米国対世界:国連を舞台に
ウィリアム・ブルム
ローグ・ステート
(『アメリカの国家犯罪全書』2003年3月刊行)
第20章
1987年12月7日 国連総会決議42/159
国際テロリズムを予防する手段、テロリズムの背景にある政治経済的要因の研究、テロリズムを定義し、それを民族解放闘争と区別するための会議の開催
賛成153反対2(米国・イスラエル)
1984年12月17日 国連総会決議39/148N 123対1
核実験禁止、核軍拡競争の停止と核軍備縮小
賛成123反対1(米国)
1983年12月20日 国連総会決議38/187A
化学兵器及び細菌兵器の禁止に関する条約を実現するための交渉を促進すること
賛成98反対1(米国)
1983年12月20日 国連総会決議38/182
新種の大量破壊兵器開発と製造の禁止
賛成116反対1(米国)
1981年12月9日 国連総会決議36/87B
中東地域における核兵器非武装地域の設立
賛成107反対2(米国・イスラエル)
1980年12月12日 国連総会決議35/154
核非保有国に対する核兵器不使用宣言
賛成110反対2(米国・アルバニア)
はじめに
我々アメリカ人は、半世紀以上にわたって、アメリカは「自由世界」の指導者であると
教わってきた。そうであるならば、次のように訪ねることは正当であろう。追従者はど
こにいるのか。他の政府や指導者たちが、アメリカが単に1万ポンドの巨人であるとい
う以外の理由で、アメリカ政府の世界観に動かされているという証拠はどこにあるのか。
知的あるいは道徳的指導性に対して生まれる忠誠と敬意はどこに見られるのか。朝鮮、
ベトナム、アフガニスタン、ペルシャ湾岸、ユーゴスラビアなどなどで行った戦争への
支持を取り付けるため、米国は賄賂、強迫、詭弁に訴えなくてはならなかった。国連で
は、米国は、しばしば他の1、2カ国とともに、人権や平和、核武装解除、経済的公正
の促進、南アフリカのアパルトヘイトに対する闘い、イスラエルの無法な振舞いなどな
どの総会議決に、驚くほど一貫して反対してきた。
以下の表は、米国のこうした振舞いの一部を示すものである。この表では1978年か
ら1987年を、(取り立てて理由なく)選んだ。また、次のように3つの期間に分か
れている:
1978年〜1981年:全ての国連総会決議を調べ、その中で、米国が単独で、ある
いは他の1カ国か2カ国とともに、反対票を投じた決議をリストした。
1982年〜1983年:全ての国連総会決議を調べ、その中で、米国が単独で反対票
を投じた決議をリストした。
1984年〜1987年:総会決議のサンプルを示した。
合計で、約150の決議を挙げてある。棄権については扱っていない。ここで挙げたも
の以外に、同じ期間、イスラエル一国が反対し米国一国が棄権した議決も多数ある。
国連安保理及び経済社会理事会での投票は扱っていないが、そこで見られる傾向は総会
と非常に似通っている。安保理では、米国が単独でも反対票を投じれば、それで決議が
阻止されるのはもちろんである。
1983年の米国によるグラナダ侵略は、ほとんど全てのラテンアメリカ諸国から非難
された。米国を支持したのは、チリ、グアテマラ、ウルグアイの軍事独裁政権だけであ
った。国連でも、圧倒的多数が侵略反対に投票した。これに対し、レーガン大統領は次
のように言っている。「国連に加盟している100カ国は、我々が関与しているほとん
ど全てのことについて、我々に同意しないが、それは別に私の朝食の邪魔にはならない
。」[注1]
そういえば、「共産主義の邪悪さの一つは世界の意見に耳を傾けないことだ」と、私た
ちはいつも聞かされていた。
「人類の見解を尊重し」(米国独立宣言)
1978年
日時 決議番号 賛成/反対票
12月15日 33/75 119対2(米国・イスラエル)
安保理、特にその常任理事国に対し、国際的な平和と治安の維持に関する国連決議を確
実なものにするために必要な全ての手だてをとるよう求める決議
12月18日 33/110 110対2(米国・イスラエル)
パレスチナ人の生活状態について
12月18日 33/113C 97対3(米国・イスラエル・グアテマラ)
占領地におけるイスラエルの人権侵害批判
12月19日 33/136 119対1(米国)
先進国に対し、低開発国への開発援助を質量ともに増加させるよう求める決議
1979年
