人事委員会

平成10年(不)第3号懲戒戒告処分事案

第4回口頭審理調書

1999年2月17日(水)


(Web管理者記)
 下記資料は、第4回口頭審理調書ですが、証人に関する部分についてはマスキング
をしております。

 処分者側の中には、今度新しく校長として所沢高校に赴任された長沢攻氏のお名前
が見受けられます。

┌────────────────────────────────────┐ │         第 4 回 口 頭 審 理 調 書          │ ├───────────┬────────────────────────┤ │ 事 案 の 表 示 │   平成10年(不)第3号事案        │ ├───────────┼────────────────────────┤ │ 請   求   人 │   竹永 公一                │ ├───────────┼────────────────────────┤ │ 処   分   者 │   埼玉県教育委員会             │ ├───────────┼────────────────────────┤ │ 期       日 │   平成11年2月17日           │ ├───────────┼────────────────────────┤ │ 場所及び公開の有無 │ 浦和市岸町7−5−14            │ │           │ さいたま共済会館 6階 601号室  公 開 │ ├───────────┼────────────────────────┤ │ 開会及び閉会時刻  │ 午前10時2分開会  午後0時8分閉会    │ ├───────────┼────────────────────────┤ │           │ 委 員 長   坂 巻  幸 次       │ │ 審 理 委 員   │ 委   員   久保木  宏太郎       │ │           │ 委   員   渡 邉  圭 一       │ ├───────────┼────────────────────────┤ │           │  事務局長   加村 トク江         │ │           │  次  長   上野  義光         │ │ 審理事務補助職員  │  主  幹   清水   誠         │ │           │  主  査   川崎   啓         │ │           │  主  事   湯本 佳代子         │ ├───────────┼────────────────────────┤ │           │ 請求人側                   │ │           │  請求人 竹永公一              │ │           │  代理人 桜井和人  中山福二  堀 哲朗  │ │           │      野本夏生  佐々木新一 設楽あづさ │ │           │      鋸治伸明  池永知樹  岩下豊彦  │ │ 当事者の出席状況  │      谷村勝彦  和田 茂  米浦 正  │ │           │      竹下里志  林  哲        │ │           │ 処分者側                   │ │           │  代理人 鍛治 勉  飯塚 肇  白鳥敏男  │ │           │      島嵜祥司  赤松峰親  飯田 徹  │ │           │      中川 晃  水野 潔  長沢 攻  │ │           │      鈴木民儀  遠山幸雄  伊東良男  │ │           │      柴崎昌子              │ ├───────────┼────────────────────────┤ │ 審理の記録     │       別 の と お り        │ ├───────────┼────────────────────────┤ │ 付属書類      │         な   し          │ └───────────┴────────────────────────┘ ----------------------------------------------------------------------------           平成10年(不)第3号事案 第4回口頭審理  平成11年2月17日(水曜日)  午前10時2分開会 ○委員長(坂巻) ただ今から、平成10年(不)第3号懲戒処分事案の第4回口頭    審理を行います。     毎回申し上げてますが、人事委員会としては、不服申立て制度の趣旨のもと    に審理を進めていきますので、当事者及び代理人におかれましては、秩序ある    審理が行われるよう御協力を願います。     また傍聴人の方も、不服申立て制度の趣旨を御理解の上、静粛にお願いしま    す。     なお、審理に際し、3点ほど注意事項を申し上げます。     まず、当事者の発言は、速記者が記録を取りますので、その都度お名前をおっ    しゃって発言していただきたい。     録音機の使用や撮影を行うことは禁止します。     また、傍聴人は傍聴券の裏に記載されております傍聴規則を守ってください。    特に、審理関係者の発言に対して批判や野次を加えたり、拍手をしたりするこ    とは厳に慎んでください。また、審理進行の妨げになるので、場内では携帯電    話やポケットベルのスイッチを切ってください。     これらを守らない場合には、傍聴人には退廷していただくこともありますの    で、念のため御注意申し上げます。     まず、これまで提出された書面の確認を行います。     請求人側から、99年1月21日付け「甲号証の作成者・作成日について」    と称する書面が提出され、既に処分者側には直送されておると思いますが、よ    ろしいですね。     次に、処分者側から、同じく本年2月5日付けで甲第1号証ないし25号証    に対する書証認否事が提出され、請求人側に直送されておりますが、よろしい    ですね……はい。     前回の審理でも確認されましたが、当委員会に提出されている書面は、それ    ぞれ直送されていると思います。     それでは、本日は、請求人側の申請に係る、前回主尋問されました証人のM    Kさん、SMさん、THさんの各証人に対する処分者側からの反対尋問ですが、    お3方、来ておりますね。はい。 ------------------------------------(01)------------------------------------     時間の関係で、一括して申し上げますが、前回それぞれ宣誓していただいて    おります。     その宣誓の効力は維持されておりますので、本日はあえて行いません。証人    に改めて注意申し上げますが、前回申し上げたとおり、証言に際しては、正当    な理由なく証言を拒み、もしくは虚偽の陳述をしますと、地方公務員法61条    の規定により3年以下の懲役又は10万円以下の罰金に処せられるという、そ    ういう制裁があります。良心に従いまして真実を述べていただくことになりま    すので、御注意申し上げます。     それでは、順番としてはMKさんですか、前の証人席に座ってください。 ○請求人代理人(鍛治) 委員長、MK証人につきまして、前回の主尋問、いっぺん    だけ補充させていただきたいんですけれども。 ○委員長(坂巻) よろしいですか、今日は処分者側が反対尋問ということですが。 ○処分者代理人(鍛冶) 構いません。どうぞ。 ○委員長(坂巻) はい。それではどうぞ。 ○請求人代理人(鍛冶) 甲第25考証を示します。       〔甲第25号証を示す〕 ○請求人代理人(鍛冶) これは前回も伺いましたけれども、昨年の3月16日の学    年会の議事録の一部ということで、よろしいですね。 ○証人(MK) はい。       〔甲第25号証の原本を示す〕 ○請求人代理人(鍛冶) これがその学年会の議事録の原本ということで、よろしい    ですか。 ○証人(MK) はい。 ○請求人代理人(鍛冶) この学年会の議事録というのは、一言で言うとどういった    ものなのでしょうか。 ○証人(材越) 学年の会議の際に輪番で記録しているものです。 ○請求人代理人(鍛冶) この3月16日の記録者はどなたでしょうか。 ○証人(MK) 大久保さんです。 ○請求人代理人(鍛冶) 大久保先生ですね。 ○証人(MK) はい、そうです。 ○請求人代理人(鍛冶) 大久保先生もこの学年会のメンバーということでよろしい    です。 ○証人(MK) はい、そうです。 ------------------------------------(02)------------------------------------ ○請求人代理人(鍛冶) この3月16日の議事録は、そうすると、大久保先生がそ    の学年会の中でその議事を記録したと、こういうことでよろしいですか。 ○証人(MK) はい。 ○請求人代理人(鍛冶) 終わります。 ○委員長(坂巻) はい。     それでは、予定どおりに、処分者側から反対尋問をお願いします。 ○処分者代理人(白鳥) まず最初に、一昨年、平成9年の4月に内田校長が所沢高    校に着任したわけですね。 ○証人(MK) はい。 ○処分者代理人(白鳥) 4月の異動で何人ぐらいの先生が異動しましたか。 ○証人(MK) その年ですか。 ○処分者代理人(白鳥) はい、3月から4月。 ○証人(MK) 内田校長か赴任した年……。 ○処分者代理人(白鳥) はい。大体でいいですよ、正確な人数ということじゃなく    てかまいません。 ○証人(MK) よく覚えてないんですけど、5〜6人でしょうか。ちょっと今、ぱっ    と思い出せません。 ○処分者代理人(白鳥) 5〜6人。所沢高校には、そのときに、全部で何人ぐらい    先生がいたんですか。 ○証人(MK) 70人から80人の間だと思いますけれども。 ○処分者代理人(白鳥) 70〜80人先生がいて、それで5〜6人異動があったと    いうことですか。 ○証人(MK) それは正確かどうかわかりませんが。 ○処分者代理人(白鳥) はい。例えば10人か5〜6人かといえば5〜6人という    ふうに伺ってよろしいですか。 ○証人(材越) 教諭はそうだったと思いますが。 ○処分者代理人(白鳥) 教頭先生も異動がありましたか。 ○証人(MK) そうですね。 ○処分者代理人(白鳥) それから、管理職というのは、校長先生、教頭先生1人で    すね、ほかに管理職はあるんですか。 ------------------------------------(03)------------------------------------ ○証人(MK) あと事務室長と、3人です。 ○処分者代理人(白鳥) 事務室長も教員なんですか。 ○証人(MK) 教員ではない、事務職です。 ○処分者代理人(白鳥) 前回の話で、その着任直後の入学式のやり方について、従    前の決定を無視して入学式を行おうと内田校長がしたと、そういう話をされま    したか。 ○証人(MK) そうですね。 ○処分者代理人(白鳥) 従前の決定というのは、まず、いつ、どのようなかたちで    決定されたものですか。 ○証人(MK) 従来ですけれども、入学式の式次第等については前年度、2月3月    ぐらいだと思うんですけれども、その新1年の学年団になる予定のところの新    1学年団から提案されて職員会議で承認されるということで、その年も同じで    す。 ○処分者代理人(白鳥) 職員会議で承認された内容と、内田校長の考えといいます    か発言と食い違っていた点というのは、何が違っていたんですか。 ○証人(MK) 式次第と会場の設置の仕方だったと思いますが。 ○処分者代理人(白鳥) 式次第については、どこのどういう点が違ってましたか。 ○証人(MK) 「国歌斉唱」という部分が、その前の時点で、全員の、校長もいる    職員会議での決定の式次第には入っていませんでした。 ○処分者代理人(白鳥) 式次第については、国歌斉唱だけが違っていたと伺ってよ    ろしいですか。 ○証人(MK) そうだったと思います。 ○処分者代理人(白鳥) 国旗についてはどうでしたか。 ○証人(MK) 式次第には特に入らないです。 ○処分者代理人(白鳥) それから、式次第と、もう一つ何が……会場設営ですか。 ○証人(MK) はっきりそのへんはよく覚えてないんですが、しっかりと出された    のは式次第ということだと思いますが。 ○処分者代理人(白鳥) 会場設営については大きな違いはなかったと伺ってよろし    いですか。 ○証人(MK) よく覚えてないんですけれども、校長のほうから図が提案されたか    どうか、よく覚えてません。前年度はその会場図も式次第も、きちんと文書で    提案が1年になる学年団から提案されるわけですが。 ------------------------------------(04)------------------------------------ ○処分者代理人(白鳥) 大きな違いは国歌斉唱の有無と伺ってよろしいですか。 ○証人(MK) 式次第の違いはそうです。 ○処分者代理人(白鳥) いや、それ以外に大きな違いは何かありますか。 ○証人(MK) ないです。ないと思いますが。 ○処分者代理人(白鳥) 前回、内田校長が決定を無視したというような話がありま    すけれども、同じく異動になった教頭先生は、どのような話をしていましたか。 ○証人(MK) 一貫して教頭は校長を支持するといいますか、足並はそろえられて    いますが。 ○処分者代理人(白鳥) その年の2月3月の職員会議で承認されたという話ですね。 ○証人(MK) 2月だったか3月だったか、よく覚えておりません。 ○処分者代理人(白鳥) 職員会議は、通常、何人ぐらい出席しますか。 ○証人(MK) 60名ぐらいだと思いますが。 ○処分者代理人(白鳥) 所沢高校の職員会議がわからないんで聞きますが、校長先    生は職員会議の構成員ですか。 ○証人(MK) 職員会議には校長がいなければ開けないというものだと思いますけ    れども。 ○処分者代理人 (白鳥) 教頭先生はどうですか。 ○証人(MK) 校長がいなければ開かれないものだと思います。教頭は……。 ○処分者代理人(白鳥) 証人として事実を聞いているんで、あなたの記憶でいいで    すけどね。 ○証人(MK) 確か1度、内田校長になってからだと思いますが、校長がどうして    も出られないというので、代わりに教頭がいるからいいということで職員会議    を行ったことはあったと思いますが、普通は、校長がいなければ職員会議はで    きないということです。教頭は特に……いつも教頭もいますけれども、教頭が    いないから開けないというようなことは、話題になったことはないと思うんで    すけど。 ○処分者代理人 (白鳥) 議論とか話合いがあると思いますが、その場に校長先生    は参加するんですか、しないんですか。 ○証人(MK) します。 ○処分者代理人(白鳥) 議決をとる場合がありますね。その場合に、校長は議決権    はありますか。 ------------------------------------(05)------------------------------------ ○証人(MK) ありません。採決には、議長団も加わりませんし管理職も加わりま    せん。 ○処分者代理人(白鳥) そこで言う管理職というのは誰ですか。 ○証人(MK) 校長、教頭、事務室長、先ほど申し上げた3人です。 ○処分者代理人(白鳥) 校長、教頭、事務室長は議決権がないわけですか。 ○証人(MK) 採決にいつも加わりません。 ○処分者代理人(白鳥) それから、議長団というのは何人いるんですか。 ○証人(MK) 議長と副議長と書記の3人です。 ○処分者代理人(白鳥) それは、先生、あと事務局の方も入ると。 ○証人(MK) はい、輪番でやってます。 ○処分者代理人(白鳥) 賛否同数のような場合に、校長や教頭が議決をするという    ことはありますか、ありませんか。 ○証人(MK) 賛否同数だったということは、私のいた間では多分なかったと思い    ます。 ○処分者代理人(白鳥) 確認ですが、証人はいつから所沢高校にいるんですか。 ○証人(MK) 前回申し上げたように1990年の4月からです。 ○処分者代理人(白鳥) そうすると、もう10年近く……。 ○証人(MK) まる9年になります。 ○処分者代理人(白鳥) 職員会議で決定したことに校長は従わなくてはいけないん    ですか。 ○証人(MK) 校長は、職員会議で、もちろん校長も意見を述べられるわけですけ    れども、職員会議で我々が話し合ったこと、その決定を尊重して、そして最終    責任者なんですから、職員会議を尊重した上で最終的な行動をなされるべきも    のなのではないでしょうか。 ○処分者代理人(白鳥) 尊重をした上で責任をもった行動をすべきであるというこ    とですか。     そのときの入学式のこと、一昨年の入学式のことを続いて伺いますけれども、    入学式の直前まで職員会議が開かれていたわけですか。 ○証人(MK) そうです。 ○処分者代理人(白鳥) 入学式は何時ぐらいから開かれましたか。大体でいいです    よ。 ○証人(MK) 1時半から2時の間だったというふうに……。 ○処分者代理人 (白鳥) 1時半。 ○証人(MK) から2時の間だったと……。 ------------------------------------(06)------------------------------------ ○処分者代理人(白鳥) 午後の、昼過ぎですね。 ○証人(MK) 予定より遅れて開始になったと思います。 ○処分者代理人(白鳥) 予定よりどのくらい遅れましたか。 ○証人(MK) 30分ぐらいだったんじゃないかと思いますけれども。 ○処分者代理人(白鳥) 入学式の時間、定刻過ぎまで職員会議が行われていたわけ    ですか。 ○証人(MK) ええ。それで途中で、もう少し待っていただきたいというようなこ    とを申し上げに行ったりしたと思いますので、遅れて始まった、それまで会議    をやっていたということです。 ○処分者代理人(白鳥) 入学式の内容を最終的に決定できるのは、学校では誰です    か、あるいはどの機関ですか。 ○証人(MK) それは先ほど申し上げたように、一般的に、職員会議での議論、決    定を尊重して最終的には校長が行動する、判断するものなんじゃないでしょう    か。 ○処分者代理人(白鳥) その前提で、最終的に校長が決定をした場合に、ある決定    をした場合に、職員としてはそれに従う義務があるということになりますか。 ○証人(MK) 最終的に校長が決定したことが私たちの話合いの決定と違う場合は、    私たちとしては、更に話合いを続行することを要求しますが。 ○処分者代理人(白鳥) だから、話合いの後で決定がされるわけですね。決定した    場合に、更に話合いを要求する、それはいいですけど、決定したことに従うか    従わないかについてはどのように認識されていますか。 ○証人(MK) そのようなケースというのは、本当はあってはならないことだと思    いますし、私としてもめったに経験したことはありませんが、内田校長によっ    て職務命令が出されて、その命令に従ったということはあります。ですから、    それは職員会議の決定とは食い違って、内田校長が職務命令を出された結果、    そういうことがあったのは事実です。 ○処分者代理人(白鳥) そのときの入学式の内容を伺いますけどね、入学式に出席    した先生は何人ですか、校長、教頭含めて、何人ですか。 ○証人(MK) わかりません。 ○処分者代理人(白鳥) あなたは出てなかった……。 ○証人(MK) そもそもですね、職員会議を私たちは続けることを要求したわけで    すけれども……。 ------------------------------------(07)------------------------------------ ○処分者代理人(白鳥) わからなければいいですよ。 ○証人(MK) 校長は私に、待っててください、3人でやりますからということで    したので……。 ○処分者代理人(白鳥) いいです、わからなければいいです。入学式をあなたは直    接見てはいますか、いませんか。 ○証人(MK) 直接見たというか、全部参加、出席したというかたちではありま    せん。 ○処分者代理人(白鳥) 参加出席、したんですか、しないんですか。 ○証人(MK) していません。 ○処分者代理人(白鳥) じゃ、あなたは伝え聞いた情報しかないんだと思いますけ    ど、直接見てないという前提で伺いますけれども、入学式が混乱したという言    い方をしてますね。それは、具体的にはどういうことですか。 ○証人(MK) 普通、入学式というものは、それまでの入学式、所高の入学式とい    うものは、多くそうだと思うんですが、1年生の担任団が入学式の式場にいて、    新入生の呼名をして、暖かく新入生を迎えるというかたちのものですけれども、    そのときの入学式は管理職3人でやるということで行われたわけですから、そ    れ自体で混乱だというふうに言えると思います。 ○処分者代理人(白鳥) 一つは、新入生の担任団が出席していなかったと、それが    一つ混乱であるという意味ですか。 ○証人(MK) とにかく、全員がいつも出席するわけではないですけれども、全職    員が入学式の式場にいるというわけでもないですが、1年生の学年団及び、な    るべく多くの職員が入学式の式場にいて1年生を暖かく迎えるというのが入学    式の形だと思うんですね。ですけれども、皆さんはここで待っててくださいと    いうふうに校長は言われたわけで、で、お3人で、管理職3人で進められた、    呼名も担任からではなく行われたということですから、それは混乱……。 ○処分者代理人(白鳥) あの、評価とか意見はね、ここで議論する場じゃないんで    すけど、あなたが混乱と認識している内容を伺いたいんですけど、その1年生    の学年団が出席しなかったということ、それから呼名もしなかったと。     それを、混乱の一番大事な部分というのかな、主にその内容と伺ってよろし    いですか、あるいはほかにその混乱という具体的な内容……それが非常に大き    なことだということですか。 ------------------------------------(08)------------------------------------ ○証人(MK) ですから、管理職3人で行ったということが大きなことです。 ○処分者代理人(白鳥) 誰かが、意見を言って大声で立ち上がるとか、騒ぎだすと    か、そういうことはなかったんですか。 ○請求人代理人(佐々木) 本人が出てないという前提で聞いている……。 ○処分者代理人(白鳥) ええ。だから、伝え聞いた範囲で聞いているわけですから。 ○請求人代理人(佐々木) 伝聞を聞くんですか。 ○処分者代理人(白鳥) そうです。 ○証人(MK) 誰かというと、新入生とかですか、保護者とか。 ○処分者代理人 (白鳥) はい。 ○証人(MK) 新入生だか保護者だか、管理職による呼名のときに抗議をその場で    言ったと思います。 ○処分者代理人(白鳥) 具体的にはあなたはその場にいなかったということですね。 ○証人(MK) ずっと最初から最後までいなかったというわけではないんですけど。    ですから、きちんとした形、普通ですと最初から最後までいるわけですけれど    も、そういう形ではなかったということです。 ○処分者代理人(白鳥) 次に、その年の10月23日職員会議のことについて伺い    ます。そのときに、翌年の入学式に関して職員会議で議論がなされましたね。 ○証人(材越) はい、提案があったと思います。 ○処分者代理人(白鳥) 入学式を行わないという決定が職員会議で決定されたわけ    ですか。 ○証人(MK) そうですね。それとともに、従来の入学式に代わるものとして入学    を祝う会というものを行うという決定も同時にされていたと思います。 ○処分者代理人(白鳥) 入学式を行わないという理由をもう1回教えてください。    どうして入学式を行わないという意見が多かったわけですか。 ○証人(MK) そもそも、入学式だけのことを問題にしていたというよりは、むし    ろ卒業式、卒業の行事のほうが間近な問題でしたので、そちらのほうから議論    がなされていたわけです。     前回もお話ししたと思うんですが、97年の入学式以降、当時の3年生を中    心にして、その次に来る卒業式を、どうしたら自分たちが気持ちよく卒業でき    るんだろうかという話が始まりまして、そもそも、所沢高校でそれまで行われ    ていた卒業式というものは、厳かな部分もあったかもしれませんが、生徒は楽 ------------------------------------(09)------------------------------------    しく明るく短いものを望んでいましたし、いろいろ生徒のパフォーマンスがあっ    て、楽しい形でした。そのあとに生徒会主催の門出式というものが続いている    というのが従来の形だったんですけれども、当時の3年生はその従来の形を望    んでいたわけですけれども、従来の形ではうまくいかない、校長と交渉をして    いく中で、校長が全体に説明するという場もありましたし、それから3年生の    あるメンバー、委員会のメンバーと交渉したりということがあったと思うんで    すが、とにかく、その校長と対話をしていく中で、とてもそれまでの卒業行事、    自分たちが望むようなものはできないというふうに感じてきて、それはまあ職    員も同じだったわけですけれども、その中で、それでは、どうしたら所高の、    所沢高校らしい最後の卒業行事を行えるだろうかということで、今までとは違    う形で、卒業式、門出式を一つにまとめて、それに代わるものとして卒業、当    時、最初は記念祭という名前ではなかったと思いますが、卒業行事を生徒主催    でやっていこうという話になったわけですね。     