委員会速報:「師範館は、補助金というよりは委託」と審査会委員も認めた
杉並師範館の業務内容は、補助金で運営しているが、その実態は業務委託=請負であるというのが、奥山の主張です。請負であれば、山田宏氏は失職すべきことになります。(地方自治法142,143条)
杉並区には、補助金適正化審査会があって、そこで先日師範館が審査されました。
そこでは、「師範館は、補助金というよりは委託」、「委託の方がスッキリする」と言ったやりとりがありました。
そこで10月2日の委員会で、質問。そのメモを起こしました(本日の「続きを読む」をご覧下さい)。
奥山が、何度も質問するのに、審査会に出席していた財政課長、政策経営部長、師範館担当副参事は、委員会で何とか答弁をしないようにと抵抗しました。その様子が、よく判ります。都合の悪いことが明らかになるからです。
つまり財政課長が当初、師範館を審査の対象に含めなかった理由が、これでよく判ります。
なお審査会の委員は杉並区が委嘱した方々ですが、依頼主杉並区に遠慮することなく、きちんと審査なさって下さっていることがよく判ります。当然のこととは言え、さすがです。
記録を読み返してみると、肝心な部分がちっとも詰め切れていません。準備が悪く、しかも課長たちの対応に怒りまくっており(水を飲むコップの手が震えました)、答弁をろくに聞いていなかったからです。言質を引出し損ねました。まだまだ修行が足りません。がんばります!
2008年10月12日決算特別委員会 奥山の質問部分(これは暫定的なメモであり、正式な議事録ではありません。)
委員長:質問項目を読み上げてください。
奥山:3つあります。1番目に、地方自治法142条と区議会の百条委員会、2番目に補助金、本日は杉並師範館に関連して。3番目、時間があれば減税自治体構想、これは国債と関連してです。
奥山:さっそくですが、地方自治法142条、その条文と立法趣旨を教えてください。
法規担当課長:142条の条文。「〔長の兼業の禁止〕。普通地方公共団体の長は当該普通公共団体に対し、請負をする者及びその支配人または主として同一の行為をする法人(当該普通地方公共団体が出資している法人で政令を定める者を除く。)の無限責任社員、取締役、執行役もしくは監査役もしくはこれらに準ずべき者、支配人及び清算人たることができない。」。普通地方公共団体の長の関係、資金余からの隔離に関する規定でございます。趣旨は隔離させて透明性を確保するものでございます。
奥山:私は今回、9月17日の一般質問でも杉並区長である山田宏さんが師範館の理事長としてですね、補助金をもらっておると、これは補助金といっておるけれども、その事態は請負そのものであるということで質問いたしました。で、これが、委託である、請負である、ということになったら、143条の適用があると思うのですが、そのことについて、ご説明お願いします。
法規担当課長:請負ならば、と仮定な話ですけれども、もし請負ならば、そういう可能性はあります。
奥山:143条、全部読みあげなくてもいんですが、選管がこれを決定しなければならない。そのあたりを説明してください。
選管事務局長:今のおたずねですけれども、区長の兼業禁止に当たらないと、私共、認識しております。
奥山:その根拠を具体的に教えてください。
選管事務局長:そうした事実がないなかで、繰り返しますが、私共、区長の兼業禁止に当たらないと考えております。
奥山:どういう事実がないのか、教えてください。
選管事務局長:今、委員のおっしゃるのが、おそらく、私共が区長が兼業をしていることを前提にお話しされているようなんですけど、私共、そうしたことはいっさい考えておりません。
奥山:条文を読んでください。143条1項で結構です。
選管事務局長:「普通地方公共団体の長が、被選挙権を有しなくなったとき又は前条の規定に該当するときは、その職を失う。その被選挙権の有無又は同条の規定に該当するかどうかは、普通地方公共団体の長が公職選挙法大11条、第11条の2もしくは第252条または政治資金規正法第28条の規定に該当するため被選挙権を有しない場合を除くほか、当該普通地方公共団体の選挙管理委員会がこれを決定しなければならない。」。
奥山:えっとですね、決定するための手続きはどのようなものなのか、教えてください。
選管事務局長:えーと、私共は・・・えー、本人の申し出をもって、その理由をつけて、私共は交付しています。
奥山:えーと、本人の申し出ということですが、本人の申し出以外には、これの決定はできないのかどうか。と言いますのは、本人が、言ってみれば、おかしなこと、法に触れることをやっているわけですから、本人が申し出をすることは期待できないわけですが、どうですか?
