アジア連帯講座 春の企画 第2回 5月29日(土)6時

日本の軍事的侵略と経済的侵略の構造
ビデオ「教えられなかった戦争 フィリピン編」上映会報告


  五月二十五日、文京区民センターにおいて映画「教えられなかった戦争・フィリピン編」の上映会が開催された。この上映会はアジア連帯講座が主催する「春の連続企画」として、先の「教えられなかった戦争・沖縄編」の上映に続く第二弾として行った。
 映画は日本のフィリピンに対する二度の侵略・今世紀初頭から戦前の軍事占領にかけてのものと戦後の経済的な侵略・をメインに据え、その日本の占領に抗して組織されたフクバラハップに始まって連綿として続くフィリピンの民衆の抵抗の闘いを紹介している。
 私はかなり前に一度見ており、非常に感銘を受けた映画であった。ただし、いま見ると少し古い映画であるという感じは否めない。八〇年代半ば以降にASEAN諸国に洪水のように起こった外資の流入・フィリピンの場合は九二年のラモス政権の成立以降になってやっと本格するが・と、それがフィリピンに対してどのような事態をもたらしているか、この映画では当然のことながら触れられてはいない。
 フィリピンを含む東アジアは直接投資と域内貿易の増大などを通じて国際的なリンケージを強めている。これによって東アジアはかつてない経済的な実体として形成されつつあるといっても過言ではない。この国際的なリンケージを分業構造の再編として捉えていくことがアジアを見ていくうえでの第一の重要な視点と考えているのだが、それについては別の機会に譲るとして、いずれにせよ日本とフィリピンの関係も、そのような広いパースペクティブの中に位置付けて見ていくことが重要だと思う。
 今回については、とりあえず日本とフィリピンの関係に関心をもってもらうということで映画の上映をメインにしたが、いま述べた問題については今後しっかりと討論をする機会をつくっていくので、その際にはぜひ参加していただきたいと思う。

志村 七蔵





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