142回-参-予算委員会-11号
教育関係
1998年3月26日(木)
《省略》
○魚住裕一郎君 公明の魚住裕一郎でございます。よろしくお願いいたします。
ことしになりまして、新聞、テレビのニュースをずっと見ていますと、非常
に暗いニュースばかりでございます。景気が悪い、そこから例えば中小企業者
が首をつったり海に飛び込んだりというようなニュースがありました。これは
大人の世界かと思いますが、今度子供の世界はもうナイフの事件やいろいろ毎
日のように出ているわけでございます。
そこで、もう経済のことは随分話が出ましたので、教育の方の問題から質問
に入らせていただきます。
その前に、本院でずっと継続になっておりましたスポーツ振興投票法案が、
文教・科学委員会で与野党汗を流しまして修正の上、参議院を通過いたしまし
た。今、衆議院の方に送っているわけでございます。いろんな修正がなされた
ようですが、口の悪い人に言わせれば、ばくち法案というような人もおるわけ
でございます。
非常に教育に関連するかと思いますし、総理が六大改革というふうにおっ
しゃっている教育改革にもどのような影響があるのか、その点につきまして、
この法案に対して総理はどのようにお考えなのか、まず御質問をいたします。
○国務大臣(橋本龍太郎君) この問題がスポーツ議員連盟において議論が始まりま
したのが何年前か、私も今もう忘れてしまいましたが、私自身、運動好きの一
人としてスポーツ議員連盟におりまして、今のようなサッカーブームというも
のがまだ一部の方だけだった時期から私はこの議論があったことを承知いたし
ております。
その当時には、なぜサッカーなんだという議論、あるいは他の競技を考えた
場合どうかという議論、射幸心というものを刺激することはよくないという議
論、いろんな議論が随分長い間議員連盟の中でも交わされました。そして、こ
の資料を見ますと、日本体育協会、日本オリンピック委員会がこの導入を要望
されたのが平成四年となっております。これはスポーツ振興に必要な財源確保
策ということでの御要望でありました。
それ以来、各党におきましても、またスポーツ議員連盟あるいは関係委員会、
さまざまなところで御議論がなされました結果、平成九年の四月に議員立法と
して提案され、衆議院での審議、可決の後、参議院で御審議をいただき、三月
二十一日に一部修正の上可決をされた、そして衆議院に回付をされたというこ
とになっております。
これに対してはいろいろな議論がありました。それを踏まえてであると思い
ますけれども、青少年への影響を懸念する御意見にこたえる形で十九歳未満の
方がくじを買えないように購入を禁止する、あるいは参議院における修正で、
生徒やなんかへの重大な悪影響が考えられるときには文部大臣が停止命令をか
けられるという二重、三重の歯どめを講じていただいたと承知をしております。
議員立法として、これは政府の立場からいたしますならば、見守ってまいり
たいというお答えをするのが本来の立場なんだと思いますけれども、私はここ
まで努力をしてこられた関係議員の努力というものにスポーツ好きの一人とし
て敬意を表したいという思いを持っております。
○魚住裕一郎君 関係議員の努力というのは私も理解をするところでございますが、
ただ教育というのは百年の大計、未来世代にどういう影響を及ぼすかという大
事な事業でございます。幾ら修正してもやはりギャンブル性は消えないんだろ
うというふうに思います。
先般、千葉の成田市で中学二年生の鈴木君が自殺しました。遺書から、先輩
に金をおどし取られたというようなことも載っております。それも、きのうの
ニュースではトランプでしたか、そのギャンブルに負けたかけ金というか、そ
の取り立てに関連してこのような状況が起こっているわけでございまして、教
育現場に与える影響、これについてどのように判断されているかということを
もう一度お聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(町村信孝君) ばくち、ギャンブルと言われます。宝くじと確率は同じ
ぐらいのものですが、宝くじではギャンブルとか余り言わないと思うんです。
しかも、宝くじで身上をつぶしたという人も余り聞いたことはありません。こ
れはあくまでも楽しみで、当たったらおもしろいなといってみんな買うものだ
ろうと思いますので、ギャンブル、かけごととおっしゃる、その基本認識がど
うも私には理解できないというのが一点ございます。
ただ、いずれにしましてもこの収益金の活用によってスポーツの振興、青少
