所沢高校 Non-Official 資料80318c

入学を祝う会が生まれるまで 1998年３月18日(水)　入学説明会生徒資料(2/2) （生徒会本部発行）
★入学を祝う会が生まれるまで★
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┌→毎年の生徒総会で承認
┌────┐　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│
│これまで│所沢高校には“日の丸・君が代”に関する決議文というものがあります。
└────┘（資料１）これまでの入学式・卒業式はこの決議文に基づき、“日の丸・
　　│　　　君が代”は行いませんでした。（校長先生にもその点は理解していただ
　　│　　　き、そのような形をとってきました。）
　　↓
（９７’４月）新しい校長先生がいらっしゃる。そこで、“決議文”のことも含め、
　　　　　　これまで所沢高校の行ってきた入学式について話し合いに行く。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（“決議文”に基づいた式にして下さい）

　ところが　学習指導要領にそった式を主張する校長先生と意見の対立。
　￣￣￣￣　当日の朝になっても職員会議の決着がつかない。
　　　　　　　↓
　結果　　　校長先生は職員会議を途中退出。校長先生、教頭先生、事務室長の３人
　￣￣┌─　で従来のものとは別の式を強行してしまう。
　　　│　　
　　　└→　当時の生徒会本部の人達が抗議行動に出たが、校長先生はそのまま式を
　　　　　　強行し、式場は大混乱になってしまった。
　　　　　　　↓
（４月以降）ＨＲ委員会中心に、校長先生に、入学式の混乱について話し合いの場を
　　　　　　求めたが応じてもらえず、説明会（校長先生からの）という形しかとれ
　　　　　　なかった。

　┌────────────────┐　┌────────────────┐
　│　　〈校長先生からの説明〉　　　│　│　　　〈生徒からの意見〉　　　　│
　│●学校運営は学習指導要領にそった│→│●学校運営は、その学校の生徒や教│
　│　ものでなくてはならない。　　　│　│　職員が話し合い決めていくこと　│
　│　私は学習指導要領のとおり行った│　│　じゃないのか。学習指導要領はあ│
　│　のである。　　　　　　　　　　│　│　くまでも指導の“お手本”なはず│
　│　　　　　　　　　　　　　　　　│　│　だ。そのマニュアル通りやってい│
　│　　　　　　　　　　　　　　　　│　│　たら、学校の個性などなくなって│
　│　　　　　　　　　　　　　　　　│　│　しまう。　　　　　　　　　　　│
　│　　　　　　　　　　　　　　　　│　│　　　　　　　　　　　　　　　　│
　│●生徒は教員に指導されるものであ│→│●学校の中心は生徒である。その生│
　│　る。生徒と教職員は対等に話すこ│　│　徒の意志を通す為には、生徒と教│
　│　とはできない。　　　　　　　　│　│　職員が対等に話し合う場がなくて│
　│　　　　　　　　　　　　　　　　│　│　はならない。　　　　　　　　　│
　└────────────────┘　└────────────────┘

★説明会は１学期中何回か行われました。（上の文はほんのその一部です）

　けれど　“学習指導要領”と“生徒は指導されるもの”を主張する校長先生と、
　￣￣￣　“決議文”と“所高のシステム”を主張する生徒側。話し合いは平行線
　　　　　のまま続く。　　　　└─（＝“権利章典”）

しだいに　校長先生の生徒を指導対象としか見てくれない態度、学習指導要領のみ
￣￣￣￣　を重視する姿勢に、生徒側は憤どおりを感じる。
　　　　　「校長先生は生徒の意思より学習指導要領の方が大切なんだ。」という
　　　　　空気が流れる。


→　そんな校長先生の姿勢に３年生の卒業準備委員会が不安を感じる。
　　「これまでの卒業式ができない！」

※今までの卒業式…卒業準備委員会とは、「このような形の式にして欲しい」とい
う原案を作る所。これまで卒業式は、この卒業準備委員会の原案を基に作り上げて
いました。

