社会関係
[機会不平等]
(斎藤貴男著)

【機会不平等】

   書籍名:機会不平等(きかいふびょうどう)

   発 行:2000年11月30日 第1刷
       2001年 7月15日 第6刷
   著 者:斎藤貴男(さいとうたかお)
   発行者:平尾隆弘
   発行所:株式会社 文藝春秋
       〒102-8008 東京都千代田区紀尾井町3-23
       電話(03)3265-1211
    本文印刷:理想社
    付物印刷:大日本印刷
      製本:矢嶋製本

   ISBN 4-16-356790-9


 斎藤貴男(さいとう・たかお)
 1958年生まれ。ジャーナリスト。『カルト資本主義』(文藝春秋、97年)で
 バブル崩壊以降、オカルティズムに急傾斜する日本の企業社会を描き、
 『プライバシー・クライシス』(文春新書、99年)では、
 国民総背番号制による人間管理・監視にいち早く警鐘を鳴らした。
 今回の『機会不平等』は真に自由な個人とは何かを問いっづけてきた著者の
 総決算的な作品となっている。
 他の著書に『精神の瓦礫 ニッポン・バブルの爪痕』(岩波書店、99年)など。


【表紙カバーより】 機会不平等 「ゆとり教育」と「階層化社会」 派遣OLはなぜセクハラを我慢するか 労組はあなたを守ってくれない 「市場化」される子供たち 不平等を正当化する人びと 優生学は復権した
【帯表より】 「機会の平等主義」が 衰退を招いた? 几談ではない! 私たちは「機会の平等」すら 失いつつある
【帯裏より】
新階級社会の諸相を報告する
問題作!
「非才・無才はせめて実直な精神だけ養ってもらえばよい」
(三浦朱門・教育課程審議会前会長)
「いずれは就学時に遺伝子検査を行い、
それぞれの子供の遺伝情報に見合った教育をしていく
形になっていきますよ」
(江崎玲於奈・教育改革国民会議座長)

【表紙表扉裏より】  「非才、無才には、せめて実直な精神だけ養ってもらえばよい」。  基礎学力を培う主要教科の年間授業数をあえて削減する「ゆと り教育」の真の意図を、教育課程審議会前会長の三浦朱門氏はこ う説明した。  「結果の平等を重視した戦後の社会政策が日本の衰退を招いた」 という主張のもと、九〇年代に行なわれたルール変更。その結果、 私たちは「機会の平等」すら失いつつあるのではないのか。  新階級社会の諸相を鋭く報告する問題作!
【表紙裏扉裏より】 斎藤貴男(さいとう・たかお) 1958年生まれ。ジャーナリスト。 『カルト資本主義』(文藝春秋、97年)でバブル崩壊以降、 オカルティズムに急傾斜する日本の企業社会を描き、 『プライバシー・クライシス』(文春新書、99年)では、 国民総背番号制による人間管理・監視にいち早く警鐘を鳴らした。 今回の『機会不平等』は共に自由な個人とは何かを問いつづけてきた著者の 総決算的な作品となっている。 他の著書に『精神の瓦礫 ニッポン・バブルの爪痕』(岩波書店、99年)など。
【目 次】 まえがき  8 第一章 「ゆとり教育」と「階層化社会」 …………………………………………… 11     「非才、無才には、せめて実直な精神だけ養ってもらえばよい」。     基礎学力を培う義務教育の年間授業時間数をあえて削減する     「ゆとり教育」について、三浦朱門・前教課審会長はこう説明した。     九〇年代の日本型経営の崩壊とともににわかに加速した「複線型教育」     への回帰 −。 第二章 派遣OLはなぜセクハラを我慢するか ……………………………………… 73     住友不動産の「夜のセクハラ大運動会」で餌食になったのは、     派遣OLたちだった。     九五年に出された日経連の政策提言で「雇用柔軟型グループ」に     仕分けされた彼女たちは、果たして「自由」を得たのか。     容姿までもがランク付けされて切り売りされるその「市場」の実際 −。 第三章 労組はあなたを守ってくれない ……………………………………………… 105     市場化する雇用環境を積極的に受け入れよう!。     年俸制、リストラが進む電機・情報関連産業の労組「電機連合」の     急進派委員長は「被害者的運動から創造的運動」への脱皮を唱えた。     だが、その彼が、東芝の労使による非公式組織「扇会」の     出身であったのが私には気になった 第四章 市場化される老人と子供 ……………………………………………………… 147     わずか八畳の民間アパートの一室に三十一人の子供がすし詰め。     神奈川県の学童保育の子供たちは雨の日が嫌いだ。     雇用調整の結果、急増した「共働きでなければ生さていけない世帯」。     だが、女性が安心して働くための社会的インフラは、     財政改革の名のもと逆に、切り捨てられていく 第五章 不平等を正当化する人々 ……………………………………………………… 197     「全てを市場に委ねよ」声高にこう主張しなから、     九〇年代の日本の政策転換を図った一群の「改革」経済学者たち。     彼らの思想はどのようにして形成されてきたのだろうか。     「規制緩和」政策の理論的支柱となった中谷巌氏には塩路天皇支配下     「日産」での強烈な体験があった 終 章 優生学の復権と機会不平等 …………………………………………………… 235     日本の生命保険業界団体の内部向け報告書に     「(今後)遺伝子情報に基づく査定を求めていくべきだ」     との記述がある。     「機会不平等」を是とする優生学的思想はなぜ、復権しっつあるのか。     「社会ダーウィニズム」の視点から、日本の全ての「改革」の文脈を     捉えなおすと ――。 あとがき   286 主要参考文献 290
(Web管理者記)