サム・ハモッド
Information Claring House原文
2004年4月28日
今日、米軍兵士はファルージャ中心部の病院と救急車、学校、住居を襲撃した。「防衛行為」と称して。これは、攻撃を防衛に見せかけ、侵略と占領を平和と自由に見せかけるための、捻れた言葉遣いのまた一つである。我らがメディアも疑問を投げかけることなくそれに従った。従順なオウムのように。けれども、これは米国がイラクを侵略して以来、ずっと変わらずしてきていることである。著名な一般意味論学者アルフレッド・コルジブスキーが我らが米軍とメディアの言葉を耳にしたら、墓の中で寝返りを打つことだろう。
キミット将軍とダン・シニョールは「反乱軍」や「外国から来た戦士」たちがファルージャの人々を脅迫しようとしていると語っている。実際には、これはまるで逆さまである。我らがアメリカ人こそが、ファルージャそしてイラクで招かれもしないのに「外国から来た兵士」であり、ファルージャの町を「占領」し、ほとんどがファルージャ住人からなる「戦士を破壊」しようとしているのである。キミット将軍は今日、「我々はパトロールを送り込もうと考えているが、この停戦協定を順守する」と繰り返した。同時に彼は、何の正当化もなしに、イラクの人々を空から攻撃するためにアパッチ戦闘ヘリを投入している。けれども、むろんこれは、停戦を破ったことには相当しない---少なくとも我らがアメリカの特派員たちは、そのようには報道しない。自分たちのカメラマンが、アパッチがファルージャに向けて砲撃を加え、建物が煙に包まれているシーンを写しているにもかかわらず。
キミット将軍は、誰を騙そうと考えているのだろうか---多分、我らがアメリカのメディアだろうと思う。というのも、パトロールを送り込むことはファルージャの人々を敵に回す結果となり、また、人々を脅す行為でもあることを理解していないのは、世界中で、アメリカのメディアだけだからだ[朝日新聞の、自分の脳が緩んでいることにすら気付かないほど脳が緩み切っているお偉いさんも]。だから、ファルージャの人々は、招かれたわけでもないのに町を徘徊する敵意あるパトロールに向けて発砲する。そして、アメリカのメディアにとって、それは敵対行為であり、ファルージャの人々の側が悪いのであり、だからファルージャの人々は「停戦を破っている」と我らがメディアの特派員は叫ぶ。
残念ながら、我らがメディアが呈示する戦争の構図の極めて多くが逆さまであり、そこで用いられる捻れた言葉から成り立っている語彙もまた、逆さまである。
たとえば、上にあげた「外国から来た戦士」という言葉を考えてみよう。まるでイラク人がイラクで外国人であり、アメリカ人こそがイラクの本来の住人であるかのようだ。
「反乱軍」という言葉を見てみよう。まるで、イラクの人々には、自分の家や町を守る権利がなく、我々アメリカ人こそが何が基準で何が法であるかを宣言する権利があり、したがってたまたまイラクにもとから住んでいた人々は今や「反乱軍」である、とでも言わんばかりである。
我々アメリカはアパッチ戦闘ヘリとF16戦闘機、そして様々なミサイルを使って家々や女性、子ども、学校、病院を破壊している。それにもかかわらず、自分たちの家や家族、文化を破壊から守ろうと我々を止めるために立ち上がる人々のことを「テロリスト」と呼ぶ。ここでもまた、我らが米軍や米国政府の者たちは言語を逆さまにしている。そして、もちろん、我らがメディアは、こうした意味の悪用について疑問を呈することなく、キミットやラムズフェルド、シニョールやブッシュを補佐するのである。
昔馴染みのキッシンジャー用語もしばしば使われることはもちろんである:「我らはこの町を平定する」、すなわち、我々は反対者を殺し、そして多分「付随的被害」も多少は生じるだろう(つまり、反対者を殺すときに、ついでに多くの民間人も殺されるだろうということである)。我々の武器は「外科的に精密」で「正確」である---つまり、その多くは、標的から50から100ヤード以内のところに着弾するということである。第一次イラク戦争のときに、我々はこのようなことを耳にしたが、あとになって、実際には、60パーセント以上の我らがミサイルが、標的から数百ヤードあるいは数マイル離れたところに着弾したことが明らかにされている。
この戦争が、当時と異なると考える理由はどこにもないし、また、使われている嘘も異なると考える理由はどこにもない。
我々に反対する者は誰であれ「急進主義者」[日本では「反日分子」]であり、取り除かなくてはならない。もし私がイラク人で、誰かが勝手にやってきて国を略奪しようとしたら、私ならば応戦する---みんなはそうしないだろうか?
むろん、そうするだろう。それなのに、どうして、我らがメディアと政治家と軍は、それを理解できないように見えるんだろうか?
