米におけるハリケーン災害被災者とイラク反戦運動の結合(1)

ブッシュの一般教書演説に対する
米の反戦グループ:Troops Out Now Coalition
(軍隊を直ちに帰還させる同盟)の返答
2006年1月31日
http://troopsoutnow.org/

Troops Out Now Coalition Response to the State of the Union
January 31, 2006


3月18日、ブッシュの犯罪的なイラク侵略戦争開始から3周年を記念して世界中で集会やデモが行われます。
日本でもワールド・ピース・ナウが行動を計画しています。

アメリカでも大きな行動が計画されています。
今回のアメリカの運動の特徴は、昨年アメリカを襲ったハリケーンの被災者達、その支援者たち
の運動とイラク侵略・占領反対の運動が結合して闘われようとしていることです。


ハリケーンによる洪水被害がイラクに膨大な戦費をつぎ込むブッシュ政権による
人災
であったことは既に明らかにされています。

イラク戦争に反対するグループとハリケーン災害被災者の運動が
その共通の根源に対して連帯して力強い動きを示し始めているのです。

こうしたアメリカの運動の動きを伝える記事連載で紹介します。



ブッシュの一般教書演説に対する
米の反戦グループ:Troops Out Now Coalition(軍隊を直ちに帰還させる同盟)
の返答
2006年1月31日

ブッシュの一般教書演説 - 終わりなき戦争と国内の抑圧

伝統的に一般教書演説は大統領にとって自らの成果を強調し将来のビジョンを提示するチャンスである。今夜のジョージ・ブッシュの演説ではどちらの点についても失敗した。なぜなら昨年はあらゆる戦線での恐ろしい大失敗があり、ただただ「最後までがんばる」という陳腐な呼びかけで、何の新しい提案もなかったからである。

大衆は、犯罪的なイラク侵略の3回目の記念日である3月18日を戦争を停止させる大衆抗議行動の日として、ニューヨークのタイムズスクエアへの大衆的結集を含む世界中の抗議行動により、ブッシュのこの一般教書演説に対する返答を与えようとしている。

ハリケーンカトリーナ:人種差別と犯罪的な無視

大統領はハリーンカトリーナが通り過ぎた後に起こった大惨事についての、自らの政権の大失敗についてさっと触れただけであった。しかし世界はニューオーリンズの通りの恐ろしい光景と絶望を覚えている。貧しく黒人でるということで政府のあらゆる部分から見捨てら人々は死んでいったのだ。FMEAが援助を何もしなかったために、渇きのために人々が死んでいくのを、誰もがニュース放送で見ていたにもかかわらず、ブッシュはFMEAの長官に対して「ブローニー、君は大変な仕事をした」と言って賞賛したのだ。

ブッシュはその地域の「再建」を援助すると約束した。しかし国中に散らばった数万人の避難民、その多くがホームレスとなっているのだが、彼らについて言及することはなかった。これらの人々はニューオーリンズに帰りその地域がどのように再建されるかについて決定する権利をもっている。ブッシュの億万長者の友人達ではないが、彼らこそがその地域の再建のための費用を管轄する権利をもっている。

法廷を包み込む


ブッシュは右翼のイデオローグのサミュエル・アリートを最高裁判事として承認してほくそえんだ。「黒人と少数派民族の(入学:訳者注)受け入れは許されるべきではなく、憲法は中絶の権利を保障しない」と論じた訴訟においての自分の功績を「特別に光栄に思う」と書いたアリートはプリンストン大への女性と有色人種の入学に反対するために結成されたプリンストン大学卒業生関係者会のメンバーであった。

銀行は豊かになる一方、民衆は医療費の支払いもできない

ますます多くの人々が健康保険に入れない状態になっているにもかかわらずブッシュは真の解決策を何も提案していない。それどころか、ブッシュは健康保険をより安く手の届くものにするために何の意味もない健康預金口座を推進した。連邦議会予算事務局と財務省でさえその計画は健康保険を持たない人々にはほとんど何の影響も及ぼさないと言っている。これらの健康預金口座は金融業界のブッシュの友人達の手にはより多くの金をもたらすが、米国の35百万人以上の健康保険を持たない人々には何ももたらさない。