年の健全育成というようなことに大いにこれを活用していくということで、む
しろプラスの方があるんだろう、こう思っております。
ただ、いろいろな方の御心配もございますので、十九歳未満の者にはくじの
購入を禁止する、そのために対面販売を必ず履行する等々の対応も原案でも入っ
ておりますし、さらに修正案では、万が一にもスポーツ振興投票の実施が児童
生徒の教育に重大な悪影響を及ぼすに至った場合には文部大臣がその停止を命
ずることができる、こういう形で二重、三重の歯どめが講じられておりますの
で、私といたしましてはこれが青少年の教育に悪影響を与えるというふうには
考えておりません。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 今、文部大臣が答えた最初の部分が私の感じでもあり
ます。そして、私自身、実は碁、将棋、マージャンを初めとした、あるいはト
ランプもそうですが、室内遊戯は得手でない人間でありますし、また自分で体
を動かすスポーツの方が好きなものですから、人の競技を見てというのは意外
に限られております。そして、そういう意味では、サッカーもおもしろい競技
だと思って見ておりますし人並みに興奮もいたしますけれども、そこに賭博性
ということを言われるのに、何となくそうなのかなと思う部分もありますが、
自分自身が賭博というものが好きではないものですから、もう一つ心理的にそ
こがすとんと落ちません。むしろ、私自身にも宝くじとの類似性の方が頭に浮
かびますというのが率直な感じでございました。
○魚住裕一郎君 いずれ衆議院で採決になろうかと思いますが、今度はぜひ採決に参
加されるところを見ておきたいというふうに私は思います。
さて、非常に教育現場が荒れているというようなことが再三出ております。
少年の非行事件、ナイフの件であるとか自殺者とか相次いで出ております。ま
た、教師も覚せい剤をやったとかいうことが三月半ばに出た、そういう事件が
ありました。生徒も先生も非常に荒れているなという印象というか実感を持っ
ております。
文部大臣、先般、緊急アピールというのを出されたようでございますが、概
要を教えていただけますか。
○国務大臣(町村信孝君) 委員御指摘のように、大変悲惨で衝撃的な事件が相次い
でおりまして、何とかしなければという思いで三月十日に緊急アピールという
のを出させていただきました。
子供たちには、命の重さ、命の大切さ、あるいはナイフを持ち歩かないよう
にということを主としてアピールいたしましたし、また大人たちにも、子供の
声をしっかりみんなで聞いて、子供をみんなで育てていこうということをアピー
ルさせていただきました。
○魚住裕一郎君 子供たちへ命を大事にしようというのはもちろんそうなんですが、
この事態に即してのアピール、言わんとする趣旨はわかるんですが、この実効
性といいますか、本当に文部大臣が教え諭しておられるんだろうというふうに
思いますが、これは子供たちにどのぐらい効いているというふうにお考えです
か。
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○国務大臣(町村信孝君) すべての子供たちあるいは子供を持つ親御さんの心に届
いてもらいたいという切なる願い、希望を込めて出しました。どれだけの効果
があるかと言われても私はにわかに申し上げがたいのでありますが、何とか一
人でも多くの方に伝えていただきたいなと思って、実は三月十六日に教育委員
会の関係者あるいは校長会、教職員団体、PTA、そうした代表者の方々三十
数団体に恐縮ですがお越しをいただいて、私の方からさらにお願いをいたしま
した。
先日、ある友達のお子さんがお父さんに向かって、きょう大臣から手紙をも
らったと言ってきたという話を聞きまして、ああ、それぞれの学校で工夫をし
ていただいているんだなと。何かコピーをたくさんとってそれぞれの生徒に渡
してくださったようでありまして、そうした学校現場の御努力も多としている
ところであります。
もちろん、アピールだけですべてが片づくならこんなに簡単なことはありま
せん。ただ、緊急的な対応ということでありますけれども、さらにこれも既に
報道されておりますが、先日、三月二十四日に専門家会議の報告が出されまし
て、これは主として問題行動があったときどう対応するかという点に絞って、
余り学校の中で抱え込まないようにといったようなことも報告を出していただ
きました。
さらに、来年できるだけ早い時期から、学校に空き教室なんかがあるもので