で、その生徒主催で最後の行事を行うということは、とても所沢高校らしい    と、生徒の自主自立、自治を大切にする所沢高校らしいという支持がたくさん    出てきまして、その生徒の流れもありまして、そして職員会議でも、卒業式と    門出式に代わるものとして卒業記念祭をやるということが、生徒総会に先立っ    て職員会議、10月半ばだったと思うんですが、決定されました。     で、卒業の行事をそうするのであるから、ごく自然な流れだと思いますけれ    ども、新入生を迎える入学の行事もやはり生徒が中心となって企画、運営して    いく、それまでの入学式はほとんどと言っていいほど生徒はかかわっていなかっ    たわけですけれども、入学の行事も卒業の行事と同じようにやっていこうとい    う気持ちが生徒のほうでも職員のほうでも自然に流れていきまして、で、生徒    総会にこれも先立ちまして10月の未の職員会議で、先ほど申し上げたような    決定がされたということです。 ○処分者代理人(白鳥) 入学式の内容をどうするかという話ではいけない内容だっ    たんですか。 ○証人(MK) 入学式の話は、ですから今申し上げたように、卒業の……。 ○処分者代理人(白鳥) いや、だから卒業式の延長……まあそうなんですけど、尋    問時間の問題もあるんで入学式に絞りたいんですけれども、入学式の内容をど    うするかという話では解決できない問題だったんですか。 ○証人(MK) 時間の関係だとおっしゃられましたが、やはり流れとしては、生徒 ------------------------------------(10)------------------------------------    の方も職員の方も、まず卒業の行事を考えていって、それでごく自然に、高校    生活の最後を卒業記念祭という生徒主催のものでと、ごく自然に、ですから、    入口の入学のところの行事も同様な形というのが出て、これは自然な流れだと    思うんですけど、ですから、あまり切り離してちょっと、お話することできな    いんですけど。 ○処分者代理人(白鳥) 生徒主催と言われましたね。 ○証人(MK) はい。 ○処分者代理人(白鳥) 一般的な話で伺いますけど、入学式の主催者は誰である、    どこであるというふうに理解されていますか。 ○証人(MK) 入学式でも、それから、何ていいましょうか、文化祭とか、そうい    う行事であっても、学校主催という言い方が一番妥当なんだと思うんですけれ    ども、そこにどれだけ生徒の、例えば委員会組織ですとか、そういうものが企    画、立案の段階からかかわってくるかというところで、よく私たちは校内では    生徒主催とかいう言い方をしますが、でも、同じように学校主催というのが一    般的には妥当な言い方かなと思いますが。 ○処分者代理人(白鳥) 学校主催の入学式を、入学するに当たって、しないという    のは非常に大きな決断のように思えるんですけどね、つまり、それだけの、今    伺った理由だけで入学式を行わないということが、何でその多数意見になるの    かというのがわからないんで聞いてるんです。 ○証人(MK) どうお答えしていいのかあれなんですけど、入学でも卒業でも、そ    の節目の式に当たるようなものを全くやらないで、ただ入ってきたらホームルー    ムヘ行ってクラスごとにということではないので、その節目でやる行事の形を、    これまで生徒があまりにも加わっていなかったものから変えていこうというこ    とですので、ですから、やらないと言われてしまうとちょっとニュアンスが違っ    てしまうと思うんですね。     それから、入学式をやらなければいけないというのは、学習指導要領などに    も書いてないですし、ですけれども、全く何も、やめてしまおうということで    はないんです。 ○処分者代理人(白鳥) 幾つかの問題があるんですけど、入学式を行わなければい    けないという法規はないという話、前回されてますね。それは、どなたかが調    べたんですか。 ○証人(MK) ええ。私ではありませんが。 ○処分者代理人(白鳥) あなたが見聞きした範囲で、誰が調べてどのような形で報    告があったわけですか。 ○証人(MK) はっきりしない部分もありますが、先ほどのその、卒業行事、入学 ------------------------------------(11)------------------------------------    行事を従来のかたちと変えるという提案は、職員会議に生徒会の係のほうから    なされたんですが、その際に、何て言いましょうか、根拠というと変ですけど、    法律に触れるということであれば私たちとしてもそれはなかなかやりにくいこ    とでありますから、それを調べた上で提案があったということだったと思いま    す。 ○処分者代理人(白鳥) だから、誰がどういう……。 ○証人(MK) だから生徒会係が……。 ○処分者代理人(白鳥) 具体的に誰なんですか。 ○証人(MK) それは、いっぱいいますので、誰が提案したかまでは覚えてないで    すけど。で、どなたが調べたかも、私は生徒会の係ではありませんからわかり    ません。 ○処分者代理人(白鳥) そうすると、どういう調査をしたかもわからない、あなた    はわからないということですね。 ○証人(MK) そうですね。この法規法規というふうに並べて……ただ、私も学習    指導要領は読んでますから、そこにないというのはわかってますけれども。そ    れは校長もいろんな場で言っていることでもあります。 ○処分者代理人(白鳥) 入学式を行わない、生徒主催の入学を祝う会を行うという    提案について、校長先生は反対しませんでしたか。 ○証人(MK) それもたぶん前回申し上げたと思うんですが、そして、すみません    が先ほどから繰り返しているように、卒業の行事と両方、一緒に話は進んでいっ    ているわけですけれども、どちらにしても、一番最初から校長は反対という立    場、態度ははっきりと明確には示していません。行わないのはどうかと思う、    行わない学校があるのかどうかと、そういうような言い方を最初はしました。 ○処分者代理人(白鳥) この10月23日の職員会議の場でも、行わないのはどう    かと思う、行わないのはどうかという言い方をしていたわけですか。 ○証人(MK) だと思います。それで私たちとしては、それならばどうするのかっ    て、もっときちんと示してほしいというふうに要求していったわけなんですが。    ですから、最初はだから、行ってはいけないとか、こういうかたちでやりなさ    いとかいう話ではなく、態度を保留されたということです。 ○処分者代理人(白鳥) 10月23日から入学式までの間に、校長先生が、入学式    を行わなければいけないと言ったことはありますか、ありませんか。 ○証人(MK) それはあとのほうになって、入学式をやって、その後で入学を祝う    会をというのが示されました。 ------------------------------------(12)------------------------------------ ○処分者代理人(白鳥) 確認ですけど、いつ頃ですか。 ○証人(MK) きちんと出されたのは、文書で出されたのは1月に入ってからだっ    たと思います。ただ、その前に、12月の職員会議で、校長案として、入学式、    入学を祝う会というのが多分出されたと思うんですけれども、そこでは賛成は    全く得られなかったと思います。得られなかった会議があったと思います。 ○処分者代理人(白鳥) 入学式を行うかどうか最終的に決定するのはどこですか、    誰ですか、どの機関ですか。 ○証人(MK) それは、先ほど一番最初にお話していく中で申し上げたように、一    般的に、その学校の中のことを最終的に決めていくのは校長でしょうが、十分    に職員会議の意向、決定を尊重すべきですし、更に、今回の問題に関しまして    は、職員だけではなく生徒の意思、総意というものもありましたから、その生    徒総会なりの決定というものも十分に尊重した上で、教職員、生徒の意向を十    分に汲んだ上で最終的に判断をするのが校長の役目だと思います。それはどん    なことでも同じだと思います。 ○処分者代理人(白鳥) 校長先生は、校長先生の決定と職員会議で決まったことが    食い違う場合に、職員会議のほうで納得しないと、いつまでも話合いは繰り返    されるということですか。繰り返されるべきであるという趣旨ですか。 ○証人(MK) 基本的にはそういうことだと思います。職員会議の職員の意向とい    うものを尊重するのが校長の役割だと思いますけど。校長も職員会議の場で発    言できるわけですので、最初は食い違っていても話し合う中で合意点が見い出    せるものだと思いますし、そのように進んでいくべきだと思います。 ○処分者代理人(白鳥) 生徒の話、若干聞きますけど、1990年に、「『日の丸    *君が代』に関する決議文」というのが臨時生徒総会で出されていますね。 ○証人(MK) はい。私はまだ赴任していませんが。            〔甲第6号証を示す〕 ○処分者代理人(白鳥) 見たことありますか。 ○証人(MK) はい、あります。 ○処分者代理人(白鳥) この決議文が毎年生徒総会で採択されているわけですか。 ○証人(MK) 採択といいますか、生徒会本部のその年度の活動方針で、これに基    づいて活動していくということで、その活動方針が承認されています。 ------------------------------------(13)------------------------------------ ○処分者代理人(白鳥) この内容は、学習指導要領に不満、内容に不満があるとい    う意味ですね。 ○請求人代理人(野本) 委員長、今の質問は主尋問の範囲を超えていると思います。    MK先生の尋問の中では、この日の丸、君が代の決議文の内容についてこちら    から尋問した事実はございません。 ○処分者代理人(白鳥) 反対尋問の中で、最初に内田校長が赴任してきたときの入    学式の違いについて、国歌斉唱ということが出てきたんで、その延長で伺って    いるんですけれども、その範囲で……。 ○委員長(坂巻) 反対尋問の許される範囲だから、あまりその点、深入りした尋問    はしないでください。 ○処分者代理人(白鳥) 深入りはしません。     学習指導要領の君が代斉唱について反対するという内容の決議文ですね。 ○証人(MK) 強制することを反対しているということですね。 ○処分者代理人(白鳥) ちょっと前後しちゃいますけれども、最初のその、内田校    長赴任のときの内田校長が国歌斉唱を行いたいという意見というのは、学習指    導要領に沿ったものですね。 ○証人(MK) 学習指導要領には「指導するものとする」と書いてありますね。 ○処分者代理人(白鳥) 学習指導要領に沿ってない入学式が、従前、所沢高校で行    われてきたわけですか。 ○証人(MK) それは、管理職が毎年県教委のほうに報告していると思うんですけ    れども。どのように報告されているか聞いたことがないのでわかりませんが。     ですから、どういう形でそれまでの入学式卒業式が行われていたかというの    は、むしろ県教委に聞いていただきたい気がするんですけれども。 ○処分者代理人(白鳥) あなた自身のね、入学式、何回も経験……。 ○請求人代理人(中山) それはナンセンスな質問じゃないですか。全くね、意味の    ない質問じゃないですか。教育委員会が把握している事実なんでしょう。 ○処分者代理人(白鳥) 質問の意味が誤解されているようですけど……じゃ、聞き    直します。     あなたは、入学式、所沢高校の入学式、何回も出席してますね。 ○証人(MK)、はい、それは。9年もいましたから。 ------------------------------------(14)------------------------------------ ○処分者代理人(白鳥) 内田校長着任以前に国歌斉唱が行われたことはありますか、    ありませんか。 ○証人(MK) 私の知る限り、式の中で行われたことはないと思います。 ○処分者代理人(白鳥) 内田校長着任前の職員会議でも、職員の多数で、国歌斉唱    のない入学式が予定されていたわけですね。 ○証人(MK) 式次第には入っていませんでした。 ○処分者代理人(白鳥) 入学説明会の次第について職員会議で提案されたのは、年    が変わって、去年、平成10年3月5日の職員会議ですね。 ○証人(MK) だったと思います。       〔甲第24号証を示す〕 ○処分者代理人(白鳥) この資料が、3月5日の職員会議に出されたわけですか。 ○証人(MK) はい、そうです。 ○処分者代理人(白鳥) これ見ますと、挨拶とか、教務関係、生徒指導関係、進路    指導関係などと記載がありますが、今回問題となっている学年関係ということ    について、学年関係でどういう話をするかについては、この職員会議で議題に    なったんですか、なりませんか。 ○証人(MK) なってません。 ○処分者代理人(白鳥) そうすると、前回の話では、職員会議ではなくて、今回の    竹永教諭の発言内容について話合いがあったというのは、続いて行われた3月    16日の学年会議ということですか。 ○証人(MK) そうです。 ○処分者代理人(白鳥) 職員会議では、この順番とかテーブルの配置とか、そうい    う話はあったようですけれども、どういう話をするかについては、この職員会    議ではなかったわけですか。 ○証人(MK) はい。従来、そういうことは職員会議には出していません。 ○処分者代理人(白鳥) このときも、なかったわけですね。 ○証人(MK) はい、そうです。 ○請求人代理人(中山) 委員長、あとどれぐらいかかるのか、ちょっと聞いていた    だけないでしょうか。 ○処分者代理人(白鳥) 11時……この証人が、何て言いますか、一番、従前のこ ------------------------------------(15)------------------------------------    とまで知っているもんですから、大体半分ぐらい、全年のこちらの尋問時間の    半分ぐらい使いたいと思いますけれども。時間内に終わるようにします。     3月16日の学年会議、何人出席しましたか。 ○証人(MK) 正確には覚えていませんが、全員出ていれば14人ですか、その近    い数出ていたと思いますが。 ○処分者代理人(白鳥) 新1学年を担当する先生方がおおむね全員出るわけですか。 ○証人(MK) そうです。 ○処分者代理人(白鳥) 新1学年を担当しない先生も出ますか。 ○証人(MK) いえ。学年会議ですから、学年団を結成している担任、副担任の者    が集まる会議です。       〔甲第25号証を示す〕 ○処分者代理人(白鳥) これが、学年会議、学年会……。 ○証人(MK) 普通、学年会と呼んでいます。 ○処分者代理人(白鳥) 学年会の議事録ですか。 ○証人(MK) そうです。 ○処分者代理人(白鳥) これを見ますと、主にその、学年の統一見解と書いてあり    ますけどね、混乱のないようにしたいという内容は読み取れるんですけれども、    それ以外に何が統一見解なのか、ちょっと読みづらいところだとわかりにくい    んで、これをもとに記憶を再現して、どういう意見がまとまったか、話してい    ただけますか。 ○証人(MK) ここに書いてあるとおりですけれども。これが最終的に学年会議で    合意された点です。 ○処分者代理人(白鳥) これは、これからどういう方向でやっていきたいかと、入    学式に向けて、学年団がどういうふうにやっていきたいかということで話し合っ    た内容ですね。 ○証人(MK) 入学式というか、4月9日のことに関して言えば、一番最初に書い    てありますように、新入生がばらばらになるのは避けようということと、それ    から、次の項目の中に出ていますように、「出来るだけ話し合いをにつめ」と    いうところですね、これから校長と、まだ時間があるから話合いを持っていこ    うということですけれど。 ○処分者代理人(白鳥) つまりね、入学説明会の場で竹永教諭がどういう話をする    かという内容は議論されてないんじゃないですか。 ○証人(MK) ですから、それは二つ目のところですね、「 」に入っているとこ ------------------------------------(16)------------------------------------    ろです。それを3月18日に学年として話そうということです。 ○処分者代理人(白鳥) こういう、入学を祝う会一本でやりたいという内容、やり    たいと書いてあるのはわかるんですけど、ということを竹永教諭が発言すると    いう、その場でね、入学説明会の場で何を発言するかについて決定しているよ    うには読めないんですけれども。 ○証人(MK) ですから、「 」の中に入っている部分で、校長との話合いの詰め    ができていないので、4月9日まで、それがちゃんと合意できるように話合い    をやるから、当日は混乱のないようにしたいと思っているから、安心してくだ    さいということを話そうということで、ちょっと付け加えましたけれども、だ    から、「 」の中のことは話そうということですけれども。 ○処分者代理人(白鳥) 私からは終わります。 ○処分者代理人(鍛冶) 10月23日の職員会議でですね、内田校長は、入学式は    行います、入学式を行わないことは認めませんということは言っていたんでしょ    う。 ○証人(MK) 言っていなかったと思います。 ○処分者代理人(鍛冶) 甲第20号証、そっちにありますか……。       〔甲第20号証を示す〕 ○処分者代理人(鍛冶) これは、この文書はそういう趣旨の文書じゃないんですか。 ○証人(MK) ここにはそう書いてありますけれども、まあ12月25日じゃない    と思うんですけれどもね、10月の職員会議では、先ほど申し上げたとおり、    行わないのはどうかと思うという言い方だったと私は記憶してます。 ○処分者代理人(鍛冶) そうすると、この文書が1月の22日の職員会議に出され    たんですか。 ○証人(MK) はい、出されました。 ○処分者代理人(鍛冶) そのとき内田校長は、入学式は行います、行わないことは    認めませんということをはっきりしたんですか。 ○証人(MK) これが初めてはっきり内田校長が、入学の行事について文書に出し    たものだったと思います。 ○処分者代理人(鍛冶) そうすると、1月22日以降は、内田校長はですね、入学    式を行いますということははっきり言っていたんですね。 ○証人(MK) これ、職員会議に出されましたが、再度審議しようということだっ ------------------------------------(17)------------------------------------    たと思いますし、あまりはっきりと細部記憶していないんですけれども、お願    いという形で最初、初めのころは、これはお願いという言われ方したかどうか    よくわからないんですけれども、2月に入ってお願いという言い方をされたと    思います。 ○処分者代理人(鍛冶) それで、いいですか、少なくとも3月16日に学年会議が    開かれているんでしょう、開かれていますよね。 ○証人(MK) はい。 ○処分者代理人(鍛冶) その前の職員会議では、入学式は行わない、入学を祝う会    だけを行うということは、職員会議では決めてあったんでしょう。 ○証人(MK) いえ、決めたわけではありません。校長の意見はこうだというふう    に示されたわけで……。 ○処分者代理人(鍛冶) 職員会議ですよ、学年会議でなくて職員会議。 ○証人(MK) 職員会議……決めたって今、質問ですよね。 ○処分者代理人(鍛冶) 入学式は行いません、入学を祝う会だけを行いますよとい    うことは、職員会議では決めてあったんでしょう。 ○証人(MK) ああ、はい、すみません、間違えました。10月の職員会議で……。 ○処分者代理人(鍛冶) 10月と、それ以降の職員会議でも。 ○証人(MK) はい。生徒総会の決定もありましたから、それを承認して……。 ○処分者代理人(鍛冶) 校長のほうがですよ、それに反してね、入学式は行います    ということを決めてあったんでしょう。それでそのことをね、職員会議で職員    の方々にも伝えていたんでしょう。 ○証人 (MK) これが1月22日のこの……。 ○処分者代理人(鍛冶) それ以降も、ときどき告げていたでしょう。 ○証人(MK) ですから、こういう形で、ぽっと連絡で出されたりですとか、ある    いは、お願いという言葉使いだったと思うんですが、出されましたので、私た    ちとしては、もう既に職員会議で10月で決定していたわけですから、校長の    意見には異議を唱えましたし……。 ○処分者代理人(鍛冶) それから、それと同時にですよ、校長が行いますといった    入学式の式次第も、校長のほうで作って職員の方々た示しているでしょう。 ○証人(MK) はい。この1月ではなく、もうちょっと後で、2月でしょうか。 ○処分者代理人(鍛冶) してますよね。 ------------------------------------(18)------------------------------------ ○証人(MK) はい。2月でしょうか……ここにある資料だと2月12日の資料が    ありますね。        〔甲第25号証を示す〕 ○処分者代理人(鍛冶) 学年会議の議事録ですよね。 ○証人(MK) はい。 ○処分者代理人(鍛冶) ここに「出来るだけ話し合いをにつめ」という言葉があり    ますよね。 ○証人(MK) はい。 ○処分者代理人(鍛冶) どういうことについて話し合うっていうんですか。 ○証人(MK) ですから、校長の意見というのは示されたわけですけれども、先ほ    ども申し上げていますように、校長の最終的な判断というのは職員会議の意向    を十分尊重し、かつまた、このことに関しては生徒の意見もありますので、そ    れも尊重し、その両方を汲んだ上で判断をしていくのが校長の役割だと思うん    ですが、2月とかの段階で出されたものはそのようなものではありませんです    から、こちらとしましては話合いを続けていきたいということです。 ○処分者代理人(鍛冶) 説明が長いんですよね、あなたのね。     この話合いを詰めたいというのは、入学式は行いません、入学を祝う会だけ    を行いますと、そういうことについて校長を納得させます、説得しますという    ような意味なんじゃないんですか。 ○証人(MK) ですから、合意点を見つけていきたいということですけれども。 ○処分者代理人(鍛冶) それは、その合意点というのはね、校長が入学式を行いま    すということを撤回させることなんじゃないんですか。 ○証人(MK) それは話合いの中でどうなっていくかは、話し合ってみなければわ    からないということがあると思います。 ○処分者代理人(鍛冶) それではね、その当時ですよ、職員会議では、入学式を行    いますということになってもやむを得ませんねと、校長の判断に従いましょう    かというような話は出ていたんですか。 ○証人(MK) いえ。ですから、話合いの中でそういうふうにはなっていかなかっ    たわけですから。 ○処分者代理人(鍛冶) 結構です。 ------------------------------------(19)------------------------------------ ○処分者代理人(飯塚) 2点だけお伺いします。     まず第1点ですけれども、請求人は昨年3月18日の説明会で、校長が入学    を許可するということについて、説明をしましたね。 ○証人(MK) はい、反訳書を読みましたし……。 ○処分者代理人(飯塚) あなたも実際お聞きになったわけでしょう。 ○証人(MK) 聞いてますね。 ○処分者代理人(飯家) それは、昨年3月16日の学年会で、そういう発言をする    ということは合意されていたんでしょうか。 ○証人(MK) 入学許可の一般的な説明ですか。 ○処分者代理人(飯塚) そういうことです。 ○証人(MK) はっきり覚えていません、ここには書いてありませんけれども……。 ○委員長(坂巻) 覚えてなければないでいいですよ。 ○証人(MK) はい。覚えていません。       〔甲第25考証を示す〕 ○処分者代理人(飯塚) そこのナンバー2のところに、3月18日の「時程」が二    本線で消してありますが、中で、「『祝う会』一本で連絡してよいか」、それ    から棒線がありまして「変更」とあります。     この「変更」というのは、何をどのように変更するということなんでしょう    か。 ○証人(MK) 前回申し上げたと思うんですが、学年団としましては職員会議の決    定に沿って動いていくしかないわけですので、職員会議の決定は祝う会を行う    という決定だったわけですから、その中で、細部、じかに連絡する立場にある    1学年団としてどういう連絡をしていこうかという話の中で、職員会議の決定    に則れば、職員会議のそこまでの合意に基づいて説明するならば、祝う会の日    程を説明すべきだということだったんですけれども、卒業行事の前に学年会議    でその話をしたときに、卒業行事も控えているし、その結果を見てもう1回話    し合おうと。その結果を見て判断して、卒業行事のあとで正式に決めようとい    うことになっていたんです。     ですから、その卒業行事の前の学年会議の段階では職員会議の決定に従うし    かありませんから、もう職員会議にも出てたんですけれども、4月9日の日程    というものを審議するに、こうだって示そうというのがあったんですけれども、    まあ、やめようと。卒業行事の際に職務命令も出されたとかということもあり    ましたから、ですから、前もって話をしていたことをやはり変更しようという ------------------------------------(20)------------------------------------    ことになったという意味です。 ○処分者代理人(飯塚) 私がお聞きしているのは、変更しようということになった    ことの経緯ではなくて、何を、変更の中身です、何をどのように変更するとい    うことになったんでしょうか、ということをお聞きしているんです。 ○委員長(坂巻) 簡単に答えてください。変更になったかならないか。 ○証人(MK) 今お話したつもりだったんですけれども……。 ○委員長(坂巻) ちょっとお答えになってないようですが。 ○証人(MK) ですから、4月9日の新入生の動きですね、その日程を前もって職    員会議などで決めていたもので流すのをやめたということです。 ○委員長(坂巻) それでは、大分時間たっておりますので、次に移ってよろしいで    すか。 ○請求人代理人(野本) 再主尋問、何点かさせてください。 ○委員長(坂巻) 再尋問は時間的にちょっとどうかな。     あとの2人の予定はどのぐらいですか。 ○処分者代理人(鍛冶) 一番最後の証人の方はごく簡単だと思うんですけれども…    …。 ○委員長(坂巻) とにかく12時までには終わりますね。 ○処分者代理人(鍛冶) 今までの、この証人のようには時間は取りません。 ○委員長(坂巻) 何回も出ていただくということにも、御迷惑と思いますので、そ    れでは、それを踏まえてください。答えるほうも端的に答えてください。 ○請求人代理人(野本) 3点ほど聞きます。     まず1点は、97年度の入学式の混乱のことについてお伺いしますが、内田    校長が着任をしたのは1997年4月1日ですね。 ○証人(MK) はい。 ○請求人代理人(野本) 先ほど、入学式の式次第が、あと、会場の設営の仕方等が    変わったということでしたが、これを内田校長のほうで職員の方に最初に諮っ    た会議というのはいつ開かれたと記憶されていますか。 ○証人(MK) 4月8日だと思います。 ○請求人代理人(野本) そうすると、それまで、着任してから4月8日まではです    ね、内田校長のほうから、従前決まっていた入学式の式次第とか会場の設営の    仕方を変えたいという話は、職員には一切なかったということですか。 ○証人(MK) ええ、全体で集まったのはその日が、その年度は初めてでした。 ------------------------------------(21)------------------------------------ ○請求人代理人(野本) そうすると、突然の変更提案だったということですね。 ○証人(MK) はい。 ○請求人代理人(野本) 今度は98年度の入学式、入学を祝う会、この話に話を変    えます。     内田校長のほうで、入学式と入学を祝う会を二本立てでやるんだと、こうい    うことをはっきりと文書で示されたのは1月21日だったということで、これ    は間違いないですよね。 ○証人(MK) はい。 ○請求人代理人(野本) その後、内田校長のほうで、その二つの行事をこういった    時程でやります、スケジュールでやりますということを示してきたのは、いつ    ごろになりますか。 ○証人(MK) 3月18日の入学説明会の折に新入生に配った文書だと思います。      〔甲第16号証の5を示す〕 ○請求人代理人(野本) これが、今あなたがおっしゃった、説明会当日に配られた    文書ですね。 ○証人(MK) そうです。 ○請求人代理人(野本) ここには、最初に入学式、9時半から10時半、その後、    入学を祝う会、10時半から12時というかたちでスケジュールが書かれてい    るわけですが、このスケジュールというのは、このとおり実施可能な内容だっ    たでしょうか。 ○証人(MK) いえ、違います。 ○請求人代理人(野本) どういった点で無理があるスケジュールなんですか。 ○証人(MK) 私たちが職員会議として考えていたのは、10時半の前に新入生を    ホームルームで集めて、そこで事務的な手続をするという計画でした。これだ    とそれができないわけですので、で、実際、入学を祝う会のあとに4月9日は    いろいろ教室で手続などをしましたので、終わったのは2時近いということに    なってしまいました。 ○請求人代理人(野本) それから、入学式と入学を祝う会、会場の設営とかいうも    のも変わってきますよね。そのへんは、その校長が示した時程には考慮されて    いる内容なんでしょうか。 ○証人(MK) いえ、されておりません。祝う会を行うに当たって生徒側でも準備    をしたいわけですけれども、その入学式をやっている時間帯での在校生の、私    たち公欠と呼んでいるんですが、教室にはいなくても準備をするということで    欠席にはしないで公欠扱いをするということをよくやるんですが、その公欠扱 ------------------------------------(22)------------------------------------    いはしてはいけない、公欠をしてはいけないというふうに職務命令が出されま    した。 ○請求人代理人(野本) そうすると、校長のほうが説明会当日に示したスケジュー    ル、そのとおりやれるかどうかという意味では、その時点ではわからない内容    だったわけですね。 ○証人(MK) そうですね。 ○請求人代理人(野本) そうすると、内田校長のほうで、最終決定としてね、こう    いう時程で祝う会と入学式と二本立てでやるんだという判断が出たのは、いつ    のことになりますか、最終的に判断が出たのは。 ○証人(MK) 最終的……。 ○請求人代理人(野本) 職務命令という形で、この入学式と入学を祝う会、二本立    てでやるということが職務命令という形で出たのは、この入学説明会以前です    か、それとも以後になりますか。 ○証人(MK) 以後です。3月23日ぐらいだったと思います。 ○請求人代理人(野本) 結構です。 ○委員長(坂巻)それでは、2回にわたって御苦労様でした。これで終わりますので、    後ろへ下がってください。     その次は、SM証人ですか。     それでは、SM証人、御苦労様です、お座りください。     今聞いておられたと思いますけど、できるだけ事実関係を、開かれたことに    限って、簡潔にお答えください。     はい、どうぞ。 ○処分者代理人(飯塚) 昨年3月18日の所沢高校における入学許可候補者説明会    についてお伺いいたします。       〔甲第16号証の5を示す〕 ○処分者代理人(飯塚) これが、当日、校長のあいきつの前に配布されたわけです    ね。 ○証人(SM) そうです。 ○処分者代理人(飯塚) 校長は、これを見ながら4月9日の日程を説明したんでしょ    うか。 ○証人(SM) そうですね。 ------------------------------------(23)------------------------------------ ○処分者代理人(飯塚) この日程表に、入学式、時間は9時半から10時半という    記載がありますが、証人は、この入学式の記載を見てどう思いましたか。つま    り、入学式が行われるということについては、どう思いましたか。 ○証人(SM) 入学式が行われることについてどう思ったかということですか。 ○処分者代理人(飯塚) ちょっと質問変えます。     ここにですね、入学式が9時半から10時半という時間で記載されています    が、これについてはどういうふうな感想を持ちましたか。 ○証人(SM) この時間帯については別に、何の感想もありません。 ○処分者代理人(飯塚) 入学式が、これによりますと行われるということにつきま    しては、何か、例えば違和感を持ったりですね、したことはありますでしょう    か。 ○証人(SM) 前回お話ししましたが、入学式が行われるということについては何    も感じませんでしたけれども、括弧の中の「入学式のなかで入学を許可します」    という、この文言については非常に疑問を持ちました。 ○処分者代理人(飯塚) その次にですね、10時半から12時まで入学を祝う会と    いう記載がありますが、これについて校長から説明はありましたでしょうか。 ○証人(SM) 入学を祝う会をやるという説明はあったと思いますが、どういう内    容の、ものか、どういう趣旨のものか、それについての説明はほとんどなかっ    たと思います。 ○処分者代理人(飯塚) これは誰が、例えば、中心になって企画したものだという    ふうな点については、説明はあったかどうか、記憶してますか。 ○証人(SM) これは生徒が中心になってというような言い方があったかどうか、    確かな記憶はございません。 ○処分者代理人(飯塚) 校長はですね、この入学を祝う会についての自分の感想な    り気持ち、行われることについての感想なり、あるいは気持ちを述べていたか    どうかは記憶ありますか。 ○証人(SM) ほとんど述べていなかったと思います。 ○処分者代理人(飯塚) 証人としましては、この入学を祝う会というのは、生徒の    いわば自主的な活動であるというふうには認識していましたか。 ○証人(SM) 説明会が始まる前に生徒会から配られたビラを私読んでおりました    ので、生徒が入学を祝う会を準備しているということは知っておりましたので、    それのことなのかなということはわかっておりました。 ------------------------------------(24)------------------------------------ ○処分者代理人(飯塚) 校長もそれを日程表の中に記載しまして、認めているとい    うふうに認識しましたか。 ○証人(SM) はい。 ○処分者代理人(飯塚) それでは続きまして、請求人の当日の説明会における発言    についてお伺いいたします。     請求人は、4月9日の日程ですね、具体的には入学式、又はその祝う会につ    いてはどのように発言していたか、証人の記憶はどうでしょうか。 ○証人(SM) 4月9日の日程ですか。具体的な時程はここでは申し上げないとい    う言い方をされていたと思います。 ○処分者代理人(飯塚) 入学式と、それから入学を祝う会ですね、これのどちらが    行われるのか、あるいは両方行われるのか、そういったことについては、請求    人の説明はどのような説明だったというふうに記憶していますか。 ○証人(SM) それは要するに、生徒及び教職員の意思と校長の考えが食い違って    いるという説明がありましたので、どうなるのかわからないと、そういうふう    に私どもは受け止めました。 ○処分者代理人(飯塚) ただどうなるかわからないということだけではなくて、請    求人たちですね、教職員という言い方だったかもしれませんが、としてはどう    いうふうな考えでいるということの説明はありましたか。 ○証人(SM) 教職員としては、これまでの経過を踏まえてですね、入学を祝う会    をやりたいと、こういう考えでいるという説明はありました。 ○処分者代理人(飯塚) 入学を祝う会をという今のお話だったんですが、入学を祝    う会のみでというふうにですね、そういう言い方をされていたかどうか、記憶    ありますか。 ○証人(SM) あったかもしれません。 ○処分者代理人(飯塚)かもしれないということは、はっきりしないということです    か。 ○証人(SM) そうですね。 ○処分者代理人(飯塚) そうすると、入学式も認めるという趣旨の発言があったよ    うな記憶があるんですか。 ○証人(SM) 特にそういう発言はなかったと思います。 ○処分者代理人(飯塚) 証人はですね、請求人の当日の説明を聞きまして、当日入    学式が行われるかどうかについては、どういうふうに理解したんでしょうか。 ------------------------------------(25)------------------------------------ ○証人(SM) 先ほど言いましたように、どうなるのかわからない、まだ決まって    いないんだなというふうに受け止めました。 ○処分者代理人(飯塚) そういった、どうなるかわからないことにつきまして、証    人は不安を持ちませんでしたでしょうか。 ○証人(SM) いえ。きちんと説明がありましたので、特に不安は持ちませんでし    た。 ○処分者代理人(飯塚) どのような説明があったんでしょうか。 ○証人(SM) つまり、この1年間ですね、生徒会はこういう議論をしてきた、そ    れから職員会議もこういう議論をしてきた、そして、入学式に代わる入学を祝    う会というものをやりたい、そういうかたちで準備を進めていますと、こうい    う説明ですね。     ですから……ただまあ、現実には校長先生と意見が食い違っているというこ    とも説明があったわけですから、しかし、まだ3週間話合いを続けますという    方向性についても示されましたので、まあ、それまで待っていれば何らかの結    論が出るんだろうなという受け止め方ですね。 ○処分者代理人(飯塚) 証人は、当日配布された資料、あるいは当日の請求人の説    明を聞きまして、校長とですね、請求人、教職員との考え方の違いといいます    か、その点は、かなり深刻なものがあるという、あるいは解決可能なものであ    るという、どちらに考えたでしょうか。 ○証人(SM) それは私どもは判断できません。 ○処分者代理人(飯塚) かなり、配布された資料から見ますと、かなり以前から話    合いが行われたようだけれども、結局、その意見の対立は解消されてないとい    うことは、請求人は理解していましたか。 ○証人(SM) 私がですか。 ○処分者代理人(飯塚) はい……あ、ごめんなさい、証人はですね。失礼しました。     証人は……。 ○証人(SM) 解決可能かどうかということですか。 ○処分者代理人(飯塚) かなりその意見の食い違いというのは大きいかどうか、そ    の点については証人の理解はどうだったんでしょうか。 ○証人(SM) まあ、食い違いが大きいんだろうなという印象は持ちましたですね。 ○処分者代理人(飯塚) かなり両者の意見が平行線のままで来ているということは    理解していましたか。 ------------------------------------(26)------------------------------------ ○証人(SM) そうですね。 ○処分者代理人(飯塚) それが4月9日までには解消できるだろうというふうに証    人は理解したんでしょうか。 ○証人(SM) そうです。 ○処分者代理人(飯塚) それは、具体的にはどのような方法によって解決できるだ    ろうと……。 ○請求人代理人(設楽) それは証人の想像を述べよとおっしゃっているんでしょう    か。 ○処分者代理人(飯塚) 受け止めた印象です。 ○請求人代理人(設楽) どのような方法でというふうな御質問でしたので、それは    想像しろという趣旨なのかということなんですが。 ○委員長(坂巻) 質問を変えてください。 ○処分者代理人(飯塚) 今の質問は撤回します。     請求人の説明からはですね、例えば、こういう方法で解決できるとか、ある    いは解決可能であると、解決の見通しについての説明はあったんでしょうか。 ○証人(SM) 説明があったのは、まだ3週間あるので話合いを続けますと、で、    当日は混乱のないようにしますから安心してくださいという説明だったんです    よ。ですから、どんな方法かとか、どういう手順かとか、そんなことは私ども    にはわかりませんけれども、多分何とかなるんだろうなという意識で受け止め    ておりました。 ○処分者代理人(飯塚) そうしますと、多分何とかなるということで、混乱はない    だろうというふうに判断したわけですか。 ○証人(SM) そうです。 ○処分者代理人(飯塚) 実際、4月9日に、そういった意見の食い違いが解消され    たかどうか、それは御存じですね。 ○証人(SM) はい。 ○処分者代理人(飯塚) 証人は、前回の証言で、4月9日に二つの行事が分裂して    行われることは予想してなかったというふうにお答えになっておられますが、    記憶ありますか。 ○証人(SM) はい。 ○処分者代理人(飯塚) そのとき、そうしますと、証人の見通し、今振り返ってみ    て、御自分の見通しはどうだったというふうに思っておられますか。 ○委員長(坂巻) 端的に、事実を聞いてください。 ------------------------------------(27)------------------------------------ ○処分者代理人(飯塚) それでは、請求人の発言についてまた再度お伺いしますが、    請求人が、入学式をやるかやらないか、あるいは入学を祝う会のみでやりたい    ということを述べることについてですね、請求人は教諭という立場なんですが、    そういう立場にある方がそういった点を述べることについては、証人はどうい    うふうに認識、思いましたか。 ○証人(SM) 第1学年団の代表として新入生の保護者及び新入生自身に説明をさ    れるというのは当然のことだと思います。 ○処分者代理人(飯塚) 教諭がですね、そういった校務の運営にかかわることにつ    いて発言することについて、違和感を持ちませんでしたか。 ○証人(SM) いや、当然のことだと思います。 ○処分者代理人(飯塚) 請求人の、入学許可についての説明について伺います。     請求人は、校長が入学を許可するということの意味について説明したことは    記憶してますか。 ○証人(SM) 少し説明があったと思います。 ○処分者代理人(飯塚) どのように記憶しておりますか。前回おっしゃっておられ    るので簡単に。 ○証人(SM) 仮に、入学式に出なかったとか、あるいは遅刻をしたりとかという    ことがあったとしても、そのことで入学の許可がなされるとかなされないとか    ということではないと、一般論としてはそういうふうに言えると思いますとい    う、そんな説明だったと思います。 ○処分者代理人(飯塚) 請求人がなぜわざわざそのようなことを発言したというふ    うにあなたは理解したんですか。 ○証人(SM) それは、先ほど言いましたように、校長先生のごあいさつの直前に    配られた文書の中にですね、「入学式のなかで入学を許可します」という一文    があったということをおそらく意識されていたのかなと、想像しております。 ○処分者代理人(飯塚) それは、入学式にもし出なかった場合、その入学許可につ    いて心配が父兄の間に生ずるかもしれないと、そういったこ。とを慮って述べ    たというふうに理解しているんですか。 ○証人(SM) 私の想像ですけれども。 ○処分者代理人(飯塚) 私からは以上です。 ○処分者代理人(鍛冶) 御意見にあるいはわたるかもしれませんけれども、高校に ------------------------------------(28)------------------------------------    入学するためには、その学校の入学を許可するという行為が必要ではありませ    んか。必要ですよね。 ○証人(SM) 必要だと思います。 ○処分者代理人(鍛冶) その入学を許可する権限というのは、校長にあるんではあ    りませんか。そうでしょうね。 ○証人(SM) ええ、法律ではそうなっていると思います。 ○処分者代理人(鍛冶) それから、入学を許可する行為をですね、いつ、どういう    ときに行うかは、これは校長が決めることだと思いませんか。 ○証人(SM) そんな単純には言えないと思います。当然、手続が決められている    はずです。 ○処分者代理人(鍛冶) 最終的にですよ、決めることができる権限は校長にあるん    でしょう。 ○証人(SM) 入学を許可する権限は校長先生にあると思いますけれども、そのプ    ロセスについては、当然、いろいろな手続が決まっているはずですし、校長個    人の一存で決められないことはたくさんあるだろうと思います。 ○処分者代理人(鍛冶) ありますけれども最終的には、いつ、どこでね、結論だけ    言ってもらえば、いつ、どこで許可するかということを決めるのは、校長先生    ではありませんか。 ○証人(SM) そこまで校長が具体的に決められるとは私は思いません。 ○処分者代理人(鍛冶) 校長がですよ、入学式のときに入学を許可するという行為    を行うことは、SMさんは不当だと考えていますか、それはそれで構わないで    すか、入学式のときに入学を許可しますよということを決めても構わないです    か。 ○証人(SM) そういうケースもあるかもしれませんけれども、入学を許可する場    がどこであるかとか、どういう形で入学の許可というのがなされるのかという    のはですね、それぞれの都道府県であるとか、あるいは、いろいろ決まってい    るわけで、埼玉県においても当然決まっていると思います。 ○処分者代理人(鍛冶) 入学をですよ、入学式のときに入学を許可するということ    を行うということは、不当だと考えてはいないでしょう。 ○証人(SM) 不当かどうかはわかりませんけれども、入学式が入学許可の条件で    あるという法規はどこにもない、このことははっきりしていると思います。 ------------------------------------(29)------------------------------------ ○処分者代理人(鍛冶) そういうことを聞いているんじゃなくて……。 ○証人(SM) ですから、根拠がないことを、それが入学許可の条件であるかのよ    うにもし言うとすれば、それは不当だと思います。 ○処分者代理人(鍛冶) それから、3月18日に開催された入学候補者説明会で、    校長がですよ、4月9日に入学式を行いますと、言ったことは言ったんでしょ    う。 ○証人(SM) 言ったと思います。 ○処分者代理人(鍛冶) それから、この入学式のときに入学の許可を行いますとい    うことも言ったんですね、校長先生は。 ○証人(SM) 言いました。 ○処分者代理人(鍛冶) この校長の言ったことがですね、その後の、竹永さんが学    年説明会のときに説明というんでしょうか、言ったことと、ちょっと違うので    はないかというような感じはしませんでしたか。そういうことは思いませんで    したか。 ○証人(SM) ですから、校長先生のお考えがまず最初にありましたから、わかり    ました。それと、職員会議及び第1学年団の職員集団としてはこのように考え    ているという、その考えが違うということはわかりました。 ○処分者代理人(鍛冶) 両方の言っていることは違いますねということは考えてい    たんでしょうね。     以上です。 ○処分者代理人(白鳥) 確認ですけど、竹永教諭の発言は、入学式を行うか行わな    いかについて、どのように言っていたと記憶してますか。 ○証人(SM) 入学式については何も説明はなかったと思います。つまり、入学式    を行うか行わないかということについての説明は特になかったということです。 ○処分者代理人(白鳥) 入学説明会の場での証人の理解で、校長と竹永教諭と食い    違っているというのは、何が食い違っていると理解されたんですか。 ○証人(SM) 4月9日をどのような形で、入学行事ですね、これをどのような形    で行うのかという、その内容についてですね、職員集団の考え方と校長の考え    方が違っていると。 ○処分者代理人(白鳥) 具体的に何が違っていると、そのとき居合わせて、その聞    いた記憶、印象で、何が違っていると理解しましたか。 ○証人(SM) 先生方としては、入学を祝う会一本でやりたいという考え方がある、 ------------------------------------(30)------------------------------------    校長先生としては、入学式及び入学を祝う会を行うと、こういう、当日の行事    の持ち方について考え方が違うと、こういうふうに受け止めました。 ○処分者代理人(白鳥) ということは、入学式をやるかやらないかの違いではない    んですか。 ○証人(SM) どうでしょうか、表面的にはそのように見えると思いますね。 ○処分者代理人(白鳥) だから聞いてるんですけど。 ○証人(SM) そのときは多分私もそのように受け止めたと思います。 ○処分者代理人(白鳥) それから、当日、生徒が作ったビラというのかな、何枚か    もらってますね、それからあとPTAの方が作ったものもあったと思います。    で、前回確か、それを読んでよくわかったというような発言があったように記    憶していますが、何がわかりましたか。 ○証人 (SM) 生徒や先生方が何を考えているのか、どんなことをこれまで取り    組んできたのかということがよくわかったと思いますね。特に、その日、新鮮    に感じましたのは、3月の卒業行事をめぐる一連の報道があって、これは何な    んだろうかと、よくわからないでいたんですけれども、そのあたりの経緯は大    変よくわかりましたですね。 ○処分者代理人(白鳥) ですから、何か、校長先生と教師、あるいは校長先生と生    徒でね、何がその、具体的に何が意見が違っているのか、何が対立しているの    か、あるいは対立してないのか、その具体的な内容はどうですか、記憶の限り    で、何が違っているのか違ってないのか、どのように理解しましたか。 ○証人(SM) 生徒が考えていることは、要するに、自分たちの行事なわけですか    ら、例えば3年生であれば3年生を暖かく送り出したい、入学行事であれば、    新入生を暖かく迎えたいという、そのためにどういう形が一番いいのかという    ことを自分たちなりに考えて提案をし、また、職員会議もそれを受け止めてく    れたという、そういうことですね。     他方、校長先生の側は、学習指導要領に則った厳粛で清新な式というもので    なければならないという考え方を、生徒や教職員の意思に反する形でですね、    押し付けてきているんですと、そういう主張であったと思います。 ○処分者代理人(白鳥) 学習指導要領に則った式を、厳粛で清新な式を行いたいと    いうのが校長の意見で、教師と生徒はその内容に反対しているというふうに理    解したんですか。 ○証人(SM) というよりも、生徒や教師が合意をしてきた内容ですね、これは要    するに自分たちで自主的に、特に生徒の場合はそうだと思いますけれども、い    ろいろな模索をしながらですね、新しいスタイルがあるんじゃないかというこ ------------------------------------(31)------------------------------------    とで考えてきたことだと思うんですね。     それを、要するに尊重する意思があるのかないのかという点が一番大きな対    立点だったのかなと、受け止めております。 ○処分者代理人(白鳥) 生徒と教師が決めたことは、学習指導要領に抵触するかど    うかは、そのときはあんまり考えなかったということですか。 ○証人 (SM) 抵触するとは思っておりませんし、そんなことが問題になるとは    あまり意識しませんでした。 ○処分者代理人(白鳥) 生徒の配ったビラではね、先ほど、さっき私が、前の教諭    の尋問で聞かれたと思いますけれども、君が代に関することも書いてあるんで    すけど、そのあたりは、当日の記憶でいいですよ、お読みになりましたそのあ    たりに関する印象はありましたか、ありませんか。 ○証人(SM) 読みました。 ○処分者代理人(白鳥) 学習指導要領のね、記載してあることとは違うんじゃない    ですか。 ○証人(SM) 学習指導要領というのは生徒を拘束するものではありません。これ    は文部省も言っていることですから。ですから、生徒会がその問題についてで    すね、ある一つの意思決定をする、それは自由です。 ○処分者代理人(白鳥) 違うか違わないかについて伺っているんで……。 ○証人(SM) 違う違わないも、生徒には関係ないんです、学習指導要領は、直接    は。拘束されません。 ○処分者代理人(白鳥) では、教師はどうですか。 ○証人(SM) 教師は拘束されるということになっていると思います。ただし、そ    れはあくまでも指導、助言的な文書だということだと思いますし、細部にわたっ    ていちいち拘束されていたら日常の授業なんかできないと思います。 ○処分者代理人(白鳥) 学習指導要領の拘束力について伺うつもりはないんですけ    どね、学習指導要領に記載してある内容と、教師のね、教師と生徒と一体とい    うような発言されましたけれどもね、竹永教諭を含めた教師のその考えという    のは、学習指導要領に書いてある内容と違うということですか。 ○証人(SM) 違うというのは、何が違うんでしょうか。 ------------------------------------(32)------------------------------------ ○処分者代理人(白鳥) つまり、国歌を斉唱するかしないかについて。国歌を斉唱    するというのが、するかしないかが校長先生と教師との違いなんじゃないです    か。 ○請求人代理人(設楽) すみません、国歌斉唱についてもですが、正確にどのよう    な場合に、それがどのような文言で義務づけがあるというふうにおっしゃるの    であれば、前提としてですね、正確にそこは引用してください。そうしないと    証人が答えられないと思います。 ○処分者代理人(白鳥) 説明会の当時にそこまで思い至ったかどうか、そこまで考    えてはいないということ、学習指導要領については考えていないということで    すかね。 ○証人(SM) 特に矛盾するとか、そういうことは考えておりませんでした。 ○委員長(坂巻) それでは、よろしいですね。     はい、終わりました。御苦労様でした。     お待たせしました。次は、THさん、いらっしゃいますか、どうぞ、こちら    へ来てください。     どうぞ。 ○処分者代理人(鍛冶) THさんの長女の方ですか、中学2年生のときに、所沢高    校で学校説明会があったって言ってましたよね。 ○証人(TH) はい、ございました。 ○処分者代理人(鍛冶) THさんは、この学校説明会には、どこの学校の説明会に    出席しましたか。 ○証人(TH) この学校説明会というのは……。 ○処分者代理人(鍛冶) 所沢……。 ○証人(TH) いいえ、所沢高校だけではなくて、これは……。 ○処分者代理人(鍛冶) いろんな学校から来て説明するんでしょう。 ○証人(TH) そうです。いろんな学校の先生がいらして、各自15分ずつの持ち    時間をお持ちになりまして、学校のことを説明してくださいます。 ○処分者代理人(鍛冶) だから、どこの学校から来て説明がありましたか。 ○証人(TH) 全部で12校から16校ありましたので、全部は覚えておりません    が、県立ですと朝霞高校、それから所沢高校、あと、自分の子供の学力に関係    のない上と下は聞いておりません。それから、私立のほうでしたら西武台高校    が一番近いですからそれを聞きまして、それから、今まで縁のなかった日大豊    山と、それから、何の東松山でしたっけ……大東文化の東松山でした。それか ------------------------------------(33)------------------------------------    らあとは女子校が二つほどあったと思いますが、よく覚えておりません。     全部聞きますと朝から夕方の4時までになりますので、全部は聞いておりま    せん。 ○処分者代理人(鍛冶) 所沢高校以外の学校ではどういうことを説明したかという    のは、記憶にありますか。 ○証人(TH) 私立の学校でしたら進学のことが大前提でして、特に、大学とエス    カレーター式のものでしたら、その大学に入るための勉強をするということを    中心に話されました。     それから県立ですと、今どのような進路状況にあって、あと、部活をどのよ    うにしているとか、そういうふうなことだったと思います。 ○処分者代理人(鍛冶) 具体的な説明があったわけですか、部活なんかについても    あったわけですか。 ○証人(TH) そうですね。活動が活発なところは具体的な説明がありましたし、    そうでないところは、こういう部活がありますという通りいっぺんの説明だっ    たと思います。 ○処分者代理人(鍛冶) 所沢高校の説明では、教頭さんが来たんですか。 ○証人(TH) そうです。 ○処分者代理人(鍛冶) 校則とか制服については、生徒会で自分たちで決めており    ますと、そういう説明があったんですか。 ○証人(TH) ありました。これは教頭先生が誇りを持っておっしゃいました。 ○処分者代理人(鍛冶) THさんはですね、所沢高校の校則というものが生徒会で    決められると思ってましたか。 ○証人(TH) 私はそれまで、主人の転勤の可能性がありましたので、できるだけ    県内の高校には関心を持たないようにしてましたので、そのとき初めてそうい    うことを聞きまして、あ、こういう学校もあるんだということをそのとき初め    て知りました。 ○処分者代理人(鍛冶) 校則を生徒会で決めているということを言ったんですかね。    何か間違って聞いてませんか。 ○証人(TH) いいえ。例えば、そのときにおっしゃったのは校章の話だと思うん    ですけれども、校章一つにしても、まず職員会議で話し合って、もう制服がな    いんだから校章があってもしょうがないから廃止しようという決定をしたら、    生徒会が、それは生徒がまず決めることであって、先生はそのあとに決定をく    ださいというふうにして校章も廃止したというお話をされました。 ------------------------------------(34)------------------------------------ ○処分者代理人(鍛冶) 長女の方は、所沢高校は受験したんですか、このとき。 ○証人(TH) お答えしたくありません。 ○処分者代理人(鍛冶)それから、3月18日の入学説明会のときにね、内田校長か    ら、入学式は行いますという説明はあったんでしょう。 ○証人(TH) ええ。紙を配られまして、その説明はされました。 ○処分者代理人(鍛冶) それから、入学式が終わった後で入学を祝う会を行います    よという説明もあったんでしょう。 ○証人(TH) ですから、その紙に従ってずっと日程をお話されただけです。       〔甲第16号証の5を示す〕 ○処分者代理人(鍛冶) 入学式と入学を祝う会の説明はですね、この16号証の5    の書面に沿って説明があったんですか。 ○証人(TH) そうです。このような日程でしますというふうにおっしゃったと思    います。 ○処分者代理人(鍛冶) THさんはですね、入学式を行うことについては、そのと    おりでよいと思ったんですか。 ○証人(TH) その前にいろんな書類が配られておりまして、生徒会とかPTAと    かの書類が配られておりまして、それに一応目を通しておりましたので、その    段階で、校長先生と生徒会、PTAとの意見が違っているということをずっと    書いてありましたので、そのように先生がおっしゃったときには、あ、じゃあ    合意したのか、じゃあどういう形で、どこの段階で合意したんだろうなという    ことの説明があるだろうと思いました。 ○処分者代理人(鍛冶) それから、入学を祝う会というのを行うと言ってますよね。     それはそのとおりでよいと思ったんですか。 ○証人(TH) 私は、入学を祝う会というものがどのようなものか、この段階では    わかりませんので、やっていいか悪いかなどということは私にはわかりません。 ○処分者代理人(鍛冶) それから、THさんは、入学式には出席したんですよね。 ○証人(TH) しました。 ○処分者代理人(鍛冶) 入学式に出席しない生徒や保護者の方もいましたね。いま    したよね。 ○証人(TH) いらしたと思いますけど、私は知りません。 ------------------------------------(35)------------------------------------ ○処分者代理人(鍛冶) 知らないですか。 ○証人(TH) 私は知り合いが一人しかおりませんで、たまたまその知り合いとそ    の日一緒になりまして二人で座っておりましたので、ほかの方がどのようにそ    のときなさっていたか、私は知りません。 ○処分者代理人(鍛冶) 在校生だとか保護者の方々が相当多数集まって出席したか    しなかったかということはわからなかったですか。 ○証人(TH) その日はすごく雨が降っていたのと、東武東上線が朝、車両故障と    か事故とか何かわかりませんけど遅れておりまして、私も受付ぎりぎりに飛び    込んだものですから、もしそれを知らずにいらしていた方がいたとしたら遅刻    も必ず起こり得るだろうし、だから、私としては、そういう方がいらしたかも    しれないし、それはわかりません。私も遅延証明書はいただきました。 ○処分者代理人(鍛冶) 校長が、入学説明会のときにね、入学式を行いますという    ことを言いましたよね。これは何か問題があるというようなことは感じました    か。 ○証人(TH) ですから、その前に配られていた書類に目を通しておりましたら、    こういう二つの意見があって、それが対立しているんだろうなということはわ    かりました。それの、その前に卒業式というのが、あれだけのことがありまし    たので、きっと、校長先生は学校の総責任者でいらっしゃいますので、あのよ    うな混乱はもう起こさないように努力してくださるだろうと思っておりました    ので、で、このように入学式と入学を祝う会をやるというふうにおっしゃいま    したので、これはきっとこの会の直前、このチラシができた後でこの会までの    間に合意がなされて、それでこういうかたちになったんだろうなと私は理解し    ました。 ○処分者代理人(鍛冶) 何か入学式の内容に問題があるんじゃないかと、行事の内    容にね、そういうことは思いませんでしたか。 ○証人(TH) それは私はわかりません。入学式はその学校で独自なものがあるか    もしれませんし、それは私にはわかりません。 ○処分者代理人(鍛冶) 以上です。 ○委員長(坂巻) ありませんか。 ○請求人代理人(中山) ちょっと補充を……。 ○委員長(坂巻) はい。 ○請求人代理人(池永) 前回ちょっと、TH証人の時間がちょっと圧縮されちゃっ ------------------------------------(36)------------------------------------    た関係で、若干、前回のことに2点ほど付け加えてお聞きします。     前回、あなたはですね、竹永先生の説明でこの間の経過がよくわかったと、    非常に納得できたというようなお話をされましたよね。 ○証人(TH) はい。 ○請求人代理人(池永) 何がよくわかったのか、何が納得できたのかというのを、    より具体的にお聞きしたいんですが、3月18日の入学説明会を迎えるまでの    保護者の当時の率直な心境、率直な気持ちとのかかわりで、ちょっと具体的に    述べていただけますでしょうか。 ○証人(TH) 所沢高校のことは少しは、知り合いとか子供の同級生からとかお話    は聞いてたんですけれども、卒業式がああいうふうなかたちで、マスコミでも    非常にセンセーショナルなかたちで取り上げられまして、どうしてこうなった    のかということは報道はほとんどされておりませんでしたし、もちろん生徒と    かに取材はされてましたけれども、それはやはり一方的なことですし、ちゃん    としたかたちで、客観的に見て、どうしてこういうふうになったのかというこ    とは非常に知りたいことでした。     それと同時に、卒業の日にですね、生徒たちが非常に明るい顔できちんと意    見を述べているのを見て、これはきっと悪いことではないのだろうなというこ    とも思っておりました。     それで、でも、あそこまで起こったことですから、何らかの説明が欲しい、    どうしてあそこまでになったのかという説明が欲しいとずっと思っておりまし    て、それは、入学説明会がありますので、きっとここで校長先生のほうから説    明があるだろうと。普通の親でしたら、あそこまで騒がれますと、あいさつの    ところで一言、お騒がせして申し訳ございませんでしたとか、あれはこうこう    こういう理由でこういうふうになりましたが、私はこう考えておりますので御    安心くださいとかという言葉がきっと校長先生のほうからあると思っておりま    したら、そういう言葉はございませんで、ただ入学の日にはこの時間に来てく    ださい、こういうふうにやりますとしかおっしゃらなかったので、あの説明は    一体誰がどこでしてくれるんだろうという思いがずっとありました。     それは、もちろん書類を見てもわかるんですけれども、でも、やはりそれは、    この間も申しましたように、生徒のもの、PTAのものであって、一方向、か    なり、どういう、意見はあっても、もっと客観的なものが欲しいと思っていた    ところで竹永先生が、非常に客観的に静かに具体的にお話しくださいましたの    で、今までの経過がわかり、そしてあの卒業の日にああいうふうになったとい    うこともわかり、そして、今どういう状態で私たちは置かれている、つまりそ ------------------------------------(37)------------------------------------    の、生徒会、教職員と校長先生の意見がどういうふうに違うのかということが    よくわかって、だからああいうふうな状況になっているということも納得でき    ました。 ○請求人代理人(池永) 竹永先生のその説明の内容に関連して、前回、感情的になっ    ているようなことはございませんでしたかと私が聞いて、あなたは、そういう    ところはなかったというふうにお話ししてくれましたが、竹永先生の説明全体    を通して、例えばね、一部分でもね、声のトーンが上がっているとか、校長を    批判しているようなね、そういうような雰囲気であるとか、そういうものはあ    りましたか。全体のイメージをお聞きしたいんですけれども。 ○証人(TH) 竹永先生のお話はほんとにもの静かで、客観的で、非常によくわか    るお話をしてくださいました。これはやはり、その先生の人間性に裏打ちされ    ているんだろうなということが感じられまして、非常に信頼のおけるものであ    るということが感じられました。だからその竹永先生のお話を聞いて会場の皆    さんも、じゃあ4月の9日までにはなんとか校長先生とお話がついて、いい形    で入学の日を迎えられるんだろうなということで、皆さん安心なさったわけで    す。 ○請求人代理人(池永) 最後の質問になりますが、それとの対比で、校長先生の冒    頭の発言なり、あと、式の終盤での質疑応答での発言のやりとりを全体を通し    て、どのような印象をお持ちになりましたか。 ○証人(TH) この間もお話ししましたように、校長先生は、最初のあいさつでも    卒業式のことも、まるでそんなことがなかったかのように一言もおっしゃいま    せんでしたし、それから、質疑応答の中でも、いくら保護者が聞いてもきちん    とした答えを返したことはございませんし、ありませんし、それから、最後に    は、いつまでこんなことを続けているんですかというようなことをおっしゃっ    て、でもその後に、私はかまいませんとおっしゃったので、では続けてくださ    るのかと思ったらその場で切られてしまいまして、その態度、質疑応答の態度    というのは、私たちはこれから入る人間ですので、白紙の状態で入るわけです    ので、その人間に対して非常に挑戦的で、真摯に答えてくだるという気持ちが    見えませんでした。だから、どうしてこの先生はこんなに、これから入る、希    望に満ちて入ろうとしている子供たち、もしくは保護者に対して、こんなに失    礼な態度をとらなければいけないのだろうかということを非常に不思議に思い    ました。     ですから、もっと校長先生が真摯に自分のお考えを自分の言葉で述べていらっ ------------------------------------(38)------------------------------------    しゃれば、あのような質疑応答にはならなかったと思いますし、それまでの過    程でも、もっといいかたちでいろんなことが決定がなされていたのではないか    と、そういう意味でも納得しました。 ○請求人代理人(池永) 以上です。 ○委員長(坂巻) どうも、お疲れ様でした。御苦労様でした。     それでは、請求人側から前に出ておりました、職権発動を求める意見書につ    いて、当委員会として慎重に検討いたしました結果、委員会としては、現段階    においては職権により提出を求める必要はないと、こういうふうな判断に立ち    まして、求めないことにいたします。 ○請求人代理人(中山) 録音テープとか……。 ○委員長(坂巻) 録音テープについてはこの前決定してあるとおりです。 ○請求人代理人(中山) ああ、その2のほうの、出張命令とか……。 ○委員長(坂巻) そうそう、それについてです。     それで、今後の進行についてお諮りしたいと思いますが、両当事者に意向を    伺います。     既に当委員会で採用しております内田証人については、前回の口頭審理にお    いて、次回、つまり第5回、及び次々回(第6回)で尋問を行うことが確認さ    れておりますが、その際の、これ双方申請になっていますが、これは、事の性    質上、どちらかというと処分者側の証人という形のほうが強いというか……。 ○請求人代理人(中山) 何分ぐらいになるんでしょうか。 ○委員長(坂巻) まず、主尋問を処分者側から行うという形でよろしいですか。 ○請求人代理人(中山) 順序はそれでも構わないと思いますけど。 ○委員長(坂巻) そうしますと、時間はどのぐらいになりますか。 ○処分者代理人(鍛冶) 見当つかないですね。 ○請求人代理人(中山) またそんな、そんなこと言っちゃ計画立てられないですよ。 ○請求人代理人(野本) こちらとしては当日反対尋問に入りますから、反対尋問の    準備をして臨むべきなのか、2時間おやりになるということになるか、そこは    はっきりしてください。 ○処分者代理人(鍛冶) 陳述書をですね、出せるか出せないかという、裁判所でよ    くやる、そういう問題もあるんですよね。 ○請求人代理人(中山) そうするとかなり短くやれそうですか。 ------------------------------------(39)------------------------------------ 〇処分者代理人(鍛冶) 陳述書を出せれば1時間ぐらい……。 ○委員長(坂巻) まあ、この事案についてね、こういうところで諮るのはどうかと    思いますが、皆さんに申し上げますが、相当現投階においては証人も多数申請    されているから、長引く可能性がありますよね。 ○請求人代理人(中山) いや、とにかく内田校長の尋問がですね、一番重要で……。 ○委員長(坂巻) だから、今言っているのはそうじゃないんですよ。陳述書につい    て、今、処分者側の代理人から発言がありましたので、今裁判所で非常に活用    しているそういう方法もある程度利用して、その上で、できるだけこの時間を    省くというか、要点に絞って行うということもいかがかと思いますが、どうで    すかね。両代理人がそれに同意していただければいいのですが。 ○請求人代理人(中山) 処分者側で陳述書をできるだけ詳しく作っていただければ、    こちら側の尋問にですね、時間を割いていただけることになると思うわけで、    それは大いに結構だと思います。 ○委員長(坂巻) もしできましたら、できるだけ、時間節約の意味にも、また事実    関係をはっきりこの審理の過程に提出できるという意味でも、是非、そういう    のでしたら出していただいて、それで、なるべく時間を圧縮していただいて…    …。 ○処分者代理人(鍛冶) いずれにしろ、反対尋問というか、請求人側の主尋問は次    回の次回になるんでしょう。 ○請求人代理人(中山) だから、次回、もしね、先生のほうが1時間で済むのであ    れば、残りの時間はこちらの尋問に入るということです。 ○処分者代理人(鍛冶) 途中まで。 ○請求人代理人(中山) ええ。そうすれば、その次で終わる可能性、5月の期日で    終わる可能性もありますね。 ○委員長(坂巻) この次は4月6日ですね。4月6日の2時30分から……4時5    0分ごろまで。4時50分という形にして、2時間と20分という形で。 ○請求人代理人(中山) 最終的にどういうことに……。 ○委員長(坂巻) いやいや、これから聞くんですが、処分者側、大体どのぐらいの    時間ですか、まあ時間どおりに行くように努めてもらいますが。 ○処分者代理人(鍛冶) 陳述書を出すことにしてですね、まあ、それでも1時間前    後ぐらいかかっちゃうんですか。 ------------------------------------(40)------------------------------------ ○委員長(坂巻) 終わりますか、1時間で。 ○処分者代理人(鍛冶) だから、陳述書を出して。はい。 ○委員長(坂巻) では、1時間を1時間10分ぐらいに一応、ゆとりもっておきま    すか。     主尋問が、1時間10分ですから70分、反対尋問がその残りにしますか。 ○請求人代理人(中山) 処分者側が70分で請求人側が残りと。 ○委員長(坂巻) うまくいけば、そうすると、この次で終わりますか。 ○請求人代理人(中山) いや、それは……。     それと、陳述書をいつごろまでに出していただけるか。 ○処分者代理人(鍛冶) 陳述書を出す時期の問題、そうすると、主尋問ができない    おそれもあることはあるんですよね。こちらの出し具合によって、時期によっ    ては、主尋問ができない、準備ができない可能性もある……。 ○請求人代理人(中山) こちらの準備ですか。いや、こちらは、どっちにしたって、    時間が余ればやりますよ。必ずやります。 ○委員長(坂巻) いずれにしても、ゆとりはあるんですよ、2回ですからね。     だから、一応そういうふうに決めておきますが、状況によったら、もっと短    くなるかもっと長くなるか、そのへんは柔軟性を持ってやりましょう。     そうすると、陳述書の提出時期を決めていただいて……。 ○処分者代理人(鍛冶) それ、時期、ちょっとね、できるだけ早くというふうにし    ていただけませんか。 ○委員長(坂巻) いや、やっぱり日にち決めておいたほうがいいと思うんです。     次回は4月6日ですからね、3月の半ばごろまでですか。 ○処分者代理人(鍛冶) ちょっと無理ですね。3月の下旬ごろに……。 ○委員長(坂巻) いいですか、下旬で。 ○請求人代理人(中山) 26日までに出していただくというのは、どうですか。 ○委員長(坂巻) 26日までということで、内田先生にお願いしてください。 ○請求人代理人(中山) 26日にこちらに届くようにしていただくとありがたいん    ですが。26日までに。 ○処分者代理人(鍛冶) だから、直送で……。 ○委員長(坂巻) 直送ですから。     それでは、第5回の口頭審理期日は、平成11年の4月6日火曜日、午後2 ------------------------------------(41)------------------------------------    時30分から、場所はこの前と同じ、埼玉県庁の第3庁舎、講堂で行いますの    で、本日はこれで審理を終了させていただきます。     御協力ありがとうございました。 ○請求人代理人(中山) 5月の後のですね、6月の期日は入れられませんか。 ○委員長(坂巻) この次にしてもらえませんか。ちょっと時間がないんで、申し訳    ございませんが。     午後0時8分閉会                    調書作成事務職員 湯本 佳代子(印)        委員長 坂巻 幸次(印)        委 員 久保木宏太郎(印)        委 員 渡邉 圭一(印) ------------------------------------(42)------------------------------------
(Web管理者記)
前のページ(所高資料)に戻る
前のページ(経過)に戻る