1月24日 33/183M 114対3(米国・フランス・英国)
南アフリカのアパルトヘイト政権に対する全ての軍事・核協力の停止
1月29日 33/196 111対1(米国)
開発途上国の輸出品に対する保護
11月23日 34/46 136対1(米国)
人権と基本的自由の享受を改善するために、国連の枠組みで別のアプローチを取ること
11月23日 34/52E 121対3(米国・イスラエル・オーストラリア)
イスラエルにより追放された住民の帰還
12月11日 34/83J 120対3(米国・英国・フランス)
軍縮と核兵器競争停止の交渉
12月12日 34/90A 111対2(米国・イスラエル)
イスラエルが行っているいくつかの人権侵害を停止する要求
12月12日 34/93D 132対3(米国・英国・フランス)
南アフリカに対する武器禁輸の強化
12月12日 34/93I 134対3(米国・英国・フランス)
南アフリカの抑圧された人々とその解放運動への支援
12月14日 34/100 104対2(米国・イスラエル)
国家の国内・外交問題に対する介入への支援に反対すること
12月14日 34/113 120対2(米国・イスラエル)
アラブ諸国被占領地域でのパレスチナ人の生活状況の報告を求める決議
12月14日 34/133 112対3(米国・イスラエル・カナダ)
パレスチナ人への支援
12月14日 34/136 118対2(米国・イスラエル)
アラブ諸国被占領地域での資源に対する主権
12月17日 34/158 121対2(米国・イスラエル)
国連女性会議の準備と実行について
12月17日 34/160 122対2(米国・イスラエル)
米国女性会議のアジェンダにパレスチナ女性を含めること
12月19日 34/199 112対1(米国)
多国家間貿易交渉において開発途上国の権利を保全すること
1980年
11月3日 35/13E 96対3(米国・イスラエル・カナダ)
イスラエルに追放された人々の帰還を認めるよう要求すること
12月5日 35/57 134対1(米国)
低開発諸国の開発と国際経済協力の促進のために新国際経済秩序を確立すること
12月5日 35/75 118対2(米国・イスラエル)
パレスチナ人の生活状態についてイスラエルの政策を非難する決議
12月11日 35/119 134対3(米国・英国・フランス)
植民地諸国と人民に独立を与える宣言の実行について
12月11日 35/122C 118対2(米国・イスラエル)
占領地でのイスラエルの人権侵害について[同じ日、同様の決議がさらに2つあった。
35/122E(119対2)、35/122F(117対2)]
12月11日 35/136 132対3(米国・イスラエル・カナダ)
国連女性の十年後半期の行動プログラムの確認
12月12日 35/145A 111対2(米国・英国)
全ての核爆発実験の停止
12月12日 35/154 110対2(米国・アルバニア)
核非保有国に対する核兵器不使用宣言
12月15日 35/169C 120対3(米国・イスラエル・オーストラリア)
パレスチナ人の権利
12月15日 35/174 120対1(米国)
民族及び個人の発展は人権であることの強調
12月16日 35/206J 137対3(米国・英国・フランス)
南アフリカの抑圧された人々とその解放運動への支援
1981年
10月28日 36/12 145対1(米国)
反人種主義、南アフリカとナミビアにおけるアパルトヘイト非難
10月28日 36/13 124対1(米国)
いくつかの国と多国籍企業による南アフリカ政府支援の非難
10月28日 36/15 114対2(米国・イスラエル)
東イェルサレムのいくつかの場所をイスラエルが発掘していることに対する停止要求
11月9日 36/19 126対1(米国)
全ての国家が、人々の意志に従って、自らの経済・社会体制を、いかなるかたちであれ
外部からの干渉なしに、選ぶ権利
11月13日 36/27 109対2(米国・イスラエル)
イスラエルによるイラクの核施設爆撃非難
12月1日 36/68 133対3(米国・英国・グアテマラ)
植民地における外国の経済活動に対する非難
12月4日 36/73 109対2(米国・イスラエル)
パレスチナ人の生活状態についてイスラエルの政策を非難する決議
12月9日 36/84 118対2(米国・英国)