　けれど　これまでの校長先生の態度を見てきた限り、校長先生が３年生からの要
　￣￣￣　請を組み込んでくれないおそれが大きくなった。

　そこで　→　１９９７．７／１６　卒業準備委員会が校長先生の所へ行く。
　￣￣￣

　┌───────────────┐　　　┌───────────────┐
　│　　　　　〈生徒〉　　　　　　│　　　│　　　　　〈校長先生〉　　　　│
　│　　　　　　　　　　　　　　　│　　　│　　　　　　　　　　　　　　　│
　│今までどおり“日の丸・君が代”│→　←│卒業式では“日の丸・君が代”を│
　│を行わない式にして下さい。　　│　　　│行う。今まで通りの式はできない│
　└───────────────┘　　　└───────────────┘

◎この時点で、生徒と校長先生の間で意見の食い違いが生まれる。
　もしこの状態のまま卒業式を迎えてしまえば…

　　(１)話し合いの決着のつかぬまま管理職が式を強行してしまう。
　　　　└─→つまり、入学式とまったく同じ混乱がくり返されてしまうおそれ大

　　(２)たとえ生徒側が意見を押し通し今年は例年通りの式を行うことができた
　　　　としても、来年以降それが通じるとはかぎらない。

→この(１)、(２)の問題が生じてくる。とにかく「入学式の混乱をくり返すことは
　ぜったいに避けたい！」だからといって、「自分達の式を自分達の意見を無視さ
　れた形にして欲しくない。」と考えた卒業準備委員会が３年生にアンケートを
　とった。

　┌──────┐　　①今までどおりの式を行う。
　│卒業式は　　│　　
　│どんなものに│→　②校長先生のおっしゃる厳粛で清新な式を行う
　│　したいか。│　　
　└──────┘　　③新しい形のものを行う

　┌──┐　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┌───────┐
　│結果│③の新しい形のものを行うという結果が出る。　→│卒業式に代わる│
　└──┘　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│新しい行事を！│
　　│　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　└───────┘
　　└─→式という形をとらない

○なぜなら、校長先生は学習指導要領の“卒業式など（つまり、儀式的行事）では
　日の丸・君が代を行うよう指導する”という部分を主張しているからです。
　“日の丸・君が代に関する決議文”にもあるように、私達所高では、学校という
　場に“日の丸・君が代”の問題(※１)をもちこむことを拒否しています。
　ですから、この決議を守り通すには、式という形、つまり儀式的行事ではなくし
　てしまい、学習指導要領の制限をうけないようにしよう！ということになったの
　です。　　　　　　　　　　（※１）日の丸・君が代の思想・信条に関する問題


校長先生のおっしゃる式とは…
“日の丸・君が代を行う、厳粛で清新なもの”
　　　　　　　　↑　　┌────────────────────────┐
　　　　　　　　│　　│学習指導要領にそったものを主張。生徒の意志よりも│
　　　　　　　　└──│学習指導要領の方を重視する姿勢は明らか。　　　　│
　　　　　　　　　　　└────────────────────────┘

★けれど、ここで疑問★
式の中での主人公は生徒です。その、生徒の一番うれしい形でお祝いしてもらうこ
とが大切なはずです。学習指導要領にそったものが、生徒にとって一番うれしい形
のものでしょうか？特に卒業式においては、所沢高校で３年間過ごしてきた３年生
が、所高生としての誇りを胸に、所高の空気に包まれて卒業という場を迎えたいと
願っていたのです。“私達は所高生として、所高生らしい形で卒業したい！”
厳粛、清新というのは、与えられるものではなく、生徒が自分達で生み出すもので
はないでしょうか。
　　　　　　　　　　　　┌───────────────────────┐
　　　　　　　　┌──┐│実は卒業式を行わなくてはならないというきまりは│
　　　　　　　　│確認││どこにもありません。式という形は、いわば習慣と│
　　　　　　　　└──┘│して定着してきたものなのです。式の形である必要│
　　　　　　　　　　　　│はない。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│
　　　　　　　　　　　　└───────────────────────┘

★生徒主催になった理由★
○これまで、なにかと最後には先生に頼ってしまうことが多かった私達ですが…
┌──────────┐　
│生徒主催にすることで│→自分達で考え、決めてきたことを自分達でやり遂げる。
└──────────┘　このことは生徒の自主・自立につながるはずです。