選管事務局長:ま、先ほども申し上げました、そうした事実がないなかで、私共は判断できません。
奥山:ですから、私が一般質問でしたように、そしてまた、今日もこのあと展開していきますけれども、いくつかの事実を指し示したいと思いますけれども。
では、私は、そのことを選管に対して申し上げます。えー、区長に対して、さっそく調査をして失職を宣告すべきだと思いますが、いかがですか?
選管事務局長:私共は、そうした権限はございません。
奥山:じゃあですね、区議会には調査権があるわけなんですが、いわゆる百条委員会ですね、どんなものなのか、教えてください。
議会事務局次長:地方自治法の100条でございます。第一項では、議会は当該普通地方公共団体の事務に関する調査を行い、選挙人、その他の関係人の出頭及び証言並びに記録の提出を請求することができるという規定がございます。
奥山:国会だと、たとえば証人喚問などがあって宣誓して証言をするというのがありますが、区議会だとどうなりますか? それから、そこで虚偽の証言をした場合、どうなりますか?
議会事務局次長:えーと、その百条にも書いてございますが、その出頭とか証言を請求できると、たとえば正当な事由なく出頭を拒んだとか、虚偽の陳述をした場合は、議会は告発しなければならないとなっております。また宣誓といったものも、たぶん民事訴訟法に準じて、そのようなことが必要になると思います。
奥山:ということは、区議会に振られておるということなんですが、動議で出すと思うんですが、百条委員会設置の手続きを教えてください。
議会事務局次長:えーと。おそらく方法は3つかと思います。議員提出議案の確保、議員の動議、委員長の発議というのがあると思います。
奥山:杉並区議会は残念ながら、会派の構成を考えた場合になかなかそういった動議は通りにくいのだと思いますが、そういった意味では、議会に振られているというということだけは確認したいと思います。
次に補助金についてうかがいます。当区においては、その補助金適正化審査会というのがありますが、その目的、設立目的を教えてください。
財政課長:補助金の適正性を審査していただく外部の機関でございます。
奥山:要綱がありますけれども、前回平成17年度のものと平成20年度のものと一部、違いがあるのですが、どこが違っているのか。
財政課長:基本的には同じだという風に、認識をしてございます。
奥山:ほとんど引き写しなんですが、一か所違うんですよ。確認してください。
財政課長:申し訳ございません。今、手元にございません。(間)前回のでございますけれども、委員は学識経験者及び区民のうちから区長が委嘱するということになってございます。
奥山:第2項、どう移動、変更がありますか?20年度と比べて。
財政課長:委員の選任、学識経験者等から任命するということになってございます。(会場から「聞こえない」の発言あり)
奥山:今日ですね、わざわざ録音してもらっているので、すいません、牧島さん、大きな声でお願いします。えーと、3条2項のところに昔は「及び区民」とありました。今回それがなくなっている。その理由をうかがいます。
財政課長:これは委員をどのような方にお願いするかということについては、色々な考え方があろうかと思います。平成17年の時には久しぶりといいますか、これまでなかったものですから、広くご意見をいただくという意味で区民の方からもご参加をいただきました。今回はそうしたことをベースに、より専門的といいますか、そういう観点から、また17年の評価審査会の提言をいただいた後の3年間の評価というものも、より専門的な角度からしていただきたいということで、専門委員にお願いしているというものでございます。
奥山:私も機会があれば傍聴しておりますけれども、非常に専門的な質問がなされている。すばらしいと思います。で、今回一般質問の中で、その適正化委員会で審査するリストの中に当初、師範館が漏れていたということを聞きました。なぜ漏れていたのか、もう一回、答弁してください。
財政課長:これは事務処理上の、単なる問題でございます。
奥山:本当にそうなんでしょうか。当区においては、審議会などがありまして、諮問をしたりします。答申をいただく、適正化審査会ですが、報告書を出すことになるのかどうか、そのことについて教えてください。
財政課長:報告書という形になるかどうかわかりませんけれども、会としてのご意見をいただきたいと思ってございます。
奥山:会としてのご意見をいただくというと、たとえば審議会に諮問して答申をいただく、そのことの比重の違いといいますか、区における扱いの違い、ご意見をどこまで取り入れるかといったこと、違いがあれば教えてください。
財政課長:基本的な差異はないかと思います。
奥山:しかしですね、諮問の答申にしてもですね、必ずしもそれを取り入れなければならない、そんな義務はないと思います。無視するといったら失礼ですけれども、いかがですか?
