奥山たえこ:東京都杉並区議会議員(無所属)

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2011年第三定例会(9月9日)一般質問+答弁

2011年第三定例会 一般質問+答弁です。9月9日
「質問」は当局に通告したもの。( )は奥山の補足説明。なお実際には、質問では奥山は、説明を加えてもっとたくさんしゃべっています。動画でも見られます。以下のURLの9月9日の分から、奥山の名前を探して下さいね。
http://www.gikai.city.suginami.tokyo.jp/vod/vodtop.htm
「答弁」はこれでほぼ全てですが、奥山の方でテープ起こしをしたものなので、この文言は正式な議事録(12月頃発表の予定)ではありません。

1 テニスコート使用の公平性を確保する方策について(@〜E)
2 民間委託施設の勤務待遇のモニタリングと公契約条例について(@〜B)
3 市民の手による福祉施設の第三者評価について(@)
4 自治体による生活保護制度の見直し要求について(@〜B)

質問+答弁は、↓「続きを読む」で。

1 テニスコート使用の公平性を確保する方策について
@「(ガイドブックの表2に記載している)不正使用の状況は改善が見られているか。例えば、どのような不正があるのか。」
A:同じメンバーが重複して登録するなどの例がある。現在施設職員からの聞き取り調査や、利用者との意見交換を行い、改善策について検討をおこなっているところである。

A「不正防止策に名案はあるか。世田谷区の対策と効果について、また当区における即時導入をどう考えるか。」
A:世田谷区が導入している登録メンバーの電子データ化による重複チェックは改善の方法として効果をあげているとうかがっており、本区においても今後の検討課題と考えている。

B「(公の施設の利用制限は抑止的であらねばならない)現在行っている(度重なるキャンセルに対する)一定期間の利用制限の根拠は何か。条例から導くことができるか。」
A:直前キャンセルした場合の利用制限に関する規定については、杉並区体育施設等に関する条例・施行規則に定めらている。

C「一つの種目に登録できるのは一人2団体までと制限することは可能か、その根拠を述べよ」
A:登録団体数の制限については、利用者との意見交換においては区から制限に関し提案した経緯があるが、さまざまな意見があり、なお調整が必要と考えている。

D「(世田谷方式の有効性は認めるが、個人情報の厳格管理は極力避けた方がよいと考える)いますぐ出来る対策があるのではないか。(『二重登録』と『重複登録』の違いを明確にするなど)例えば禁止事項の内容を明確に訴えるなどの強化キャンペーンや、不正使用に関する利用者アンケートなどをやってみてはどう か」 (例「抽選を有利なものとする」、「使用枠の譲渡」、「登録証の譲渡や貸与」、「営利行為」の語。集会施設ガイドブックの方はかなり明確に書いている。)
A:さざんかネットガイドブックや施設の掲示物を通してさらに注意を呼びかけることが必要であると考えている。また、幅広く利用者の意見を聞くことができるアンケート調査においては区の改善姿勢を示す上でも有効であり、今後は多くの区民から意見を聴くなど改善に努めていく。

E「『利用料金が安すぎるから値上げすべし』という声がある。料金を上げれば予約の混雑状況が緩和されると考えるか。
また、当区のテニスコート使用料は、近隣自治体と比してかなり安い。(野球場の方はそれほどの差はないのに)その積算根拠と妥当性を述べよ。」
A:他自治体によると、値上げによりただちに予約の混雑状況が緩和されたとはうかがっていない。また利用料金の積算根拠は、当該施設の受付等の管理費や光熱費備品購入費等、施設維持運営に必要な経費を施設別の年間使用可能時間数で割り返して試算している。

再質問
 世田谷区の方法は、効果があることは判っている。しかしなるべくならやってほしくない。個人情報の収集、管理しなくてはならない。なくした時のことも心配だ、するとすぐに導入するのではなくて。システムの費用もかかるし。世田谷方式をやるなら十分周知してからにしてほしい。
 利用制限は規則に書いているということだが、制限なのだから条例に書き込むべきではないか。そうすれば議会もこのことを自分たちの問題として受けとめることも出来る。
A:施設利用の手続き等については、施設自体に限りがあるので、より公平な利用を進めていく必要があると考えている。この点を十分留意して、検討を進めていきたい。
また施設利用の制限の細目だが、これは現行で特段支障がないと考えている。


2 民間委託施設の勤務待遇のモニタリングと公契約条例について
@「(「公契約条例」の目的は、公共サービスに重視する人たちの勤務待遇の公正性を維持することにある。)区は、公契約条例がなくてもきちんとモニタリングを行っているというが、例えば、地域区民センターについてはどんなことを行っているのか。」
A: 地域区民センターの建物総合管理業務については、他の長期継続契約業務や指定管理者制度を導入している業務と同様に、サービスの質の評価に加え、労働関係法令順守の確認のため、委託事業者に4半期毎に報告書の提出を求めている。報告内容は従業員の最低賃金額、適正な雇用契約を締結しているか、給料を定められた日に支給しているか、労務管理を確実に行っているかなどであり、地域課では報告書の提出にあわせて、委託事業者の現場責任者・従業員代表・利用者代表・地域課職員からなる履行評価連絡会を開催し、報告内容の確認をおこない、必要に応じて注意や指導を行っている。

 公共サービス基本法の第一条でいういわゆる自治体が公共サービスの実施に従事する者の適正な労働条件の確保、その他の労働関係の整備、ということでございますが、これはいわゆる労働関係法令等等にもとづく労働条件等々がですね、適正にその方々に履行されているかどうか、そういったことをきちんと公共サービスの委託等を行う自治体は施策を講じるように努めるものと明記したものであると受け止めている所でございます。

