所沢高校(埼玉県)で学校当局(校長)の横暴に

生徒、教員が怒る!!!

▽所沢高校で卒業式ボイコット=生徒の大半が校長に反発3/9

埼玉県所沢市の県立所沢高校(内田達雄校長)で9日行われた卒業式で、卒業生約420人のうち約20人が出席しただけで、ほぼ全員の生徒はボイコットし、父兄とともに手作りの卒業記念祭を実施しました。

生徒たちは記念祭のために準備を進め、学校側に対し、粘り強く交渉を続けてきたが、こ内田校長はこれを認めず、「卒業式」を強行しました。

▽所沢高校生徒会は、新入生に対して「入学を祝う会」を計画していましたが、学校校長は「指導要項」に基づく「行事」として「入学式」を挙行すると言明。これに教員は職員会議の”罷免”を決議をしました。また父兄も、生徒、父兄、教師と話し合う姿勢のない内田校長に対する「配置転換」を求める要求書を県教育委員会に提出。内校長は、昨年同校に赴任以来、生徒、父兄、教員との交流を重要視せず、独断で学校運営を行ってきた、と言われています。4/2

▽所沢高校の生徒が計画している「入学を祝う会」を弁護団が支援。

昨年11月同校生徒会は、生徒総会において、9日に予定されている「入学式」を行わず、「祝う会」を行うことを決議していました。この決議は、管理職を除く職員会議でも承認されました。しかし、新入生に対する入学説明会で「祝う会」への参加を保護者に対して求めた教諭に対し、県教委が戒告処分を決定。教職員、PTAはこれに猛反発し、内田校長の配置転換要求書を県教委に提出しました。

このような状況で「生徒たちに対して不当な指導があり得る状況だ。監視すべきだ」と、「東京弁護士会子どもの人権救済センター」の津田玄児弁護士らが弁護団を結成することになった。4/3


埼玉県立所沢高校問題、入学式までの経緯

97年4月1日
内田達雄校長、遠藤孝一教頭が赴任。

9日

学校側が「国旗掲揚、国歌斉唱」を盛り込んだ入学式を開く。教職員・生徒と対立。

6月
生徒会卒業準備委員会がアンケート。生徒主催の門出式を開く計画を立てる。

7月
生徒会と内田校長が話し合い、校長は「国旗掲揚、国歌斉唱による厳粛な式」の開催を主張。

11月11日

生徒総会。「卒業式は行わず、それに代わる式典として卒業記念祭実施」を決議。

同月
職員会議が生徒総会の決議を支持。

12月24日

終業式で校長が学校主催卒業式を開くことを「宣言」する。
98年1月13日 校長と全校生徒が話し合うが、物別れ。

3月9日

学校側は卒業式を、生徒側は記念祭を別々に実施。「卒業式」には18人が出席(卒業生約420人)。

同18日

学校が「入学許可候補者説明会」を実施。「入学が許可されていないとの印象を与えると、PTAが反発。

同26日

「校長の意に反する発言」をした教諭が戒告処分。

同日

教職員が校長の罷免要求を決議

同31日

PTAが県教委に処分撤回と校長の配置展開を求める請願書を臨時総会で決議。職員会議も処分撤回要求を決議。

同日

校長と県教委が「入学式出ないと入学許可できない」旨の通知を新入生家庭に配布。

7日

PTA代表者らが県教委に抗議

同日

埼玉県の教育学者の一部が「入学式出欠は入学許可の可否判断の要件にはならない」との声明を発表。生徒たちの人権擁護の立場から弁護士有志が弁護団を結成。

8日

県教委、「入学式出欠は入学許可の可否判断の要件」という判断を避ける発言。

4/9校長がルール無視の「入学式」を強硬

これまで、所沢高校では生徒と教師が話し会いを通して手作りの入学式を行ってきました。その前提として、生徒同士の話し合い、教師との話し合い、そして歴代の校長先生の承認がありました。こうしてすべての合意の下に作られたルールを昨年度新たに赴任してきた内田校長が、これまでのルールを一方的に破り、生徒、教員との十分な話し合いのないまま、文部省の「学習指導要領」を盾に、「厳粛な入学式」なるものを強行したわけです。

4月9日、内田校長は、この「入学式」を強行し、約半数の新入生が参加したようです。一方、この後行われた生徒による「入学を祝う会」には、ほぼ全校生徒1500人が出席しました。

今回の問題に関して、一部マスコミ(フジテレビ)では「ある政治団体が生徒を利用して操っている」旨のコメントを解説者が述べていました。しかし、同校の教師での教員組合加入者は約半数ですが、校長の罷免要求には大多数が賛成しているという事です。また、生徒たちも「各生徒が自主的に判断して行くのが伝統」という認識です。これらの点から、特定の政治勢力のみの活動範囲とはとても考えられないと思います。むしろ生徒たちが自分たちの行動に責任を持ち、協力しながらことを進めていく姿は、子どものみならず、大人たちも見習うところが多いのではないかと思われます。