ビリンからの手紙
2010年1月7日
アブダッラ・アブ・ラフマ
ZNet原文


ビリン村のアブダッラ・アブ・ラフマによるこの手紙は、監獄の房から弁護士が取り次いだものである。

2010年1月1日

友人の皆さん

新たな10年の始まりを私は軍の収容所で向かえました。それでも、占領当局の留置場から、私は決意と希望をもって新たな年を向かえています。

イスラエルが軍事作戦として、パレスチナ人の闘いを率いる人々を投獄していることは、私たちが進める非暴力の闘いが有効であることを示しています。私たちの運動が勢いを増していることに占領者たちは脅威を感じ、粉砕しようとしているのです。けれども、私たちを投獄することで人々の闘いは止められないことを、イスラエルの指導者たちには理解していません。

露天の監獄と化したガザに閉じ込められていようと、西岸の軍刑務所に拘留されていようと、アパルトヘイト・ウォールに囲まれた故郷の村に閉じ込められようと、逮捕も迫害も私たちを弱めはしません。そうした迫害により、占領に対する非暴力の草の根レジスタンスによって2010年を解放の年にしようという私たちの決意はますます強化されます。

私を含め多くの人々が自由のために払った犠牲を考えて私たちが思いとどまることはありません。二人の娘と幼い息子が私と同じ犠牲を支払わなくてよいことを望みますが。息子と娘たちのために、彼ら彼女らの将来のために、私たちは自由を求め闘い続けなくてはなりません。

今年、人民闘争調整委員会は2009年の成果をさらに広げる予定です。2009年に皆さんが行った国際的なボイコット・キャンペーンおよび普遍的管轄のもとでの国際的な訴訟により、パレスチナの人々が行うデモはいっそう力強いものになりました。

私の村ビリンでは、イスラエル人実業界の大物レブ・レビエフと彼が支配する会社アフリカ=イスラエルが、私たち、そして他の多くのパレスチナの村や町から盗んだ土地に入植地を不法に建設した事件に関係していることが暴かれました。アダラ=NYは、戦争犯罪には代償がともなうことをレビエフに示す国際的なキャンペーンを進めています。

私たちの村は、イスラエルのアパルトヘイト・ウォールが分断した村の土地に入植の建物を建設し売り込んだことで、カナダの企業二社を訴えました。先例となるだろうこのケースをめぐる訴訟は昨年夏にカナダの法廷で始まり、現在も続いています。

ビリンは、イスラエルの不動産エンパイヤーにとって墓場となりました。関係した企業は一つまた一つと、パレスチナから盗んだ土地に家を建てる費用が利益よりも高いことになり、破産に近づいています。

イスラエルとは違い、私たちには核兵器も軍隊もありませんが、それらを必要ともしていません。私たちの大義の正当性が皆さんの支援を集めています。軍隊も、監獄も、壁も私たちを阻止することはできません。

皆さんに

アブダッラ・アブ・ラフマ
オファー軍収容所より

関連リンク
アブダッラ・アブ・ラフマに自由を
ビリン村


夫はイスラエルが作った分離壁に抗議して投獄された
マジュダ・アブ・ラフマ
ZNet原文
2010年1月6日

2008年の世界人権デーに、私の夫アブダッラ・アブ・ラフマはベルリンで世界人権協会からメダルを授与されました。昨年の同じ12月10日、アブダッラは、午前2時に、西岸にある私たちの自宅に侵入してきたイスラエル軍兵士に拉致されました。アブダッラが逮捕されたのは、人権協会からメダルを授与されたのとまさに同じ理由、すなわち、イスラエル/パレスチナの正義と平等、平和を求める非暴力の闘いのためでした。

夫はパレスチナのビリン村出身で、学校の先生と農業を兼業しています。イスラエルがビリン村にアパルトヘイト・ウォールを建設したとき、ビリン村は半分以上が壁によって隔離されました。不法な入植地マッティチャフ・イーストの拡大を促すためです。それに対して、アブダッラは他の村人たちとともに、非暴力のレジスタンス運動を始めました。この5年間、金曜日ごとに私たちはイスラエル人および世界各地から来た支援者とともに行進し、私たちの土地と暮らしを盗んだことに抗議しました。

2007年9月、イスラエル最高裁は、ビリン村の壁のルートは不法であり、変更すべきであるとの裁定を下しました。それから2年以上経った現在も、壁はそのまま移動さえされていません。多くの人が意気消沈する中、アブダッラは人々に、この運動と国際的な支援により壁を撤去させることができると説得しました。

