米国行政府の暴走
お茶の間の戦争犯罪者

ポール・クレイグ・ロバーツ
2007年8月31日
CounterPunch 原文


ジョージ・W・ブッシュがイラン攻撃の準備を進めていると公言している中、メディアは沈黙、議会は不在、そしてアメリカ合州国人は取り乱している。

米国海軍空母攻撃部隊がイラン沖に派遣される。

米国空軍のジェットとミサイル・システムがイランと国境を接する国々、イラン近くの国々に派遣される。

B−2ステルス戦闘爆撃機は3万ポンドの「バンカー・バスター」爆弾を搭載するために改修された。

米国政府はイラン国内のテロリスト・グループと分離主義グループに資金援助を与えている。

米軍特殊部隊がイラン国内でテロ作戦を遂行している。

米国の戦争方針は変更され、イランをはじめとする核非保有国に対する先制核攻撃をしてもよいことになった。

ブッシュがイランに向けている戦争の脅しは今年ますます激しくなった。アメリカ合州国の人々は、イラク[ママ]に対するあからさまな侵略攻撃を正当化するために繰り返し繰り返し嘘を刷り込まれている。

ブッシュは、イランは「世界中の国家の安全」を脅かしていると非難し、またイラク人のレジスタンスは「寛容を受け容れず、あらゆる反対を弾圧し、政治的権力を求めて罪のない男女、子どもを殺すことを正当化している」と非難するが、あまりに独善的なため、その言葉に含まれる暗い皮肉を理解することができない。世界中の大多数の人々がブッシュとその茶シャツ[人種差別主義者・ナチ信奉者をほのめかす]政府を指して使っているのは、まさにこうした言葉なのである。ピュー財団が世界で行なった世論調査では、アメリカとイスラエルによる大規模な反イラン・プロパガンダにもかかわらず、世界の人々はアメリカ合州国とイスラエルを、プロパガンダが悪魔として描き出したイランと少なくとも同じくらい、世界の安定に対する脅威と見なしていることが示されている。

ブッシュは人身保護規定を破棄し、ジュネーブ条約を破り捨て、拷問と秘密裁判を正当化し、批判者たちを反米と非難した。さらに、「情報クリアリング・ハウス」によるとイラク人100万人以上の死に対して責任を負っている。ブッシュは大量殺人者として歴史上でも上位にリストされる存在となっている。米軍がイラクとアフガニスタンで「殺した」人々の大多数は民間人である。

そして今や、ブッシュはさらに大量殺人を進めたがっている。我々は「あそこで」イラン人の奴らを殺さなくてはならない、とブッシュは言う。「奴らがここにやってくる前に」。イラン人であれ、それ以外のムスリムであれ、空軍も海軍も現代的な軍事技術のない集団が「ここにやってくる」ことなどあり得ないし、イラン人やムスリムが「ここにやって」こようとしていることを示す証拠は一つもない。ムスリムは分断されており、数世紀にわたって分断されていた。植民地支配に屈したのはそのためである。ムスリムが団結していたとすると、米国はイラクで今頃すでに軍を失っていただろう。実際、イラクに軍を派遣することさえできなかったかもしれない。

この間、米国のメディアは、共和党上院議員ラリー・クレイグが同性愛者かどうか、そして自分が同性愛者であることを否定したことでゲイを侮辱したかどうかを大々的に報じてきた。それに次ぐ人気トピックはと言えば、サウスカロライナの美人コンテスト女王が、彼女と同世代のアメリカ人が地図上でアメリカ合州国の場所を見つけられないのはどうしてかという単純な質問に答えられない理由の詮索である。

戦争犯罪者はお茶の間にいるが、誰もその事実を公言したがらない。

イランを侵略するために使える米軍兵士はいないため、ブッシュ政権はイランに空爆を加えて「石器時代に戻す」ことにした。空爆とミサイル攻撃を加えるのは、イランの原子力エネルギー計画を破壊するためだけではなく、社会インフラと経済、そして政府の機能を破壊するためでもある。

