社会関係
[希望格差社会]
(山田昌弘著)

【希望格差社会】

   書籍名:希望格差社会
       −「負け組」の絶望感が日本を引き裂く

   発 行:2004年11月10日 初版第1刷発行
       2004年12月30日 初版第5刷発行

   著 者:山田昌弘
   発行者:菊池明郎
   発行所:株式会社筑摩書房
       〒111-8755 東京都台東区蔵前2-5-3
       振替 00160-8-4123

   印 刷:三松堂印刷株式会社
   製 本:株式会社積信堂

   ISBN4-480-86360-5 COO36


【表紙表扉裏より】 戦業・家庭・教育、そのすべてが不安定化しているリスク社会日本。 「勝ち組」と「負け組」の格差が、いやおうなく拡大するなかで、 「努力は報われない」と感じた人々から「希望」が消滅していく。 将来に希望がもてる人と、将来に絶望している人の分裂、 これが「希望格差社会」である。 緻密なデータとともに描かれる、渾身の書下ろし。
【表紙裏扉裏より】 山田昌弘(やまだ・まさひろ) 1957年東京都生まれ。 1986年、東京大学大学院社会学研究科博士課程単位取得退学。 現在、東京学芸大学教育学部教授。専門は家族社会学・感情社会学。 内閣府国民生活審議会委員、東京都児童福祉審議会委員などを歴任。 著書に、    『近代家族のゆくえ』    『家族のリストラクチュアリング』(新曜社)、    『結婚の社会学』(丸善ライブラリー)、    『未婚化社会の親子関係』(共著、有斐閣)、    『家族というリスク』(勁草書房)、    『家族ペット』(サンマーク出版)、    『パラサイト・シングルの時代』    『パラサイト社会のゆくえ』(ちくま新書)など多数がある。
【目 次】 はしがき ――― 先が見えない時代に  ……………………………………………… 3 1 不安定化する社会の中で …………………………………………………………… 7 2 リスク化する日本社会 ――― 現代のリスクの特徴 …………………………… 23  2−1 リスクとは何か  24  2−2 生活リスクの時代的変化  28  2−3 リスクの普遍化 ―― 現代社会のリスクの様相1  36  2−4 リスクの個人化(自己責任の強調) ―― 現代社会のリスクの様相2  41 3 二極化する日本社会 ――― 引き裂かれる社会 ………………………………… 49  3−1 二極化とは何か  50  3−2 格差の時代的変遷  54  3−3 現代社会の格差の特徴  59  3−4 リスク化と二極化の相互連関  68 4 戦後安定社会の構造 ――― 安心社会の形成と条件 …………………………… 71  4−1 「確実性」と「成長」の両立  72  4−2 企業社会の発展  75  4−3 サラリーマン ―― 主婦型家族の形成と安定  81  4−4 パイプラインとしての学校教育制度の成功  86  4−5 高度成長期社会のまとめ  92 5 職業の不安定化 ――― ニューエコノミーのもたらすもの …………………… 99  5−1 不安定化する職業生活  100  5−2 産業構造の転換 ―― 二極化する雇用  103  5−3 夢見る使い捨て労働者  116 6 家族の不安定化 ――― ライフコースが予測不可能となる …………………… 129  6−1 家族関係のリスク化  130  6−2 家族の二極化  144  6−3 家族のリスク化、二極化がもたらすもの  150 7 教育の不安定化 ――― パイプラインの機能不全 ……………………………… 157  7−1 教育問題への視点  159  7−2 現代日本の教育問題の根幹 ―― パイプラインの漏れ  165  7−3 現代日本社会における学校教育システムの崩壊  178 8 希望の喪失 ――― リスクからの逃走 …………………………………………… 187  8−1 若者の意識は変わったのか 188  8−2 希望とは何か  193  8−3 希望の消滅?  199  8−4 リスクからの逃走  211 9 いま何ができるのか、すべきなのか ……………………………………………… 223  9−1 社会改革の必要性  224  9−2 個人的対処の限界  234  9−3 公共的取り組みの再建  240 文献目録  247 あとがき  252
---------------------------------------------------------------------- 〈ちくま新書〉 パラサイト・シングルの時代 山田昌弘 三十歳を過ぎても親と同居し、レジャーに買い物に、リッチな独身生活を謳歌するパラサイト・シングルたち。そんな彼らがになう未成熟社会・日本のゆくえとは? 〈ちくま新書〉 バラサイト社会のゆくえ データで読み解く日本の家族 山田昌弘 気がつけば、リッチなパラサイト・シングルから貧乏パラサイトヘ。90年代後半の日本社会の地殻変動を手掛かりに、気鋭の社会学者が若者・家族の現在を読み解く。 〈ちくま新書〉 教育改革の幻想 苅谷剛彦 新学習指導要領がめざす「ゆとり」や「子ども中心主義」は本当に子どもたちのためになるものなのか? 教育と日本社会のゆくえを見据えて緊急提言する。 家族という神話 アメリカン・ファミリーの夢と現実 ステファニー・クーンツ   岡村ひとみ訳 一九五〇年代アメリカの豊かで幸せな家族像が実は作られたイメージであり、その束縛から逃れ家族の多様性を認めることが大切だと鋭く話題の本。 解説・芹沢俊介 世界がわかる宗教社会学入門 橋爪大三郎 宗教オンチの日本人。でも宗教は世界中の人々の文化や価値観の骨格となつている。「知らない」ではすまされない−・三千年の叡智を凝縮した充実の世界宗教入門。 〈ちくま学芸文庫〉 ハマータウンの野郎ども 学校への反抗・労働への順応 ポール・ウィリス     熊沢誠/     山田潤訳 イギリス中等学校″就職組″の闊達でしたたかな反抗ぶりに根底的な批判を読みとり、教育の社会秩序再生産磯能を徹底分析する。              解説 乾彰夫
(Web管理者記)