すから、それを心の教室とでも名づけてそこに常時カウンセラーさん等々の方
にいていただいて、子供がそこで率直に何でも話せるようにしたい、そんなこ
とを新年度からできればということで今詰めているところであります。
さらに、もうちょっと先を考えると、中央教育審議会で今幼児期からの心の
教育の充実などの御審議もいただいておりますが、ゆとりのある教育を実現で
きる、その他のために各般の教育改革をしっかり実現していくということが根
本的な対応になるのではなかろうか、こう考えております。
○魚住裕一郎君 かなりまとめてお話をいただきましたけれども、今度は大人たちへ
のアピールというのもあります。「そこで、保護者の方々に訴えたい。」、
「自分の子どもの行動に責任を十分持ってほしい。」、それはわかるんですが、
何か学校の責任放棄というか文部行政放棄だというふうに読めるんですけれど
も、この点についてはいかがですか。
○国務大臣(町村信孝君) 一義的には私は子供の保護者が責任を持つべきものだと
思います。それは例えば学校で、持ち物検査ということを私は一つの例として
出しましたけれども、それについては今までの学校の雰囲気の中ではとても受
け入れがたいという雰囲気があったのを、もう少し世の中の常識が学校の中で
も通るようにしてくれませんかという当たり前のことを私は言ったつもりであ
ります。
しかし、そんなことを学校でやる前に、まず親御さんが自分の子供は一体ど
んなものを持っているんだろうかということに、例えば持ち物一つとってもそ
れは親がまず見るべき話であろうし、子供のしつけ等々もしっかりとまず親が
やる。学校に余りしつけめいたところまで、正直言って期待のし過ぎなんだろ
うと私は思っておりまして、それは学校の責任放棄とかいうことではなくて、
学校は学校としての役割がもちろんあります。しかし、その前に家庭でもう少
ししっかりと子供を育てていただけないだろうかという思いをそこで述べたつ
もりでございます。
○魚住裕一郎君 第一義的な責任というような表現で答弁していただきました。もち
ろん責任というのは権利あるいは権限と裏腹でございますから、文部大臣の認
識の中でも、子供に対する教育の権限、権利というのは親にあるという認識を
持っておられるということですね。
○国務大臣(町村信孝君) 法律の専門家の先生に釈迦に説法でございますが、それ
はもう憲法にも規定をされておりますようにもちろん権利と義務両方あるとい
うことであります。
○魚住裕一郎君 今、大臣からも出されましたが、おとといですか、協力者会議の報
告というのがあります。この内容のポイントを簡略に文部省の方で説明してく
ださい。
○政府委員(辻村哲夫君) 先日出されました児童生徒の問題行動等に関する調査研
究協力者会議の報告でございますが、このポイントは、副題にもございますよ
うに、「学校の「抱え込み」から開かれた「連携」へ 問題行動への新たな対
応」と、こういう視点に立った提言でございまして、具体的には、問題行動に
対応して、学校における指導体制の充実ということと学校と関係機関との連携
というこの二つについて提言してございます。
まず、一の学校の指導体制の関係でございますが、個々の教師が子供たちの
情報を抱え込まないで、生徒指導主事等にこれを連絡して学校全体としての情
報を共有するということが一つ、それからもう一つは、校内に教師、学校医あ
るいはスクールカウンセラー等が加わりました組織をつくって、そしてさまざ
まな情報をこの場で情報交換あるいは分析して、教師が正確な子供たちの情報
をそうした形で共有するという点、それからそれは単に一学校内ということで
はなく小中高を通した形での指導の一貫性、これらが学校における指導体制と
いう点についてのポイントでございます。
それから、学校と関係機関との連携ということにつきましては、学校がすべ
てこれに対応するということではなく、教育相談所あるいは児童相談所、保健
所、少年補導センター、警察等々さまざまな機関があるわけでございますので、
常時そういった機関と情報交換、連携を構築しておいて速やかな対応がとれる
ようにしておくという点、内容によりましてはそうした機関に対応をゆだねる
ということもあるべしといったことで、学校と関係機関との連携ということに
ついての提言がございます。
ポイントはこの二点でございます。
○魚住裕一郎君 この報告書に対してマスコミの中では、「〝学校万能神話〟崩壊認
め」というような大きな見出しをつけている記事もあります。また、「「キレ
る子供」つかめず」という評価も実は出ているわけでございます。子供には、
