有事法案なんていらない!いよいよ盛り上がる世論!
野党の安易な妥協による修正提案を許さない大きなうねりを!
6・12日比谷公園に5千人以上、6・16代々木公園に6万人結集


 防衛庁ブラックリスト作成と政府・与党による隠ぺいへの国民世論の批判が湧き起こり、野党が一致して国会審議の全面拒否を続ける中、さらには安倍官房副長官の核兵器使用合憲発言と福田官房長官の非核三原則見直し発言により、有事法制の危険性がますます国民の前に明らかになってきている中で、5月23日・24日に続いて、6月12日と16日に東京で2つの大規模な集会が行われ、「有事法制を廃案に!」の大きな声をあげました。



意義あり!有事法制―平和を願う市民の力で廃案に―
6・12全国集会


 6月12日夜、日比谷野外音楽堂で「意義あり!有事法制――平和を願う市民の力で廃案に――6・12全国集会」が、フォーラム平和・人権・環境、テロにも報復戦争にも反対!市民緊急行動、原子力情報室、ATTAC JAPANの呼びかけで開催されました。この集会もすでに4回目で、回を追うごとに参加人員は増え、今回は梅雨入り宣言直後の悪天候の中5000人以上が集まり、日比谷野外音楽堂は北海道から沖縄までののぼりや旗が林立してギッシリ埋まりました。


 主催者から、有事法制の反対運動が政府・与党を追い詰めていることを自信を持って報告し、さらに有事三法廃案と小泉内閣打倒を掲げて闘っていく決意が表明されました。民主党からは横路議員が挨拶に立ち、民主党が役員会で廃案を目指すことを正式に決めたこと、防衛庁リスト問題を徹底的に追及して行くことを表明し、さらに有事法制のもとで自治体や指定公共機関を軍が支配していくことの危険性を強調しました。土井社民党党首は、どんどん反対の声が広がっていること、これからの1週間の闘いがことを決することを指摘し、防衛庁リスト問題、非核三原則見直し発言を徹底的に追及し廃案に追い込んで行く決意を表明しました。

 そのあとさらに、各界代表から挨拶が続きました。池田広島県被団協副理事長は、自らの被爆体験を語り、戦争をなくすことの尊さを改めて訴えました。松倉日弁連副会長は、強制加盟の日弁連が支持政党の違いを超えて基本的人権擁護の一点で有事三法の廃案を求めていくことを表明しました。住基ネット8月5日実施を許さない実行委員会白石氏は、人権保護法案廃案とともに8・5実施凍結を求めていくことを訴えました。最後に沖縄からは、5500人の参加で成功させた「6・8戦争はダメ!有事三法案の廃棄を目指す県民大会」の山内実行委員長から「譲って良いものといけないものがある、有事三法案は絶対に譲ってはいけない、廃案まで追い込む」と挨拶しました。

 このあと、司会者から16日に予定されている「STOP!有事法制 6・16全国大集会」呼びかけ団体からの参加要請メッセージが紹介され、最後に、廃案を目指す集会アピールを採択し、シュプレヒコールでスローガンを力強く確認し、国会請願のパレードに移りました。


STOP!有事法制6・16全国大集会
有事法制の廃案に向けて、全国から集まろう!


 6月16日午後、東京の代々木公園にて「STOP!有事法制6・16全国大集会――有事法制の廃案に向けて、全国から集まろう!」が、陸・海・空・港湾関係労組と宗教者ネット、キリスト者平和ネットのよびかけで開催されました。本集会は、4・19の日比谷公園5千人集会、5・24の明治公園4万人集会に続く3回目のもので、労働者、市民、宗教者、学生など6万人もの人々が参加し、野外ステージ前広場では入りきらず、サッカー場を挟んだ隣の広場をも埋め尽くし、「有事法制を廃案に!」の声をあげました。

 オープニング・アトラクションのあと、開会宣言に続いて、各界からのアピールが行われました。脚本家の小山内美江子さんが「きょうは父の日だが、戦争とは市民を巻き込むものだということを子供たちに伝えてほしい」と法案反対を訴えました。沖縄からは、5千5百人の参加で成功させた「6・8戦争はダメ!有事三法案の廃棄を目指す県民大会」実行委員会の本永氏から、「法案が成立すれば私たちはいやおうなしに戦争に協力させられる」と、廃案への訴えがなされました。

 政党からは、志位共産党委員長、土井社民党党首、生方民主党議員がアピールを行いました。志位氏は、野党が政府・与党を追い詰めている状況を報告し、「しかし、政府・与党は有事法案をあきらめたとはまだ一言も言っていません、闘いの手をゆるめてはなりません、徹底的な痛打を浴びせましょう」とアピールしました。土井氏は「わずかの間に連続して大集会をもつことは大変なこと、日に日に有事法制反対の声は高まっている、この力で息の根をとめようではありませんか」と発言し、さらに日本国憲法が反故にされようとしていることの危険性を訴えました。生方氏は、「民主党の良識派を代表して挨拶」し、小泉内閣を直ちに辞任に追い込んで行こうと訴えました。

 この後、集会に寄せられたメーセージが読み上げられましたが、12日に日比谷野外音楽堂で5千人以上の参加で集会を成功させたフォーラム平和・人権・環境からのものもありました。

 続けて、伊礼日弁連副会長、小林全労連議長、東京・高校生平和ゼミナールの白木さん、片岡海員組合副組合長から、それぞれの立場からの有事法制反対のアピールがなされ、最後に集会宣言が参加者全員で採択され、「有事法制を廃案にしよう!」などの統一スローガンを力強くシュプレヒコールしました。集会後は、3つのコースに別れてデモ行進に移り、日曜日午後の人通りの多い渋谷や新宿の街路で、横断幕・プラカード・のぼり・ビラなどそれぞれの工夫で、有事法制廃案を訴えました。


 5月下旬に入って、とくに5月末の政府・与党の衆議院強行採決の危険が叫ばれたころから、有事法制反対の声は急速に拡大しています、そして単に反対だけではなくそれを行動で示そうという人たちもまた急速に拡大してきているのを強く感じます。12日の日比谷での5千人を大きく上回る集会、沖縄をはじめ全国各地で開催されている大規模な集会、そして本日の6万人という近年にはない平和の大集会が、そのことを如実に示していると思います。これらの勢いを維持・拡大させるならば、政府・与党に「本当に」有事法制をあきらめさせるところまで追い詰めることも可能だと感じています。

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