さあ、そろそろ講義の開始
ということで、講義開始前に、読んでおいたほうがよさそうな本を考える。といってもあまりに専門専門したものでは読みにくいし....と思っていたら、次の本にあたった。
結構拾いものである。著者は、どうやら大学の同窓らしい。しかも似た分野(心理学的と社会学的の違いはあれ)となれば、どっかですれちがってないかな、とか思ってしまう。
読んでいて、まさに「ドキュメンタリー仕立て」「ドラマ」「プロジェクトX」(笑)という印象がぴったり。しかも、荒削りの部分もあるにはあるものの、専門用語を平易に噛み砕いている点は大変評価できる。
学習障害、多動性障害、アスペルガー症候群とかいうことばを知っているだろうか。教育理論や心理学、精神医学の分野で使われていることばだが、これにもとづく教育理論を矯正教育のプログラムとして作り上げたという話だ。舞台は初等少年院の宇治少年院。整列すらままならない子どもたちを、どう「教育」するか、という悪戦苦闘を、教育理論、システム論、精神医学、犯罪心理学などを駆使して見せてくれる。
少年院の参観などを経験した人なら、なるほど、とうなずくところが多いだろう。