全ての核兵器の爆発実験の停止
12月9日 36/87B 107対2(米国・イスラエル)
中東地域における非核兵器地域の設立
12月9日 36/92J 78対3(米国・カナダ・ブラジル)
核戦争を予防し、軍拡競争を停止し、軍備縮小を促すための手だてを支持する世界的な
署名集めを行うこと
12月9日 36/96B 109対1(米国)
化学兵器・生物兵器禁止のための交渉を促すこと
12月9日 36/98 101対2(米国・イスラエル)
イスラエルによる核兵器所有の放棄を要求する決議
12月10日 36/120A 121対2(米国・イスラエル)
パレスチナ人の権利
12月10日 36/120B 119対3(米国・イスラエル・カナダ)
パレエスチナの権利
12月10日 36/120E 139対2(米国・イスラエル)
エルサレムの地位
12月14日 36/133 135対1(米国)
教育、労働、保健、適切な滋養、国家の発達等々は人権であるという宣言
12月16日 36/146A 141対2(米国・イスラエル)
ガザのパレスチナ人難民
12月16日 36/146B 121対3(米国・イスラエル・カナダ)
追放されたパレスチナ人が自らの家に戻る権利
12月16日 36/146C 117対2(米国・イスラエル)
パレスチナ人難民の財産から得られた収入
12月16日 36/146G 119対2(米国・イスラエル)
パレスチナ人難民のためにエルサレム大学を設置すること
12月16日 36/147C 111対2(米国・イスラエル)
占領地でのイスラエルによる人権侵害
12月16日 36/147F 114対2(米国・イスラエル)
占領地でのイスラエルによる大学閉鎖に対する非難
12月16日 36/149B 147対2(米国・イスラエル)
新しいより公正な世界の情報・通信秩序設置の呼びかけ
12月16日 36/150 139対2(米国・イスラエル)
地中海と死海の間に運河を開設しようというイスラエルの決定に対する反対
12月17日 36/172C 136対1(米国)
南アフリカによるアンゴラをはじめとするアフリカ諸国への攻撃に対する非難
12月17日 36/172H 129対2(米国・英国)
南アフリカ経済制裁に関する労働組合の国際会議の開催
12月17日 36/172 126対2(米国・英国)
南アフリカに反対する様々な国際行動の奨励
12月17日 36/172N 139対1(米国)
南アフリカに対する経済制裁その他の手段の支持
12月17日 36/172O 138対1(米国)
南アフリカへのさらなる外国からの投資及び貸付の禁止
12月17日 36/173 115対2(米国・イスラエル)
パレスチナ及びアラブ諸国の占領地域における国家資源に対する恒久主権について
12月17日 36/226B 121対2(米国・イスラエル)
ゴラン高原に対するイスラエル法の適用禁止
12月18日 36/234B 127対1(米国)
1980年から81年度の国連会計の変更
1982年[米国が単独で反対票を投じたもののみ]
10月28日 37/7 111対1
環境保全世界憲章
11月15日 37/11 136対1
国家資産、アーカイブ、負債に関する国家の継承を巡る国連会議設置について
12月3日 37/47 124対1
アパルトヘイト廃止と処罰に関する条約を全ての国家が批准するよう求めるアピール
12月9日 37/69E 141対1
アパルトヘイトに対する国際的な反対を促進すること
12月9日 37/69G 138対1
スポーツに関するアパルトヘイトに反対する国際条約の草案作成
12月9日 37/69H 134対1
南アフリカへのさらなる外国からの投資及び貸付の禁止
12月9日 37/73 111対1
包括的核実験禁止条約の必要性について
12月9日 37/78A 114対1
米国とソ連に対して、核兵器交渉に関するステータス・レポートを公開するよう要求す
る決議[ソ連は棄権]
12月9日 37/83 138対1
宇宙における軍拡競争の予防
12月10日 37/94B 131対1
新たな世界情報・通信秩序を促進するUNESCOのイニシアチブへの支援
12月13日 37/98A 95対1
化学・生物兵器禁止に関する条約の必要性
12月16日 37/103 113対1
新経済秩序に関する国際法の原則と規範の開発
12月17日 37/131 129対1