この『不思議の国のアリス』風言語使用には目がくらみそうだ---皆さんもそうだと思うけれど。残念なことに、我らがアメリカの指導者と将軍たちが言語を虐待している間に、数千人を超えるイラクの人々が殺され、国が略奪されている。
あるイラク人教授は次のように言っている:「アメリカ人たちは新たなモンゴル人だ[ちょっとモンゴル人に失礼かしら]---世界を征服したがっている。けれども、結局のところ、我々はモンゴル人を追い出した---しばらくの時間はかかったけれど」。我らが指導者とメディアと将軍たちが、この言葉を聞かんことを。とはいえ、実際に訊いたとしても、それが意味するところをきちんと理解できるかどうかは疑問である。イラク人は、誰が外国人であるか、そして誰がテロリストであるか知っている---世界のほとんどの人々も、また[小泉首相や川口外相は知らないみたいだけど]。アメリカ人の側は、目を覚まして自分たちの世界観がどれだけ転倒しているかわかるまでに、時間はかかるかも知れないけれど。
サム・ハモッドは米国国務省の元顧問で、サードワールド・ニュースの編集者。ワシントンDCにあるイスラム・センターの元所長。shamod@cox.netで連絡が取れるかも・・・。
27日夜から、米軍は、A130攻撃機や戦車砲でファルージャへの攻撃を開始しました。既に多くの情報源から、ファルージャで米軍が行なっている虐殺については明らかになってきていますし(犠牲者の数が本当にわかるのはずっとあとになるでしょう)、毎日新聞や東京新聞などでは、米軍の大本営発表以外の情報が掲載され、少しずつ状況が大手メディアでも伝わり始めているようです。
突然、自分が住む町に、武装した大集団がやってきて、小学校を占領し、反対行動を行なった非武装の住民に発砲して虐殺する。傭兵を雇い入れて、住民を侮辱し、連れ出して尋問し、拷問する。ついに住民の一部が武器を手にして立ち上がると、それを「テロリスト」と呼んで大規模な空爆を加え、ほかの住民も殺す。「停戦」と称して空爆は止めるけれど、怪我人を助けに行く救急車は狙撃し、狙撃兵が「夢のように」喜んで自分の腕前を発揮し、人々を殺す。
その上でまた、「停戦」と称して、その間に、自分の町や家族を守るために武器を手に取った人々に武器を放棄するよう要求し、「もしお前たちがテロリストなら、期限は明日までだ」と脅迫し、爆撃を加える。
毎日新聞4月29日付によると、米国は海兵隊をファルージャから撤退させ、イラク人治安部隊を投下する予定とのこと。ただし、英BBCによると、ペンタゴンは、それについては知らないと否定。手先とする現地の治安軍に住民の弾圧を行わせる戦略は、ラテンアメリカで、J・F・ケネディがラテンアメリカ諸国の軍隊を「国内治安」向けに大改造して以来、40年間米国がラテンアメリカをはじめ色々なところで使ってきた戦略ですが。
小泉首相の言葉:「我々はイラクで人道復興支援をしてるんですよ。戦争をしているわけじゃない」。「イラクのサマワで復興支援にあたる自衛隊は・・・・・・」。「国際社会の一員として、イラクの復興に・・・・・・」。占領軍の指揮下に入り、武装米兵の輸送まで行う自衛隊。
広島県選出の柏村武昭参議院議員は、26日に開かれた参院決算委員会で、イラクで拘束された人たちに対し、「自衛隊イラク派遣に公然と反対していた人もいるらしい。仮にそうなら、そんな反政府、反日的分子のために血税を用いるのは強烈な不快感を持たざるを得ない」と発言しました。
イラクからの、イラク人自身の声としては、バグダードバーニングそしてRaed in the Japanese Languageもご覧下さい。また、関連する情報としては、TUPや反戦翻訳団のページをご覧下さい。
抗議の意思表示をしたいとき、ジョージ・W・ブッシュ米国大統領のホワイトハウスのFAX番号は、
+1-202-456-2461
米国の国連代表部のFAXは:
+1-212-415-4443
国務長官には、
http://contact-us.state.gov/ask_form_cat/ask_form_secretary.html
からメッセージを送ることができます。
東京の米国大使館政治部の電話番号は、
03-3224-5330です。
大阪で、5月1日、米軍のファルージャ・ナジャフでの住民殺害に抗議し、医療支援カンパを求める緊急アクションがあるようです。
[行動予定]
5月1日(土)
午前10時30分〜11時 在大阪アメリカ総領事館前
(できるだけ15分前に集合してください。)
午前11時15分〜12:15分 大阪駅前歩道橋でビラまき・医療支援カンパ活動
行動予定は変更になる可能性がありますので、直前のホームページでご確認下さいとのことです。
http://www.jca.apc.org/stopUSwar/actions/actions_top.htm
大阪付近の方、よろしければどうぞ。また、大阪駅前歩道橋を通りがかった方、カンパだけでも。