「情報公開しています」にご注意=レベルが三段階あります
いまや、お役所において、「情報公開」は、当たり前のこと。
でも、その公開度に、レベルが三段階あります。
例えば、杉並区議会に、「議員の政務活動費の使い方について、杉並区は情報公開していますか?」と問えば、「はい、情報公開しています」となります。
「そうか、よしよし。わが杉並区議会は、ちゃんとやっているのね」と安心してはいけません。同じ情報公開でも、どのレベルなのかを認識しないと、ダマされるかも。
レベル三段階とは、以下(奥山の分け方です)。
(A)ホームページで公開しているので、それを開けば、情報を見ることが出来る。つまり、だれが見たかを、知られることがない。
(B)役所に行って「見せて下さい」と言うと、「はい、これです」と、見せてくれる。その際、あなたの名前や連絡先を、役所に知らせる必要があるかどうかは、肝心なポイントです。
(C)役所に行って「見せて下さい」と言うと、「では、情報公開請求をして下さい」と申請書を書かされる(申請は、郵送手続きも可能)。当然、あなたの連絡先を書かされる。後日「公開決定」との連絡をもらってから、役所に出向くと、初めて見せてくれる。
※一般的な私たちの認識では、情報公開とは、A段階ですね。でも、お役所レベルでは、Cレベルを、「はい、情報公開しています」と称しています。ここを確認しないと、ダマされる、というわけです。ポイントは、手間+スピード(随時・即時・後日公開)と、請求者名の公開(この場合は、お役所に公開)です。
さらに、分かりにくいのは、
杉並区議会では、政務活動費の使い方を示す資料は3種類あって、
その書類ごとに、情報公開度レベルが異なります(ああ、ややこしい……)。
・収支報告書:レベルA(2015年度から)。
これは、ペラ一枚の紙で、192万円の支給額を、「調査研究費にいくら〜」と示した(だけの)もの。ほとんど何もワカラナイ。
#2015年4月16日の奥山ブログ参照。
・出納簿:レベルB(7,8年前、C→Bになった)
家計簿のように、「4月20日、調査研究費 2,080円 書籍『地方自治研究』」と記入したもの。これを見ると、けっこう分かる(でも、まだまだワカラナイ)。
・領収証(+区政報告書、備品台帳、事務補助員の勤務表・・・):レベルC
これを、上の出納簿と引き比べることで、支出の実態が分かります。
※23区の中では、世田谷区議会の公開度がダントツです。上の3種類の資料を、すべて、レベルA、つまり、区議会のホームページで、公開しています。
(#しかし、「素晴らしい!」と思って、奥山が見たところ、公開度とは、別の問題を感じました。使途基準の観点から。この件は、ここでは割愛)。