UN Joint Staff Pension Boardに関する、一部の国連職員を排除したりすることを避け
ることを含む対処策について
12月17日 37/137 146対1
健康と環境に有害な製品に対して健康・環境を守ること
12月18日 37/199 131対1
教育、労働、保健、適切な滋養、国家の発達等々は人権であるという宣言
12月20日 37/204 141対1
経済権と国家の責務憲章の実施状況を検討する動き
12月21日 37/237/XI 132対1
アジスアベバにおけるアフリカ経済委員会の会議設備の十分さについて
12月21日 37/251 146対1
発展途上国のエネルギー資源開発
12月21日 37/252 124対1
新国際経済秩序を創り出すために国際経済関係を再編成すること
1983年[米国が単独で反対票を投じたもののみ]
11月22日 38/19 110対1
アパルトヘイト廃止と処罰に関する条約
11月22日 38/25 131対1
全ての国家が、人々の意志に従って、自らの経済・社会体制を、いかなるかたちであれ
外部からの干渉なしに、選ぶ権利
12月5日 38/39E 149対1
反アパルトヘイトキャンペーンに関して資料を配付し会議を開催すること
12月5日 38/39I 140対1
アパルトヘイトに対する抗議として、安保理に、南アフリカに対する経済制裁を求める
決議
12月5日 38/39K 145対1
スポーツに関するアパルトヘイトに反対する国際条約の認定
12月15日 38/70 147対1
宇宙空間の利用は平和的であるべきことについて、宇宙における軍拡競争の予防
12月16日 38/124 132対1
教育、労働、保健、適切な滋養、国家の発達等々は人権であるという宣言
12月19日 38/128 110対1
新国際経済秩序に関する国際法の原則と規範の開発
12月19日 38/150 137対1
アフリカ交通と通信の十年
12月20日 38/182 116対1
新種の大量破壊兵器開発と製造の禁止
12月20日 38/183M 133対1
核兵器保有国に対して、総会に、核戦争を予防し軍拡を抑えるために取っている手段に
ついて年次報告を提出する要求
12月20日 38/187A 98対1
化学兵器及び細菌兵器の禁止に関する条約を実現するための交渉を促進すること
12月20日 38/188G 113対1
海軍軍拡競争に関する研究要求
12月20日 38/188H 132対1
軍縮と安全保障問題に関する独立委員会
12月20日 38/202 126対1
自然災害をはじめとする災害に対する国連の対応力を強化すること
1984年[選択的]
11月8日 39/9 134対2(米国・イスラエル)
国連とアラブ連盟との協力
11月16日 39/14 106対2(米国・イスラエル)
イスラエルによるイラクの核施設爆撃非難
11月23日 39/21 145対1
人種差別撤廃委員会の報告
12月5日 39/411 119対2(米国・英国)
セントヘレナ独立の権利の再確認
12月5日 39/42 121対2(米国・英国)
南アフリカのナミビア政策その他の政策支援非難
12月11日 39/49A 127対2(米国・イスラエル)
パレスチナ人の権利
12月11日 39/49D 121対3(米国・イスラエル・カナダ)
中東平和会議の開催
12月12日 39/62 125対1
新種の大量破壊兵器開発と製造の禁止
12月12日 39/65B 84対1
化学・細菌兵器の禁止
12月13日 39/72G 146対2(米国・英国)
アパルトヘイト廃絶国際行動
12月13日 39/73 138対2(米国・トルコ)
公海法
12月14日 39/95A 120対2(米国・イスラエル)
占領地でのイスラエルの人権侵害
12月14日 39/95H 143対2(米国・イスラエル)
パレスチナ市長暗殺計画非難と実行犯の逮捕と裁判要求
12月17日 39/147 94対2(米国・イスラエル)
イスラエルが、自国の核施設を国際原子力機関の監視下に置くことを拒否したことにつ
いての非難
12月17日 39/148N 123対1
核実験禁止、核軍拡競争の停止と核軍備縮小
12月17日 39/151F 141対1
軍事研究開発に関する国連の研究継続要求
12月17日 39/161B 143対1
植民地諸国と人民に独立を与える宣言25周年記念
