
 する」という内容でした。

4)質疑
  1)、2)に関してはとくに何もなく、3)の校長先生の発言に対して、保護者
 からの質問・意見が集中しました。

  (1) この学校に来てから2年間たつのに、校長先生の意思が生徒に伝わらないと
   いうが、すでに子供たちには伝わっていると思う。ただ、校長先生の思い通り
   にならないだけではないか。今年の卒業式も昨年と同じようになってしまうの
   か?
  校長:私としては、昨年の卒業式の出席者は20人だったが、今年は全員出てほ
   しいし、皆で祝いたいと思っている。始業式や終業式にも話をして、私自身は
   限られた時間で最善の努力をしてきたし、これからもそうする。
  (2) 校長先生の声を届けるために「校長だより」を出すなどの手だてはしたのか?
  校長:文書を出したことはない。広報には原稿を出している。文章にすると真意
   が伝わらず、かえって波紋を広げることもある。
  (3) 校長先生は言っていることが矛盾している。意思が伝わっていないのに、生
   徒が全員卒業式に出るだろうか。昨年と同じなら多くの子供は出ないだろう。
  校長:伝えようとしたけれど、充分に伝えられなかった部分もあったかもしれな
   い。
  (4) 長時間にわたる生徒たちの議論や、生徒総会、職員会議、協議会で検討した
   ことは、重い過程を経た重要な決定であると思うが、校長先生の意向と合わな
   ければ否定してしまうのか?
  校長:「日の丸・君が代」の決議文は生徒会活動の範囲を超えている。協議会の
   場は生徒と教員の立場が対等ということではなく、その中で生徒を指導してい
   く場である。協議会に関わった先生や生徒の努力の重みは理解しているが、学
   校の中で最終判断するのは校長である。
  (5) 卒業記念祭の中で校長先生の話の要望があれば出席するのか?
  校長:卒業式の場で証書を授与し、要望があれば「卒業おめでとう」という主旨
   の話になるだろう。
  (6) 結局、卒業行事はどういう形になるのか?
  先生:生徒たちは卒業記念祭、入学を祝う会を決定し、職員会義でも了承してい
   るという段階。
  校長:卒業式と記念祭の両方をやって卒業生を送り出したい。日時までに案内を
   文書で出すことを考えている。
  (7) どんな内容の文書か?差し出し人名は?
  校長:要するに、ご案内になると思う。所沢高校校長・内田達雄名で出す。

 最後に会長から
  これからも生徒と校長先生との話し合いが続く中で、生徒たちは柔軟な態度で臨
 みたいと考えている。昨年のような出る出ないという状態にならないよう校長先生
 も柔軟な対応をしてほしい。PTAも、生徒総会や職員会議の決定の意向を後押し
 していきたい。またそのための情報を3年生の保護者に届けるよう、手段を考えた
 い、との話がありました。

[連絡事項]
 ・3学年会計報告を、3月6日に生徒を通じて出します。かなりの還付金があり、
  振り込み手数料を差し引いた額を各自の口座に振り込みます。
 ・“所沢高校教諭への不当処分撤回を支援する会”から、入会と公開口頭審理傍聴
  への参加の呼びかけがありました。

〈クラス懇談会〉より
 先生がたが出張などで不在のクラスもあり、3組と4組、6組と9組、7組と8組
は合同で、各々クラスでみかんを食べながら、話し合いがもたれました。
●クラス別に保護者の発言から〔○はクラス別を指す〕
○・卒業や入学行事に関して、今までの所沢高校の伝統を守るという意味が、この一
  年間の様子でよくわかった。これまでの校風を守ってほしい。
 ・所沢高校はいい高校。いろいろな経験を積んで子供は丸くなった。
 ・本当に「いじめ」のない高校というのは誇れること。
 ・T教諭の公開口頭審理は欠かさず傍聴している。様子がよくわかる。
 ・卒業に関しては本人の意思を尊重したい。
 ・公開口頭審理には関心があるので、卒業しても傍聴したい。
 ・子供たちの意思を尊重して、話し合いの伝統を守ってほしい。
 ・校長のいう“卒業式”に私は出てみたい。
○・子供が所沢高絞に来て、たいへんよかった。
 ・体育祭などの行事を見て感動した。
 ・卒業行事はどうなるのか、心配。
 ・子供ももう18歳、自分で判断できる年齢。子供にまかせたい、と思う。
○・来年度は、9月初めに生徒に示される指定校推薦大学を、保護者にも配布して知
  らせてほしい。家庭でも子供と検討できる機会があればよい。
 ・「卒業の時に皆がバラバラになるのはいやだ」との友人の言葉を聞いて、すごく
  子供が考え込んでいた。他人のことを思いやることができ、他人の痛みがわかる
  ようになったのは大きな収穫。
 ・ひとつにまとまらなくても、バラバラだっていいのではないか。答えがひとつで
  はない、ということがわかるのも大切。それぞれで考えればよい。
 ・子供が所沢高校に入ってくれて、親の私がよかったと喜んでいる。
 ・皆で話し合える場や、意見がもめる場があるのはまだ幸福。子供たちから勇気を
  もらった。
 ・卒業の前にPTAからの情報がほしい。
 ・校長からどんな文書が届くのか心配。対応はどうすればよいかと考えている。
○・あの所沢高校と言われて、けっこう辛い。
 ・所沢高校に子供が行っていて、鼻高だか。周りの人からも「いい高校」「希望の
  星」と言われる。
 ・卒業行事に関しては心配。
○・いま何故こういう状況になっているのか?
 ・この問題で、子供が一所懸命に考えるようになった。
 ・逆に、子供たちから学ぶことも多かった。
○・校長の言う卒業式と記念祭と、両方あってもよいではないか。
 ・子供たちはここまで来るのに、何度も話し合いの場を持って決めたことで、親は
  蔭になり応援する。
 ・“日の丸・君が代”の問題がクローズアップされがち。だが基本的に子供たちが
  問題としているのは、上から有無を言わさず命令されることであり、それに抗議
  していることを忘れないようにしたい。
 ・マスコミや世間の目にさらされている子供たちは被害者。卒業後も不利益をこう
  むらないか心配。
 ・ことの起こりも、この2年間の騒動も、すべての責任は「最終判断は校長」と広
  言している校長にあるのではないか。校長自身の責任問題はどうなっているのか。
○・T教諭の公開口頭審理を毎回傍聴しているが、県教委側はのらりくらりとしてい
  て、フェアじゃないと思う。ぜひ皆さんも一度傍聴に行くことをお勧めする。
 ・子供の考えのままにまかせようと思う。


(Web管理者記) このビラもB4裏表ビッシリでしたので、読みやすく編集しま した。今年のPTAの資料はめいっぱい情報がつまっています。(^^;)ゞ ----------------------------------------------------------------------------   校長:卒業式と記念祭の両方をやって卒業生を送り出したい。日時までに案内を    文書で出すことを考えている。 ---------------------------------------------------------------------------- ということなので、今年も卒業生に案内を出すようです。
前のページ(所高資料)に戻る
前のページ(経過)に戻る