学校での先生の前での顔、それから親の前での顔、また友達同士の間における
顔といろいろあるんだろうと思うんです。それぞれかなりギャップがある、だ
からいろんな問題というか、まさかというようなことも出るんだろうと思うん
です。
今のこの報告書は、学校における指導体制、それから関係機関との連携に絞っ
て議論したということでありますが、最も関心を持ち、最も悩んでいるのはや
はり親ではないのか。親との関連をもっともっと掘り下げて、共有する場、今
までもあるでしょうけれども、さらに深く教育内容まで踏み込むような協議の
場というふうなものを議論していかないのか、ちょっとその点をコメントいた
だけますか。
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○国務大臣(町村信孝君) 委員御指摘のように、この問題はいろいろな角度からの
研究、また対応を考えなければいけないということで、たまさかこの協力者会
議では、主としてそういう外部機関との連携をどうしたらいいかということに
やや最初から絞って報告をまとめていただいたという経緯がありますので、決
して学校と家庭の協力関係が重要でないとか、それはさておいてというつもり
では全くございません。
むしろ、私が先ほど申し上げましたように、家庭の重要性というのをもう一
度再認識しようということを言っているわけでございますから、その重要な家
庭と学校との連携をより密接にするということが大切なことはもう言うまでも
ないことでございます。その辺を近々出されます中教審の中間取りまとめでしっ
かりと書いていただこうかなと思っております。
特に、学校は今までどちらかというと閉ざされた学校で、地域社会に対して
も閉ざされ、意外なことに親に対しても実は閉ざされている部分がかなりある。
情報提供も余り十分でないとか、PTAというのはあっても実は余り機能をし
ていない、形骸化しているとかいうような嫌いがやっぱりあった。それは率直
に反省すべき点だろうと私も思っております。
そういう意味で、今言ったPTAの活性化でありますとか、できるだけ親御
さんが参加しやすい時間、夜とか土、日とかに保護者会を開くとか、あるいは
最近ですと、授業を一週間ずっと公開して、いつでもお父さん、お母さん来て
見てくださいといったような公開参観、昔は日でありましたが、週間でやって
できるだけ親に見てもらったりとか、あるいはPTAが主催していろいろな地
域とのイベントをやり、そこに先生や子供も参加をする。いろいろな工夫、努
力が行われておりますので、そうしたことをさらにより一層連携強化の方向で
できるように私どももお手伝いをしていきたいな、こう思っております。
○魚住裕一郎君 確かに、何か問題が起きると突然夕方になって緊急保護者会という
のを招集されてということがよくテレビのニュースに出ておりますが、これを
本当に常設的な、もっと権限のある機関にしていく、そういう方向性でぜひお
取り組みをいただきたいなというふうに思っております。
この報告書、先ほどポイントを聞きましたが、いずれにしても管理という側
面が非常に強く出ておるというのが私の印象でございまして、具体的な連携先
の関係機関についての例示がございます。どの問題につきましても、少年鑑別
所であるとか警察というのが全部項目に出ているわけでございます。警察もい
ろんな少年の事案を扱いながらもいろいろ苦慮されていると思いますが、警察
としての対応はどのように取り組んでおるのか、お知らせください。
○国務大臣(上杉光弘君) 学校の現場と警察、また関係機関との連携をとることは
大変必要なことであります。しかし、学校現場の果たすべき責任と警察が果た
すべき責任というものはおのずと私はあると思います。
そのような意味で、我々は責任を持ってその役割を果たしていくべく情報交
換、意見交換を行うことは必要なことであろうと考えております。特に学校現
場との連携強化には積極的に取り組んでまいりたい、このように考えておると
ころでございます。
○魚住裕一郎君 先般、二十日ですか、都道府県警の少年担当課長らを集めて対策会
議を都内で開いた、そこで関口長官がいろいろ訓示をしたというお話でござい
ます。そして、具体的に警察官が少年に直接語りかけるんだ、また家庭や学校
との連携を警察側から強めるように訓示した、そういうことが新聞に載ってお
りましたけれども、この意図をお教えいただきたい。
○政府委員(泉幸伸君) お尋ねの会議におきましては、全国の担当課長等を集めま