12月18日 39/224 146対2(米国・イスラエル)
パレスチナ人に対する経済社会支援
12月18日 39/232 118対2(米国・イスラエル)
国連産業開発機構への支持
12月18日 39/233 120対1
アフリカ産業開発の十年
12月18日 39/243 123対2(米国・イスラエル)
西アジア経済委員会を巡るスタッフと運営に関する質問
1985年[選択的]
12月13日 40/114 134対1
経済的、社会的、文化的、市民的、政治的権利の不可分性と相互依存性について
12月13日 40/124 130対1
人権と基本的自由の享受を改善するために、国連の枠組みで別のアプローチを取ること
12月13日 40/148 121対2(米国・イスラエル)
ナチ、ファシスト、ネオファシストの活動に対して手だてを講じること
12月17日 40/445 133対1
金融、財政、債務、資源流通、貿易と開発という相互に関連する領域の国際協力
1986年[選択的]
10月27日 41/11 124対1
南大西洋平和協力地帯
12月3日 41/68A 148対1
現在の情報・通信分野での不公平を是正するための、UNESCO主導の新国際情報秩
序
12月4日 41/90 126対1
国際安全強化宣言の実施状況のレビュー
12月4日 41/91 117対1
国際状況を改善するための結果指向の政治的対話の必要性について
12月4日 41/92 102対2(米国・フランス)
国際平和安全の包括的体制確立
12月4日 41/128 146対1
開発の権利について
12月4日 41/151 148対1
あらゆる移民労働者の人権と尊厳を巡る状況を改善し保証する手段
12月8日 41/450 146対1
健康と環境に有害な製品に対して健康・環境を守ること
1987年[選択的]
10月15日 42/5 153対2(米国・イスラエル)
国連とアラブ連盟との協力
11月12日 42/18 94対2(米国・イスラエル)
ニカラグアに対する軍事・準軍活動に関する国際司法裁判所の判決を遵守する必要性
12月2日 42/69J 145対2(米国・イスラエル)
西岸のパレスチナ人難民を家と財産から引き離し再定住させようとするイスラエルの計
画断念を求める要求
12月7日 42/101 150対0対1(米国が単独棄権)
「子供の権利協定」要求
12月7日 42/159 153対2(米国・イスラエル)
国際テロリズムを予防する手段、テロリズムの背景にある政治経済的要因の研究、テロ
リズムを定義し、それを民族解放闘争と区別するための会議の開催
12月8日 42/162B 140対1
低開発諸国のジャーナリスト訓練と通信サービス強化のための資金
12月11日 42/176 94対2(米国・イスラエル)
ニカラグアへの貿易封鎖解除
12月11日 42/198 154対1
対外債務問題を巡る国際協力の促進
12月11日 42/441 131対1
貿易開発国連会議の総括報告準備
キューバに対する米国の経済封鎖を終わらせる必要性
1992年 59対2(米国・イスラエル)*
1993年 88対4(米国・イスラエル・アルバニア・パラグアイ)
1994年 101対2(米国・イスラエル)
1995年 117対3(米国・イスラエル・ウズベキスタン)
1996年 138対3(米国・イスラエル・ウズベキスタン)**
1997年 143対3(米国・イスラエル・ウズベキスタン)
1998年 157対2(米国・イスラエル)
1999年 155対2(米国・イスラエル)
*ルーマニアも、うっかり反対票を投じた
**初めてEU加盟15カ国全てが賛成票を投じた
長年、アメリカの政治指導者とメディアが好んでキューバを「国際無法者」と呼んでき
たことを思い起こそう。
食料は人権ではない
上記からわかるように、1982年と1983年に、米国は単独で、教育、労働、保健、
適切な滋養、国家の発達等々は人権であるという宣言に反対票を投じている。それから
13年たった後にも、米国はこの態度を軟化させてはいなかった。1996年、国連ス
ポンサーの世界食料サミットで、米国は、サミットの「全ての人が安全で栄養のある食
料にアクセスする権利」を取り上げ、米国は「食料への権利」を認めないと主張した。
アメリカ政府はその代わりに飢餓の根元にある貧困を撲滅するために自由貿易を提唱し、
