■　国連人権委でも非人道兵器として禁止決議されたクラスター爆弾を自衛隊が保有している！

　米軍が湾岸戦争、コソボ、アフガニスタン、イラク攻撃などに使用し、子どもなど民間人犠牲者を多く生み出し、非人道兵器として問題になっているクラスター爆弾を、何と日本の自衛隊が保有していることが明らかにされました。
　小泉親司（共産）議員の質問に対して政府が明らかにしたものです。

　防衛庁・自衛隊は１６年間にも渡り１４８億円分ものクラスター爆弾（数千発分相当）を購入していたのです。アメリカで開発されたＣＢＵ−８７／Ｂ型で、技術提携した国内のメーカが製作したものです。航空自衛隊の戦闘機などに搭載可能で、既に自衛隊は国内の主要基地に配備しています。

キティホーク上のクラスター爆弾

無差別の殺害と破壊を目的とする、すさまじい殺傷力を持ち国連人権委員会でも非人道兵器として使用禁止の決議がされている兵器を、平和憲法下で専守防衛を「たてまえ」としている自衛隊が大量に保有、配備しているのです。しかもこのことが１６年間もの間、国民には何ら知らされずに行われてきたのです。 　国民の知らない間に、自衛隊がこうした残虐な非人道兵器を装備していることは大きな問題です。 　政府、防衛庁、自衛隊に対して「すぐ廃棄せよ！」の抗議メールを出しましょう！ ■　無差別の破壊・殺害を行い、投下後も地雷として残る。クラスター爆弾の残虐性、非人道性 　クラスター爆弾は多数の小型爆弾や地雷を内蔵した爆弾です。投下されると地表近くで炸裂し、内蔵した子爆弾や地雷を広範囲に撒き散らします。

対装甲車両・対人殺傷を目的とする子爆弾を内蔵したクラスター爆弾は、散布後直ちに爆発し無数の金属片を飛散させます。周辺の車両はずたずたに引き裂かれ、人間は肉片になってしまいます。 　地雷を内蔵している場合は、広い範囲を一瞬にして地雷原にしてしまいます。地雷そのものが非人道兵器として禁止されていることはもちろんですが、クラスター爆弾はそれを広範囲にばら撒くという極めて悪質なものです。また復旧作業を困難にするため、通常爆弾に地雷や時限爆弾を混ぜてばら撒くこともあるそうです。

クラスター爆弾の被害に遭った イラクの子ども

クラスター爆弾の被害に遭った イラクの子ども

子爆弾が通常爆弾であっても、不発弾が５〜１２％ほどあり、その不発弾はちょっとした衝撃で爆発するため、投下後にもその危険性が残り、その被害が戦闘とは全く関係のない一般住民にまで及びます。アフガニスタンでは投下食料と間違えたりして触れた子どもが犠牲となっていることが報じられています。イラクでも同様に子どもたちが犠牲になっています。 　このように無差別的で広範な破壊・殺傷を行い、投下後も地雷として殺傷力を継続させるクラスター爆弾は、すぐに使用を禁止されるべき恐るべき非人道兵器です。

　※この記事は「アメリカの戦争拡大と日本の有事法制に反対する署名」事務局のＨＰを参考にしました

■　「専守防衛」をたてまえとする自衛隊がクラスター爆弾を保有するのは何故か？

　クラスター爆弾の特徴は広域を面として制圧することにあります。クラスター爆弾は、先制攻撃的に敵の基地やキャンプ、物資集積場などを攻撃して無能力化することや、侵略軍が、侵攻先のゲリラ的な反抗を抑圧することなどに使われます。ベトナム戦争、湾岸戦争、コソボ攻撃、アフガン戦争、イラク戦争などで米軍は実際にクラスター爆弾をこのように使ってきました。
　石破防衛庁長官は４月１８日の答弁で苦し紛れに「敵が侵攻した場合に使うもので・・・・やむを得ず日本で使う際には、当然、住民の方には非難していただく」などと言っています。本当の狙いは日本の国内ではなく、先制攻撃的に外国の基地や領土において使用することを考えているのではないでしょうか。

　このような政府・防衛庁・自衛隊の動きを見れば、「有事法制」がアメリカと一体となって北朝鮮への先制攻撃を行うための準備であることはますます明らかではないでしょうか。

　国会では「有事法制」の審議が行われています。まず、この自衛隊のクラスター爆弾保有問題について政府・防衛庁・自衛隊を追及することが必要です！

■　有事法制を審議中の「衆院武力攻撃事態特別委」でこの問題を追及するよう要求しよう！
■　野党、民主党、公明党の議員に対してメールやＦａｘを送ろう！