2月から取り組んできた全国の仲間が国会前に集まった!

リレー行動の寄書きを手に有事法制反対を国会前でアピール

5月23、24日の全国リレー行動交流集会の報告


 私たちピース・ニュースも含めた、全国の反戦・平和運動のグループが2月から取り組んできた「戦争を止めよう!平和を運ぼう!全国リレー行動」は、有事法制関連法案の国会通過を阻止するため、「全国リレー行動 in 東京」を5月23日、24日に行いました。行動には首都圏や大阪をはじめ全国各地からの仲間が参加し、これまでの全国リレー行動のエネルギーを集め、有事法制反対の声として国会に向けてぶつけるものとなりました。

■両日の行動経過は概略次に示すように行われました。
5月23日(金)
  有事法制を止めよう!全国リレー国会行動
  ―国会を全国からのメッセージで包囲しよう―
  14:00〜 国会議員への要請活動
  15:00〜 院内集会
  16:30〜 国会前行動
  18:30〜 「STOP!有事法制5.23大集会(明治公園)」に合流
5月24日(土)
  有事法制を止めよう!全国リレー交流集会
  ―有事法制、イラク戦争と在沖・在日米軍基地―
  13:30〜17:00 

1. 5月23日の行動

 5月23日(金)は有事法制を止めよう!全国リレー国会行動が行われました。有事法制が衆議院を通過して、参議院での委員会審議が続けられている中、なんとしても有事法制の成立を阻止しようと全国から仲間が集まりました。国会議員への要請行動、院内集会、国会前行動と、まさに有事法制が目の前で推進されているその場での阻止行動を展開しました。

 まず2時からは国会議員への要請行動に取り組みました。参議院有事法制特別委員会の民主党委員をはじめ野党議員を中心に、有事法制反対の要請を行いました。参加者約25名が数人ずつ7グループに分かれ、手分けして議員会館内の各議員の部屋を訪問しました。ちょうど委員会が開かれていたため議員は不在のところもありましたが、われわれの主張を言葉と文書で秘書に託しました。一応聞いておくという対応が多かったのですが、若干の意見交換のできたところもありました。ただ、「衆議院では(民主党は)賛成したので」といった議員の姿勢が感じられ、やや手ごたえが弱い面がありました。一方で、「参議院は衆議院と異なるのだから、十分審議を尽くします」と明言してくれる事務所もあり、要請行動は決して無駄ではないと感じられました。

 3時からは衆議院第2議員会館内の会議室に場所を移して院内集会がもたれました。「アメリカの戦争拡大と日本の有事法制に反対する署名」事務局から冒頭の挨拶があった後、全国各地で平和・反基地のために闘っている人々から熱い連帯のメッセージがありました。九州日出生台から、新潟から、高知の若者たちから、在日韓国・朝鮮の方から、横須賀から、埼玉から、ピースボートの人から、韓国通訳の人から、等など。
 また、社民党の山内恵子議員、北川れん子議員、福島瑞穂議員秘書竹村氏から、有事法案を廃案にするまでともに闘っていこうという連帯の挨拶がありました。また、阿部知子議員秘書岡本氏の出席もありました。

 会場には、2月2日以降全国で行なわれたリレー行動で作られた「リレーグッズ」やイラク戦争の悲惨な被害写真などが所狭しと展示され、リレー行動の地道な広がりを感じさせました。また、高知から参加した若者たちは、街頭で延べ5千人の人々に書いてもらった縦1m余り横10m以上の巻紙10本近くある中の1本を会場に展示し参加者の目を引きました。