して、春休みの期間中に実施することといたしております少年の刃物使用事件
防止対策強化旬間、これは警察の活動でございますが、これを控えまして、街
頭補導活動、刃物使用による凶悪事件に対する捜査活動の強化、少年の規範意
識の啓発に向けた少年に対する語りかけの強化、学校、家庭、地域に対する働
きかけの強化、さらに販売店に対する指導の徹底などについて協議検討を行い、
全国的な意思統一と趣旨の徹底を図って、この種事案の再発防止に万全を期す
るという趣旨で行ったものでございます。
○魚住裕一郎君 教育現場、そして少年の非行等についてはもうだれもが悩んでいる
ところでありますが、公明におきましても、本当に何かいいアイデアはないの
かと常にみんなで議論をしていたところでございます。
そんな中でこういう提言をさせていただいたんですが、一つは児童生徒のボ
ランティア活動というものを必修科目にしてもいいんではないかというふうに
思います。もちろんいろんな形があろうかと思いますが、優しい心というか、
そういう心を培っていかなきゃいけない、はぐくんでいかなきゃいけないと思
いますし、逆に今度その活動というものが進学であるとか就職にプラス評価さ
れるようなシステムをとれないだろうかということを提言しております。
この点につきまして、文部大臣、御意見がありましたらお教えいただきたい。
○国務大臣(町村信孝君) 公明の皆さん方から貴重な御提言をいただいております。
その中で、ボランティア活動を必修科目にしたらどうかという御提言でありま
す。
ボランティアという本来の趣旨からすると、それを科目化するというのはい
ささか自己矛盾があるのかなという気もいたしますが、現実に、実は私どもも
既に学習指導要領の中でも、特別活動あるいは道徳の時間等々で小中高の各段
階を通じましてまさにできるだけ自発的な形でのボランティアを進めていこう
ということで、高齢者と触れ合ったり、あるいは高校生が幼稚園や保育所に行っ
て小さい子と触れ合ったりというようなボランティア活動、いろいろな清掃活
動等をやっております。
今後のあり方でございますけれども、一つは、高校は単位というものがある
ものですから、平成十年度、要するにこの四月から始まる学年から、ボランティ
ア活動も省令を改正いたしまして、科目、単位として認定するということを始
めることにしております。さらに、小中学校の方はどうかといいますと、これ
は今学習指導要領の改訂作業をやっておりまして、その中で総合的な学習の時
間といったようなものをつくることを考えております。その中で例えばボラン
ティア活動なども適切に組み入れた形でそれを活用していくというようなこと
かな、こう思っております。
いずれにしても、学校の活動の中におけるボランティア活動をより積極的に
有効に活用していくという姿勢でこれからも臨んでまいるつもりであります。
○魚住裕一郎君 公明が提言したのはあと二点ございまして、一つは二十人程度にな
るようなクラス編制、これはやはりゆとりを持たせていく、また教師と十分話
し合いができる場をつくっていくということでございます。もう一点が、実社
会から学んだ豊かな経験を持つ中高年、こういう方の教師への採用を普及させ
たらどうだろうかという、この二点でございますが、これについてもコメント
をいただけますか。
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○国務大臣(町村信孝君) まず、二十人学級のお話をいただきました。
御承知のように、平成五年度から十二年度までということで、今回の財政構
造改革法で実は後倒ししたわけでございますが、この中で、第六次改善計画と
言っておりますが、比較的規模の大きな学校を重点といたしまして、グループ
別の指導とか習熟度別の指導とか、小さい人数で学習集団をつくって、そこで
きめ細やかな勉強ができる、指導ができるといったようなことを中心として教
職員の配置改善をやっているところでございます。現下の厳しい財政状況のも
とで二十人学級というのは、相当なお金もかかるようでございまして、今それ
に踏み切るのはなかなか難しいかなというのが率直な感じでございます。
それから、社会人教師の活用ということで、これは委員今お話しいただいた
ような意義がございますので、この国会で教育職員免許法の一部を改正する法
律案を御審議いただければと思っております。例えば社会人を常勤教員に採用
するために、その教員が扱える対象教科を拡大したりとか、あるいは免許状が
なくても現職の社会人が教壇に立てる特別非常勤講師制度というのがございま
