映画の紹介

LOVE沖縄@辺野古@高江
監督 藤本幸久・影山あさ子

 
 「アメリカ 戦争する国の人びと」を撮った藤本監督の作品のタイトルが、(ハート)から始まる?!
 見終えて納得した。ハートはLOVE、愛である。これは辺野古と高江で、沖縄の暮らしと自然を愛する人たちが何を考え行動しているかを追った記録映画なのだ。



 04年から撮り続けた映像は辺野古でのボーリング調査に反対する海上行動を追う。波が寄せ来るやぐらやカヌーから役人や作業員にひたすら呼びかけ、抗い続ける姿には涙が出そうだ。「少しでも基地建設を遅らせられればその間に周りが変わるかも」という言葉通り、沖縄の「民意」は大きく変わった。今では県民の9割が新基地建設に反対している。だが高江の声はまだ県民にも十分伝わっていない。でも高江の人々はあきらめない。粘り強い闘いが何を生み出すかを辺野古で知ったから。高江で暮らし続けたいという強い思いを住民がカメラの前で語る。言葉を引き出すインタビュアーの力もすごい。
 「この土地が好きだからここで暮らしたい」大震災を経験した今、この思いは一層私たちの心に響く。天災で生活を奪われた悲しみは尽きない。まして人災の原発事故や、人殺しの訓練のための基地建設で生活を壊されるなんて!

高江ではすでに工事のための砂利や重機が搬入されている。辺野古も日米両政府は新基地建設以外を考えようとはしていない。二つの闘いはこれからも続く。

カメラは高江上空で旋回するヘリコプターを、普天間第二小の上空を飛ぶ航空機を、キャンプシュワブ内の辺野古海岸で訓練する水陸両用戦車を何回も映し出す。轟音と恐怖が、空から、フェンスの向こうからとびかかってくるようだ。


 この映画は12月には、東京・横浜などでも一般上映される。それ以前にもあちこちで自主上映の予定がある。(詳しくはこちらで http://america-banzai.blogspot.jp/ )一人でも多くの方に会場に足を運び、沖縄で何が起こっているのか、人々がどんな思いでいるのかを知ってもらいたい。

 企画制作 森の映画社 2012年108分
Y.A