企画課長:一般論でございますけれども、そういった審議会のご意見を頂けば、そういうものを尊重しながら、今後の施策なりに生かしていく形になると思います。
奥山:先日、9月26日金曜日、夕方5時から、第5回目の審査会が開かれました。師範館についてちょうど審査していたところなんですが、どのようなやりとりがあったか教えてください。
財政課長:委員も傍聴されていた通りのやりとりがございました。
奥山:教えてください。
財政課長:さまざまな角度からいろいろな審議が行われたと認識してございます。
奥山:内容を教えてください。
政策経営部長:あのですね、審査会はですね、この間、やられた補助金の事業あるいは補助金が出されているそれぞれの主幹部局からですね、委員の皆さんがそれぞれの角度からご質問をしているということでございまして、それぞれの委員さんがいろいろな多角的な角度から、こういった場合はどうなんだというような質問がされたと考えてございます。
奥山:あのね、ここで答弁しなくてもどうせいずれ議事録になるんですよ。それから明けた翌月曜日に、開示請求していますから、テープ、まさかテープの改ざんはしないと思うし、正確な議事録をインターネットで杉並区のホームページで公開していますから、それを読めばわかるんだけれども。しかし、ここであえて聞きます。普通だったら答えるじゃないですか、答えてください。
政策経営部長:ですからね、そういったことのいろんな角度からどういった考えでこれはやっているのか、まあ、師範館の目的、あるいは師範館に関する事業、それがいろんな角度から見たら、業務委託というのもあるのではないかとか、いろんな角度から委員の方が質問をされたというところでございます。
奥山:補助金ではなくて業務委託の方が適しているのではないかというやりとりがなされておりましたけれども、もう少し詳しく説明してください。私、補助金て何なのか、業務委託って何なのか、知らないんですよ。
財政課長:一般論として申し上げますと、補助金といいますのは、区以外の者が行います公益活動に対しまして、奨励あるいは支援をするというもので支出するものでございます。委託につきましては、基本的には区の事業を外部に、その事業の一部を委託するものでございます。
奥山:冒頭にですね、委員の方からこういう質問がありました。師範館の補助金を見ていくと、補助じゃなくて業務は委託なんじゃないかということだったんですが、その時説明していた方は今日わざわざ来ていただいているんですが、課長、どのようにお答えになりましたか?
師範館担当副参事:あくまでも師範館の事業ということで、請負ではありませんというようなご説明をさしあげたというふうに覚えております。
奥山:なぜ、途中に、なぜこれは補助金なんですか、委託じゃないんですかという質問がありましたね。なんとお答えになりましたか。
師範館担当副参事:記憶が定かではございませんが、師範館の事業ですということでの説明をしたかと思います。
委員長;あの、明確に答えてください。
師範館担当副参事:先ほどから申し上げましたとおり、事業説明の中で師範館は区立小学校の教員の養成のために設立された団体ということで要請を事業としているということでご説明をさしあげて、それで補助金を頂いていると、それで運営をしているというような説明をしたかと思います。
奥山:えーとですね、補助金よりは委託のほうが適しているだろうということで、たとえば三鷹や横浜の卒塾生に対して、そういう方が募集してきたらどうするのかという質問がありました。その場合、断れますか?
師範館担当副参事:現在の区費教員の採用要綱の中では、師範館の在塾が条件となってございますので、現段階ではできないというようなご説明をさしあげたというふうに覚えてございます。
奥山:補助金を交付する先なんですが、類似団体があって、うちにも補助金をくださいと申請したときにはどうなりますか?一般論で結構です。
財政課長:類似団体といいますのはございませんので、お答えはでき、あの、今の段階ではできません。
奥山:いや、だから類似団体があったときは補助金はどうなるのかと聞いているんですよ。答えられないことないでしょ。
財政課長:仮定の話でございますので、お答えは差し控えさせていただきます。
奥山:えっとですね、その審査会を私ももちろん傍聴していたんですが、補助金じゃなくて委託じゃないかといった時に、課長は先ほどのようなかみ合わない答弁をやっていたんですよ。そこで私は大変失礼ながら不規則発言をいたしました。こういうふうに言ったんですね。「委託だと区長が失職するんです。区長は理事長だから。地方自治法142条」と言いました。その後、私はつまみだされることなく、傍聴を最後までつづけたんですけれども、やはり委員の方々ですね、「ちょっと違うかな」と空気が一瞬凍りましたが、そのあとも論調を変えることなく、専門家の方々ですからいろんな質問をなさっていきました。その中にですね、いろんな発言がありました、課長が答えてくれないので、私がちょっと答えますけれども、最後におっしゃった方ですよね、「いや、これ、今までと異質なんですよね、補助金としては」というご発言もありました。それからさっき言った同等団体だったらどうするのかとか、そんな説明もありました。5名中3名の方が言いましたね。「私も委託だと思える」と、で、「委託にするとすっきりする」と、いうふうにいったんですけれども、それに対して見解を教えてください、どう思いますか、区は。
