カナダ、オンタリオ州、アルゴンキン国立公園でオオカミ保護の動き


 カナダ、オンタリオ州のアルゴンキン公園のオオカミの長期存続を保証するためにオンタリオ州政府は、公園の至る所でのオオカミの狩猟およびわなに掛けることの禁止を提案しました。公園を囲む39の郡地区で、政府は、30か月のオオカミのハンティングとワナ猟の一時停止を提案しました。
 天然資源大臣John Snobelenは、トロントの世界野生生物基金(WWF)カナダの年次会議で11月6日に提案された計画を発表しました。目標はアルゴンキンの森林ほぼ3,000平方マイル、湖および川をオオカミにとって安全にすることです。
「アルゴンキン公園は北アメリカ東部でオオカミの最大の保護エリアです」とSnobelenは言いました。「これらの処置は、オオカミがアルゴンキン生態系に重要な役割を果たし続けることを保証する支えになるでしょう。」
 5月に、カナダの絶滅危惧種野生生物委員会は特別に重要な種(要観察絶滅危惧種)として東部のオオカミを指定しました。今日、およそ150匹のオオカミがアルゴンキン公園に生息しています。
 北アメリカのオオカミ保護者たちはSnobelenの提案を賞賛しました。「アルゴンキン公園は特別の場所、オンタリオ州で最も古い公園、オオカミは地域の生態系の重要な部分を占めています。」Kevin Scott(カナダの保護プログラム管理者)は言いました。
 1998年にSnobelenによって提案されたオオカミ保護管理計画である、「アルゴンキン・オオカミ専門委員会」は、科学者、およびハンター、環境保護論者および地元住民の推薦メンバーによって構成されました。
 オオカミ専門委員会は、アルゴンキンのオオカミ個体数が過去40年間にわたり確実に減少し、更に衰退するだろうと結論を下しました。
 オオカミの死のほとんどは人間によって引き起こされますが、オオカミ専門委員会は、狩猟およびわなの禁止を推奨するまではしませんでした。
 Snobelenの、公園およびその周辺のオオカミ猟の完全な一時停止の要求は専門委員会の支持を強く受けました。
「WWFカナダは、アルゴンキン公園で20年間以上の研究を締めくくるこの発表を強く支援します」とMonte Hummel(WWFカナダ代表)は言いました。「それは、オオカミが常に公園生態系の重要な部分になるだろうということを保証することを支援するでしょう。」
 WWFは20年以上オオカミ保存研究に携わっています。それは、特にアルゴンキン公園、ロッキー山脈およびカナダを横切る北西部およびその周辺のプロジェクトで、オオカミの研究および保護活動に対して750,000ドル以上を支援しました。
 Nina Fascione(野生生物肉食動物保護局長)は言います。「最近の遺伝学研究は、アルゴンキン公園のオオカミが東部カナダのオオカミの純血種かもしれないことを実証しました。公園のおよそ150匹のオオカミの生息が保護されることは、この重要な遺伝子の長期存続および保存には重大なことです。」
Snobelenは、「何人かの科学者は、東部のハイイロオオカミは、以前オンタリオおよび南ケベック中部で生息していたオオカミの、およそ3分の1に減ってしまったわずかに残された個体であると信じています。」と言いました。アルゴンキン公園がこれらのオオカミの最大の保護されたエリアであるので、今後の保護計画は重要です。」
 アルゴンキン公園は、カナダでオオカミに関する有名なイベントが開催される場所でもあります。8月の決められた夜に、オオカミの遠吠えを聞くイベントが開催され、2,400人もが参加します。過去30年にわたり、100,000人を越える観光客がオオカミとのハウリングイベントに参加しています。

  2001年11月6日 Environmental News Networkより(訳・文責:敦子)
 

 カナダでEarthrootsというNGOで活動をしている方から連絡をいただきました。
Earthroots(アースルート)は利益を必要としない地に基づいた環境団体であり、動物の生態、森林、湖沼を調査研究、教育、そして行動を通して保護することを目的としております。WolvesOntario!プロジェクトという、オンタリオにおけるオオカミの保護活動も行っています。

「WolvesOntario!プロジェクト」
・WolvesOntario!プロジェクトの目標について
1、民間の方々にオンタリオにおけるオオカミ頭数の危機を知って頂くよう努力しております。

2、キャンペーンを通して、政府の現在の政策であるオオカミの頭数制御、ハンティング、罠、スネアリング(ワイヤーによる罠、現在最も主流に使われています)の変更、廃止を活発に訴えかけています。

3、民間の強い要請により意味のあるオオカミ、そしてオオカミの生態を保護する法律を成し得れるよう活動しております。

WolvesOntario!プロジェクトはオンタリオ(特にAlgonquin Provincial Park)におけるオオカミの危機的状況に対処するため発足しました。オンタリオ州では年間を通して告知や頭数制御もなくオオカミが狩猟され、罠にかけられています。
現在ほんの少しの場所でオオカミの完全保護がなされていますが、それは州立公園でのほんの9%の部分でだけしかありません。

との事です。以下のWolvesOntario!のサイト(英語)では、知事へのメールなど誰もが出来るアクションの紹介もありますので、ぜひ協力をお願いします。

Wolves Ontario!