「新しい歴史教科書をつくる会」に抗議する女たちの緊急アピールとあいさつ

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「自由主義史観」なるリビジョニズム妖怪の席巻に歯止めを!!

とっくにご承知だと思いますが、昨年あたりから蠢動を始めた藤岡信勝氏らによる「
自由主義史観」は今年になってマンガ家小林よしのり氏らを巻き込んで大きな動きに
なってきました。この十二月には別紙のように「新しい教科書をつくる会」を発足さ
せ、中学校教科書から「従軍慰安婦」の記述削除を経要求しています。同時に地方議
会での削除攻撃も始まり、このリビジョニズム妖怪は日本を席巻しかねまじき勢いです
。
 これに対して様々なところから抗議の声が上がっていますが、「従軍慰安婦」問題
が焦点になっていることもあり、女性による抗議の緊急アピール(別紙2)を出すこ
とになりました。ぜひ女性の方は賛同人になってください。男性は周りの女性にお知
らせください。
 住所・氏名・名前の公表の可否を下記にFAXで。
044-900-1254 (加納)
03-5374-5856 (辻元)

12月18日(水)pm1:30記者会見をして発表します。
暮れの忙しい時期ですが、なんとか都合をつけてぜひご参集ください。
衆議院第二議員会館第三会議室(辻元清美議員)に正午集合

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「新しい歴史教科書をつくる会」に抗議する
女たちの緊急アピール
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 さる12月2日、藤岡信勝・西尾幹二・小林よよしのり氏ら9人の呼びかけ人に「新し
い歴史教科書をつくる会」(以下、つくる会)が結成されました。結成にあたっての
声明文では、この6月に検定を通過した7社の中学歴史教科書が「日本の近現代史全体
を、犯罪の歴史として断罪」する「自己悪逆史観」に貫かれているとし、その例とし
て、「証拠不十分なまま『従軍慰安婦』強制連行説をいっせいに採用した」ことをあ
げています。さらに記者会見では、「慰安婦」問題の記述全体の削除を要求しました
。同様の要求はすでに「明るい日本」国会議員連盟、「日本を守る国民会議」、自由
主義史観研究会などによってなされていましたが、今回の「つくる会」結成には言論
界・経済界から78人が賛同人として名を連ね、さらに広がる気配をみせています。
 私たちは、「従軍慰安婦」問題解決への真摯な取り組みが、アジアとの共生と女性
の人権確立につながると考え、ひれびれに努力を続けてきました。今回の「つくる会
」の欠制覇こうした私たちの努力を真っ向かに否定するものであり、なによりも勇気
をねって名乗り出た元「慰安婦」の方々の名誉と尊厳を傷つけるものです。とうてい
見過ごすことはできまません。

 そこには意図的としか思えない歴史的事実の歪曲・問題の矮小化があります。「つ
くる会」の声明文では、7社の教科書が「強制連行説」をいっせいに採用したことを
「慰安婦」記述削除の論拠にしています。しかし、教科書の記述には「強制連行」と
いう言葉は使われていません。
 また、「つくる会」では「慰安婦」問題を「強制連行」の問題にすり替え、さらに
奴隷狩りのような「強制連行」に限定して「証拠不十分」とその有無だけを問題にに
しています。発掘された歴史的事実として、フィリピンをはじめ占領国では暴力的な
強制連行そのものの証言が、元軍人の回想録なども含め数多くあります。しかし、こ
こで強調したいのは、こうした暴力的な連行だけが強制連行ではないということです
。本人の意思に反した連行は、すべて強制連行です。だましたり、脅かしたり、前借
金でしばったりして連れて行くことが、これにあたります。これらは、当時の国際法
(婦人・児童の売買禁止に関する国際条約等、日本も参加)に違反する行為でした。
また、この国際法では未成年の使役も違法と規定しており、朝鮮・台湾から徴集され
た女性達の半数以上は未成年だったので、これも国際法違反でした。
 しかし、そもそも「慰安婦」問題の核心は、「強制連行」か否かにあるのではあり
ません。人格をもった女性の性を鉄砲の弾や軍馬同様に「戦争遂行の道具」にしたこ
と、そこにこそ問題があります。しかも、朝鮮人女性をはじめとするアジアの女性た
ちは、他国の戦争遂行のために侵略者の男たちへの性提供を強要されたのです。