一方で、ブッシュは富裕層のための減税が永遠にできるよう支出をカットする約束しているので、健康保険あるいは住宅や教育のような基本的保障への予算はより少なくなるだろう。

警察国家戦略

終わりのない戦争政策を正当化するためにブッシュは「自由」と「民主主義」ということばを繰り返し使った、しかし米国と世界でのブッシュの行動を調べればブッシュがそのどちらにも何の関心もないことをはっきりと示している。ブッシュは、NSAが国諜報監視法と憲法を直接的に犯して令状なしで米国内の人々に対して大規模な盗聴を実施することを承認した。国防省が反戦集会と反戦組織をスパイし、かつ浸入することを認めた。愛国者法のもとで、FBI捜査官は図書館記録、書店の売上げそしてその他の個人情報を調査し何の理由もなく広範な監視を行っている。ブッシュは諜報機関に対して人々を通りから誘拐し、家から逮捕し、国外へ連れ去り、世界中にある秘密の強制収容所で拷問することを命じた。「自由と民主主義」というブッシュの呪文のもとには市民に対する自由と公民権に対する全面的な戦争が対峙しているのである。

エクソンに対する「新エネルギー戦略」

毎年、翌日の新聞の見出しをにぎやかにしようと、ブッシュは新戦略を打ち出してきたが、彼の演説の時間以上に長続きすることはなかった。数年前ブッシュはアフリカでのエイズ治療のために150億ドルを約束した。-- しかしその話は実現しなかった。今年、ブッシュは政府が代替エネルギー開発のための努力をしていると主張した。しかし過去5年間にわたる彼の行動についての調査はブッシュ政権が完全に大石油資本のために働いていることを明らかにしている。2005年にはブッシュ政権は代替エネルギーの予算を50%カットした。

ブッシュは政権をとるやいなや、エネルギー省の再生可能燃料とエネルギー効率化予算を40%近くも削減することを提案した。一方でチェイニー副大統領はエルロン、エクソン、コノコ、シェル石油その他エネルギー企業の重役との秘密会議をしていた。その会議はイラクの石油地図が調査され、ブッシュ政権のエネルギー戦略が作り上げられたのである。ブッシュ政権が「代替燃料資源」を探索するという話をする時は、実際には侵略すべき別の石油の豊かな国を探しているのだと結論づけることができる。

一部の人間にとっては、この政策は非常に成功を収めてきた。-- 月曜日、エクソン・モービルは米国の企業群のなかで、年間収入において360億ドルの記録を達成したと公表した。しかし通勤のためや家の暖房のために記録的な高額を支払う労働者などに取ってみれば、ブッシュのエネルギー政策は純然たる大災難でしかなかった。ブッシュの「代替燃料」の演説にもかかわらず、彼の第一優先のメインの目標は石油企業に最大限の利益を保証することだと断言できる。ブッシュ:「最後までやりとおせ」- 爆撃、拷問、そして占領。

ブッシュはイラクにおける失敗した冒険への自信を回復するために自暴自棄的な企てを行った。それは彼がほぼ三年前に「作戦は達成された」と宣言したとき以来繰り返し使っているのと全く同じ「勝利」のための戦略である。

ブッシュは再び主張した。すなわち、米国は「イラクにおいて攻撃的な行動を取っており、勝利への明確なプランを持っている」と。しかし彼が描いたその計画は3年間続いたのと同じ残忍な計画であった。米の侵略と占領によって死んでいった10万人以上のイラク人について彼は一言も語らなかった。それどころか、彼は戦争を正当化するためのすべての理由がいまや用意周到のウソであることが明らかにされたとについても何も触れなかった。

「自由」と「民主主義」を口にはするが、アブ・グレイブの恐ろしい拷問部屋、イラクの家家への爆撃の継続、劣化ウラン、燐酸、ナパーム弾その他大量破壊の違法兵器の使用は全て、ブッシュのイラクの人々への戦争の残忍な本質を明らかにしている。

