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岩国の選択に私たちはどう続くのか

映画「消えた鎮守の森 岩国の選択 シリーズ第二章」を見て




 すぐ隣にできるはずだった公園や病院のあるニュータウン計画が突然白紙になり、フェンスに囲まれた米軍住宅が建設されると言われたら、あなたは納得できるだろうか。

 その土地は昔から市民が慣れ親しんだ神社のあった里山の、ちょうど上半分を削って作ったものであり、その土砂は米軍岩国基地滑走路の沖合移設に使われた。爆音が少しでも軽減されるならと、地主たちは計画に合意し住民も騒音や粉塵に何年も耐え、やっと工事が終ったそのとき突然に報道されたのだ。

 住民たちは自治会でまとまって米軍住宅建設反対を訴える。しかし県や防衛施設庁の対応は極めてひどい。9人の自治会長が住民の代表として要請に訪れたのに、たったひとりの役人がメモも取らずテープも回さず「ご意見をお聞きする」というありさまだ。

 岩国は少しの見返りをもらいながら、ずっと国の言うとおり無理(基地拡張)を受け入れてきた。国の無理はどんどん膨らむ。もう無理ですと断ればこれまでの約束さえ平気で踏みにじる。そればかりか見返りと思っていたものが、実はもっとすごい要求の下準備だった。住民には何も知らされず全てが決まる。

 この国は主権在民ではなかったのか?住民投票と市長選と、岩国市民は二度も再編計画に反対の意思をはっきりと示してきた。新たな移設がなければ住宅の増設も必要ない。それを無視して政府は強引に推し進める。県は国にべったりだ。議員も住民の声をとりあげない。民主主義とはなんだったんだろうか。

 先月西山監督に岩国を案内していただき、映画に出演された方たちからお話を聞くことができた。「自治会で、生活の中で反対を続ける。」といった言葉が印象的だった。

 集会では60代、70代の方が再編反対を強く主張している。「住民投票の時はまだ内にいた人たちが外に出て話し始めている」と監督は言う。

 国の仕打ちが岩国の人たちを立ち上がらせたとさえ言える。12月1日に錦帯橋の河原を埋めた11000人が掲げた文字は「怒」であった。
 

「国の仕打ちに怒りの1万人集会in錦帯橋」



原水禁ニュースより転載

 国の岩国イジメはとどまることを知らない。「今、岩国は兵糧攻めにあっている。闘うには外からの援助がぜひ欲しい」「どうせ来るものは来るんだから、黙ってお金だけ貰っておけばいいなんて態度は絶対してはいけない」と市長は言う。

 今必死でがんばっている岩国市民を私たちはただ黙って見つめているだけでいいのだろうか。それぞれの場でも声をあげるのはもちろん、物心両面の援軍を送ることが大切なのではないだろうか。

 新市庁舎建設募金を岩国市民が呼びかけている。全国からの市民の力で、金さえあればいくらでも自治体を脅しつけられると思っている輩に反撃しようではないか。



新市庁舎建設の募金の送り先
<郵便振替>    口座番号 01310-2-96617
             口座名称 岩国市新庁舎募金の会 風

詳しくは「岩国新市庁舎募金の会 風」 のHPをご覧ください。

愛宕山開発と新市庁舎の補助金問題についてはピース・ニュース
「米軍岩国基地と愛宕山住宅開発」 
でも取り扱っています。