草の根の運動が育つにつれて、私たちの行動をやめさせようという圧力も強まりました。イスラエル軍は、抗議に参加する人々に向かって武器を使い、参加者を逮捕するよう命令を受けました。親愛なる友人バッセム・アブ・ラフマは、デモに参加しているとき、イスラエル軍兵士に話しかけようとして、兵士たちに殺されました。暴力的な夜襲で、77人が逮捕されました。

アブダッラの従兄弟、アディーブ・アブ・ラフマも逮捕された一人でした。アブダッラと同様、アディーブも欠かさずデモに参加し、非暴力を貫きました。9人の子を持つアディーブは現在まで5カ月にわたり投獄されており、いつ解放されるかわかりません。私たちの自宅を最初にイスラエル兵が襲撃して以来、7歳になる娘のルマは夜中に叫び声をあげて目を覚まし、5歳の娘ラヤンは夜、失禁するようになりました。9カ月の息子ライスは笑顔でけらけら笑いますが、父を呼ぶとき、私が涙にくれます。

元米国大統領ジミー・カーターや南アの反アパルトヘイト闘争を指導した一人デズモンド・ツツ大司教といった世界の主導的人物たちがビリン村を訪れました。昨年8月、彼らはバッセムの墓をアブダッラとともに訪問しました。ツツ氏は私たちに次のように語っています。「インドではガンジーという名の取るに足らない一人物が非暴力の闘いを成功させ、米国ではローザ・パークスやマーティン・ルーサー・キングのような普通の人々が市民権運動を率いたように、非暴力運動を率いているビリンの普通の村人が、人々に自由をもたらすでしょう」。

逮捕される前日の午後、アブダッラは世界人権協会で代読される予定の原稿を準備していました。ドイツの式典にアブダッラが参加することをイスラエルが禁じたためです。アブダッラは次のように書いています。

「今年の受賞者と喜びを分かち合い、皆さんとともにベルリンの壁崩壊20周年記念を祝うことができればと思います。けれども、イスラエルによる占領のために、私たちは国家の樹立や土地、そして人々の命が頻繁に奪われているだけでなく、多くの美しい瞬間に立ち会う機会も略奪されているのです」。

「私の母は8月、パレスチナの歴史的首都でありながら占領下に置かれた東エルサレムの病院で息を引き取りましたが、イスラエルの占領当局は私が母に会うことを認めませんでした。イスラエル人の友人が母の耳元に携帯電話を添えてくれたので、私は電話でさよならを言い、そしてこれまで私に注いでくれた愛情に感謝することができました。占領が私たちに科す数々の困難と闇の中で、世界中で正義を求める皆さんのような人々に力づけられます」。

「私たちはイスラエルのように核兵器を持ってもいませんし、武器もありません。けれども、それらを欲しいとも思わなければ必要でもありません。皆さんの支援と私たちの大義により、イスラエルのアパルトヘイト・ウォールを崩壊させましょう」。

アブダッラが家から軍事刑務所に連れていかれてから12時間後に、私は、オバマ米国大統領がノーベル平和賞を受賞し、「正義を求める中で投獄され殴打された世界中の男女」について話すのを聞きました。私はバッセムとアディーブ、そして夫のことを思い、自由を求める私たちの闘いを支援する行動をオバマ大統領が起こすだろうかと考えたのです。

[訳注:boycottilに関連する情報があります。占領のもとで暮らすことがどのようなことかについては『[占領ノート 一ユダヤ人が見たパレスチナの生活』(現代企画室)をお読みください。]


■ 普天間基地はいらない 1月30日全国集会

日時:2010年1月30日(土)
   14:00開会 16:00デモ行進
会場:日比谷公園・野外音楽堂
内容:沖縄からの報告、国会情勢報告、参加団体からのアピール
 ※デモ行進は日比谷公園~銀座~東京駅~常盤橋公園(解散)を予定
主催:1・30全国集会実行委員会
連絡先:フォーラム平和・人権・環境
   電話03(5289)8222
注意:第1回目の実行委員会なども開いておらず、日時と会場以外は未定のままです。今後の情報は上記ウェブを。