「食料への権利」を認めると、援助を求め特別な貿易条件を求める貧困国から裁判が起
こされる可能性があるとの懸念を表明している[注2]。
米国と国連について見逃したかもしれないいくつかのこと
1949年、米国は、国連の初代事務総長トリグブ・リー(ノルウェー)を、書面によ
る秘密合意を米国国務省との間で交わすよう説得した。この合意は、基本的自由と国連
憲章に反して、国連事務局のポストに対する応募と職務を、職員には知らせずに、米国
の機関が「選択」するというものであった。これはまず第一に、当時の国連本部職員の
約半分、2000人に及んだ米国籍の国連職員を対象とするものであったが、この秘密
合意は米国以外の国籍の国連職員にも及び、また、米国外に本部を置く国連機関にも及
んだ。この合意は、当時既に十分確立されていた政策を適用したものであった。すなわ
ち、米国国務省は、国際公務員から献身的な国際主義者を排除し、職務を米国の利害に
合致させようと意図していたのである[注3]。
1952年には、「米国政府から提供を受けた機密情報に基づき」、リーは、国内治安
に関する米国上院小委員会で憲法修正第5に訴えた3名の米国籍国連事務局職員を解雇
した。同じことをしたさらに7名の米国籍職員も、有給強制休職処分となった[注4]。
1983年、米国の国連副外交官は、他の国連加盟国に対し、国連本部を米国外に移し
たいなら、レーガン政権はそれを止めはしないと述べた。チャールズ・リシェンシュタ
インは次のように述べている。「我々はあなたたちのそうした動きを妨害しない。米国
の国連代表部職員は、埠頭に降りて、あなたたちが夕日に向かって船出するのを、手を
振って見送るだろう。」[注5]
注
1.New York Times, November 4, 1983, p. 16.
2.Washington Post, November 18, 1996.
3.Shirley Hazzard, Countenance of Truth: The United Nations and the Waldheim
Case (Viking, New York, 1990), p. 7. Hazzardは1952年から1962年まで
国連で働いていた。
4.New York Times, November 1, 1952, p. 1.
5.The Guardian (London), September 20, 1983.この翌日、ホワイトハウス
はリシェンシュタインの言葉を否定した。
William Blum氏は1967年に、ベトナム戦争に反対して国務省を辞任した。その後、
ワシントン最初の「地下」新聞『ワシントン・フリー・プレス』を創刊、編集にあたる。
1969年には、CIAの内部を暴く本を出版し、200名以上のCIA職員の名前を
明らかにした。
Blum氏は、米国、ヨーロッパ、南米でフリージャーナリストとして活動。1972年
から73年には、チリに滞在し、アジェンデ政権の「社会主義の実験」とCIAが計画
したクーデターによる転覆について記事を書く。これを通して、彼は米国が世界中でや
っていることへの関心をますます高める。
1970年代半ばには、もう一人の元CIAオフィサPhilip Ageeとともに、ロンド
ンでCIAの内実を暴くことに従事。1980年代後半、Blum氏はロサンジェルスでシナ
リオライターになろうとするが、理念と問題意識という二つを常に持っていたために、
ハリウッドで受け入れられることはなかった。
彼は現在、再びワシントンに住み、問題の多い政治的見解がゆえに悪化する安定を
回復できず、政府機関や右派寄りの企業に雇われることもできず、収入を得るための絶
望的試みとしてエキセントリックな本を書いている(Rogue Stateの他に、
Killing Hope: US Military and CIA Interventions Since World War II,
改訂版,2001年, Monroe: Common Courage Press.という著書もある)。
それゆえ、Blum氏は、みなさんに、本書(Rogue State)を10冊単位で買い取
って欲しいと考えている。22世紀にも生活を続けるために。
電子メール:bblum6@aol.com
http://members.aol.com/bblum6/American_holocaust.htm