2004年1月25日(日)15:00〜18:00 

● 鵜飼哲 トーク 

参考上映  『パレスチナ 響きあう声 〜E.W.サイードの「提言」から』 (90分)
          終了後、同会場で打ち上げ有り!

主催: 「エル・エスパシオ・デ・ラ・ペリクラ」 
問合せ: 042ー577ー5971


トーク参加費: ¥1000

会場:キノ・キュッへ(木乃久兵衛) 
〒186-0012東京都国立市西2-11-32

サイードの「提言」について語ろう


● 鵜飼 哲:  お話をしてくださるひと
1955年生まれ。一橋大学でフランス文学・思想、ポスト植民地文化論を教えておられます。著書:『抵抗への招待』(みすず書房)、『償いのアルケオロジー』(河出書房新社)、翻訳書:ジャン・ジュネ『恋する虜』(共訳、人文書院)、J・デリダ『友愛のポリティックス』(共訳、みすず書房)など。最近、平凡社から邦訳が出版されたサイードの新著『フロイトと非-ヨーロッパ人』(長原豊訳)にも、「フロイトの読者、エドワード・サイード」という鵜飼さんの解説が併載されています。


 パレスチナ 響きあう声〜E.W.サイードの「提言」から〜
NHKハイビジョンスペシャル番組(2003年9月6日放送) 


2003年3月19日(イラク開戦前日)、中近東アラブ世界の中心都市カイロ(エジプト)において、パレスチナ出身の米国人思想家エドワード・サイードと、彼の親友にして同志であるガザ(パレスチナ)の弁護士ラジ・スラーニによる対談が行われた。テーマは21世紀の「共存」と緊迫するイラク情勢を受けた中東世界の「その後」である。この対話は、4月26日にBSプライムタイム『サイード「イラク戦争」を語る〜開戦前夜・カイロ』として放送された。
その後、「イラク戦争」後の7月下旬、沖縄を訪れたラジ・スラーニは、サイードの発した数々の「提言」をどのように受け止め、読み解くべきなのかをめぐって、在日朝鮮人の作家徐京植と対談を行った。20世紀という戦争と殺戮の歴史を視野に入れた、「新たに引き継ぐ対話」を加えて再編集されたのが、この番組である。異なる時空を越え、共通の言語で響きあった「仮想」鼎談の形式をとっている

● エドワード・サイード Edward W Said 

1935年パレスチナ人を両親に英国委任統治下のエルサレムで生まれる。エジプト、レバノン、パレスチナを中心とする中東地域で育ち、15歳で単身渡米。米国で高等教育を受け、コロンビア大学で英文学と比較文学を教えた。白血病を病み、2003年9月25日ニューヨークで死去。『オリエンタリズム』、『文化と帝国主義』、『遠い場所の記憶』など、多数の著書を遺した。

● ラジ・スラーニ Raji Sourani

イスラエルによる占領の続くガザ地区の弁護士、「パレスチナ人権センター」代表。保安を名目としたイスラエルによる占領民への人権侵害を告発し、自らも拘禁・拷問の被害を受けてきた。1988年アムネスティ・インターナショナルにより「良心の囚人」と認定、91年には米ロバート・ケネディ平和賞、96年フランス人権賞、2002年オーストリア人権賞を受けた。

● 徐京植 Suh Kyung-sik 

1951年京都生まれ。作家。東京経済大学教員。在日朝鮮人の経験に根ざしつつ、東アジアに恒久的平和を実現するという困難な可能性のために発言してきた。『私の西洋美術巡礼』(みすず書房)、『プリーモ・レーヴィへの旅』(朝日新聞社)、『過ぎ去らない人々』、『半難民の位置から──戦後責任論争と在日朝鮮人』、『秤にかけてはならない──日朝問題を考える座標軸』(以上影書房)、ほか著書多数。

● 鎌倉英也: 上記番組ディレクター

1962年松本生まれ。NHKエンタープライズ21 チーフ・プロデューサー、ディレクター。ETV2003『アウシュヴィッツ証言者はなぜ自殺したか〜作家・プリーモ・レーヴィへの旅』でギャラクシー賞2002年度テレビ部門グランプリ受賞。著書に『ノモンハン 隠された「戦争」』(NHK出版)ほか。