ガザで労働組合の建物が標的にされた
ムハンマド・オメール
2008年3月4日
The Electronic Intifada原文
ガザ市にある、破壊されたパレスチナ労働組合総同盟の建物、2008年2月29日(Wissman Nassar/Maanimagesより)
ガザ市発3月4日(IPS)。パレスチナ労働組合総同盟(PGFTU)の5階建て建物は、F−16ミサイル二発により、崩壊した。
1965年に創立されたこの組合は、イスラエルが国連決議が求める義務を履行し、国境をそれにしたがって受け入れ、パレスチナ人難民の帰還権を認めるmまで、国際社会がイスラエルをボイコットし、経済制裁をイスラエルに与えるべきだと呼びかけた先駆的な運動を導いた団体の一つだった。
先週木曜日(2月28日)の爆撃後、組合員たちはテントをはって活動を再開し、瓦礫の中からファイルと書類を集め始めた。
「占領者は、何の正当化も必要とせずにパレスチナ人に対して犯罪を犯します」とガザのPGFTU代表代行Nabil al-MabhouhはIPSに語った。けれども、PGFTUの建物が破壊されたのは、どうやら、「PGFTUで働く私たちが、パレスチナ人労働者何万人もの権利を擁護しているから」のようである。
Mabhouhは、自分の組織は軍事組織ではなく、「政治的見解や場所にかかわらず、すべての人々に開かれた、権利擁護の団体です」と言う。「様々な国の多くの労働組合と協力関係にあります」と。建物は、ノルウェイの援助で建てられたと言う。
「文民の組織を標的にすることは、イスラエルによるパレスチナ占領が、どれだけ野蛮で非道なものかを示しています」と彼は語る。「私たちはロケットを発射したりしません。労働組合の建物を標的にすることは正当化できません」。
この建物では、労働組合の健康保険を使って、何万人もの労働者とその家族に保健サービスが提供されていたという。
「パレスチナ人労働者を粉砕しようというこの犯罪を私たちは強く非難します。世界中の労働組合に、こうした犯罪的な行為からパレスチナの労働者を守るために、私たちに力を貸してくれるよう呼びかけます」。
こうした爆撃の例にもれず、攻撃により隣接する家々も損傷を被った。
パレスチナ自治政府関係者は、人口の密集したこの文民居住区域に対して10トンミサイルを二発使って攻撃を加えたと考えている。周囲のアパートが何百軒も損害を受けたことを見ると、それは納得がいく。
損害は深刻である。死者1人、負傷者37人----そのほとんどは女性と子どもで、負傷者の中にはShifa病院で重体状態の人もいる----に加え、周辺の家は大きな損害を被った。破壊された窓やドアは数え切れないほどで、家を支える構造壁も損害を受けたため、家を建て直す必要があるが、イスラエルによる包囲と封鎖、そして建築材料が不足しているため、再建は不可能である。
イスラエルが民間人を恐怖に陥れることを目的としていたのならば、その目的は達成された。
ある若い母親は、爆撃が始まったとき寝ていたと述べた。目覚めたときは建物全体が揺れていた。子どもたち5人は一晩中叫び続け、両親に、どこか安全なとこにかくまってくれと懇願していたという。
彼女は、窓ガラスを新しくすることはできないという。「[窓を覆うための]ナイロンさえ買えません」と夫は言い、この二年間は仕事がなかったと付け加えた。生き延びるために必要な最低限の食事以外は買う余裕がない、と。
爆撃で電線が切断されたため、地区全体が暗闇の中に突き落とされた。破片が水タンクにあたってタンクが水漏れを起こしたため、水不足も引き起こした。数日経った今(3月4日)でも、家々に水道は復旧していない。
Abu Eidahの車は落下してきた破片により被害を受けた。家財道具のほとんども被害を受けた。けれども、少なくとも家族全員が生き延びたので、何が起きたかを語ることはできる。