■ 辺野古通信

辺野古通信ご覧ください。

■ 京都 ヒロシマ・ピョンヤン上映と伊藤孝司監督講演

日時:2010年2月12日(金)
   18時30分開場 19時開演
場所:キャンパスプラザ京都
   (JR京都駅ビル駐車場西側)
主催:映画「ヒロシマ・ピョンヤン」京都上映実行委員会
問合せ先:FAX:075-752-1055

■ もう、ごめん!石原コンクリート都政シンポジウム

日時:2010年2月13日 (開場6:00) 6:30~8:30
場所:東京ウイメンズプラザホール(表参道駅 徒歩7分)
主催:東京を考えるシンポジウム実行委員会
呼びかけ人: 宇都宮健児、上原公子、鈴木邦男、土肥信雄 (12月5日現在)
賛同団体: 日本消費者連盟 外環道検討委員会 東京。をプロデュースⅡ 他
問合せ先:東京。をプロデュース

■ 戦争も基地もいらない WORLD PEACE NOW 3.20

日時:3月20日(土)開場12:00 開会13:00
   パレード出発15:00(雨天決行)
会場:東京芝公園4号地(JR「浜松町」徒歩12分、
   地下鉄三田線「御成門」徒歩2分、
   地下鉄大江戸線「赤羽橋」徒歩2分)
詳しくはWORLD PEACE NOW HPで。

■ 戦争を考える<シリーズ31>

2010年1月30日(土)13:30~
拉致対論*ライブ*
北朝鮮制裁に代えて、対話を進めよ
対談
 蓮池 透さん(元拉致被害者家族会事務局長)
 太田 昌国さん(民族問題・南北問題研究者)
場所:国分寺労政会館 第4会議室
  (JR国分寺駅南口徒歩4分  042-323-8515)
資料代:800円
主催:うちなんちゅの怒りとともに!三多摩市民の会
  (連絡先:042-592-3806 古荘)

■ 韓国併合100年、東アジア共同体に向けた課題
  -「建国記念の日」を考える2・11集会

主催:フォーラム平和・人権・環境(平和フォーラム)
日時:2009年2月11日(木) 13:30~16:00 開場・受付開始13:00
場所:自治労会館6Fホール(第1会館)
   千代田区六番町1 Tel03-3263-3739
   JR・地下鉄 市ケ谷駅・四ッ谷駅・麹町駅下車
内容:主催者あいさつ
 講演「東アジア共同体と中国・日本」
  講師 莫邦富(モー・バンフ)さん (ジャーナリスト)
 講演「愛するとき奇跡は創られる-在日三代史と未来への夢」
  講師 宋 富子(ソン・プジャ)さん (高麗博物館館長)
参加費:500円(資料代を含む)
備考:チラシ

■ 在日外国人青年シンポジウム
  -マイノリティとともに考える「多文化共生」-

日 時:2010年2月21日(日) 13:00~17:00(12:30開場)
場 所:大阪市立中央会館 ホール
    大阪市中央区島之内2-12-31 TEL:06-6211-0630
    地下鉄堺筋線・長堀鶴見緑地線「長堀橋」駅より徒歩8分
資料代:800円
主 催:在日コリアン青年連合(KEY)

■ 安保50年の「日米同盟」を読み解く
  ~普天間問題・米軍再編の行方~

講師 半田滋さん(東京新聞編集委員)
日時 2月8日(月) 午後6時半~
会場 東京・文京区民センター 2階A会議室
 (春日駅すぐ・後楽園駅3分・水道橋駅8分)
参加費 800円(会員500円)
主催 国連・憲法問題研究会

■ 市民による「事業仕分け」―― 2010年度防衛予算を斬る!

日時 2010年2月5日(金) 午後7時~9時
場所 東京・富士見区民館 洋室C
 [JR、有楽町線、南北線、東西線、大江戸線「飯田橋駅」徒歩5分]
 (TEL:03-3263-3841、「国連・憲法問題研究会」名で借りています)
案件と仕分け人
 PAC3用改修費(639億円)等「ミサイル防衛」経費(1,225億円)
  杉原浩司(核とミサイル防衛にNO!キャンペーン)
 大型ヘリ空母(ヘリ搭載護衛艦)建造費(1,208億円)
  木元茂夫(すべての基地に「No!」を・ファイト神奈川)
海兵隊グアム移転費(472億円)を含む「米軍再編」経費(1,077億円)
  山口響(ピープルズ・プラン研究所)
参加費(資料代) 500円
益岡賢 2010年1月17日

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