科学関係
[スノーボール・アース]
(ガブリエル・ウォーカー著)
【スノーボール・アース】
SNOWBALL EARTH
The Story of the Great Global Catastrophe
That Spawned Life As We Know It
by
Gabrielle Walker
Copyright @ 2003 by
Gabrielle Walker
Translated by
Keiko Watarai
First published 2004 in Japan by
Hayakawa Publishing, Inc.
This book is published in Japan by
arrangement with
Carlisle & Company L.L.C.
through Tuttle-Mori Agency,Inc.,Tokyo.
書籍名:スノーボール・アース
生命大進化をもたらした全地球凍結
発 行:2004年2月20日 初版印刷
2004年2月29日 初版発行
著 者:ガブリエル・ウォーカー
監修者:川上紳一(かわかみ しんいち)
訳 者:渡会圭子(わたらい けいこ)
発行者:早川 浩
発行所:株式会社 早川書房
東京都千代田区神田多町2−2
電話 03−3252−3111(大代表)
振替 00160−3−47799
http://www.hayakawa-online.co.jp/
印刷所:中央精版印刷株式会社
製本所:中央精版印刷株式会社
ISBN 4-15-208550-9 COO44
【表紙表扉裏より】
科学界で大論争を巻き起こしている“スノーボール・アース”。
この地球史上最大の事件をめぐり、
科学者たちが繰り広げる白熱の探求ドラマを再現する。
●
5億数千万年前に起こった、多細胞生物の爆発的な進化(カンブリア紀の大爆発)は
何によってもたらされたのか?
これに答えるのが、スノーボール・アース=全地球凍結仮説である。
かつて途方もなく厚い氷が、赤道付近も含めて全面的に地球を覆っていたことを
主張するこの仮説は、ウェグナーの「大陸移動説」にも匹敵する革命的なものだ。
●
学会のカリスマ、ポール・ホフマンをはじめとして、個性豊かな地質学者たちが、
アフリカの砂漠から北極圏まで地球を縦横無尽に探り、
全地球凍結の証拠を積み上げていく。
そしてその過程を通じ、飛躍的な生物進化の謎が、ついに解明される。
――― オリヴァ-・サックス、リチャード・フォーティ、サイモン・シンから
絶賛を浴びた注目のサイエンス・ノンフィクション。
【表紙裏扉裏より】
著者紹介
Gabrielle Walker ガブリエル・ウォ一カー
ケンフリッジ大学で自然科学の学位を取得する。
《ニュー・サイエンティスト》のエディターであり、
ブリンストン大学でサイエンス・ライティンクを講じた経験も持つ。
本書の執筆にあたって全大陸を巡り、南極点にも赴いた行動派。
監修者略歴
川上紳− かわかみ・しんいち
岐阜大学教育学部助教授。
名古屋大学理学部卒、同大学院理学研究科地球科学専攻修了。
著書は、
スノーボール・アースを日本で初めて本格的に
一般書のかたちで紹介した『全地球凍結』の他に、
『生命と地球の共進化』、
『縞々学…リズムから地球史に迫る』がある。
監修書に『ノアの洪水』。論文多数。
訳者略歴
渡会圭子 わたらい・けいこ
翻訳家。
上智大学文学部卒。
訳書は
『「顧客力」が世界を制す』、
『アンジュのハッピーウエディンク』(以上早川書房刊)、
『複製されるヒト』(共訳)、
『やがて中国の崩壊がはじまる』(共訳)他多数。
【目 次】
プロローグ 13
第1章 最初の生命らしきもの ―― 生命四〇億年の歴史と氷の地球 20
進化の見える場所 21
古代を証言する生きた岩、ストロマトライト 24
生命の多様性を呼び起こした事件 27
全地球凍結のシナリオ 31
第2章 北極 ―― 異端児ポール・ホフマンの出発 37
地質学との出会い 38
探検のドラマ 40
北極への野心 44
北極圏の日常 47
先カンブリア時代という大きな謎へ 50
ナミビアにつづく道 53
露頭という収穫 61
研究上の衝突 66
遍在するアイス・ロックの問題 68
第3章 始まり ―― 先駆者たちの業績 73
ハーランドの冒険 75
きわめて示唆的な発見 84
アガシが提唱したもの 88
プレートテクトニクスという革命 94
大陸移動説が全地球凍結を脅かした? 98
磁場から地球を見通す 101
第4章 磁場は語る ―― 仮説が誕生したとき 104
石の記憶 111
赤道の氷 114
何がスノーボールを解かしたのか? 119
第5章 ユーリカ! ―― 才能ある研究者たちの共同作業 123
アフリカの恐怖 130
凍結の跡 136
研究をはぐくむ友情 141
一九九八年二月十五日 日曜日 ハーバード大学 147
スリリングな理論の構築 151
第6章 伝道 ―― 論争は始まった 155
一九九八年八月 155
仮説がもたらした脅威 160
一九九九年六月 ナミビア 165
地質学者の聖地 174
批判の根拠 176
第7章 地球の裏側 ―― オーストラリアで見えてきたもの 181
氷は想像以上に長く存在していた 187
赤道における季節の問題 190
地軸は大きく傾いていた? 194
気候モデルからのまなざし 197
第8章 凍結論争 ―― 加熱する議論を超えて 200
懐疑派の主張 204
メタン説の顛末 209
激化する論戦 212
科学における革命 222
氷の中の生物 225
気候の大変動とサバイバル 227
第9章 天地創造 ―― カンブリア紀の大爆発へ 234
大爆発の引き金 235
発見された化石 238
多細胞生物の痕跡 243
ロシアのバクテリア 246
垂涎の岩肌 250
化石の時代を特定する 252
生物学的な謎 255
ゆっくり進むDNAの時計 258
凍結が生命を刺激した 263
第10章 やがてまた 268
南アフリカ 二〇〇〇年九月 268
原初の凍結 270
地磁気の変化 272
超大陸のアイデア 277
氷の世界への変貌 280
人類の未来 282
エピローグ 284
解説 “スノーボール・アース”の現在 川上紳− 287
スノーボール・アースをよく知るための参考文献 293
(Web管理者記)