米軍再編の狙いと各地での反対運動 (5/6)

- 我々は何をすべきか -


この記事は2005.12.8に行われたピース・ニュース学習会での資料と議論をもとにまとめたものです



 [目次]

 1. 辺野古での基地建設阻止の闘いと「中間報告」
   (1) 辺野古での海上基地建設阻止の闘いの経緯
  
(2) 「中間報告」の内容
 2.中間報告の狙いと背景

 3.各地での反対運動

  
(1) 基地を抱える各地での自治体・住民の反対。
   (2) 各政党の態度。
   (3) 労働運動・反基地運動など
 4.我々は何をすべきか 

3.各地での反対運動
 (1)基地を抱える各地での自治体・住民の反対。


● 各地自治体長の反対声明。

■沖縄:稲嶺恵一県知事「県の基本的考え方とも、まったく相いれないもので、沖縄県としては絶対に容認できない。」
■神奈川:松沢成文県知事「このままでは承服できない。地元と足並みをそろえて国と厳しく交渉する」■相模原:小川勇夫市長「『地元負担の軽減』どころか、負担の強化、基地の恒久化以外の何ものでもない。全く受け入れられない。キャンプ座間への新司令部移転、相模総合補給廠(しょう)への自衛隊移駐など、到底容認することはできない」
■座間:星野勝司市長「地元への誠意ある説明とは思えない。この内容では、到底市民は納得しない」■横須賀:蒲谷亮一市長「本市の意向をどれほどくみ取ってもらえたのかと疑問を抱かざるを得ず、誠に遺憾である。本市としては納得し難い」
■横田:荒井三男武蔵村山市長「横田基地は基本的には整理・縮小、全面返還が望ましく、基地の恒久化につながる拡充・増強は容認できない」
■昭島:北川穣一市長「軍民共用化(の検討)は、騒音の増大につながりかねず、反対の立場に変わりはない」
■山口:二井関成県知事「移駐は騒音の単なるたらいまわしではないか。NLP(夜間離着陸訓練)の誘引にもなり現状では容認できない」
■岩国:井原勝介市長「地元の意見を聞く機会もないのは遺憾で、到底受け入れられない。計画が撤回されるよう運動していきたい」
■広島廿日市:山下三郎市長「住民の生活環境が壊される空母艦載機移転にはどんなことがあっても反対」
■広島:秋葉忠利市長「核兵器の廃絶と世界恒久平和の実現を求め続けてきた市として(厚木基地機能の)移転は容認できない」
■その他:北海道:山口幸太郎千歳市長、茨城県小川町:伊能淑郎町長、宮崎県新富町:川越俊宏町長、鹿児島県鹿屋市:山下栄市長 など


● 米軍基地を抱える全国の十四都道県で構成する渉外知事会(会長・松沢成文神奈川県知事)が、来年三月の「最終報告」に向け、関係自治体の意向を踏まえて米国側と交渉をするよう、政府へ緊急要請。

(北海道、青森県、茨城県、埼玉県、千葉県、東京都、神奈川県、山梨県、静岡県、広島県、山口県、福岡県、長崎県、沖縄県)

● 基地・兵力の再配置や訓練の移転に絡む14の地方議会で、中間報告に反対する決議や意見書などが可決されたり準備されたりしている。

反対決議をしたのは神奈川県相模原市、宮崎県西都市、沖縄県の金武町と嘉手納町、宜野座村など6議会。 神奈川県座間市、宮崎県の新富町と佐土原町、高鍋町、木城町でも中間報告に反対の意向を示す意見書を可決。

● 日米両政府の中間報告に反対する全国の自治体議員のネットワークが広がりつつある。

全国から野党系の議員を中心に百二十四人が同意し、連名で緊急声明を発表。

● 自治体主催の集会など。

相模原市(11/13):相模原市で反対市民集会。千七百人が参加。
座間市(11/18):「キャンプ座間の基地強化・恒久化に反対する市民大集会」。千五百人以上の市民が参加。集会で星野勝司市長は「中間報告に関し、国からいっさいの事前説明がなかった」と怒りをあらわにし、「再編案は基地機能の大強化だ」と批判、そして小川勇夫・相模原市長が「戦車にひかれても反対する」と発言したことを引き合いに「私はミサイルが撃ち込まれても阻止する」と語気を強めた。


 (2)各政党の態度。


● 社民党、共産党は反対

社民党:米国の軍事プレゼンスを縮小・削減させるのではなく、米軍と自衛隊との間での融合・一体化、「日米同盟」の世界化を打ち出して軍事力の増強を図るものである。「日本および極東」の安全に限定した日米安全保障条約の内容すら踏み越える安全保障政策の大転換であり、容認できない(又一幹事長談話)

共産党:二つの側面をみることが重要です。一つは、在日米軍基地の司令部機能の強化をはじめ海外派兵部隊の機動的役割を強化すること。もう一つは、米軍と自衛隊の一体化を進めることです(志和委員長)。

● 民主党、政府の手続きを批判。根本的な批判はしていない。

「まさに運び方の稚拙さ、丁寧さの欠如というものが、今回の自治体の反発を招いている」(前原委員長。 前原は、米での演説で中国が「現実的脅威」だと発言、集団自衛権や改憲も言明した。 これに対して、民主党内部でも批判が出ている。

● 自民、公明。

中間報告を支持。
 (3)労働運動、反基地運動

● 自治労が各地で集会やデモを組織、それに反基地運動が合流、共闘する形。共産党系も労組、反基地運動が集会やデモを組織。

岩国(10/23):米海兵隊岩国基地への空母艦載機部隊と夜間離発着陸訓練(NLP)移転に抗議する「10・23岩国基地機能強化反対市民集会」。 連合と平和フォーラム中国ブロック、連合山口と県フォーラムなどで構成する実行委員会が開き、中国5県から約3千人が参加した。

新田原(12/3):航空自衛隊新田原基地(新富町)への米軍訓練移転問題で、社民党県連、県労組会議など社民系の八団体は三日、同基地正門東側で訓練移転に反対する県民集会。県内の労組員ら約千人が参加。

横田(11/5):基地撤去を求める「横田基地包囲行動」。三千五百人の参加者。主催は労働組合、市民団体でつくる実行委員会。

名護(11/23):米海兵隊普天間基地(沖縄県宜野湾市)を同県名護市のキャンプ・シュワブ沿岸に移設する再編案に反対・抗議する「国の横暴許すな市民集会」。ヘリ基地反対協が主催、地元住民など三百五十人が参加。