イスラエル国内から、平和を求める声と運動が起きている |
平和運動は勢いを得つつある |
ここに紹介したのはイスラエル国内の反戦グループ 「公正な平和のための女性連合」 からの翻訳です。翻訳YK |
まさに、イスラエル国内で、シャロンの政策に対する批判がはっきりした形で増大しつつある。ますます多くのイスラエル人が、彼の鉄拳制裁のやり方はパレスチナ人の暴力的反応を呼び起こすだけだ、と言い始めている。イスラエルでこの一週間ずっとおこっている喧騒に近い激論は、イスラエルのやっていること−−たとえば家屋の取り壊しや暗殺など−−が戦争犯罪を構成するものかどうかということであった。この「戦争犯罪」論議は、グッシュ・シャロムがリードしたのだが、この一週間でメディアの多くに浸透した。そして、この週末に「ハアレッツ」紙が、公式のイスラエル軍スポークスマンの信頼喪失をレポートしている。
政府の道徳神話を一掃
今起こっている批判を、過度に強調し過ぎないように気をつけなければならないとは思うが、しかし現にそれは始まっている。私の意見では、これには二つの主要な理由があると思われる。
第一に、ガザ地区での残酷な家屋取り壊しである。これは数百人のパレスチナ人ホームレスを生み出した。「これらの家屋には誰も住んでいなかった」というイスラエルの主張は、写真、ジャーナリストの報告、赤十字の援助、国連の声明、イスラエルの信頼に価する「ベッツェレム」を含むあらゆる人権諸機関の報告などによって、完全に反駁された。
第二に、イスラエル人を意気消沈させた出来事として、イスラエル軍によるパレスチナ人の暗殺があった。それはほとんど一か月にわたる停戦を打ち砕いた。これが意図的に停戦を破壊しようとする(それによって和平のための交渉を避けようとする)行為であったかどうかにかかわらず、その効果は、ハデラとエルサレムの大通りでの死を覚悟しての無差別乱射を含むイスラエル内での新たなテロであった、ということは誰も否定できないであろう。副国防相ダリア・ラビン・ピロソフは、この暗殺を「最悪のタイミング」と特徴づけた。
そして、イスラエル市民は−−鉄拳制裁がパレスチナ人に対する唯一の道であると信じている人々でさえ−−、シャロンはイスラエル市民を守るために首尾よく賢明に行動してきたのかどうかと疑い始めている。ある意味では、アリエル・シャロンが首相であることに積極的な面もある−−つまりそれは焦眉の課題を明瞭にしているからである。シャロンを(従って占領と抑圧を)支持するのか、平和を創り出すための努力を支持するのか。この二つは両立しえない。
増大する平和の諸行動
イスラエルの多くの平和団体は、これまでも占領と平和は両立しえないと主張することを決してやめなかった。そして、日々絶えることなく、抗議行動、監視行動、復旧植樹、家屋再建、検問所監視、封鎖突破行動、等々、等々を行い続けてきた。「公正な和平をめざす女性連合」は、いくつもの機会をとらえて大衆的な集会を創り出すことができた。しかし、最近になって我々は、メディアの中に、また街中においてさえ、これまで以上のものを見かけるようになってきている。広範な平和諸組織が、来週(2月2日、土曜:注)テル・アビブで大規模な集会を計画している。それもまた別途報告したいと思う。
注:集会は、2月9日に変更された−−訳者
命令を拒否する兵士たち
しかし、−−私はもっとも重大なことを最後にとっておいた。今日の「ハアレッツ」紙に、イスラエル軍の53名の将兵が署名した大広告が掲載された。それは、こう宣言している、「私達は、イスラエル国防軍の兵役につき、イスラエル国家の防衛のためのいかなる任務をも果たし続けることを、ここに宣言します。しかし、占領と抑圧の任務は、この目的に資するものではありません−−よって私達は、それに加わることを拒否します。」
と。
これは、イスラエル兵士による、他のイスラエル兵士に対する、占領の軍務に従事しないようにという、前代未聞の呼びかけである。「一つの民族全体を支配し、追放し、飢えさせ、屈辱を与えるために」占領地で戦い続けることを、もはや絶対にするつもりはないと兵士たちが宣言するということは、信じられないぐらい勇気あることである。これは、まだ軍務に服している兵士たちを非常に力づける声明である。そしてこれは、「イェッシュ・グヴル」と「ニュー・プロフィール」(この二つの組織は軍務拒否というこの立場を一貫して主唱してきた)の豊かな道徳的伝統を反映している。それにしても前例のないことである。メディアは、終日彼らにインタヴューの洪水を浴びせた。ぜひとも彼らの数がどんどん増えますように。
よりいっそうの希望をもって ギラ・シヴィルスキー エルサレムより |
「公正な和平をめざす女性連合」 |