杉並区では、現在「のら猫への餌やり規制条例」とも言える、条例の制定が進もうとしています。
#条例の提出時期は今年9月の予定がずれ込んでいる。今回6月議会では、それに対する区民陳情が出されている。なお、条例として提出された時にはその内容はそのまま採決され、変更は1文字もない!のが杉並区議会の通例(日本全国多くの議会も同様)。だから条例が出来る前のウオッチが重要なのです。
これまで、具体化検討委員会を作って検討を重ね、この3月には、「動物との共生プランへの提言(中間のまとめ)」が発表され、区民意見を募集しました。
そのp13には、「しかし、周辺地域の衛生環境や他人の生活圏を損なうような方法での餌やりの継続や猫の無策な増加に関しては、改善のための注意・指導・命令等が必要です。」とあります。
#当初、罰則、規制などの文言があったものを、多くの声を取入れて、「注意・指導・命令等」と、ここまで変更したものです。
この部分だけをすーっと読むと、つい「そりゃあそうでしょ、いいんじゃない?」という風に受け止めるかもしれません。
でも、この報告書全体にただよう、共生を口にしながら「規制」という方法で事態を解決しようという対症療法的な姿勢には、動物への愛情も、また問題を根本的に何とかしたいという熱意が感じられません。これは検討委員会を傍聴していた折りにも、しばしば感じられた点です。
なるほど、近所にのら猫が集まっている。餌やりをしている人がいて、どんどん増えているようだ。ねこのおしっこは臭うし、迷惑! そんな"苦情"は山ほどあります。でもかわいそうなねこを見たらほっとけない、それも人情です。だから餌やりをする人はねこと苦情の板挟みにあって隠れて餌やり、ますます苦情が殺到・・、そんな悪循環を断ち切るのに、餌やりを(注意・指導・命令等で)無理に止めさせたとしても、それは問題の解決にはなりません。
それを解決するのが、「地域猫」の考え方。杉並区では2004年から飼い主のいないねこの避妊去勢手術への助成金制度を始めたのです。奥山は当初からそれを推進するよう働きかけ、申請の仕組みが区民本位の使いやすいものになるようにと働きかけてきました。助成金の額も増額するように毎年予算要望してきました。区民との協力で、のら猫会議も3回開催しています。今期も力を注いでいきます。
助成金制度を充実させて(毎年予算を増やしても応募ですぐに枠が埋まってしまう)、今後は猫の捕まえ方(これが一大事!)の伝授などに力を貸してほしいと働きかけています。
のら猫問題はすぐには解決しません。長い取組みが必要です。しかも区民の協力なしにはとうてい無理です(千代田区のように区民協動で成功している例もあります)。
そんな市民が集まって、この2007年5月27日、杉並では、「杉並・動物との共生ネットワーク」(略称「杉並どうぶつネット」)が発足しました。あなたもぜひご入会をご検討下さい(年会費千円)。