財政課長:審査会の委員の中の議論というふうに認識してございます。
奥山:えーと、補助金適正化委員会の報告書が上がってきたときに、杉並区はどう扱うのか、無視するのか、おしえてください。
政策経営部長:あのですね、学識経験者の方が専門的な議論をあらゆる角度からしていると、ま、当然ですね、こういった奥山議員みたいなお考えもあるでしょうから、そういった場合にはどういうふうに答えるのかというような、いろんな観点からされているときに、傍聴もできる、そういった所で、不規則発言もされて、委員長からたしなめられるというような中で、今後、審査会のご意見、お考えをいただくといったことも含め、私共としては、補助金の適正化を行っていくということは当然のことでございます。
奥山:ここで何で、高(名字=タカシ)部長から私がまたたしなめられなきゃいけないの? だって答えなかったじゃないか。聞かれたんですよ、はっきりと。「なぜ、これは補助金なんですか、委託じゃないんですか?」と。委託にできないからでしょ。言っとくけど、議事録見ればわかるけれども、課長、あの時何回か答弁していたけど、全然かみあっていなかった、たしなめられてました。「いや、そうじゃなくって」って、「だから、こちらが聞きたいのは」ってことを、委員の方が何度もやっていた。それは議事録ができるのを楽しみにしていましょう。
で、もう一回、補助金と委託の切り分け、どう違うのか、もう一回お願いします。
財政課長:今回の事業が区の事業か外部の事業かというところで、違います。
奥山:教育委員会の事務事業概要の中に組織図があって、師範館が載っていますよね。これは区の事業じゃないんですか、これ。
師範館担当副参事:教育目標の中での政策的なことで、教員の養成というものがあって、実際に教員の養成をするのはあくまでも師範館という、任意団体が行っていると。教育委員会の事業ということではなくて、役割分担をしているという解釈でございます。
奥山:えっと、横浜や三鷹ではどういうふうにやっていますか? 同様の事業をどういう仕組みで。
師範館担当副参事:直営でやってございます。
奥山:先ほどの審査会で同じ質問を委員の方がやったんですよ。課長はどのように答えましたか?、あ、課長がそのように答えたら、委員の方はどのようにおっしゃましたっけ?
師範館担当副参事:私の記憶では「それがすっきりするね」というようなご意見があったかと思います。
奥山:ちょと視点を変えます。師範館の補助金依存率、先日配布された資料では91%となっておりますが、100−91の残り9%、これは何ですか?
師範館担当副参事:途中退塾者の受講料、及び寄付金、利息等々と思います。
奥山:いわゆる自主財源はどうなっているんでしょう?
師範館担当副参事:現在のところ、自主財源の確保について模索はしてございますが、現実に利益を上げるような自主財源を増やすような事業はやってございません。
奥山:なんでやらないんですか? 民営化大好きの杉並区なのに。そしてしかも利益を上げろ上げろとガンガンやっているのに。こんな100%依存体質のところがどうしてOKなの?教えて。
師範館担当副参事:現在、講義録等の出版について業者と打ち合わせをしている最中ということでございます。
奥山:肝心のことを聞き忘れていました。師範館が教育委員会に対して負っている義務、何がありますか?
師範館担当副参事:現在、師範館と教育委員会のでは協定を結んでございますので、その協定を遵守する義務責務があろうかと思います。奥山:具体的に。
師範館担当副参事:たとえば、協定の中では選抜基準、選抜方法、教育方針等を協議しながら進めるということの責務がございます。
奥山:えーとですね、補助金と委託金の違い、補助金には反対給付がない。私、これ一般質問で言ったんですけれども、本当ですか、これ。今の義務との関係で、ちょっと整理してください。
財政課長:基本的には補助金には反対給付がないというのが、補助金の一般的な理解でございます。
奥山:さっき言った義務は、これは反対給付にならないんですか? これをやらなかったら、補助金もらえないことになるんでしょ。どうですか?
師範館担当副参事:反対給付ということでなくて、同等の立場ということになろうかと思います。
奥山:師範館は山田さんが、この杉並区を去ってもずっと続けますよね?
教育委員会事務局次長:あの、師範館についていろいろご質問いただきましたけれども、杉並区が独自に地域に根ざした教師を育て、そして区立小学校に加配という形で配置していこうという重要な政策です。それの教員の養成を師範館に担っていただいていると言うことですので、今後の人事権の移譲等の動向にもよりますけれども、この事業は今後とも重要であると考えています。
委員長:以上で社民党緑の会派の質疑を終わります。