STOP!ブッシュ・小泉 2005年1月
アフガン・イラクの次を北朝鮮にするな
◆◆有事立法が成立してしまいました。平和憲法を打ち砕くような暴挙です。◆◆
しかしこれで全てが決まってしまったわけではありません。
●私たちは、戦争準備の一つ一つの動きに反対して、有事法制を発動させず、再び日本が侵略戦争を行う国にならないよう平和の取り組みを強めていかなければなりません。

●これまでの「やめろイラク攻撃!STOP!ブッシュ・小泉」のコーナを、「STOP!ブッシュ・小泉!アフガン・イラクの次を北朝鮮にするな」コーナに変更して、引き続き戦争への危険な動きに警鐘を鳴らして行きたいと思います。
イラクでの植民地支配の実態、日本やアメリカによる北朝鮮への戦争準備の動きと
それに反対する動きなどを伝えてゆきます。

 2004年12月のページへ


 1/20 ブッシュの大統領就任に抗議して米大使館へ
    米軍のイラク即時撤退を要求する行動


米反戦団体の就任反対行動に連帯して

 戦争と極端な社会的不公正の政策をあと4年も継続させるな!と、米国の反戦団体「ANSWER」らが、ブッシュ就任に反対してワシントンDCに結集する行動を呼びかけている。これに連帯して1月20日夜、米大使館近くの虎ノ門JTビル前において、WORLD PEACE NOW呼びかけの「1/20: もう戦争はやめよう。米軍はイラクからただちに撤退を  ブッシュ大統領の就任式に、イラクからの撤退を要求する米大使館アクション」が、寒風が吹くなか1時間半にわたって行われた。

 集会ではまず、「女性国際戦犯法廷」を扱った番組のNHKによる改ざんと安倍・中川両議員の番組介入問題で、先頭に立って闘っているVAWW-NETジャパンの代表から、闘争報告と連帯支援依頼の挨拶があった。続いて平和フォーラムなど諸団体から、イラク戦争糾弾、ブッシュ就任抗議のアピールがあった後、ブッシュ大統領宛ての「もう戦争は止めよう!米軍はイラクからただちに撤退を!」の要請書を全員で確認し、三々五々と米大使館へ渡しにいく行動に入った。
 しかし、いつものように警察は何の法的根拠も示さず、米大使館への通行を妨害し、民主主義的な要請行動の権利さえも奪った。集会は国家権力・警察の違法な妨害を激しく批判しながらも、要請書を4人の代表者に託して米大使館に届けた。
 集会ではその後、4人の代表者からの報告を聞き、さらに諸団体からのアピールを受け、最後にイラク戦争開戦2周年の3・19行動への取り組みと、明日からはじまる通常国会での目白押しの軍国主義的諸法案との闘いを確認して集会を終えた。

 1/12〜
 1/19
安倍、中川両議員とNHK幹部が
   前言をひるがえして見苦しい言い訳


女性国際戦犯法廷のNHK番組への
       政治介入を許してはならない


両議員とNHKへの抗議
   勇気ある内部告発者らへの激励の声を


 安倍晋三議員(現自民党幹事長代理、当時内閣官房副長官)と中川昭一議員(現経産相)が、従軍慰安婦とその天皇の戦争責任を明らかにした国際戦犯法廷を取材した番組に露骨に政治介入し、番組内容を改ざんさせたことが、朝日新聞のスクープと勇気ある内部告発によって12日明らかになった。憲法21条の表現の自由、検閲の禁止への重大な侵害であり、放送法3条の放送への不干渉に対する重大違反である。
 両議員とNHK幹部は、朝日新聞の取材に対して介入の事実をいったん明確に認めておきながら、問題が拡大するに及んで前言をひるがえし、事実関係を否定し、見苦しい言い訳に終始している。
 事件の真相を国民の前で明らかにさせなければならない。1月21日にはじまる通常国会において、両議員を証人喚問し、徹底的に追及しなければならない。

 問題となった番組は、2001年1月30日のETV特集「問われる戦時性暴力」で、旧日本軍による従軍慰安婦を裁き、天皇を有罪とした2000年「女性国際戦犯法廷」をテーマにしたものであり、番組が直前になって大幅に改変され、従軍慰安婦の存在を明らかにした元日本軍兵士の証言がカットされ、天皇の戦争責任を認めた判決の決定的部分が削除されるという改ざんが行われ、番組制作に関わった「戦争と女性への暴力」日本ネットワーク(VAWW−NETジャパン)から提訴されていたものである。当時、慰安婦問題などの教科書記述を抹消させるための研究会「日本の前途と歴史教育を考える若手議員の会」代表であった中川議員と同会元事務局長で官房副長官でもあった安倍議員が、NHK担当者を呼びだして番組改変を直接指示したということなのである。

 本事件は、マスメディアへの右翼政治勢力の介入とマスメディア側のそれへの屈服という現在のメディア状況を衝撃的に示したものである。断じて許してはならない。
 両議員とNHK幹部に抗議の声を集中し、さらに闘っている勇気ある内部告発者らに激励の声を送ろう!

