6・26 アジア連帯講座 
ポルノ被害とは何か

講師  森田成也
さん(ポルノ・買春問題研究会)
日時  6月26日(土) 18:00〜
場所  文京区民センター3C 
(地下鉄春日駅、後楽園駅など)
資料代  500円

   
日本ではこの10年間のあいだに、セクシャルハラスメント、ドメスティックバイオレンス、児童ポルノ買春、ストーカー行為などが深刻な人権侵害であることが認定され、それらの人権侵害に対する法的規制が女性たちを中心とした運動のなかでかちとられてきました。

しかしその一方で、それらの行為から人権を保障する法的規制が極めて不十分であることも指摘されています。またこの10年は性的リベラリズムが日本に蔓延した時期でもありました。性犯罪や人権を侵害するポルノグラフィの蔓延がそれを物語っています。女性たちを中心とした運動によってかちとられてきたさまざまな諸権利が、新自由主義的グローバリゼーションの中でバックラッシュ(反動)に直面しています。「被害者はいない」とまことしやかに主張されるポルノグラフィーが蔓延するこの社会において、私たちは本当に性的な自由を享受しているのでしょうか。本当に自由な性表現は可能なのでしょうか。

今回のアジア連帯講座では、ポルノグラフィの具体的な被害の調査に当たっているポルノ・買春問題研究会の森田成也さんをお招きして、日本におけるポルノグラフィの被害を検証し、「反ポルノグラフィ公民権条例」
(注)などを例に、被害を食い止めるためにどのような行動が必要なのかについて考えます。

(注)「反ポルノグラフィ公民権条例」  アメリカのフェミニスト、キャサリン・マッキノンとアンドレア・ドヴォーキンによって1983年にミネソタ州ミネアポリスで起草された条例。ポルノの法規制を刑法規制(わいせつ物頒布罪)から、民事訴訟による被害の救済に刷新した画期的な法律で、具体的には、五つの加害行為−−「ポルノグラフィへの強制行為」「ポルノグラフィの押しつけ」「特定のポルノグラフィに起因する暴行脅迫」「ポルノグラフィによる名誉毀損」「ポルノグラフィの取引行為」−−による被害者が、損害賠償と当該ポルノグラフィの流通を差し止める民事訴訟を提起できるようにするもの。

参考図書  『キャサリン・マッキノンと語る ポルノグラフィと売買春』(ポルノ・買春問題研究会 翻訳/編集、不磨書房、1500円)