すが、これも教えられる教科を拡大したり、それを採用できる手続の簡素化を
したりということで、積極的にこの社会人教員の採用、活用ということは進め
てまいろうと考えております。
○魚住裕一郎君 確かに膨大なお金がかかるというお話でございましたけれども、空
き教室もいっぱいございますので、ぜひ前向きに取り組んでいただきたいとい
うふうに思います。
少年事件というと、どうしても神戸の少年事件を思い出します。最近も、ど
うして少年事件の刑事事件としての調書が漏れたのか等、新聞をにぎわしてお
りますけれども、この捜査の進捗状況についてはいかがでしょうか。警察。
○政府委員(伊達興治君) 警視庁におきまして、本年一月、革マル派の非公然アジ
トを捜索いたしまして、偽造の警察手帳やら大量のかぎ、印鑑、書類、フロッ
ピーディスク、これらを押収しております。こうした押収物の中、特にフロッ
ピーディスクの一部に先ほど言われました神戸事件の被疑少年の検事調書の中
身を引き写したと思われるような文書があったわけでございます。
警視庁におきましては、こうした資料は革マル派が違法な手段で入手したと
いうふうに見ておりまして、検察当局と連絡をとりながら事案の全容解明を図
るべく所要の捜査を進めている、こういうふうに承知いたしております。
○魚住裕一郎君 今、検事調書ということでございますが、法務省でのこの点に関す
る捜査状況はどうなっているでしょうか。
○政府委員(原田明夫君) お尋ねの事件につきましては、検察当局におきましても
事実関係の解明に努めているところでございます。
ただいま警察当局からもお話がございましたように、警察当局におきまして
も本件については鋭意捜査中と承っております。検察当局におきましては、今
後とも警察当局と密接に連携いたしまして、鋭意捜査を行っていくものと承知
しております。
ただ、その具体的内容は極めて微妙でございますので、捜査内容にわたるこ
とでございますから、お答えは差し控えさせていただきたいと存じます。
○魚住裕一郎君 いずれにしても、この捜査書類というものが表に出て、それが雑誌
に載せられるということ自体大変な失態でございますし、また被疑者、被害者
のプライバシーの問題、また周辺の人たちに大変な迷惑がかかることでござい
ます。二度とあってはならないと思いますが、この点につきまして、再発防止
策というんでしょうか、法務大臣、また国家公安委員長の御答弁をいただきた
いと思います。
○国務大臣(下稲葉耕吉君) お答え申し上げます。
ただいまの事件は、神戸地検で捜査して、そして家庭裁判所、それから関係
者がたくさんいるわけでございます。今お話がございましたように、私どもは
大変に遺憾な事件だと思いますし、検察といたしましても重大な関心を持って
捜査をやっている最中でございますので、その結果を踏まえまして適切に対処
いたしたい、このように思います。
○国務大臣(上杉光弘君) この事案について私も大変重要に受けとめておるところ
でございますが、警察といたしましては、違法行為に対しましては法と証拠に
照らしまして厳正に対処するものと承知をいたしておりますし、二度とこうい
うことのないように努めなければならない、このように考えております。
○魚住裕一郎君 雑誌というと、先般、テレビのニュースを見ておりましたら、文部
大臣の顔が出てきて、雑誌協会ですか、の人と会ってお話をしている場面があ
りました。要するに、再販価格をどうするか云々というようなことで要請に行っ
たんだろうと思いますが、非常に文部大臣は怒っておられました。どういう趣
旨で怒られ、またどういう趣旨のことをおっしゃったのか。
○国務大臣(町村信孝君) 一週間ほど前でありましたでしょうか、雑誌、新聞、そ
れからレコード等々、要するに再販売価格維持制度の存続ということで、今規
制緩和の計画を三月末までにつくるという中で御要請がございました。
それぞれの御要請の中に、日本の文化を守るためにこの再販は必要であると
いうお話でありまして、盛んに文化文化というのをおっしゃる。再販にそうい
う機能があることを私は否定いたしません。ただ、そこまで声高に日本の文化
ということをおっしゃるのならば、果たして今の一部の雑誌社が出しておりま
す、あるいは出版社が出しておりますああした極めて低俗なたぐいの雑誌まで
日本の文化として守らなきゃならないのでしょうか、こう申し上げましたら、
いや、あれは芸術でありますと言うから、いささか私もむかっときまして、あ
れが芸術と言うのならば、もうそれは日本の芸術の程度の低さを示すものだと、