 (参照)VAWW−NETジャパンの抗議声明、安倍晋三氏の事実歪曲発言についての声明など
     本事件に対するアメリカの戦争拡大と日本の有事法制に反対する署名事務局の論評と、抗議および要請先リスト
     朝日新聞の本事件について報道および見解

 1/18 日本経団連 憲法改悪を明け透けに提言
    9条改悪・集団的自衛権明記・改憲手続き緩和を要求


グローバルな企業展開のための
    自衛隊=日本軍事力のグローバル展開が狙いだ

憲法改悪に反対する闘いに全力を挙げて取り組もう!

 日本経団連は18日、報告書「わが国の基本問題を考える〜 これからの日本を展望して 〜」を発表し、自衛隊の保持と集団的自衛権の行使を明記するために憲法9条2項(戦力・交戦権の否認)を改定し、さらに改憲手続きを緩和するために96条(憲法改正の手続)の改定を提言した。

 同報告書は、「わが国の基本問題」として、最大のスペースを安全保障問題に割き、「憲法改正」の具体的提言を行っている。
 「わが国を取り巻く現状と問題意識」では、国民や企業を脅かす危機として、非国家主体によるテロ、および朝鮮半島や台湾海峡などの国家間の紛争の危機をあげ、とくに北朝鮮への警戒を明記している。
 そして、「経済大国として世界経済の一翼を担う今日、わが国が世界の平和と安定のための明確な提案、主張を行い、その実現のために行動していくことは国際社会の一員としての責務でもある」として、日米同盟の維持強化を図りながら東アジア地域との連携強化を主張し、一方で紛争の未然防止と復興・発展支援を中心に据えた活動を言いながらも、自衛隊の海外活動を強調し、「自衛隊による国際活動は、国際社会の一員たる国家として当然の責務であり、国際社会の平和・安定の実現の観点からも、シビリアン・コントロールの下で強化していくべきである。そのためには、何より、後述の通り、憲法における自衛隊の役割や集団的自衛権についての明確化が必要である」として、改憲の具体的提言を行っている。

 改憲提言では、「自衛隊の保持を明確にし、自衛隊が---国際社会と協調して国際平和に寄与する活動に貢献・協力できる旨を明示すべき」「自衛隊の海外派遣の活動内容・範囲について、基本方針を明確にし、場当たり的な特別措置法ではなく、一般法を早急に整備すべき」「集団的自衛権に関しては、わが国の国益や国際平和の安定のために行使できる旨を、憲法上明らかにすべき」としている。
 そして、当面改憲すべき項目としては9条と、今後の改憲をやり易くするための第96条改悪の2点を挙げ、改憲実施のための国民投票法の早期成立を要求している。

 日本経団連の今回の提言は、すでに出されている経済同友会(03年4月)と日本商工会議所(04年12月)のものと比較しても、最も明け透けに自衛隊の海外展開とそのための憲法第9条の改悪を要求しており、「財界総本山」として、グローバル化した日本企業の利益・利権をまもるための自衛隊=日本軍事力のグローバルな展開を要求するものとなっている。

 18日の自民党大会においても、郵政民営化などの対立を抑えて、憲法改悪を前面に打ち出した。日本の支配層は、年初から憲法改悪に向けて加速しようとしている。憲法改悪を阻止し、日本の平和と民主主義を守ろうとする勢力もまた闘いを加速させなければならない。

 1/18
 1/13、14
 
英軍のイラク人虐待写真が公開される

米英軍のイラク人拷問・虐待・虐殺を
        絶対に許してはならない!


