12月の寒い日に、彼らはやってきた:危機的状況のガザ
2009年12月28日
ソーニャ・カルカル
CounterPunch原文


12月の寒い日に、彼らはやってきた。恐れを知らぬ勇猛な戦士ではなく、怯えた、ただし復興の余地なきまでにガザを破壊し民族虐殺を加える決意を抱いた、兵士の群れが。それが1年前のガザである。

この攻撃により、無関心の満足に浸っていた世界の目はついにイスラエルがパレスチナ人 ----完全に追放されてはいないが自分たちの土地で収容所に追い込まれすし詰めにされ監禁されている人々----に加えている無慈悲な残虐行為に向けられた。三週間にわたる虐殺と破壊で事実をごまかしようもなくなり、60年にわたって西洋が情熱を注いできた「イスラエルの治安」という欺瞞が否定しようもなく明かになった。

遺体は、嘘をつかない。手足を失った人々、破壊された光景も、嘘をつかない。何千という人々が、自分が目にした恐怖、そして自分たちがその中に打ち捨てられた廃墟に取り残され、何とか状況を理解しようとした。見渡す限りの瓦礫が、村や町にかつて建っていた家々を思い起こさせる中、家を失った人々はテントに押し込まれながら、一年にわたり、家を再建するための資材が届くのを待ち続けている。食べ物は不足し、水は汚染され、燃料と電気は配球せいで医薬品もほとんどない状況。パレスチナ社会を耐えがたい状況に押しやっている数多くの残酷で理不尽な権利剥奪に上乗せされた、さらなる剥奪。

これが、ガザの状況である。イスラエルによる封鎖包囲で大損害を受け、ホルムアルデヒド漬けにされた150万人の人々。人権団体が繰り返し何度も何度も目撃し記録してきたイスラエルの犯罪に対し、世界の指導者たちは目をつぶってきた。世界の主要メディアはこれまでずっと真実を避け、人道危機を知らせようとする国際的な活動を意図的に無視してきた。こうして政治家とメディアは、一民族の人間性を剥奪するイスラエルに加担してきた。

私たちも、ここで沈黙し何もしなければ、この犯罪に加担することになる。事実を知って同情するだけでは十分ではない。人々が関与する----学び、考え、伝え、行動に乗り出す----ことによってのみ、変化は訪れる。

世界各地から2000人近い人々が行動を起こした。現在、人道支援物資を積んだトラックからなるビバ・パレスチナの車列で欧州を3週間行進した約200人がヨルダンに到達しており、それにギリシャ、トルコ、ヨルダンから300人が加わった。さらに、12月31日に予定されているガザ解放行進のために世界中から1400人がエジプトに集まった。どのグループもガザに入る許可を得ていない。これらの人々と行動をともにできない私たちは、ここで貢献することができる。

時間はほとんどない。政府や大使館、メディアに、手紙やファックス、電子メールを書く必要がある。一通を書いただけで終わらせるのではなく、書きつづけること。友人たちや家族にも、手紙を書くよう促さなくてはならない。

自国政府に、エジプトに圧力をかけてラファ国境を開くよう求め、イスラエルに圧力をかけて封鎖を解くよう求めなくてはならない。メディアがニュースを求めて我々の回りを嗅ぎ回るように、私たちはメディアを追求しなくてはならない。ガザの物語を広める必要がある。封鎖されたガザに援助物資を運ぶ人々と車列は、物語の一部に過ぎない。物語の核心にあるのは、イスラエルがパレスチナ人の祖国でパレスチナ人に対する民族浄化を行っていることである。

こうした悲惨のすべてを扇動したイスラエルの責任を追求しなくてはならない。イスラエルはあまりに長い間、何の処罰も受けずに行動してきた。イスラエルは世界問題のごろつきであり、我々の指導者とメディアは恥ずべきことにびくびくしている。人々が結集することによってのみ流れを変えることができるのだから、力を合わせなくてはならない。私たちもイスラエルの犯罪的企てに怯えて取り込まれる前に。

パレスチナ人の人権を擁護することは、反ユダヤ[セム]主義ではない。というのも、パレスチナ人もまた、セム人なのだから。それはまた反イスラエルでさえない。そうではなく、パレスチナ社会を永遠に分断し消し去ろうとするイスラエルのシオニスト政策とその実践に反対することである。シオニスト政策があまりに野蛮で、またユダヤの教えにあまりに反するため、すでに多くのユダヤ人が自分たちの名のもとでなされていることを恥じて反対の声をあげている。