イラクへの犯罪的な占領を継続するという誓約に加えて、ブッシュはイランの悪魔的な描写を継続した。ここ数ヶ月、ブッシュと企業メディアの彼の協力者はイラクへの戦争を正当化する時に使ったのと同じ台詞を繰り返している。すなわちイランは「大量破壊兵器」を製造中だというのである。

民主党からの反対なし


ブッシュの犯罪的なイラクへの戦争はイラク中での正当なレジスタンスと世界中での激しい怒りをもたらした。彼が行くところではどこでも、彼は街頭での大衆的な抗議に出くわす。しかしある程度真剣な反対を期待して民主党の対応を聞く人は誰でもひどくがっかりさせられる。民主党を代表して話をしたバージニア州知事のチモシー・ケインはブッシュとさほどの違いもなく、何の現実的な代替案も示さない。ブッシュと違うのは戦術においてのみである。民主党のイラク戦争に対する批判は戦争が10万人以上もの死者をもたらした犯罪的行為であるという事実に基づいたものではなく、ブッシュではイラクの人々のレジスタンスをつぶすことができなかったという事実に基づいたものである。

チモシー・ケイン知事は民主党が戦争に関して騙されたと主張した。しかし民主党はブッシュ政権が持っていたのとまったく同じ情報へのアクセス権限を持っていたのである。彼らはイラク人民への戦争が偽りの前提に基づいたものであることを良く承知していた。しかしブッシュが素早い征服とイラクの莫大な石油埋蔵量の支配をもたらすことを期待して熱狂的に支持したのである。イラクを植民地化しようという計画が明らかに失敗している今、民主党はブッシュのイラク戦争政策を攻撃することで選挙のある年に政治的な得点を稼ごうとしているが、戦争自体に反対することが出来ないでいる。反戦の気運が民主党を応援しても盛り上がってこないのである。

民主党は終わりなき戦争と国内的抑圧についてのブッシュの計画に対して何の挑戦をしているわけでもない;彼らは単に自分たちの方がその問題についてよりよく対処できる管理者であると申し出ているにすぎない。民主党のプログラムは戦争を終結させるためのものではなく、ニクソンのベトナム化戦略を焼直しただけの、戦争を「再配置」するためのものである。つまりいくらかの地上部隊を撤退させる一方絶え間ないイラク市民への爆撃をエスカレートさせるものである。イラク問題とその他の主要な問題について民主党はブッシュとその戦術においてのみことなるだけである。-- 彼らは全く同じ目標を達成しようとしている。なぜなら彼らはブッシュ政権と全く同じ"企業"利益を代表しているからである。このことが、ブッシュの世論調査結果が下降しているにもかかわらず民主党の世論調査結果が上昇しない理由なのである。――彼らは何の代替案も示してはいない。

人々が地球規模での帝国支配の問題、占領、植民地主義について投票する機会をもった場合はどこでも、-- パレスチナでも、ベネズエラでも、ボリビアでも投票者はブッシュの政策に対して反対して立ち上がって来た。たとえ非常な危険があるとしても。しかし人々は民主党ではそのような選択肢は与えられていない。なぜなら民主党は反対党ではないからである。―― 民主党はそのやり方においてわずかな違いがあるだけで、共和党と同じ関心を代表している。

違いを作り出そう。- 街頭において- 3月18日と19日


ワシントンDCの民主党員も共和党員も、人民のために語ろうとしていない。民主党も共和党もウオール・ストリートの右腕であり、グローバル企業支配の政策に貢献している。戦争を終了させたいのなら、医療保険を手に入れたいのなら、教育、住宅を皆の手にしたいのなら、人種差別と闘い、女性や移民、LGBTコミュニティの権利を擁護したいのなら、街頭で大衆的な運動を作り出し、街頭にとどまらなければならない。ふたたび反戦運動を企業政治家の関心に奉仕するように導いてはならない。

我々は共和・民主という戦争政党が決してやらないような運動を作り出さなければならない。―― ここでの労働者人民の闘争と世界中の戦争と占領に反対する闘争を結合させるよう。イラクだけでなく、パレスチナ、ハイチ、アフガニスタン、ネパール、フィリピン、どこにおいても自由と自治のために闘争している人民と結合させよう。