 英軍もまたイラク民間人に暴行を加えていたことが、18日公開された暴行場面の写真22枚によって明らかとなった。軍法会議に訴追された英兵3人に対する予備審問がドイツ北西部のオスナブリュック英軍基地で始まり、そこではじめて公開された。
 公表された写真には網をかけられフォークリフトにつるされたイラク人の姿や2人のイラク人が裸で性行為に似た格好をさせられているもの、イラク人の腰と肩に両足を乗せて立つ兵士の姿など、いずれもイラク人を暴行し虐待し侮辱するもの。03年5月に撮影されたものという。

 英軍によるイラク人拘束者虐待は昨年5月に大衆紙ミラーが掲載した写真がその後、ねつ造と判明し、批判の声は沈静化していた。しかし、今回は証拠写真が明確に示され、英軍と英政府は言い逃れすることが出来ないところへ追い込まれた。
 米軍によるアブグレイブ虐待事件と同じく、この英軍のイラク人虐待もまた末端の3人の兵士に全責任がかぶせられようとしている。報道によると英兵3人のうち1人は罪状の一部を認めているが、残る2人は全面否認しているという。

 一方、アブグレイブ刑務所での暴行の罪で訴追されている米陸軍のチャールズ・グレーナー技術兵は14日、軍法会議で有罪判決を受けた。弁護士は「グレーナー氏はイラクでの彼の任務を果たしただけだ」と述べ、一連の虐待行為は上官の命令だったと当然の主張を展開している。ブッシュ政権と米軍は、アブグレイブをはじめとする一連の拷問・虐待・虐殺の全責任を、ラムズフェルド国防長官をはじめ米軍の中枢が深く関与しているにもかかわらず、一般兵士に押し付けて逃げ切ろうとしている。

 また、13日には、拘束したテロリストなどへの虐待防止のため、CIAなど情報機関による過酷な尋問を制限する条項を盛り込んだ法案を上院が昨年、圧倒的多数で可決したが、ホワイトハウスが反対したため、上下両院合同協議会で削除された上で可決したという。ブッシュ政権は拷問や虐待を止めるつもりはないのである。

 これらに対する闘いが地道に続けられている。その1つとして、ブッシュ政権が国際刑事裁判所に反対しているため米国人による戦争犯罪の国際的な追及の道がふさがれているため、最後の手段として、戦争犯罪人と疑われる者は米国人であろうとドイツにいれば告訴されるという「普遍的管轄権」の原理を活用して、ドイツでアブグレイブの拷問に関与した米軍人を訴追する闘いが進行中である。

 
 1/12 米イラク攻撃・占領の不当性が確定
    イラク大量破壊兵器捜索の打ち切り発表


ブッシュ政権の最大級の戦争犯罪
  小泉政権の支持・加担責任をあらためて追及する


 イラクで大量破壊兵器(WMD)を捜索していた米調査団(ドルファー団長)が、現地での活動を昨年12月、対外的に説明することなしに打ち切っていたことを12日、マクレラン米大統領報道官が記者会見で明らかにした。ドルファー団長は昨年10月、イラク戦争開戦当時、イラク国内に大量破壊兵器は存在せず、核、生物、化学兵器を開発する具体的計画もなかったとする報告書を米議会に提出しているが、2月に公表される最終報告書も結論は変わらないという。
 これで、国連安保理多数国の大量破壊兵器査察継続の主張を無視してイラクに先制攻撃をおこない、イラク人民と国土を殺戮・破壊し、占領し続けている唯一の大義「イラクは大量破壊兵器を保有している」が真っ赤なウソであったことが確定したのである。

 ブッシュ氏は、大統領再選によってイラク戦争は米国民に支持されたと居直っている。しかし、ウソで塗り固めた口実で先制攻撃し、10万人以上のイラク人を殺戮した、最大級の国家戦争犯罪がそれでなくなるわけではない。ブッシュ第2期中も、その後も、親や子や家族を殺され、後遺症に苦しむイラクの人々から、不当な戦争に駆り立てられた米兵士やその家族から、そして米の戦争に協力させられた世界の人々から、その戦争犯罪が追及され続けるに違いない。

 ブレア政権と小泉政権は、イラク戦争・侵略の最大の協力者である。とくに日本の反戦平和を願うものにとって、不当な戦争に協力して、違憲・違法の自衛隊派遣を続けている小泉首相とその政権への追及の手は決してゆるめてはならない。

 また、世界の多数が大量破壊兵器査察の継続を主張している中で、ブッシュ政権の無法な攻撃を支持し、小泉政権の誤った対米追随を支持した、多くのマスメディアへも追及の手をゆるめてはならない。

 1/6
 1/8
海外派兵の「本来任務」化へ 自衛隊法を改悪
     法案を通常国会に提出する方針

津波災害救援の自衛隊派遣を
    海外派兵エスカレーションに悪用するな!


