調布市民のみなさん、核のない世界を希望するすべての市民のみなさん、

 私たちは、調布市議会が今年の9月議会で原発の推進を目指す政府に対する意見書を採択したことについて、反対の意見表明を行い、公開質問状を提出しました。東京電力の度重なる不正の発覚を受けて、原発の安全を確保するためには、このような特定の議員の暴挙を許すわけにはいかないと考えたのです。その詳しい内容はこのページに掲載してありますので、ぜひお読みください。
 本日特にお伝えしたいのは、この公開質問状を受け取った「原発推進意見書」に賛成した会派から、期限を2週間過ぎても回答が届かないことです。市議会議員であれば、このような市民からの質問に真摯に答えるのが義務であり、とくに今回の問題のように市民生活にたいへん重大な影響をもたらす問題については、なおさら市民に対する説明責任を負っているはずです。
 ここに、このような原発の推進、不正を働いた東京電力に協力するような意見書に賛成したばかりでなく、市民への説明義務を果たさない議員のみなさんに対して、あらためて抗議するとともに、公開質問状に回答するのが議員の責務であることを確認しておきたいと思います。
公開質問状に答えないのは以下の4会派です。

グローバル調布21(1人)
自由民主党(10人)
公明党(5人)
改革市民の会(1人)

 来年の4月には市議会議員選挙が行われます。このような議員が調布市の市議会議員としてふさわしいのかどうか、市民のみなさまに参考にしていただきたいと思います。私たちはこれからも回答をお待ちしていますが、この現状を広く市民に公開してきます。
 私たちが提出した公開質問状は以下のとおりです。


  公 開 質 問 状

「電力会社による原子力発電所の不適切な取り扱いへの厳正な措置を求める意見書」に賛成された調布市議会議員・会派の皆様

              様
 私たちは今回のこの意見書の内容は、国民感情や世論の動向に逆行するものであり、また大地震などで予想されている原子力災害から市民を守るべき立場の地方自治体の責務から大きく逸脱していると思います。すでに9月議会において正式な審議を経て採択された意見書なのでまことに僣越ではありますが、賛成された各会派のみなさまに、その真意をお尋ねしたいと思います。ご返答は会派としての見解でもけっこうですが、議員おひとりずついただければ幸いです。なおこの意見書の内容はたいへん重大な問題をはらんでおりますので、この公開質問へのご返答は、ご返答の有無も含めて、広く調布市民に広報させていただきます。

 質 問 1 あなたは、今回のこの意見書の採択にあたり、十分な審議が尽くされたとお考えですか? またどのような経過で起草され、提出されたとお考えですか?

 質 問 2 この意見書には「安全性に抵触する場合には、原子炉を停止して点検・補修に万全を期すること」と記載されていますが、ご存じのとおり日本の原発の安全管理は今回のような虚偽報告を20年も許してきました。そのような管理体制の中で、誰がどのように「安全性に抵触する場合」を判断するのでしょうか。お考えをお書きください。

 質 問 3 この意見書が主張する重大な事柄として、「維持基準」の導入を指摘していることがあります。今回明らかになった事故やトラブルを隠蔽する電力会社の体質や、原発を推進する側と許認可権を持つ規制する側が同じ省庁にあって第三者の目が届かないなどの問題をそのままにして、損傷のある原子炉でも運転できるようにするこの「維持基準」の導入には、国民の大きな反発があります。なぜこの「維持基準」の導入促進を主張されるのですか?。

 質 問 4 この意見書は「地球温暖化を阻止」するために原子力エネルギーの有効活用が必要だと主張されています。確かに日本政府はそのような主張を環境サミットなどでしていますが、先進国の中で原発を推進する政府は日本だけになっていますし、温暖化対策に原発をあげる国は世界でも日本だけです。あなたは本当に原発が地球温暖化を防ぐとお考えですか?

 質 問 5 地球温暖化を防ぐ代わりに原発を運転するということは、結果として膨大な放射性廃棄物等の管理を、何万年もの間、後の世代に押しつけることになります(廃棄物に含まれる猛毒のプルトニウムは毒性が半減するまでにも24000年かかるといわれています)。そのことをどのようにお考えですか?。

 質 問 6 世界は脱原発に向かい、日本の世論も原発に不安を持つ意見が多数を形成しています。しかし日本は先進国では唯一原発推進を掲げています。さらに使用済み核燃料から再処理したプルトニウムの利用(もんじゅの運転再開・プルサーマルなど)をめざしています。これは世界中が断念した技術なので、まさに日本だけが推進しているといえます。あなたはこのようなプルトニウム利用も含めて、日本の原子力の商業利用をこのまま推進してもいいとお考えですか?。

 ありがとうございます。期限を設けるのはまことに僣越ではございますが、10月末日までに同封の封筒にてご返送くださいますよう、お願いいたします。

お返事の送り先  原水爆禁止調布市民会議
事務局長  藤川泰志
調布市布田2-2-6 103
TEL 0424-87-1714 FAX 0424-87-1742


市民運動団体が協力して東京電力を告訴します! 以下の「東電の不正事件を告発する会の案内をご覧ください。告発人になってくださる方は、以下の文書の中に告発委任状をプリントできるサイトが掲載されています。この告発と、調布市議会での私たちの「意見表明」は、呼びかけ人が重なっていますが、直接の関係はありません。


東電の不正事件を告発する会

不正に手を貸し告発しない原子力安全・保安院になりかわり、東電を告発しましょう。 私たちの命と暮らしを守るために、東電の原発損傷隠しを許すわけにはいきません!

告発の案内(627kb)含委任状(PDFファイル準備中)
委任状のみ(57kb)(PDFファイル準備中)

私たちの命と暮らしを守るために東電の原発損傷隠しを許すわけにはいきません!

 東京電力、福島県・福島第一・第二原子力発電所と新潟県・柏崎刈羽原子力発電所で長年にわたって、原発に生じた重大な損傷を隠し、国による法定の定期検査を偽装工作までして誤魔化したり、内部告発をきっかけに自主点検記録を改ざんして報告していたことなどが明らかになりました。その多くは、犯罪行為に該当します。

隠蔽工作に手を貸し、不正を告発しない『 原子力安全・保安院 』

 原発推進官庁である経済産業省の中にある、安全規制を担当する 保安院 は、GEII社元社員からの内部告発を2年間も隠し続けました。そして東電の重大な隠蔽工作や事故隠しを「すでに証拠が破棄されていて立証がむずかしい」、「犯人探しはよくない」「時効が成立していて個人の責任を問えない」とか言って刑事告発をしようとしません。

このままでは原発の重大事故が発生する恐れがあります!

 原発事故がどのような悲惨な結果をもたらすかは、チェルノブイリ事故、東海村JCO臨界事故で明らかです。東電はじめ各地の原発でつづく事故隠しが、これまで重大事故にならかったのは、まさに奇跡とさえいう科学者もいます。

_〈 損傷隠しの内容 〉原子力発電事故の際の最後の砦ともいうべき原子炉格納容器の密閉性検査で不正操作をしたり、原子炉を安全に運転する上で重要な働きをする再循環系配管や、炉心燃料を支持するシュラウド(炉心隔壁)、蒸気乾燥機、炉心スプレースパージャ(緊急炉心冷却装置の散水管)などに、何箇所も重大な損傷が生じているにもかかわらず、これを放置したばかりか、さまざまな手段を用いて事故隠しをし、運転を継続するなどです。