Abu Eidahは、今、新しい家を探し求めている。近くにまた空襲があれば、アパートは崩壊する恐れがある。親戚がAbu Eidahにアパートを貸してくれるというので、家族とともにそこに移るかも知れない。
ガザ全土で家を失った家族の数が増え、賃貸アパートの需要も増えた。援助団体のテントでは、ガザの寒くて雨がちな冬から人々を守ることはほとんどできない。その間、爆撃によって家を失った人々は、ロバ荷車を使って爆撃後に残された家具や所持品を運び出すために行ったり来たりしている。けれども、地区を離れることができる人は少ない。他の何百という家族は、その場所にとどまる以外にできることがない。冬の寒さの中、瓦礫の中に。
パレスチナ状況については、P-navi infoさんを継続してご覧下さい。また、イスラエル軍による残虐行為とパレスチナ人による銃殺事件の扱いの違いについては、猿゛虎゛日記にまとまっています。
イスラエルがパレスチナ人にさらなる攻撃を加えるかも知れません。イスラエル政府などに要請を継続して下さいとP-navi通信にありました。サンプルや宛先は、P-navi 通信をご覧下さい。
■ パレスチナ緊急報告会
パレスチナの状況をずっと追ってきた、日本ビジュアル・ジャーナリスト協会(JVJA)の>土井敏邦さんと古居みずえさんが、緊急の報告会を開きます。
日付:2008年3月15日(土)
時間:開場13:00 /映像上映・講演 13:30〜16:30
場所:明治>大学リバティータワー 9階 1096教室
資料代:1,000円
共催:現代史研究会/日本ビジュアル・ジャーナリスト協会
お問合せ:JVJA事務局 090-6101-6113 office@jvja.net
※先着順(予約は必要ありません)定員140名
プログラム:
(1) ガザ空爆と侵攻の被害状況・最新映像(解説・土井敏邦)
(2) 古居みずえ・報告
映像上映「ガザ住民の生活の現状」
解説(予定)
(3) 土井敏邦・報告
映像上映「ガザはどうなっているのか」
(第一部)封鎖と民衆
(第二部)ハマスと民衆
解説
○報告者・内容は都合により一部変更になる可能性があるそうです
■ World Peace Now ピースパレード
日時:3月22日(土)オープニング13:00 パレード出発14:30
場所:港区芝公園23号地
地下鉄三田線「御成門」徒歩3分
地下鉄大江戸線「赤羽橋」徒歩4分
JR「浜松町」徒歩12分
ピースパレード……アメリカ大使館へ
■ 反貧困フェスタ2008〜貧困をどう伝えるか〜
日時:2008年3月29日(土)10:00開会(〜16:00)
場所:千代田区立神田一橋中学校
東京メトロ半蔵門線・都営新宿線神保町駅(A1出口)4分
東京メトロ東西線竹橋駅(1b出口)5分
賛同金募集中
個人1口1000円
団体1口3000円より
郵便振替 00170-5-594755
加入者名 反貧困ネットワーク
通信欄に「反貧困フェスタ2008賛同金」とお書き添えください
詳細は反貧困フェスタ2008HPをご覧下さい。
■ イラク占領の五年を検証する集い
日時:3月30日(日) 午後1時30分より
会場:京都市立こどもみらい館 研修室B
地下鉄「丸太町」駅南東へ3分
講演:豊田護さん(ジャーナリスト)
参加費:500円
主催:イラク国際戦犯民衆法廷・京都の会
■ 辺野古・東村高江
現地からの最新情報があります。
■ 第40回 VIDEO ACT! 上映会
「君が代」斉唱!立たないとクビ?
日時:2008年3月26日(水)19時より
上映作品:『君が代不起立』(2006年/87分/DV)
会場:東京ボランティア・市民活動センター
(03-3235-1171)
東京・飯田橋セントラルプラザ10階
東京都新宿区神楽河岸1-1
JR中央線・地下鉄飯田橋駅下車 徒歩1分
参加費:500円
問合せ:ビデオアクト上映プロジェクト
(03-5261-2229, 090-3471-7475)
jyouei@videoact.jp