 院内集会は4時半で終了し、参加者は議員会館を出て、国会前の行動へと続けました。院内集会でも壁に掲示した、各グループが持参した「リレーグッズ」や寄せ書きを手に持ち、国会本会議場側の歩道を歩いて回ろうという企画です。
 当初の予想では、国会側の歩道での行動は警察に静止される可能性が高いため、やれるところまでやろうということでした。議員会館側の歩道で「隊列」を整えて、横断歩道を渡って国会側の歩道を恐る恐る歩き始めました。しかし、衆議院側から参議院側へ歩いていっても「行進」は止められることはありませんでした。それなら声も上げようと、ちょうど参議院のあたりで立ち止まり、柵越しに国会のほうを向き、「有事法制を廃案にしてください!」、「戦争を可能にする法律を作らないでください!」など、全員でシュプレヒコールを上げました。当初の予想に「反して」最後まで行動を続けることができたので、参加者は有事法制反対の気持ちを国会に向けて思いっきりぶつけることができました。

 国会前行動も大成功となったところで、いったんこの日の行動を締め、夜の「STOP!有事法制」の集会へ移動しました。明治公園での集会は、3万人が結集したとのことで、これも大変熱気が感じられました。法案が衆議院を通過したことで危機感を持って参加した人が多かったのではと思いました。

2. 5月24日の行動

 5月24日は全国リレー交流集会が行われました。全国リレー行動を各地で取り組んできた人々が一堂に会して、自分たちの運動の紹介を行い、交流を深め、これからの運動をさらに発展させていこうという集会です。全国リレー行動は電話やインターネットで連絡を取り合っていますが、お互いに顔を合わせたこともない人たちがほとんどです。その人たちが集まって集会を開くことには大きな意義があります。交流集会は渋谷区の笹塚区民会館で開催され、首都圏、大阪、大分、高知、新潟などから50名を越える参加を得ました。

 最初はリムピースの一員として"追跡!在日米軍"の情報発信を続けている、金子豊貴男(相模原市会議員)氏から「イラク戦争、有事法制と在日米軍基地」と題する講演・報告がありました。在日米軍の基地の所在や部隊配置の説明から始まり、多数の写真を使用しての各基地の説明は迫力のあるものでした。特に9.11テロ前後の在日米軍基地の映像は、あわただしさやものものしい警備の様子などをリアルに伝えるものでした。その他、厚木基地、横須賀、横浜ノースドックなど、いずれも米軍の動きを裏付ける写真が紹介され、非常に説得力のある話でした。米軍航空機による低空飛行訓練についても話がありましたが、地上60mの超低空を訓練飛行するもので、ひとつ間違えば事故につながるもので危険極まりないものです。
 続いて、横須賀から参加の筧璃恵子さんからは横須賀基地の状況や現地の運動の取り組みなどについて報告がありました。空母キティホークが退役後、原子力空母が配備されるとの情報があるが、関連した基地整備工事に反対する運動。5月10日に原子力空母カールビンソンが寄港したが、そのときの監視行動。横須賀市が人権宣言を決めようとしているが、それの問題点の指摘と反対運動の紹介などのアピールがなされました。
 また、大分の湯布院から参加された松村真知子さんからは、日出生台の状況と反対運動の紹介がありました。 

 後半は、引き続いて集会に参加した各グループや個人からの発言が行われました。これらに共通していたのは、有事法制と関連して北朝鮮に対する戦争を煽るような動きが強まっているが、これに反対する運動を強化することが重要であるとの認識でした。有事法制が米軍と一体となって北朝鮮を攻撃するための法律あることを考えるならば、このような戦争を挑発するような動きは今後ますます強まることが予想されます。したがって有事法制反対の運動はこれらの動きにも反対していく必要があります。

 また、「日の丸・君が代」の強制に反対して闘っている参加者からは、教育現場での「愛国心」強制など教育基本法改悪を先取りする動きについての報告がありました。

 最後は時間切れとなってしまったので、司会者による今後の行動方針、予定の提起を承認し、「集会アピール」を採択して散会しました。各地から集まった集会参加者は、集会の後も時間の許す限りで交流を続け、今後の運動もがんばることを誓い合いながら帰路につきました。