教育はのためではなく子どものために

教育基本法改悪を止めよう! 


緊急アクション
与党議員に教育基本法「改正」反対のメッセージを送ろう

このリーフレット・ビラは10月8日PN学習会の資料をもとに作成したものです。


■「憲法上、核兵器は持てる」という超タカ派政権 - 安倍内閣
  教育基本法
「改正」は何のため?


安倍首相は今臨時国会の最大の課題を教育基本法「改正」だとしています。国会では共謀罪法案などとともに強行採決の可能性もでてきており緊迫した情勢を迎えています。

安倍首相は就任以前、「日本の前途と歴史教育を考える若手議員の会」の事務局長として「つくる会」と連携して歴史教科書攻撃の先頭に立ち、女性戦犯法廷を報道するNHK番組に圧力をかけて改変させ、「憲法上、核兵器は持てる」、「誘導弾等の基地をたたくことも・・自衛権の範囲内」と発言するなど際立った右翼的・タカ派的な言動を一貫して行ってきました。

安倍首相が選任した麻生外務大臣や中川昭一自民党政調会長が日本の核保有を議論すべきだと執拗に発言しているのもこうしたタカ派的体質の表れといえます。


■戦争ができる国づくり=海外権益を守るため命を投げ出す人づくり

教育基本法の改悪案には、「教育の目標」として20項目以上にわたる国民たる「徳目」が示されています。その中に「我が国と郷土を愛する」態度=「愛国心」が盛り込まれています。

「愛国心」教育とは、偽りの理由で開始したイラク侵略戦争への参戦を支持する国民、朝鮮半島での戦争も辞さない国民、戦死しても「名誉の戦死」として靖国神社に祀られることを喜んで受け入れる国民を育成するための教育です。このような「愛国心」を拒否する個人は否定されることになります。

これは戦前の軍国主義教育がそのようなものであったと、戦後の教育が深刻に反省したことでした。その反省の上に立って現行の教育基本法で「個人の尊厳」「個人の価値」の尊重という考え方が大事にされたのです。


■少数エリートと従順な大多数の人づくり=グローバル資本が目指す人づくり

安倍首相の著書「美しい国へ」は、義務教育の改革目標として「なんといっても、喫緊の課題は学力の向上である。」とし、「全国的な学力調査を実施、その結果を公表するようにするべきではないか。学力調査の結果が悪い学校には・・・、教員の入れ替えなどを強制的におこなえるようにすべきだろう。」と言っています。このような「改革」は、

・ 学校を学力テストの結果によって格付けし、予算配分します。
・ ダメな学校はつぶしてもいいと考えています。
・ 親に学校を選択させることで学校教育に市場原理主義を持ち込もうとしています。
・ 結果は、親の経済的格差によりその子の受けることの出来る教育の機会均等が破壊されることにつながります。

安倍首相の教育改革では、グローバル資本の国際競争の目的のために、子どもたちを「学力」による競争社会=「勝ち組」「負け組」教育に引き込み、少数のエリートと、多数の落ちこぼれ大衆という差別選別をしようとしているのです。


■教育基本法改悪案では国家が学校や先生を支配する。

現行教育基本法は、戦前の軍国主義教育が国民を侵略戦争に導いた歴史的事実の反省の上にたって、国家による教育への支配を禁じています。これが、教育基本法10条1項が禁止する教育に対する「不当な支配」です。

しかし、教育基本法が改悪されれば、国家による教育の支配が始まります。

「美しい国へ」では、「学校評価制度の導入」も提唱されています。「学力ばかりでなく、学校の管理運営、生徒指導の状況など国の監査官が評価する仕組みだ。問題校には、文科相が教職員の入れ替えや、民営への移管を命じることができるようにする。」というのです。「ダメ教師には辞めていただく」と公言しはばかりません。

戦争を厭わない国民育成教育・落ちこぼれ切り捨て教育・社会的格差や不満を「国のため」、「公共のため」と抑えつける教育を、国家権力による強制力によってなそうとしているのです。



【資料】 
 [現行法]第十条(教育行政)

教育は、不当な支配に服することなく、
国民全体に対し直接に責任を負つて行われるべきものである。
教育行政は、この自覚のもとに、教育の目的を遂行するに必要な諸条件の整備確立を目標として行われなければならない。

 「改正」法案第十六条(教育行政)
教育は、不当な支配に服することなく、
この法律及び他の法律の定めるところにより行われるべきものであり、教育行政は、国と地方公共団体との適切な役割分担及び相互の協力の下、公正かつ適正に行われなければならない

「改正」法案では、「国民全体に対し直接に責任を負って」が削除されることにより「不当な支配に服することなく」は本来の意味を剥ぎ取られ、法律さえ作れば行政が教育に介入できる内容になっています。

■何故いま教育基本法「改正」か
  日本経済建て直しの活路としての小泉改革とグローバリゼーション


バブル崩壊後、低迷する日本経済の建て直しの活路として日本の大企業と政府は経済のグローバリゼーション、内政面での小泉改革を推し進めました。その結果は次のような深刻な矛盾を生み出しています。

@ 国内的にはフリータ、派遣、請負などの非正規不安定雇用・低賃金労働の拡大、経済格差の増大と固定化。労働者の労働条件の悪化。

A 国際的には世界中に散らばり増大した日本の資産や権益に対して労働争議や抵抗闘争、国際紛争などによる危機を如何に防衛するかという「危機管理」の要求の高まり。これらを政治的軍事的に守るために米と一体となって軍事力強化、支配を進めようとする衝動の高まり。

このような背景のもとで、日本の大企業・財界・グローバル資本と政府は上記に述べたような矛盾を抑え付け、矛盾の爆発の芽を摘み取り、またますます厳しくなるグローバル競争に打勝つために、子どもたちの世代から教育「改革」と称して洗脳教育・グローバル競争に勝てる教育を行おうとしているのです。


■行動のよびかけ

 教育基本法の改悪をとめよう!11・12全国集会

■主 催:教育基本法の改悪をとめよう!全国連絡会 http://www.kyokiren.net/
■日 時:2006年11月12日(日) 13時 開場  13時半 開演
    15時半 デモパレード出発(銀座へ)
■場 所:東京・日比谷野外音楽堂
■参加費:無料(カンパのお願いあり)


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