こんなやりとりになったところがお目にとまったのかと思います。
私は青少年の健全育成ということを考えましたときに、雑誌だけではなくて、
放送でありますとかあるいはレンタルビデオでありますとかインターネットの
画像でありますとかさまざまなメディアがあり、そしてさまざまなものが全部
自主規制機関があり、綱領を決め、それぞれの対応をやっていると言うんです。
しかし、現実はどうかというと、委員も御承知のとおり、何にも自主規制をし
ていないに等しいような現状が非常に目に多くつくわけであります。実際、親
御さんたちも、テレビやマスコミの情報が子供に悪影響を及ぼしていると思う
親が八五%いる、あるいは子供に見せたくないと思うテレビの番組があると言
う親御さんが六割強いるということは、非常に多くの親御さんたちが心配して
いるということであろうと私は思います。
したがいまして、これはもちろん文部省だけで全部対応できるとも思ってお
りませんが、関係省庁協力をしながら、今後いかに対応できるか。有害雑誌等々
については県の条例などもありますが、本当にそれだけで十分なんだろうかど
うだろうかというあたりを少しく勉強しながら、何かやれることがないかどう
か、できることは最大限やっていかなければならないのではなかろうかなと。
全部自主規制でやっていただくのが一番いいのです。しかし、どうもそれにゆ
だねていたのでは一向に事態は改善しそうもないなと思うものですから、あえ
てそういう検討を改めて行おうとしているわけであります。
○魚住裕一郎君 そのニュースを見ておりましたらコメントがありまして、文部大臣
のパフォーマンスだというようなコメントもありました。行き過ぎたわいせつ
なグラビアであるとか、確かに問題であろうかと思いますが、表現の自由、報
道の自由、これに対する介入のきっかけをつくるんじゃないかというようなコ
メンテーターもおりました。確かにこの問題は非常に微妙な問題であり、民主
主義の根幹にかかわる問題で、非常にしっかり議論していかなきゃいけないと
思います。今、文部大臣のお言葉の中に自主規制というような言い方がありま
したが、うまく第三者機関みたいなものをつくって対応をしているところもあ
ると私は思います。
先般、放送と人権等権利に関する委員会というところが、三月十九日ですか、
あるテレビで人権侵害されたという方の申し立てに対する決定をなされたわけ
でございますが、これについて概要を教えていただけますか、郵政省の方。
(38/46) 次の分割内容へ
○国務大臣(自見庄三郎君) 魚住委員にお答えをさせていただきます。
もう先生が御専門でございますから、今言われたように、まさに放送という
のは憲法で保障された表現の自由、報道の自由と公共の福祉をどういうふうに
調和していくかということが私は大変大事な点だと思いますし、その中では当
然ただいま先生の述べられた自律という言葉ですね、規律と申しますか自律が
大変大事だというふうに思っております。
その中で、先生から今御指摘のあった放送と人権等権利に関する委員会とい
うのが実は昨年の五月にできました、NHKと民放連の自主的な第三者機関と
して。これがそのパンフレットでございます、持ってまいりました。(資料を
示す)この委員会は「放送による人権侵害の被害を救済するため、放送局が自
主的に作った第三者機関です。」、それからこれは略してBRCと申しますが、
苦情申立人と放送事業者との話し合いが相入れない状況に至っている「苦情を
審理し、「見解」または「勧告」を出します。」と、こういったことですね。
有馬先生が委員長でございますが、八人の有識者、弁護士あるいはそういっ
た方々の委員会でございまして、これは第三者機関として設立されたわけでご
ざいます。同委員会が、ただいま先生御指摘のように、米国におけるサンディ
エゴで大学教授とその娘が殺された事件の報道に関する申し立てにつきまして、
本年の三月十九日に委員会としての初の審理結果を示したところでございます。
その審理結果がいかなることかという御質問でございましたが、その審理結
果は、放送事業者の対応によって異なるが、まず民放三社に対しては、明白な
権利侵害があったとは認められないものの、人権を初め放送倫理に十分に配意
することを強く要望している、こういう結果が出たわけでございます。
○魚住裕一郎君 この被害者の方は、この決定自体、放送局側に立った決定だという
ようなコメントを言っておられるようですが、ただこの救済手続というか機関
があること自体は評価したいし、またそれに基づいて放送した放送局も評価し