2006年3月18日19日はイラク侵略の3回目の記念日である。トループ・アウト・ナウ・コアリーション(軍隊を直ちに帰還させる同盟)は地域、国家レベルのあらゆる反戦コミュニティに対して、世界と歴史が我々に要求する統一を妨害するあらゆることを乗り越えて立ち上がることを呼びかける。我々は一緒になって戦争にたいする潮流を街頭における反戦レジスタンスの大津波へと変化させることを手助けする機会を掴み取らなければならない。

3月18日と19日の週末、TONC(トループス・アウト・ナウ・コアリーション:訳者注)は岸から岸へ世界中で組織的な大衆行動を呼びかける人々にたして加わる。TONCはこの週末に組織的な抗議者によりこの国中で軍のリクルート・ステーション(兵士募集事務所:訳者注)を標的とした運動を呼びかける。特に、貧しい地域と有色人種の地域の住民リクルートス・テーションをターゲットにすることを。

ニューヨーク・シティにおいて我々は他の住民リクルート事務所とならんで、午前中にハーレム125番街のリクルート事務所に抗議することを呼びかける。

午後には、全ての人々が国中でもっとも良く知られたリクルート・ステーションがあるタイムズ・スクエアに集中することを呼びかける。リクルート・ステーションと全域を閉鎖するために。

TONCは戦争に反対して新年の闘争を開始するにあたり我々の展望を反映した下記の点を提案する。

2004年の大統領選から何か学ぶことがあるとすれば、それは来年秋の議会選挙へ我々のエネルギーを注ぎ込むために、我々は動員解除してはならず街頭から撤退してはならないということだ。反戦運動は決して再び企業や政治党派の利益に従属させるためにその独立性をだまされて引き渡すことを許してはならない。我々の成長、我々の独立、我々の認知度、我々の実効性、力と存在そのものは戦争を止める闘争の主戦場である街頭で作り出す反戦運動によっている。

我々はイラクだけでなく、アフガニスタン、パレスチナ、ハイチそして人々が占領と内政干渉、植民市主義に対して立ち上がっている世界中のあらゆる部分で、全ての運動が植民地主義的占領を終わらせるよう要求することを強く訴える。イラクでのレジスタンスの頑強さ、占領に反対するパレスチナ人の継続する闘争、ラテンアメリカとカリブ海諸島の事実上の地域レベルでの米帝国主義に対抗する反乱などを見ても、植民地主義的占領と帝国に対する闘争の戦線が相互に関連しあっていることがわかる。。イランに対して成長しつつある経済的軍事的攻撃の脅威はもう一つの警告である。ここでの反戦運動がこれらの戦線と連帯すればするほど、我々の運動は独立し、活気に満ち、戦争と帝国主義に対するより大きな世界の闘争の主要部となる。

国内戦線においては、運動としての我々の課題は貧しい人々、労働者人民、特に人種差別と闘う人々との完全な連帯である。カトリーナの避難民、移民労働者、交通労働者などほど、反戦的な人々はいない。我々にとって労働者、貧しい人々の実際の参加を円滑にするための最良の方法は彼らの毎日の闘争と反戦運動を結束させる有意義な方法を見出すことにある。

全ての軍隊を他たちに帰還させよ

イラクとアフガニスタンからパレスチナとハイチまで、全ての植民地主義的占領を終結させよう


3月18日を作り上げるためにあなたができること。

支持を! - 「軍隊をただちに帰還させよ!」と叫ぶ人々のリストにあなたの氏名を!支持者は数百人に増えています。
募金 − 海岸から海岸までの全国動員費用に援助を − ステージと音響、数万のリーフレットの印刷、バスの手配、そして移動。
あなたの地元での活動を記載してください。

カトリーナ避難民の闘争の支援を。爆弾ではなく堤防を。

違法な監視を止めさせよう。「愛国者法」を廃棄しよう。

女性、移民、LGBTコミュニテイへの攻撃を止めさせよう。

イランへの戦争反対

ベネズエラ、キューバから手を引け

ラテンアメリカとカリブ諸島からアフリカ、アジア、中東まで − 内政干渉をするな。

戦争ではなく!仕事、医療、住宅、学校へ予算を回せ。