私たちもまた、見苦しくない名誉ある世界市民として、あまりに長いこと続けさせてきた事態を前に恥じ入り声をあげる必要がある。恐ろしい犯罪が犯された。そしてさらに恐ろしい犯罪が犯される可能性もある。実際、これまでずっと、私たちは、ゆっくりとしたジェノサイドを目にしながら、罪悪感とか現実主義、利己的関心などにより、共通の人間性を蔑にしてきた。世界は「もうたくさんだ」と言い、シオニスト指導者たちと提唱者たちをこれ以上甘やかさないようにする必要がある。彼らは好き勝手できたことで、傲慢の極みにあるのだから。過酷な冬がガザに残された希望をすべて凍らせる前に世界中で取り組みを始め、パレスチナ全体が解放されるまでそれを続けなくてはならない。そうでなければ、21世紀のジェノサイドを促すことになってしまうだろう。

ソーニャ・カルカルは「パレスチナに連帯する女性たち」の創設者でメルボルンの「パレスチナに連対するオーストラリア人」の共同創設者。パレスチナに関する数多くの記事を、さまざまな電子ジャーナルやニュースに寄稿している。それらは、彼女が編集するウェブサイトhttp://www.australiansforpalestine.com/で読むことができる。メールはs o n j a k a r k a r [at] womenforpalestine dot org.


■ ガザ攻撃から1年 声明と賛同募集

NGO/NPOの20団体が民主党・社民党・国民新党連立政権に対して日本の中東政策の抜本的な転換を求めるガザ虐殺を繰り返させないための共同声明を出しました。ウェブ上で声明への賛同者を募っています。

なお、デモクラシー・ナウ!ジャパンでは、一年前のガザ危機に関する良質の報道を見ることができます。

日本のメディアでも、例えば「穏健派アッバス大統領」「過激派ハマス」といった、パレスチナで実際に起きていることの理解を阻害する紋切り型が流布しています。パレスチナの背景と状況、地理を知るために、よろしければぜひ、エリック・アザン著『占領ノート 一ユダヤ人が見たパレスチナの生活』(拙訳・現代企画室、2008年)をお読み下さい。

■ 普天間基地はいらない 1月30日全国集会

日時:2010年1月30日(土)
   14:00開会 16:00デモ行進
会場:日比谷公園・野外音楽堂
内容:沖縄からの報告、国会情勢報告、参加団体からのアピール
 ※デモ行進は日比谷公園~銀座~東京駅~常盤橋公園(解散)を予定
主催:1・30全国集会実行委員会
連絡先:フォーラム平和・人権・環境
   電話03(5289)8222
注意:第1回目の実行委員会なども開いておらず、日時と会場以外は未定のままです。今後の情報は上記ウェブを。

■ 辺野古通信

辺野古通信ご覧ください。

■ 先住民族アイヌの権利回復を求める署名の要請

おんな組いのちHPに、先住民族アイヌの権利回復を求める署名の要請があります。

■ 沖縄発 ドキュメンタリー映画上映

悼画『金城祐治さん』
日時:2010年1月16日(土)
会場:福岡市民福祉プラザ「ふくふくプラザ」5階視聴覚室
   福岡市中央区荒戸3丁目3番39号
開場:午後6時   開演:午後6時15分~
   上映後、輿石正(こしいしまさし)監督のトーク
参加費:一般 800円 学生 500円

■ 京都 ヒロシマ・ピョンヤン上映と伊藤孝司監督講演

日時:2010年2月12日(金)
   18時30分開場 19時開演
場所:キャンパスプラザ京都
   (JR京都駅ビル駐車場西側)
主催:映画「ヒロシマ・ピョンヤン」京都上映実行委員会
問合せ先:FAX:075-752-1055

■ 山谷越冬闘争カンパのお願い

東京・山谷日雇労働組合
TEL/FAX 03-3876-8040
E-mail:tokyo_yamanichiro@yahoo.co.jp
住所:東京都台東区東浅草2-1-6
郵便振替:00180-2-592246
*古フトンなども不足しているとのことです。

■ もう、ごめん!石原コンクリート都政シンポジウム

日時:2010年2月13日 (開場6:00) 6:30~8:30
場所:東京ウイメンズプラザホール(表参道駅 徒歩7分)
主催:東京を考えるシンポジウム実行委員会
呼びかけ人: 宇都宮健児、上原公子、鈴木邦男、土肥信雄 (12月5日現在)
賛同団体: 日本消費者連盟 外環道検討委員会 東京。をプロデュースⅡ 他
問合せ先:東京。をプロデュース

益岡賢 2009年12月30日

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