浪岡伝道所創立
50周年記念礼拝
2000年11月19日
この日は説教者に、東京三鷹の相愛教会牧師の真壁 巌先生をお迎えしました。 真壁先生は、竹迫之牧師の前任牧師として、黒石教会主任牧師の時代に、浪岡伝道所を5年間兼牧されました。8年ぶりの懐かしい津軽再訪問だったそうです。 |
浪岡伝道所名物の「主の食卓礼拝」! 佐藤優子さんお手製のおいなりさんをみんなでいただきました。教会のメンバーの他、聖愛高校の石垣先生やないすらいふの皆さんも出席してくれました。 |
後ろに座った方々。八甲田伝道所の江戸先生とあかりちゃん。 岩手一戸の佐藤和彦牧師夫妻も参加。 ★浪岡伝道所のささやかな歴史は→こちらにあります |
竹迫之牧師の聖愛高校での説教 『お言葉どおり、この身に』 ルカによる福音書 第1章 34−38 による説教 2000年11月16日 聖愛高校 礼拝にて ********* 「わたしは主のはしためです。お言葉どおり、この身に成りますように。」(38) ********* 今度の日曜日、わたしが牧師を務めている浪岡伝道所の「創立50周年記念礼拝」が行なわれます。現在その準備に追われているのですが、ひとつ困ったことが起きています。今年になってひょんなことから関わりを持ち始めた、精神障害者たちの社会復帰を支援する「ナイスライフ」という団体があります。弘前実業高校の向い側に喫茶店を構えていて、そこで働くことを通じて社会復帰訓練を行なっているのですが、そこのメンバーの有志がバンドを結成していて、今度の50周年記念礼拝で演奏をしてくれることになっています。「困ったこと」というのは、演奏する曲目に『Let It Be』というビートルズの曲がありまして、そのボーカルをわたしにやれ、というのです。アニメソングなら得意なのですが、ビートルズの歌を、しかも英語で歌えということなので、現在真っ青になって特訓中なのです。 さて、この曲を礼拝で演奏するということについて、教会の人と若干議論になりました。「『Let It Be』にはマリアが出てくる。これはカトリックの歌ではないのか。プロテスタント教会である浪岡伝道所の礼拝で歌ってもいいのだろうか」。礼拝でロックを演奏する教会は日本にも幾つもありますし、余りレパートリーが豊かなバンドではないので選択の余地もないのですが、わたしも少々気になって調べてみました。すると、この曲を作ったポール=マッカートニーという人のお母さんの名前が「MARY」さんというんですね。ビートルズを解散するかどうかで悩んでいたポール=マッカートニーが夢で死んだ母親の「MARY」さんと出会った。で、お母さんが「LET IT BE」、つまり「なすがままにしなさい」と言ってくれた。それで、とても楽な気分になって勇気が出てきた。あの歌は、そういう意味だったのです。 これはわたしにとっても新しい発見だったので、友人の牧師たちにそのお話をしたところ、一人の牧師が「あれは確かにポールのお母さんのことだが、ちゃんと聖書にも根拠がある」と教えてくれました。それが、今日お読みした聖書の箇所なのです。結婚前の若い女性だったマリアさんの所に天使がやってきて、「あなたに子どもが生まれます」と告げられた。結婚もしてないのに子どもが出来てしまった。現代においても大騒ぎになるところです。当時だったらもっと大変なことです。人々から「ふしだらな女だ」と嘲られて、ほとんど社会から追放されてしまうくらいの大事件です。あっという間に人生が変わってしまいます。マリアさんも非常に悩んだのではないかと思います。しかし最終的には「神にできないことは何一つない」という天使の言葉に希望を置いて、その劇的な変化を受け入れるのです。「お言葉どおり、この身に成りますように」。つまり、神の言葉のなすがままに任せる。「LET IT BE」ですね。ポール=マッカートニーは、夢で見たMARYお母さんの言葉と、聖書のこの言葉をひっかけてあの歌を作ったと思う、とその牧師は言っていました。 病気のせいで、怪我のせいで、事故や災害や犯罪のせいで、ある日突然人生を大きく変えられてしまった、という人が大勢います。取り返しのつかない変化です。どんなに嘆いても、どんなに悔やんでも、もう元には戻らない。「人生を踏み外してしまった。もう終わりだ」と絶望して、全てにやる気を失って、死んだようになってしまう人もいます。実際に、自殺してしまう人もいます。ですが、「踏み外した所にも、新しい道がある」ということを発見して、挫折を乗り越えて立ち直る人たちも大勢います。立ち直ったといっても、元に戻ったり問題が解決されたりしたわけではありません。その人々は、「何とかなる」「なるようになる」と信じて、戦い続ける生き方を選んだのです。もしも「こんなはずじゃなかった」と落ち込むようなことがあった時には、「お言葉どおりに、この身に成りますように」と運命を受け入れたマリアさんを思い起こして欲しいと思います。「何とかなる」とわたしも信じて、練習に励みたいと思います。浪岡伝道所の50周年記念礼拝は、19日日曜日の午前10時30分からです。 |
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