『オリンピックいらない』は10年後の常識!! |
ある日突然「長野県民の総意」として押しつけられたオリンピックが、開催されようとしています。私たちの「オリンピックいらない」声は、残念ながら圧倒的少数派にとどまり、あとは暖冬によって雪が積らないことを願いますが、それでもオリンピックは行われるのでしょう。なぜオリンピックに反対するのかって!?……それは…… オリンピックを長野に招致するだけで、なんと25億5000万円の血税が使われました。他の開催候補地との競争に勝つために、IOC委員を長野に招待して、接待、宴会漬けにして、25億5000万円が浪費されたのです。 招致するだけでこの金額です。会場設営、宿泊施設の整備、警備などの費用にどれだけの税金が使われるのでしょうか。ゼネコン・土建屋の「ごちそうさまー」の声が聞えるようです。 その結果、長野の環境破壊はすすみました。男子滑降のスタート地点は結局、環境への配慮はなされませんでした。「山を一つ壊されてしまった」とボブスレー・リュージュ競技場付近の人々が嘆いているように、オリンピックは世界の美しい山々をつぶしてまわっています。 最近の若者の多くが日の丸に嫌悪感を持たなくなったのは、オリンピックやワールド・カップなどのスポーツイベントの大いなる功績でしょう。サッカーワールド・カップ出場選手からさえ、嫌悪感が表明されるほどの「フィーバー」ぶりには、へきえきしている人も少なくないでしょう。 サッカー観客の「フーリガン化」への批判がありますが、そもそも、国を挙げてスポーツイベントを扇動して、選手のユニホームに国旗をつけさせておいて、「フーリガンはいかん」などといっても無理というものでしょう。ヨーロッパでもアメリカでも、スポーツイベントはレイシスト・人種差別主義集団とネオ・ナチの温床になっています。 「国家」の領域に生きている者が「国民」とは限りません。アメリカの黒人・有色人種や先住民が「アメリカ国民」というアイデンティティーを持っているとは限りません。日本においてもアイヌ民族、「独立」がささやかれはじめた沖縄、在日コリアン・中国人などの人々がいます。オリンピックはかれらにも日の丸を強制します。 「在日」の人々は、巧妙にスポーツ界から締め出されています。また、メキシコ大会で表彰台から国旗掲揚を拒否したアメリカの黒人陸上選手は、スポーツ界から追放されました。ナショナリズムの扇動は、当然差別の強化と一体です。 長野県警は、オリンピック関連工事がほぼ終了したのを見計って、「ホワイトスノー作戦」などと称して、外国人労働者400人を摘発しました。 オリンピックは、かつて植民地にした朝鮮・台湾選手に日の丸を強制した戦前の暗黒時代と、何一つ変わっていないということです。とにかく、若者が日の丸を振ってギャーギャー騒ぐことほど、権力者を喜ばせるものはないでしょう。 という声もあります。しかし、考えてください。オリンピックは、常に政治に翻弄されてきました。ヒトラーのベルリン大会をはじめ、モスクワ、ロサンゼルス大会の米ソボイコット合戦、サラエボオリンピックの8年後にユーゴ内戦が勃発し、「平和の祭典」のメッキははげました。また、IOC会長・サマランチは、日本でいえば東条英機のような人物で、1970年代までスペインのファシスト政権・フランコ独裁の政府高官だった人物です。 政治屋・土建屋・戦争屋のイベントで勝利を宿命づけられ、ドーピングによる薬物汚染、「タイムの出る」陸上トラックや「よく滑る」スキー板の開発などによって、身体を痛め、生命を落とす選手は枚挙にいとまがありません。 オリンピックも国体や万博のように、誰も注目しないイベントになっていくでしょう。そんなイベントのために血税を使い、ナショナリズムを煽られるのはゴメンです。 |
2月7日から開催されようとしている長野冬季オリンピックは、たった2週間の国威発揚のスポーツイベントのために徹底的な自然破壊と、地域の財政破綻をもたらしました。しかし、オリンピックの問題点は行政とマスコミが一体となったオリンピック翼賛体制によってしっかり隠蔽されてしまいました。 子どもたちは招致のため「動員」され、さらに有料の観客「動員」が図られています。民間企業には「労使協調」で大会期間中の休業とボランティアが、公務員へも「ボランティア休暇制度」を使った「動員」が割り当てられています。地域では隣組組織を使った「協力会」へ動員等まさにオリンピック・ファシズムという状況です。環境浄化を名目に県警が実施した「ホワイト・スノー作戦」により、県下では外国人労働者が一年間で四百人以上も摘発され、人権侵害を起こしています。 オリンピックは障害者を差別し、人間を性・人種・能力によって選別し、天皇を「国家元首」とし、「日の丸・君が代」を全面に押し立てた国家イベントでもあります。「長野冬季オリンピック」に断固として「NO」の意思表示をしましょう。世界へ日本の「暗黒」を訴えるチャンスです。ぜひぜひ2月7日からの長野現地の「オリンピックいらない!2月行動」にすべての皆さんの参加を呼びかけます。ぜひ賛同人にもなってください。 問い合せ先 〒381長野市浅川福岡926―3 江沢正雄方 TEL&FAX026―259―6859/020―525―3695 http://www.ssctnet.or.jp/zui/no-olympic/ |