 12月2日の「つくる会」結成にあたっての記者会見では、「今の基準、今の価値観
」で当時を批判することの非も言われました。当時、日本には国家公認の公娼制度が
あり、したがって戦場における慰安所も合法的というわけです。
 しかし、こうした考えをおしすすめれば、女性の性的自己決定権を踏みにじった当
時の国家公認の買春システム(公娼制度)や、他国の主権を蹂躙した植民地支配や侵
略戦争も「正しかった」と是認することになります。過ちを再び繰り返さないために
は、過去の負の歴史に学ぶ必要があります。
 そして、子どもたちの未来を考えるならば、日本の負の歴史も事実として踏まえな
がら、アジアとの共生と人権の尊重を基調にした教育を自由分に保障することが、大
人の責任ではないでしょうか。
1996念12月15日

呼びかけ人 加納実紀代、鈴木裕子、川田文子、山崎ひろみ、金富子、石川逸子、高
嶋たつ江、森川万智子(12月13日段階)

*呼びかけ人は、今後増える予定です。
*この抗議アピールに賛同する女性の賛同人を募っています(目標1000人)。以下を
切り取りFAX先に送ってください。また、この用紙を周囲に配り広げてください。

FAX先 03-5374-5856

-------------キリトリセン----------
「新しい歴史教科書をつくる会」に抗議する女たちの緊急アピールの趣旨に賛同します
。
名前:             名前の公表(よい・しない)
住所

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(以下あいさつ文)

お元気で新年をお迎えのことと存じます。
昨年暮れ二は「新しい歴史教科書をつくる会」に抗議する女たちの緊急アピールにご協
力いただきましてありがとうございました。12月中旬、50余名の連名をもって賛同
を呼びかけたところ、年内に1000人という目標は軽く突破、1750余人の署名が
集まりました。地域は北海道から沖縄まで、さらにはアメリカ・ドイツ・フランス・オ
ランダ・インドネシア・オーストラリアからも賛同の声が寄せられました。
いまも賛同のファックスがとどいていますが、ともかくも女たちの怒りの声をはやく届
けようと、1月15日、同封のアピールを「新しい歴史教科書をつくる会」の呼びかけ
人9人、賛同人78人に郵送しました。
 ところがその後、「つくる会」の賛同人が25人増えていることがわかりました。う
ち作家の半村良、石原慎太郎、岸田秀、豊田有恒、遠山一行、牧野昇(三菱総合研究所
相談役)、賀来龍三郎(キャノン会長)の7人にはアピールを送りましたが、あとの1
8人は名前がわかりません。ご存じの方はお教えください。
 年あけて、地方議会での「慰安婦」削除決議の動きも強まっているようです。市町村
を含めると、すでに10議会で陳情・意見書を採択。新潟・福井・熊本・鹿児島県議会
、青森・長崎の町議会で継続審議になっています。

**女性と若者がターゲットに!
1月19日 東京ウィメンズプラザで藤岡信勝・小林よしのり・秦郁彦
  呉善花の講演会。主催は東京レディースフォーラム。入場料3000円!
2月3日 10代20代の若者による「慰安婦」削除要求デモ。
  東京・水谷橋公園に午後1時半集合。外務省・文部省にデモとインターネットでよ
  びかけ。

***ぜひご参加をーー東京での反対の動き
1月25日(土)午後1時半「歴史の事実を視つめる会」吉見義明氏
  (神田ぱんせ)
2月7日(金)午後6時「「日本万歳!」史観を問う」鈴木祐子・富山妙子・
  松井やよりさんほか(文京区民センター 都営地下鉄春日駅そば)
2月11日午後1時「「自由主義史観」を問う」彦坂諦・加納実紀代
  (全水道会館 JR水道橋駅3分)