請願書 PTA
1998年3月31日(火)

                         1998年3月31日
埼玉県教育委員会
   教育委員長
      藤井 均 様
                      所沢市久米
                      埼玉県立所沢高等学校PTA
                           会長 沼尾 孝平

               記
一 埼玉県立所沢高校の内田校長の配置転換をここに改めて請願します
一 埼玉県立所沢高校の竹永公一教諭への戒告処分の撤回を請願します
 これら二項の請願に対して、早急に文書にて回答するようお願いいたします。
 この請願は、憲法16条の請願権、及び関係法令に基づくものであることを
 記します。

 人と人との関係が肯定的なものとして成立するには、信頼関係が基底になけ
ればならないと考えます。
 今、この社会にあって様々な問題が噴出しています。とりわけ、教育の世界
において、いじめ、体罰、ナイフ事件等々枚挙にいとまがありません。これは、
基底にあるべき信頼がゆらいでいることの現れと言えましょう。
 自主、自立、自治の校風で知られる所沢高校に内田校長の着任した97年4
月以来の一年を見るに、内田校長は「信頼関係」を築かないばかりでなく、定
着していた「信頼関係」を破壊していると言わざるをえません。これは、伝統
的な校風を崩壊させる行為と思いますし所沢高校のみならず「教育」を荒廃に
導くものと考えます。

 その具体的事実を二、三あげて説明します。

 その一として、PTAは、昨年4月8日の入学式の混乱以降の内田校長の対
応に対し、大きな不信感を拭い去ることができず、7月5日のPTA臨時総会
において県教委に対して、要請文(添付)を決議し、提出しました。その後、
校長、県教育局と話し合いを続けてきましたが、誠意ある回答は得られません
でした。校長の態度に対しては、「先生は子どもが好きですか?」との質問が
出されるほど、その不信は短期間に高まるものであったことをつけ加えます。

 その二として、97年11月にPTAでは、各学年の保護者懇談会を開き、
卒業の日の内容について、生徒の意向を尊重して下さるようお願いしましたが、
結果として、尊重されませんでした。

 その三として、内田校長の言う生徒指導の「最善の努力をした」その結果と
して、内田校長が主催し指示した卒業式への生徒出席者が1230余名中約30
名でしかなかったことに、内田校長が生徒との間に信頼を築けなかった事実が
明らかになっているものと思います。

 その四として、生徒たちがクラス討論から生徒総会の決議、そして、職員会
議の同意を得て、それら総意としてまとめあげた「入学を祝う会」に対する思
いを、教職員を代表して入学候補者とその保護者に伝えたことを問題として、
竹永教諭を処分にいたらしめた内田校長の行為は生徒と教師間の信頼関係を打
ち砕くものであり、とりわけ、教育の場にあっては、許しがたいものと考えま
す。

 また、日本政府も批准し、県議会においてもその推進を決議した子どもの権
利条約の「子どもの最善の利益」「意見表明権」等「子どもの権利」を侵害し、
さらに養育の第一義責任を持つ「保護者の権利」をも侵害するものと考えます。

埼玉県教育局教育長 荒井桂様               要請文  所沢高校では長い間、自主自立の校風のもと、生徒たちの意見が尊重され、 いろいろな行事を生徒たちが自主的に企画・運営してきました。こうした生徒 たちの活動を先生方も暖かく見守り、何事をするにも充分な話し合いを重ね、 納得のいく形で学校生活が進められてきています。自分たちで考え討議し、そ れが反映される場が保障されていること、ここにこそ所沢高校の生徒たちのエ ネルギーの源があると言えるでしょう。  私たち保護者も、無気力に陥る若者が多い時代に、子どもたちがこうした校 風の中でのびのびとエネルギッシュに青春を送っていることに驚きかつエール をおくるものです。まさに今望まれている個性・創造力を培う教育がなされて いると言えるのではないでしょうか。  しかし、今年4月赴任された内田校長は、今までの生徒、先生たちとの話し 合いの結果を尊重せず、充分な話し合いもないままに、入学式において従来の 形でない式を管理職3人でしかも稚拙なやり方で強引に行い混乱を招きました。 そこには新入生及び保護者を暖かく迎え入れようとする姿勢は感じられません でした。  そればかりか、問題は、その後の生徒たち、保護者、先生たちへの対応に学 校の責任者として、また、教師としての誠意が感じられないことです。  生徒に対しては、生徒総会、ホームルーム委員会主催の話し合いなどが行わ れたものの、一方通行的であり、ほとんどの生徒が納得しないままに終わって います。  私たち保護者に対しては、「学校のことは学校にお任せ下さい」を繰り返す ばかりで、素朴な質問に対してすら真摯に応えようという気持ちが感じられず、 あまりの誠意のなさに「所沢高校の校長としてふさわしくない」という声があ がっています。PTA活動に関しても「学校のことにPTAは口を出さないで ほしい」という発言を繰り返しています。定例の場(常任理事会・理事会・P TA総会等)以外の会には「必要ない」となかなか出席していただけない状態 です。これらのことは、常任理事たちが当局に何度か足を運び、事情を話し 「説明の場に出席して下さるよう声をかけていただきたい」と伝えているので 充分ご承知のことと思います。  事の発端は、稚拙なやり方で強引に行った入学式でしたが、それに対し何の 反省もなくこころの伝わらない対応をするばかりの内田校長に対し、私たち保 護者は不信感を強め、いまや教育者としての資質を疑わざるを得なくなるにい たっています。今後の学校運営はもちろんのこと、まさに所沢高校の自主自立 の校風そのものが崩され、生徒たちがやる気をなくしていくのではと危惧して います。  21世紀を担う有為なる若者を育てようとされている教育長には、所沢高校 の現状をふまえ校長等管理職に指導を行うよう要請いたします。また、校長に 改善がみられない場合には、校長の配置転換を含めて適切な対応をするよう強 く要望するものです。  以上、決議いたします。                           1997年7月5日                     埼玉県立所沢高校PTA臨時総会

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