 防衛庁は、自衛隊の海外派兵を「付随的任務」から「本来任務」に格上げする自衛隊法「改正案」を21日召集予定の通常国会に提出するという。新「防衛計画の大綱」で海外派兵を安全保障政策の一方の柱としたことに対応したもの。海外派兵を随時可能とする「恒久法」の策定作業が遅れているため首相官邸側には「改正案」提出への慎重論もあったが、防衛庁側が押し切ったとも報道されている。
 このほか改悪法案には、(1)陸海空自衛隊を統合運用するための組織改編(2)ミサイル防衛(MD)システムの導入に伴う迎撃手続きの簡素化――も盛り込まれる。

 これに関連し、小泉首相は8日、津波災害救援のため自衛隊に派遣命令が出されたことにも触れ、「自衛隊の活動が日本国内だけでなく海外でも評価されるように、活躍できるように、いろいろな制度、環境、法律等、整備していきたい」と、自衛隊法改悪に前向きな姿勢を示した。

 1/8 陸自イラク派遣が着々とエスカレート

迷彩服で羽田から出発、防衛施設庁職員2人派遣

 陸上自衛隊の「第3次イラク復興業務支援隊」(約110人)のうち約90人が8日、「迷彩服姿」で羽田空港から出発した。これまでは、成田空港から私服姿で民間航空機を利用していたが、迷彩服での羽田空港からの出発は防衛庁の強い希望だという。海外派兵を国民に強くアピールすることが狙いであろう。

 この第3次復興業務支援隊には防衛施設庁職員2人が含まれている。自衛隊が地元業者に発注する公共事業の費用積算や完工検査を担当するという。防衛施設庁職員は法律上「自衛隊員」でも、戦闘訓練は受けておらず、銃に触れる機会もなかったが、急遽危険回避などの訓練を受けるという。今後文民をどんどん派遣していくための露払いを狙っているのであろう。

 1/3〜
 1/6

スンニ派組織は選挙延期要求で共同歩調
   暫定政府内にも選挙延期論が出るなど動揺


米とアラウィ首相はあくまでも強行を主張
    非常事態=戒厳令も延長


内戦と民族分裂の危機をあおる選挙強行に
     反対の大きな声をあげよう


 イラクのイスラム教スンニ派の各組織は4日、バグダッド市内で会合を開き、30日に迫ったイラク国民議会選挙の延期をあくまで求め、共同歩調を取ることで一致した。会合に参加したのは、イスラム聖職者協会、イラク・イスラム党、イスラム法学者やスンニ派の部族長ら。
 スンニ派各組織は声明で、治安が改善せず、イラクの一部地域で選挙実施が困難な状況の中で選挙を強行することは「公正さを欠く」と指摘。「すべての国民が選挙に参加すべきだ」とし、延期をあらためて要求した。

 イラク全土で反米・反占領の武装勢力側の攻撃が激化し、国民の2割を占めるスンニ派が延期を主張して選挙不参加を表明する中、主要閣僚の間からも選挙延期を求める発言が出るなど、暫定政府内にも選挙強行への動揺が出始めている。
 シャラン国防相は3日、スンニ派を参加させるためには「延期も検討すべきだ」と発言。4日には、延期を支持するハッサン法相、ムーミン環境相の発言が伝えられ、さらにヤワル大統領も「選挙が可能かどうか国連が判断すべきだ」「多くの住民が投票できない事態となれば、選挙は成功したことにならない」と述べた。

 これらに対し、暫定政府のアラウィ首相は5日、「日程通り実施する」と述べ、6日には非常事態の期限を選挙実施後になるよう30日間の延長を発表して、およそ「民主的選挙」とはかけ離れた状況の下でも選挙を強行する姿勢を示した。
 また、ブッシュ米大統領は5日、ヤワル大統領に対し、電話であくまで予定通りの選挙実施を強調したした。

 米軍と暫定政府軍が、選挙強行のためにファルージャで大量虐殺(ジェノサイド)を行い、イラク全土で非常事態宣言=戒厳令の弾圧体制を敷き、それに反米・反占領の武装勢力が全土で抵抗闘争を展開するもとで、「民主的選挙」などありえない。
 この選挙が強行されたならば、米とシーア派の多数が手を組んでスンニ派・反米反占領勢力を武力弾圧し、そしてそれに対して反撃するなど、血で血を洗うような悲惨な「内戦」「民族分裂」の危機、イラクにとって最大の悲劇となる可能性がますます高まることになる。

 このような内戦と民族分裂の危機をあおる選挙強行に、世界の平和を願う人々は反対の声を強くあげなければならない。