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日本政府は国連勧告を受け入れ、
性奴隷(「慰安婦」)問題に解決を
ACCEPT THE RECOMMENDATIONS BY THE UNITED NATIONS ON THE ISSUE OF MILITARY SEX SLAVES ('COMFORT WOMEN')
1996年3月10日発
1996年4月19日更新
日本の戦争責任資料センター内「応じよ国連勧告」事務局
(Netscape Navigator2.0以上推奨)
内閣総理大臣 橋本龍太郎 殿
世界の人権問題に強い関心を寄せてきた国連人権委員会は、一昨年「女性への暴力に関する特別報告者」としてクマラスワミさんを任命していましたが、彼女は2年にわたる調査の上、本年2月5日、日本軍「慰安婦」問題に関する報告書を公表しました。同報告書は、歴史と法律を詳しく検討した結果、「慰安婦」は「性奴隷」であり、日本軍が行ったことは国際人道法に違反する戦争犯罪(人道に対する罪)であるとして、次のように勧告しています。
- 日本軍による慰安所制度は、国際法違反であり、日本政府はその法的責任を果たすべきである。
- 性奴隷制の被害者に対して日本政府は個人補償すべきであり、そのため行政的審査会を早急に設置すること。
- 同問題に関して日本政府が所持しているすべての資料を公開すること。
- 性奴隷制による被害女性に対して、文書による公式謝罪をすること。
- 歴史の事実を教育の内容に反映させ、この問題に関する意識を高めること。
- 慰安所に女性たちを収容させた犯行者を特定し、できうる限り処罰すること。
この結論は、国連人権小委員会での4年間におよぶ研究と勧告や、昨年9月に開かれた北京世界女性会議の決議などを踏まえ、さらに現在の段階の最も高度な調査や研究に基礎を置いたものと考えられ、私たちは厳粛な気持ちでこの勧告を受け止めたいと思います。
少なく見積もる人で8万人、多く数えるならば20万人を超すといわれる性奴隷にされた女性たちの被害の計り知れない重さと深さを思うとき、これを犯罪とみなし、重大な犯罪に見合った処置を日本が要求されることは、当然のことといわねばなりません。
日本政府は、報告書が国家自身の責任を問うていることに留意すべきです。この戦争犯罪の責任を引き継いでいるのは日本政府であり、勧告されている内容を受け入れ、それを具体化する政策内容の検討に入るべきです。現行の「女性のためのアジア平和国民基金」は補償の代わりとなるものではありません。政府は、国家の責任にもとずいて個人賠償を行うべきです。また、真相を徹底して調査し、被害者への謝罪文の内容、教育カリキュラム、処罰問題などについても検討する機関を、早急に政府や国会に設置し、意見を広く求めるべきです。性奴隷の政策を立案・実施した責任者の処罰の問題は、現在設置に向けて国連で議論が進んでいる国際刑事裁判所に委ねるべきか、日本国が進んで国内法を制定して実情に見合った処置を行うか、その機関で十分検討する必要があります。
私たちは、この勧告を歓迎します。今も軍の性暴力によって被害を受けている沖縄の女性たち、そしてアジアの女性を性奴隷として買い続けている日本人の現状を考えるとき、むしろ日本人が人間として自己回復し、アジアをはじめ世界と平等で平和な関係を作り上げる糸口を示されたものと受け止め、以下の要求を政府に対して行います。
- 日本政府は、性奴隷(「慰安婦」)に関する国連勧告を受け入れるべきです。
- また勧告を具体化する審議機関を設置し、立法などの措置を早急に講じるべきです。
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日本の戦争責任資料センター内「応じよ国連勧告」事務局
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- アジア女性資料センター
- 三浦 綾子
- 作家
- 武者小路 公秀
- 明治学院大学教授
- 吉見 義明
- 中央大学教授
(50音順、1996年2月5日現在)
- クマラスワミさんによる日本軍「慰安婦」問題に関する勧告は、被害当事者の方たちの悲痛な叫びと、それを支える運動が勝ち取った判決とでも言うべきものです。
- 上記報告書は、3月に開催される人権委員会で審議されることになりますが、日本政府は、この度の勧告を厳粛に受け止め、人権委員会で反対の論陣を張るなどの行為はせず、早急に勧告を受け入れるための施策の検討に入るべきです。
- かつてリットン調査団による報告を日本が無視して従わず、国際連盟を脱退し、孤立とアジアとのより深い対立の道へと突き進んだ苦い経験を繰り返してはなりません。もし、日本政府が態度を変えないならば、国際世論は非難を強めるでしょう。これを機に、日本政府はすみやかに方向を転換し、被害者との和解の道を急ぐべきです。
署名の第一次集約は3月15日です。署名数を人権委員会で発表します。
発信責任者
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