イラク人民間人に加えている大規模な犠牲に対して米国メディアと米国の人々が無関心であることに勇気づけられたブッシュ政権は、イラン空爆がイランの民間人に巨大な犠牲者を生み出す見通しがあるからといって攻撃を控えることなどしそうにない。昨年夏、ブッシュ政権は、レバノンの民間インフラと民間人住民に対してイスラエルが1カ月にわたって加えた攻撃を支持し、ムスリムの人々の命などまったく軽蔑しきっていることを世界に向けて示した。世界がイスラエルによる好き勝手なレバノン人民間人殺害を止めようとしたとき、ブッシュ大統領はそれを妨害した。ムスリムが暮らす中東地域を不毛の地に変えることがブッシュの政策であることは明らかである。ブッシュにとって、民間人犠牲者は取るに足りない問題である。偉大なるヘゲモニーよ。

ブッシュ政権はイラン攻撃のための戦争計画を立て、議会の事前の承認なしに部隊を配備した。明らかに、「統一支配人」は、イラン攻撃に議会の承認が必要だとは思っていない。何もせず静観するだけの議会は、この意志決定に対して何らの役割も果たし得ないことを自ら認めているようである。

ブッシュがもう一つの国を攻撃する決定をしたことに対して議会が疑問を差し挟むことはありそうにない。米国国務省は法的な隠れ蓑を発明した。すなわち、イラン軍を「テロリスト組織」と宣言し、現行の決議を口実にして戦争を始めることである。

「イラン問題」を作り出したのはブッシュ政権であってイランではない。他の多くの国々と同じように、イランは原子力エネルギー計画を進めており、それは核不拡散条約の調印国に認められた権利である。国際原子力機関の査察官は、イランが核兵器開発計画を持っているという証拠をまったく見つけていない。

ブッシュ政権はこの決定的な事実を無視した。ちょうど、イラク侵略前に、武器査察官がイラクには大量破壊兵器など存在しないと述べたにもかかわらず、ブッシュ政権がそれを無視したのと同じように。

ブッシュ政権は小うるさいIAEAの対イラン武器査察団を妨害することに成功した。イランはIAEAと首尾良く協力し、最近、IAEA高官が「画期的な合意」と呼ぶ合意に至った。ブッシュ政権はすぐさまこの合意の信憑性を貶めようとし、新たな子飼いのプードルであるニコラス・サルコジ仏大統領を使って「イラン爆撃」の脅しをかけた。

法的にいってブッシュ政権の立場は維持不能であり、実際、戦争をもう一つ始めるために無理矢理ねつ造したものにすぎない。ブッシュの主張によると、核不拡散条約調印国の中で、イランだけは同条約が保証する原子力エネルギー開発権をh否定されるべきであるという。それというのも、調印国の中でイランだけが唯一、IAEAの査察官を欺き核兵器を開発することができるからということらしい。したがって、条約が認める権利をイランにだけは与えるべきではない、と。

核不拡散条約をめぐるブッシュの立場は、他のあらゆる問題----ジュネーブ条約、外国諜報監視法、人身保護規定、憲法が認める三権分立、そして新法に好き勝手に付加する大統領署名文書など----と同様、法的な妥当性を欠くものである。ブッシュは、法の意味も条約の意味も、そのときどきのブッシュの都合で変わるという立場を取っている。

ブッシュは自身を「決定者」であると宣言した。アメリカ合州国人が憲法のもとで何らかの権利を持ちうるかどうかも、イランが核不拡散条約のもとで何らかの権利を持ちうるかも、すべてこの「決定者」が決める。「決定者」はイランには権利などないと決め、イランを攻撃するかどうかも決める。それについて誰一人口出しはできない。人々の代表は風に吹き飛ばされるゴミに過ぎない。

ブッシュがどんなかたちの統治をしているにせよ、人々に責任を負う立憲民主政府からは遙か遠くはずれたところにいる。ブッシュはアメリカ合州国を専制君主制に変貌させた。そして2009年1月にブッシュが引退したとしても、彼が行政府に集めた権力は残る。ブッシュとチェイニーを告発し有罪判決を下さない限り、米国議会と連邦裁判所が、行政府に並ぶ政府の組織に戻ることはあり得ない。