たいと思います。
ただ、二局、日本テレビとフジテレビですか、これは今係争中であるがゆえ
にこの手続に乗っからないというような形で判断がなされておらないわけでご
ざいます。この苦情対応機関と裁判所の救済と二者択一というような形ではな
くして、やはり名誉毀損の問題についてはこういう形で早く救済をされること
が大事ではないかと思いますが、この点はいかがですか。
○国務大臣(自見庄三郎君) 魚住委員の御指摘の点でございますが、今言われまし
たように、裁判係争中の案件の取り扱いについての御質問でございます。
確かに先生の御意見も貴重なものだと思うわけでございますけれども、この
放送と人権等権利に関する委員会の運営規則がございまして、これを読んでみ
ますと、「裁判で係争中の問題は取り扱わない。また、苦情申立人、放送事業
者のいずれかが司法の場に解決を委ねた場合は、その段階で審理を中止する。」
と、こういった運営規則がございます。
〔委員長退席、理事岡部三郎君着席〕
今申し上げましたように、これはもともとNHKと民放連が自主的に設立し
た任意団体でございまして、そういった規則があるということは、それはそれ
で任意団体でございますから一つの見識であるのかなというふうに私は思って
おります。
○魚住裕一郎君 この事件にしても、テレビだけではなくして週刊誌や新聞、そうい
う活字メディアを含めた報道全体として疑惑というような印象づけがなされた
というようなことでございます。例の松本サリン事件の河野さんの場合も、全
メディアが袋だたきにしたというようなことがありました。
私は、この放送と人権等権利に関する委員会だけではなくして、やはり全体
的に、公権力の立場で言うのもいかがなものかと思いますが、各国にあるよう
な報道評議会であるとか、あるいはプレスオンブズマンというんでしょうか、
そういうようなものもあったらいいのではないかなと思っておるんですが、こ
れは全体のことでございますので、この点に関して総理の御所見がございまし
たらいただきたいと思います。
○国務大臣(橋本龍太郎君) 先ほど来、議員も非常に注意して言葉を選びながら発
言しておられますように、この問題は、一方は人権というものにどう我々が保
護を加え、また守っていかなければならないか、一方は報道の自由、表現の自
由というものに対してどこまでルールを持つべきか、大変微妙な問題だと思い
ます。
第二次大戦終結前、私どもがまだ物心ついたかつかないかのころであります
が、後で振り返ってみますと、一方的なニュースというものを聞いて私どもは
育ちました。そして、敗戦後それが大きく違っていたことを小学生で知って相
当びっくりしました。その後、そのはね返りのような時期もひところありまし
た。でも、私はその表現の自由あるいは報道の自由というものは日本が敗戦と
いう痛手の中で苦い体験の中から得た一つの財産だろうと思います。同時に、
人権もそうです。
そして、今問われているのはそのいずれかをとるということではない。両方
とも守らなきゃならない。とすれば、やはり公権力が介入をする形ではなく、
報道に従事される方々自身がみずからのルールを持って良識の範囲で報道をと
どめていただく、それだけの、自制心という言い方が適切かどうかわかりませ
んが、報道する自由と報道しない自由を両方持っておられるわけですから、そ
の微妙な境目はやはり関係者の間のできるなら自発的なものがいいです。
しかし、それは放送なら放送、活字なら活字、それぞれの中でのルールを御
自分たちでつくられる、それでないとうまくいかない、あるいは文部大臣がさっ
き言われたように、持っているけれどもそれが守られていないということであ
るなら、これは公務員の倫理規程と同じような言い方をされても仕方がないか
もしれません。
私は、でき得るならこうした問題は国あるいは国会という中で処理するので
はなく、報道に当たられる方々の中でルールをつくられ、そしてそのルールを
守られるように努力をしていただきたい、そう思っております。
○魚住裕一郎君 関連をお願いします。
《省略》
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《省略》
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《省略》
○魚住裕一郎君 終わります。
○委員長(岩崎純三君) 以上で魚住裕一郎君の質疑は終了いたしました。(拍手)
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