ブッシュ政権や小泉政権、マスメディアはフセイン大統領の逮捕を「偉大な勝利」などと大宣伝しています。

彼らはイラクの民衆の占領軍に対するレジスタンスを「テロ・テロ」と騒ぎ立て、
フセイン大統領拘束を大騒ぎすることで、何の大義もない侵略戦争の本質を誤魔化そうとしているのです!


フセイン拘束によっても、イラク戦争が何の大義もない戦争であり、
まぎれもない侵略戦争であることに、何ら変わりはありません。

A.N.S.W.E.R.はいち早くこうした動きに鋭い批判を加えています。



A.N.S.W.E.R の最新のイラク情勢に対する声明
2003年12月14日
A.N.S.W.E.R. STATEMENT ON RECENT DEVELOPMENTS IN IRAQ

 フセイン逮捕によってもイラク民衆の米英占領軍に対する抵抗闘争が収束するどころか、ますます激しくなっていることが明らかになりつつあります。 「復興支援」はごまかしです!
自衛隊の派兵は米英占領軍への支援に他なりません。自衛隊派兵に反対してゆきましょう!
 
(翻訳協力:Y.Mさん)


 業メディアおよびブッシュ政権は米軍によるサダムフセイン逮捕のニュースを、偉大なる勝利、新しい時代の幕開け、米軍のイラク侵略と占領は正当だなどと声高らかに報道した。

 サダムフセインの大々的な逮捕劇は帝国主義のプロパガンダの勝利かもしれないが、イラクの情勢を根本的に変えるものではない。とりわけ米軍のイラク侵攻と占領が国際法と米国内法のはなはだしい違反行為であることに変わりはない。

 8ヶ月にも及ぶ捜索の後のサダムの拘束を歓迎する一方で、現独裁者であるポール・ブレマー氏とリカルド・サンチェス氏は、サダムの逮捕によりイラクの抵抗運動が収束に向かうだろうという、ブッシュ政権の希望を代弁した。

 しかし、イラクの企業メディアのジャーナリストの話によると、イラクの激化する抵抗運動は特定の個人への忠誠心に基づいたものではない。抵抗運動はむしろ、米軍によるイラクの主権と独立の剥奪やますます残忍さを増す米占領軍の行いへ向けられたものである。

 サダム逮捕の影響については、ブッシュの戦争の賛同者であるセン・ジェイ・ロックフェラー氏上院諜報委員会副議長でさえ疑問を投げかけている。「サダム逮捕の現場の様子から察して、彼は抵抗運動には関わっていたようには思えない。このことの持つ意味は重要であり不穏だ。なぜなら抵抗勢力はサダムのためではなくアメリカに対して戦っているということだからである。」



 軍によるイラク占領はどの観点から見ても植民地支配であることに疑問をはさむ余地はない。アメリカに任命された"イラク統治評議会"の最高責任者は、CIAに従順なアメド・チャラビ氏である。チャラビ氏はイラクが英国統治から独立した1958年に国内で最も裕福であった一家の出身だ。

 アメリカはイラク警察、諜報機関、準軍事的暗殺部隊を駆使して植民地的支配を進めている。米軍はイラク人を"尋問"に協力させるために、子供や老人を含む彼らの家族を人質にとっている。米軍は国内のいたるところでイスラエル式の集団処罰をしたりイラク国民に暴力を振るっている。

 「恐怖と暴力が蔓延し、膨大な金額がプロジェクトにつぎ込まれる中で、イラク国民は私達が助けにきたということを理解してくれるだろうと思う。」と、ある米隊長は語った(ニューヨークタイムズ・12月7日)。彼は、米軍が有刺鉄線によって地域全体を囚人のよう囲い込んだ数あるイラクの村のひとつからこう述べた。鉄条網に貼られた標識には英語のみの表記で、「この柵はあなた達の保護を目的としている。近寄ったり破ろうとするものは即座に撃たれる。」と書かれている。



 メリカ政府は他国の治安を悪化させ政府を転覆し、独裁者に取って代わらせてきたという長い歴史がある。イラン、コンゴ、グアテマラ、チリなどの国々は、民主的、非民主的な政府の性質に関わらず、米国の介入の標的にされてきた。そういった意味では、米政府は最も残虐な独裁政権や軍事政権を支援してきたといえるだろう。

 長年にわたるイラク政府の悪魔的な描かれ方、またそれに続くイラクの侵略と占領は、ワシントンやウオールストリートからの独立を図ろうとする国々を軍事的に潰そうとするアメリカの世界戦略の一部である。

 北朝鮮、イラン、シリア、ジンバブエ、キューバ、パレスチナなどの指導者達はブッシュ政権によって破壊の対象に選ばれた者である。これは国家主権の原則に真っ向から反対するものである。イラクの人民のみがイラクの指導者を決める権利を持っている。



 々はこれから次々と念入りにパッケージ化された元イラク政府の"犯罪"ドキュメンタリーを見ることになるだろう。しかし、それらの人々は次のことを忘れてはならない。ブッシュ政権が何千人もの罪のないイラク人を殺したこと、イラクを混沌と無政府状態に陥れたこと、そして過去何十年も植民地支配に苦しんできたイラク人の主権に対する誇りを取り去ってしまったことを。

 イラク占領によって日々何人ものイラク人、アメリカ人および米同盟軍の人々の命が奪われている。ハリバートン、ベクテルその他の米企業が莫大な利益を手にしている一方で、米とイラクの民衆はブッシュと彼の友人である企業家たちによる血と金の略奪の犠牲を払っている。米政府の情報によると、イラク占領にかかる費用は一日2億1千万ドル(約250億円:訳者注)に上るという。米政府はイラク人犠牲者の数を数える暇はないと語った。

 私達は以下のことを要求するための運動を継続し発展させる。

−占領を終わらせ、軍を直ちに帰還させよ!戦争と占領のためのではなく雇用、保健、教育のために金を使え−

段落分けはピース・ニュースが行いました。