ポール・クレイグ・ロバーツはレーガン政権の財務次官補を務めた。彼はウォールストリート・ジャーナル紙社説の協力編集者、ナショナル・レビュー紙の寄稿編集者などを務め、また、The Tyranny of Good Intentionsの共著者でもある。メルアドはPaulCraigRoberts at yahoo . com 。


日本政府は小泉政権以来、ブッシュ政権による大量殺人を積極的に幇助してきました。

■テロ対策特措法等反対 衆院議面集会&官邸前行動

日時:2007年9月11日(火)17:30〜(約1時間)
場所:衆議院議員面会所(地下鉄国会議事堂前駅下車すぐ)および首相官邸前
主催:World Peace Now

■世界陸上

世界陸上の裏で、会場近くでは、野宿者が強制的に排除されています。また、野宿者を支援する一人が、24日に大阪府警に逮捕されました。詳細は、世界陸上と姑息な逮捕リンク集 野宿・排除・公園暮らしの関連記事をご覧下さい。また、不当逮捕された方についての続報は、釜ヶ崎パトロールの会 釜パト活動日誌をご覧下さい。継続的に新しい情報がアップされています。

カンパの送り先:
<郵便口座>00930-6-139747(大阪キタ越冬実名義)
      ※救援カンパなどと明記して下さい。

■どがんすっとね? 日本ば! パレスチナば! 佐賀/唐津

ジャーナリストの土井敏邦さんを囲んでパレスチナと日本を考える集いが全国で開催されています。佐賀では9月16日、唐津では17日。詳しいことは、チラシをご覧下さい。

また、8月31日発売の『週刊金曜日』に土井敏邦さんが「内紛と分裂? パレスチナはどうなるのか」という記事を掲載しています。

■辺野古・東村 高江(ひがしそん たかえ)

米軍再編ってどうよ?のページに東村 高江の紹介があります。また、基地建設阻止 おおかな通信やんばる東村 高江の現状もご覧下さい。

9月1日に入った情報によると、辺野古・高江とも陸上座り込みの重要度が増しているそうです。時間を作って現地へ来てくださいとの要請が回っています。

カンパ振込先
振込先 郵便振替口座 01700-7-66142
加入者名  ヘリ基地反対協議会

■World Peace Now Tokyo 2007

日時:2007年9月15日(土)11:00〜17:00
場所:芝公園4号地(JR「浜松町」徒歩12分、
   地下鉄三田線「御成門」徒歩2分、
   地下鉄大江戸線「赤羽橋」徒歩2分)
主催:World Peace Now

■あの戦場体験を語り継ぐ集い

日時:2007年9月21日(金)午後1時〜4時
場所:東京都千代田区・日比谷公会堂
交通:地下鉄・日比谷駅
入場料:無料
連絡先:戦場体験放映保存の会
    〒150-0047 東京都渋谷区神山町17‐1
    TEL:03-3465-6066 FAX:03-3465-1671

■牛丼「すき家」は残業代を法律どおり払え 渋谷街宣

日時・場所:9月2日(日)午後2:30〜渋谷宣伝

ハチ公前に街頭宣伝車を出します!
NPO法人もやい湯浅誠さんが応援に来ます!

午後2時30分〜 渋谷センター街 集合
午後3時10分〜 ハチ公前で街頭宣伝

首都圏青年ユニオンの追及で、大手外食チェーン「すき家」は昨年12月給与から残業代を払うようになりましたが、まだ過去2年間の残業代は払っていません。この問題を取り上げたユニオンとの団体交渉も拒否し続け、ユニオン組合員へのシフト差別(賃金差別)をしています。こんな法律違反・不当差別を行い続ける牛丼「すき家」に対し、残業代を法律どおり支払うよう求め、渋谷センター街にて大宣伝行動を実施し、ハチ公前に街頭宣伝車を出します。組合員以外の方の参加も大歓迎です!

とのことです。関係情報は、首都圏青年ユニオンHPをご覧下さい。
益岡賢 2007年9月1日

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