東ティモール:独立の忘れられた犠牲者たち
2009年6月16日
エイジ紙
東ティモール人2万人以上が、インドネシアとの国境で窮乏した暮らしを送っている。
マリア・アウグスタ・マルティンスは、息子がどうして死んだのかわからない。
18歳になるマリアの息子は2日間、頭の奥に激しい頭痛を感じたが、病院には行かないと言い張った。バイクで病院に行くと彼は死ぬかもしれないし、うちでは薬を買う金もないじゃないか、と彼は母に言った。3日目、息子のオノリオ・マルティンスは死んだ。
夫、そして残った5人の子と暮らす木造のあばら屋で、マルティンス夫人は息子の写真をしっかり握りしめた。「ここに一人で座っていると、息子の命を救うために何もできなかったことを本当にすまなく感じます」と彼女は通訳を通して語った。
マルティンス夫人と家族は、東ティモール人難民で、1999年、住民投票後の虐殺のときに、ほかの人々とともに、インドネシアの西ティモールに逃げてきた。
それから、ほぼ10年。これらの人々は忘れ去られた。2万人以上が、国境沿いおよび西ティモールの州都アタンブア近くに点在する60ほどのキャンプに、忘れ去られたまま暮らしている。
そのほとんどが、独立ではなくインドネシア内での自治に投票したため、東ティモールに戻れば報復にあうのではないかと恐れている。そのため、土地もなく、支援もほとんどないままに、身を削るような貧困生活の中で何とかそのまま生き延びている。
2002年、難民はインドネシアにとどまってよいとインドネシア政府は発表し、彼ら彼女らを「新市民」と名づけた。けれども、帰郷を望む人々は多い。
東ティモール政府は、支持政党にかかわらず、難民の帰還を歓迎すると言っているが、復員は難しい。所有地は他の人たちが耕しているし、昔の家には他の人々が住んでいる。
東ティモールで、マルティンス夫人と夫(名前の公表を望まなかった)はエルメラ県で小さなコーヒー園を所有し、一日3度の食事をしていた。現在、一家はハリウェン・キャンプに住み、夫は薪を集めて働き、食事は一日1度だけである。仕事がない日は、食事もしない。
「私たちは皆、同じ人間です・・・・・・希望をもち、よりよい生活のために奮闘しようとしています」とハリウェン・キャンプの報道担当、サチュルニニョ・ド・ロサリオは言う。
官僚は、米とガス、教育の補助を受けるために必要な、本来無料のIDカードを手に入れるために金を出さなければならないと言う。IDカードを手に入れるために必要な2万5000ルピー(3・05豪ドル)は、一週間分の収入である。
インドネシア政府は、難民を住ませるために、約80カ所の入植地を造った。キャンプより状況はましだが、水道も電気もなく、住民によると木造の家は崩れはじめているという。
1600人強が暮らすアイタマン=マンレテン入植地を「ジ・エイジ」紙記者が訪問したとき、平服のインドネシア軍諜報士官たちが群集に混じって議論を操作しようとした。難民の代表者たちはあとで、人々は怖がって質問に自由に答えることができなかったと語った。
この10年間、難民キャンプで働いてきたCISティモール・ボランティア協会の代表ウィンストン・ロンドは、最大の問題は、農地がないことだと語る。
インドネシアが東ティモールを侵略したときオーストラリアはインドネシアと共謀したのだから、オーストラリアには、東ティモール人難民の政治的立場に関わらず、難民に対する負債があると彼は言う。「誰一人責任を取ろうとしない。難民たちはこれからどうすればよいかわからないままである。希望を失っている」。
■ 「沈黙を破る」上映会・講演会
日時:6月20日(土) 午後6時半~8時半
場所:名古屋YWCA ビッグスペース
(地下鉄東山線「栄」下車 東5番出口 徒歩5分)
http://www.nagoya-ywca.or.jp/toiawase.htm
内容:土井敏邦さんの映像とお話
参加費:800円
主催:不戦へのネットワーク
協力:GAIAの会、
名古屋YWCA、
有事法制反対ピースアクション、
東海民衆センター、
名古屋NGOセンター(後援)
■ 神戸・南京をむすぶ会/学習会「学校で戦争を教える」
日時:2009年7月10日(金)午後7時~9時
会場:神戸学生青年センターホール
阪急六甲下車徒歩3分、JR六甲道下車徒歩10分
TEL 078-851-2760 http://ksyc.jp/map.html
参加費:500円
主催:神戸・南京をむすぶ会
〒657-0064 神戸市灘区山田町3-1-1 神戸学生青年センター内
ホームページ http://ksyc.jp/nankin/ e-mail hida@ksyc.jp
後援:神戸学生青年センター
■ ドキュメンタリー「Roots of Many Colors」上映会
日時:6月20日(土) 13時~18時
場所:早稲田大学26号館地下・多目的講義室(B104)
(大学キャンパス地図)
13時~14時30分 ドキュメンタリー上映
「Roots of Many Colors」(76分、2008年)
監督:宮ヶ迫ナンシー理沙 制作:永野絵里世
14時30分~15時30分 「Roots of Many Colors」をめぐる対話
15時45分~18時 シンポジウム
「多様な映像表現の制作と配給・流通を支援促進するシステム構築に向けて」
■ アジア労働者交流集会 in 神戸
日時:2009年7月1日(水)午後6時30分~
ゲスト:キム・ギョンウクさん(イーランド一般労組 委員長)
場所:神戸市勤労会館多目的ホール
会費:1000円
主催:アジア労働者交流集会 in 神戸実行委員会
(神戸学生青年センター/兵庫社会労働運動セン
ター/自立労連神戸支部(aluikobe@yahoo.co.jp))
■ 「泡瀬干潟埋め立て事業」について一緒に考えてみませんか?
日時:6月27日(土) 14時~16時
会場:全水道会館中会議室
(JR水道橋駅 東口 徒歩2分、都営地下鉄三田線水道橋駅 A1出口 徒歩1分)
プログラム
・VTR上映
・水野隆夫氏講演(質疑応答有り)
・大学生による講演
・写真展
■ 入門セミナー<女性に対する暴力>の克服に向けて
日時:7月10日(金)開場18:00
18:30-20:30
会場:八王子労政会館第4会議室
(JR八王子駅北口徒歩10分)
講師:杉井静子さん(弁護士)
演題:「セクシュアル・ハラスメントの最近の動向」
入場無料
主催 平和力フォーラム
協賛:八王子手をつなぐ女性の会
■ 「世界難民の日」シンポジウム
日時:6月27日(土) 15:00~18:00
場所:諫早市文化会館 2階展示室1
諫早駅前から徒歩10分 無料駐車場有り
(電話25-1500)
参加費:無料
主催:アムネスティ・インターナショナル いさはやグループ
協力:大村入管被収容者を支える会
連絡先:yukonozaki@yahoo.co.jp(野崎)