A「労働力集約型の施設の落札金額が、全般的に年々下がっている。区は公共サービス基本法11条についてどのような施策を講じているか。」
A:落札金額について、以前区民センター等において、ご指摘のような傾向があったので、この間の最低制限価格の適切な設定などの取り組みによって、ここ数年はおおむね同水準、もしくは微増で推移してきている。
 公契約条例については、野田市に続いて、川崎市が昨年契約条例を改正する形で制定したところだが、自治体が公共工事や業務委託等の契約の相手方に、その従事者の賃金水準等の労働条件を条例で定め、その履行を求めることは法令に抵触するなどとも指摘もあり、いまだいくつかの論点が残されている状況にあると考えている。
 一方、公共サービス基本法は平成21年に交付されたもので、同法第11条では自治体は公共サービスの実施に従事するものの適正な労働条件の確保、その他の、労働環境の整備に関し、必要な施策を講ずるようつとめるものとする、と規定している。区としては、同法にもあるように、適正な労働条件を各種の施策によって、実質的に確保していくことが重要だと考えている。こうした考えのもとにこの間、モニタリングなどの取り組みを進めてきたが、現在、契約制度検討委員会の中で、具体策を検討し、10月末を目途に報告をまとめる予定としている。


B「積算内訳書の中野単価と金額は、事業活動情報に該当すると非公開となり、積算額の妥当性の妥当性を議員は調査できない。それで構わないという見解か。区はきちんとチェックしているのか。どのような積算根拠に基づき判断しているのか。」
A:区の情報公開制度について。情報公開は議員も含め、何人も請求できる制度となっており、公開・非公開については条例に基づき、請求対象情報毎に個別具体的に判断している。したがって、当該情報が法人に関する情報で公開することで、当該法人に著しい不利益を与えると認められるものに該当すれば非公開となることもある。
 区による積算内訳書のチェックについて。業務委託契約では仕様に定められた範囲の中で、具体的な業務の方法は業者・事業者の創意工夫にゆだねられている。このため、積算内訳書のチェックは、仕様にもとづく業務にもれがないか、計算書に誤りがないか、最低賃金法などの法令違反がないかなど業務の履行を確保する観点から確認をおこなっているものである。


再質問
 当区では最低限制限価格はあるが、低入札価格制度は規程にあるが実際には行われていない。その概念がないのではないか。7千8百万円でほんとにできるのかを、もう一度チェックしてもらいたい。
 公共サービス基本法11条の「適正」とは何だと考えているのか。私は生活賃金、リビングウエイジだ。最低賃金法があるからいいじゃないかというなら、公共サービス基本法は要らないことになる。
 
A:積算内訳書のチェックの機能だが、これは業務委託の積算内訳書の問題であって、たとえば、建物の管理を委託した場合、その管理の仕様書をいかに満たすかということについてはその当該事業者の経営手腕にかかっているところであり、区はその契約の範囲においてその内容が確実に履行されているか否かを判断するそうした姿勢・立場から積算内訳書の確認を行っている所である。


3 市民の手による福祉施設の第三者評価について
@「(杉並と人口規模ほぼ同じ)八王子市で実施している市民参加による制度である『介護サービス訪問ふれあい員』の取組みについて、参考になると思うが区の見解を伺う」
高齢者担当部長
A:この制度は国が主導した介護相談員派遣事業を母体として、八王子市がその内容を発展させたもので、現在都内では7区7市が同様の事業を実施していると認識している。介護保険相談員や、まちかど介護相談役などの独自の取り組みを実施している、各自治体の実施状況や評価などを今後の事業の参考にしていきたいと考えている。

4 自治体による生活保護制度の見直し要求について
@「(今年5月から、指定都市市長と)国による生活保護制度の見直しの協議は、受給者への就労支援強化を中心に検討されているが、当区における就労支援の取組みとその効果、課題は。」
A:生活保護受給者の就労支援について、現在福祉事務所では就労支援専門員や委託事業者により、生活保護受給者を対象にした就労支援を行っている。具体的な支援内容としては、履歴書の書き方や面接の指導、ハローワークへの同行や求人紹介などをおこなっているが、厳しい雇用情勢のなか、年間100名以上の方が、就職により保護廃止、または増収となっており、着実な成果をあげているものと考えている。今後は、就職後の相談など、対象者が職場に定着していくための、一定期間のフォローにも力を入れていく必要があるものと考えている。

A「今回の見直し協議は非公開で、当事者は意見を述べる機会がない。当区は受給者の声を聴く機会をどのように設けているか。」
A:今回の生活保護制度の見直しの協議においては、国が責任をもって当事者の声を聞くのが基本だと考えている。区は日常のケースワークの中で、生活保護受給者の声の把握に努めていくところである。

B「就労による収入の未申告があると言われているが、当区においてはどうか。適正な運用のためにどのような方策をとっているのか。収入額の翌月控除の方法は改善すべきと考えるが不可能か。」
A:福祉事務所では毎年、住民税の課税調査を実施しており、ケースワーカーが把握していない収入や過小申告が発見されている。こうした場合、受給者本人に正しい申告をするよう指導するとともに、勤務先での事業所調査や給与振込先の金融機関調査なども実施し適正な運用につとめている。なお、増収になった月の収入認定額の翌月充当につきましては本人の了解のもと、国の生活保護制度に関する実施要領にもとづきおこなっており、変更は実務上困難と考えている。

以上。

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