そして何よりも、３年生を温かく送り出したい！ということが一番の理由です。

３年生に一番おせわになったのは私達生徒にほかなりません。その３年生に
“ありがとう”の気持ちを込めて、自分達の手で送り出したいと思ったのです。

┌──────────────────┐
│又、これと同じことが入学式でも言える│
└──────────────────┘
　　│
　　└→新しく仲間になる新入生を、自分達生徒みんなで迎えたい。
　　　　　　　　　　　　　　　↑
　　　　　　　　　　　　　　　│　　┌──────────────────┐
　　　　　　　　　　　　　　　└──│いっしょに所高で生活していく仲間だ！│
　　　　　　　　　　　　　　　　　　└──────────────────┘

┌───┐　　　　　　　　　┌─生徒総会　→卒業式の代わりになるものとして
│そして│１９９７．１１月─│　　　　　　　卒業記念祭を行う。生徒主催で行う。
└───┘　　　　　　　　　└─職員会議　　入学式に代わるものとして入学を祝
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　う会を行う。生徒主催で行う。
　　　　　　┌─────────────────┐
⇒⇒⇒承認　│この時点で校長先生からの反対はない│
　　　　　　└─────────────────┘

●この時点で、卒業記念祭・入学を祝う会を行うことは学校全体の決定となったので
　す。私達生徒はその決定にそって準備を始めました。
│
└─→四者会議誕生●卒業記念祭、入学を祝う会の内容の原案を作るため、卒業準備
　　　委員会、門出式実行委員会、ＨＲ委員会、生徒会本部の四者で構成。
　　　今年度限りの臨時の組織。
　　　ここで作った原案を基に準備を進めていきました…

┌────┐
│ところが│生徒側が３月に行う卒業記念祭にむけての準備を着々と進める中…
└────┘

┌──────┐
│２学期終業式│●校長先生より“日の丸・君が代を行う卒業式を行う”という
└──────┘　考えを聞かされる。

┌──────┐
│生徒側の抗議│１／８　校長先生のやり方に対しての抗議文（全校生徒の承認）
└──────┘
★卒業記念祭は卒業式の代わりになるものとして、生徒総会、職員会議で承認された。
　その学校全体での決定を校長先生の独断で変えてしまうなんておかしい！
　反対するなら生徒総会の時点で発言するべきだ。決定され、しかも準備の始まった
　今頃になって言い出すのは間違っている。

┌───┐
│同時に│冬休み中、校長先生の方から３年生保護者あてに“卒業式を行う”という
└───┘内容のハガキが出されたことを知る。学校の決定としては、“卒業記念祭”
　　　　　のみを行うことになっているのに、校長先生一人の判断でそのような内容
　　　　　のハガキを出すなんておかしい！
　　　　　（このことは職員会議でも承認されていない）　　　┌───────┐
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　│抗議の声高まる│
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　└───────┘
┌───┐
│そこで│
└───┘
１月１３日　ハガキおよび卒業式のことについて全校生徒と校長先生とで話し合いの
　　　　　　場を設ける。

校長先生の見解　校長には最終決定権がある。（ハガキを出したことも、卒業式を
￣￣￣￣￣￣￣　行うことも）最終的には校長が判断し、決定する。

生徒側の見解　　私達はきちんと話し合いをした上で、生徒総会、職員会議で卒業式
￣￣￣￣￣￣　　に“代わるものとして卒業記念祭”を行うと決定した。その全体で
　　　　　　　　の決定を、きちんと話し合いを行わずに校長先生一人の判断で変え
　　　　　　　　てしまうのはおかしい。卒業式は認められない。

★結局話し合いは平行線のまま。３年生からも“卒業記念祭を行って欲しい。気持ち
　よく卒業したい。”と校長先生に対して抗議文が出される。

　又、これまでの所沢高校での出来事すべてを知ってもらった上で、弁護士の方と
　話し合いの場を設ける。（２回）

　校長先生は管理職として、学校全体の決定にそって学校運営を行わなくてはなりま
　せん。最終決定権の乱用はおかしい！（弁護士さんの話）

┌──┐
│結局│学校としては卒業記念祭を行うと決定しているので、生徒も職員もこれまで
└──┘通り準備を続けた。しかし、当日校長先生は卒業式を強行。
　　　　生徒は出席しないという形で抗議の意思を表明した。
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