鹿問題への自然界の回答、
イヌはオオカミになりうるか?
8月16日付けThe Japan Times新聞に、奈良の大台ヶ原で野生のイヌが狩った鹿を口にくわえて運んでいる写真付きで以下のような記事(KENZO MORIGUCHI記者執筆)が載りました(以下新聞記事、訳、要約:斉藤敦子)。
7月の雨の月曜日、「奈良県野生生物保存委員会」のメンバーであり、大台ヶ原の増えすぎた鹿問題に関心をよせ、研究している「みなみうらふみお」氏は、奈良県道沿いの公園道路をドライブ中、まだ血の滴っている若い鹿の頭と前足を口にくわえて速足で進む野犬の姿を見ました。
イヌは茶褐色で、体長約80cm、中型で約17kg、乳首から、子育て中のメスと判明。
鹿は、若い新芽および苗木を少しずつかじり、成熟している木からも樹皮を剥ぎます。
大台ヶ原観光客センターのいわもと氏によると、鹿は東大台ヶ原地域の約200ヘクタールのうち、約40ヘクタールの土地で損害を引き起こしました。
「日本オオカミ協会」は鹿の数の抑圧に、外国からオオカミを再導入することを主張しています。しかし、この写真は、すでに自然界がその問題に答えていることを示唆しています。写真が示すように、野生化した犬は鹿の捕食動物としてオオカミに取ってかわっているかもしれません。
大台ヶ原観光客センターのいわもと氏は、「野生の鹿の個体数を抑制するに十分な野犬がいることは疑わしい。大台ヶ原は険しい山ではない。したがって、鹿は通常犬より速く走ることができます。もし野犬が鹿に数で圧倒しない限り、それらは捕食動物として有効ではないだろう。」と言います。
みなみうら氏は、大台ヶ原エリアで野生のイヌを数度目撃しており、4つあるいは5つのそのような群があると推測しています。「犬が捕食動物の役割をするのは、外国からオオカミを導入するよりも鹿をコントロールすることに対するよりよい選択になるだろう」と言います。「野生化した犬が食べるための十分な野生の鹿がいます」と彼は言います。「正確に、何頭くらいが生息し、どのように生活しているかは、私が今,取り組むべき問題だ。」と述べています。
写真・記事
うーん、すごい生々しい写真。子育て中のメスは優れたハンターになりますな。
北海道でも、野犬が群をなして野生の鹿を襲っているという情報がありましたが、こちらは家畜も襲うようになり駆除されました(まるで海外のオオカミと同じ)。
大台ヶ原の野犬たちは、飼い主によって捨てられたイヌが野生の生活に適応して群をなして生息するようになったことを思うと、改めて人間の責任を感じてしまいます。
今後、大台ヶ原の野犬たちがどのような扱いを受けるのか、興味深いです。・・・A